テノホビル単剤療法はエンテカビル耐性B型肝炎 ウイルスに対する「合理

テノホビル単剤療法はエンテカビル耐性B型肝炎
ウイルスに対する「合理的な」治療選択肢である
By Shreeya Nanda, Senior medwireNews Reporter
2015; Advance online publication
medwireNews:エンテカビル耐性ウイルスを有する慢性
療法群とTDF+エンテカビル併用療法群の間で差はみら
B型肝炎(CHB)患者に対し、テノホビルジソプロキシル
れなかった。
フマル酸塩(TDF)単剤療法は、TDF+エンテカビル併用
TDF単剤療法群の8例およびTDF+エンテカビル併用
療法と同様の有効性を示すとの研究結果を大韓民国ウル
療法群の5例は48週後もHBV DNA量が60 IU/mLを
サン大学医学部のYoung-Suk Lim、および高麗大学校
上回っていたことから、耐性遺伝子型解析を実施した。
医学部のKwan Soo Byunらが率いる研究チームが
その結果、
各群それぞれ6例および3例でベースライン時に
誌で報告した。
みられた耐性変異HBVが検出されたが、すべての患者に
エンテカビル耐性変異を1ヵ所以上有するウイルスに
おいて新たな耐性変異を獲得したウイルスの出現は確認
感染したCHB患者を、TDF単剤療法群またはTDF+エン
されなかった。有害事象および重篤な有害事象についても
テカビル併用療法群にランダム化し、
オープンラベル下で
両群間で同様であった。
治療を実施した。その結果、TDF単剤療法群45例のうち
なお、TDF単剤療法群の1例でウイルス再燃が認めら
71.1%で主要エンドポイントであるウイルス学的効果[48
れたが、同氏らはこのウイルス再燃は服薬アドヒアランス
週後における血清中B型肝炎ウイルス(HBV)DNA量<
不良によるものだと考察している。
15 IU/mL]が得られた。TDF+エンテカビル併用療法群
推定糸球体濾過量および血清リン酸値のベースライン
45例におけるウイルス学的効果は73.3%であり、両群間
からの平均変化量は小さく、両群間で同程度であった。
に有意差は認められなかった。
また、
4例
(各群2例)
でALT再上昇
(ALT値が正常上限の5倍
ただし、24週後から48週後にかけてウイルス学的効果
超に上昇)
が認められたが、
これらの事象は一過性であり、
が認められた患者数の上昇が緩やかになったことから、
HBV DNA量の増加を伴うものではなかった。
Lim氏らは治療期間の延長がウイルス学的効果に対し
Lim氏らは結論として、
「TDF単剤療法は、TDF+エンテ
有効か否かについては懸念があると指摘している。
カビル併用療法と抗ウイルス効果が同様で、
TDF耐性発現
TDF単剤療法群とTDF+エンテカビル併用療法群の
のリスクが極めて低く、
しかも低費用であることから、
エン
間で、
48週後におけるHBV DNA量<60 IU/mLの達成率
テカビル耐性患者に対する合理的な治療選択肢であると
は同程度であった。また、治療期間中の平均血清中HBV
考えられる」
と述べている。
DNA量の減少についても両群間で同様であった。
さらに、生化学的効果・血清学的効果[アラニンアミノ
トランスフェラーゼ(ALT)値の正常化・HBe抗原の陰性化
およびHBs抗原の減少]の各達成率についても、TDF単剤
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http://gut.bmj.com/content/early/2015/01/16/gutjnl-2014-308353.abstract
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