平成 26 年度経済統計分析入門
.
第 5 回 「ローレンツ曲線・ジニ係数」
原 尚幸
.
新潟大・経済
http://www.econ.niigata-u.ac.jp/˜hara/G-stat/
[email protected]
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
1 / 26
平等な分配とは?
問題 1
10 万円を 5 人に分配するときに, どのように分配する
のが最も平等で ,
どのように分配するのが最も不平等か?
.
5 人の分け前を (x1 , x2 , x3 , x4 , x5 ) のようにあら
わす
最も平等なのは各人 2 万円ずつ: (2, 2, .2, 2, 2)
最も不平等なのは 10 万円一人占め: (10, 0, 0, 0, 0)
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
2 / 26
平等な分配とは?
問題 2
(5, 2, 1, 1, 1) と (2, 2, 3, 2, 1) とではどちらが平等な
分配か?
.
平等:配分額の差が小さい
不平等:配分額の差が大きい
.
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
3 / 26
不平等性の定量的評価
2 つの分配 : (x1 , x2 , x3 , x4 , x5 ), (y1 , y2 , y3 , y4 , y5 )
小さい順に並べ替える
x(1) ≤ x(2) ≤ x(3) ≤ x(4) ≤ x(5)
y(1) ≤ y(2) ≤ y(3) ≤ y(4) ≤ y(5)
今の問題の例の場合
(x1 , x2 , x3 , x4 , x5 ) = (5, 2, 1, 1, 1)
⇒ (x(1) , x(2) , x(3) , x(4) , x(5) ) = (1, 1, 1, 2, 5)
(y1 , y2 , y3 , y4 , y5 ) = (2, 2, 3, 2, 1)
⇒ (y(1) , y(2) , y(3) , y(4) , y(5) ) = (1, 2, 2, 2, 3)
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
4 / 26
不平等性の定量的評価
次のようなことが成り立つとする
x(1)
x(1) + x(2)
x(1) + x(2) + x(3)
x(1) + x(2) + x(3) + x(4)
x(1) + x(2) + x(3) + x(4) + x(5)
≤ y(1)
≤ y(1) + y(2)
≤ y(1) + y(2) + y(3)
≤ y(1) + y(2) + y(3) + y(4)
= y(1) + y(2) + y(3) + y(4) + y(5) = 10
少なくとも一つの不等式は厳密に成立する (<) と仮定
x は y に比べて, 少ない配分の人が多い傾向
x は y に比べて, 少ない配分の人と多い配分の人の
差が大きい
x は y に比べて不平等と言える
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
5 / 26
不平等性の定量的評価
今の問題の例の場合
(x(1) , x(2) , x(3) , x(4) , x(5) ) = (1, 1, 1, 2, 5)
(y(1) , y(2) , y(3) , y(4) , y(5) ) = (1, 2, 2, 2, 3)
1=1
1+1<1+2
1+1+1≤1+2+2
1+1+1+2≤1+2+2+2
1 + 1 + 1 + 2 + 5 = 1 + 2 + 2 + 2 + 3 = 10
x の方が y より不平等
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
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マジョライゼーション
マジョライゼーション
T 円を n 世帯 (人) で分配する二つの分配
が
x = (x(1) , . . . , x(n) ),
x(1) ≤ · · · ≤ x(n)
y = (y(1) , . . . , y(n) ),
y(1) ≤ · · · ≤ y(n)
x(1) ≤ y(1)
x(1) + x(2) ≤ y(1) + y(2)
···
x(1) + x(2) + · · · + x(n) = y(1) + y(2) + · · · + y(n) = T
. .
を満たすとき, x の方が y より不平等であると解釈する
またこのとき, x は y をマジョライズするという.
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
7 / 26
マジョライゼーションの性質
均等な分配 (T /n, . . . , T /n) が最も平等
均等な分配は , 他のすべての分配にマジョライズされる
任意の 2 つの分配 x, y にマジョライゼーションの
関係が成り立つとは限らない
(例) x = (1, 1, 1, 2, 5), z = (0, 1, 3, 3, 3)
1>0
1+1>0+1
1+1+1<0+1+3
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
8 / 26
5 分位階級別年間収入 (勤労者世帯)
10, 000 世帯を収入の低い順から 2, 000 世帯ごと
の 5 階級に分けたときの, 各階級の収入の平均
年
2002 年
比率
累積比率
2010 年
比率
累積比率
累積世帯比率
I
349
0.093
0.093
331
0.095
0.095
0.2
II
532
0.142
0.235
497
0.144
0.237
0.4
III
IV
V
計
685
873
1302 3741
0.183 0.233 0.348 1.00
0.419 0.651 1.00
634
814
1208 3484
0.182 0.234 0.347 1.00
0.420 0.653 1.00
0.6
0.8
1.0
平成 22 年家計調査報告 (総務省統計局)
マジョライゼーション ⇔ 累積比率の比較
2010 年の方がマジョライゼーションの意味では
(若干) 平等
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
9 / 26
ローレンツ曲線
I
0.093
0.095
0.2
II
0.235
0.237
0.4
III
0.419
0.420
0.6
V
1.00
1.00
1.0
0.6
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
この直線を完全平等線という
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
1.0
.
平等な配分 ⇔ 全員の年収が等しい
⇔ 各階級の比率が 0.2
⇔ 累積比率が直線
. y=x
0.0
0.2
(0, 0) から出発して,
(累積世帯比率, 累積比率) を順に結んで
できる折れ線グラフ
0.8
1.0
ローレンツ曲線
IV
0.651
0.653
0.8
0.4
年
2002 年累積比率
2010 年累積比率
累積世帯比率
Oct 29, 2014
10 / 26
ローレンツ曲線
年
2002 年累積比率
2010 年累積比率
累積世帯比率
I
0.093
0.095
0.2
II
0.235
0.237
0.4
III
0.419
0.420
0.6
IV
0.651
0.653
0.8
V
1.00
1.00
1.0
0.8
0.6
0.0
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
この直線を完全平等線という
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
1.0
.
平等な配分 ⇔ 全員の年収が等しい
⇔ 各階級の比率が 0.2
⇔ 累積比率が直線
. y=x
0.2
0.4
(0, 0) から出発して,
(累積世帯比率, 累積比率) を順に結んで
できる折れ線グラフ
1.0
ローレンツ曲線
Oct 29, 2014
10 / 26
ローレンツ曲線
年
2002 年累積比率
2010 年累積比率
累積世帯比率
I
0.093
0.095
0.2
II
0.235
0.237
0.4
III
0.419
0.420
0.6
IV
0.651
0.653
0.8
V
1.00
1.00
1.0
0.8
0.6
0.0
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
この直線を完全平等線という
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
1.0
.
平等な配分 ⇔ 全員の年収が等しい
⇔ 各階級の比率が 0.2
⇔ 累積比率が直線
. y=x
0.2
0.4
(0, 0) から出発して,
(累積世帯比率, 累積比率) を順に結んで
できる折れ線グラフ
1.0
ローレンツ曲線
Oct 29, 2014
10 / 26
ローレンツ曲線とマジョライゼーション
0
0
0.4
0
0
0.6
0
0
0.8
10
1
1
0.6
0.4
0
0
0.2
0.0
x
累積比率
累積人数比率
0.2
10 万円を 5 人に分配する例
0.8
1.0
ローレンツ曲線は完全平等線の下側にくる
⇒ すべての配分は完全平等より不平等
x が y をマジョライズするとき (x が y より不平
等なとき), x のローレンツ曲線は , y のローレン
ツ曲線の下側にくる
0.0
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
Oct 29, 2014
11 / 26
ローレンツ曲線とマジョライゼーション
1
0.2
0.4
1
0.3
0.6
2
0.5
0.8
5
1
1
0.6
0.4
1
0.1
0.2
0.0
x
累積比率
累積人数比率
0.2
10 万円を 5 人に分配する例
0.8
1.0
ローレンツ曲線は完全平等線の下側にくる
⇒ すべての配分は完全平等より不平等
x が y をマジョライズするとき (x が y より不平
等なとき), x のローレンツ曲線は , y のローレン
ツ曲線の下側にくる
0.0
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
Oct 29, 2014
11 / 26
ローレンツ曲線とマジョライゼーション
2
0.2
0.4
2
0.5
0.6
2
0.7
0.8
3
1
1
0.6
0.4
1
0.1
0.2
0.0
x
累積比率
累積人数比率
0.2
10 万円を 5 人に分配する例
0.8
1.0
ローレンツ曲線は完全平等線の下側にくる
⇒ すべての配分は完全平等より不平等
x が y をマジョライズするとき (x が y より不平
等なとき), x のローレンツ曲線は , y のローレン
ツ曲線の下側にくる
0.0
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
Oct 29, 2014
11 / 26
ローレンツ曲線とマジョライゼーション
1
0.1
0.4
3
0.4
0.6
3
0.7
0.8
3
1
1
0.2
0
0
0.2
0.0
x
累積比率
累積人数比率
0.4
0.6
10 万円を 5 人に分配する例
0.8
1.0
ローレンツ曲線は完全平等線の下側にくる
⇒ すべての配分は完全平等より不平等
x が y をマジョライズするとき (x が y より不平
等なとき), x のローレンツ曲線は , y のローレン
ツ曲線の下側にくる
0.0
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
Oct 29, 2014
11 / 26
ローレンツ曲線とマジョライゼーション
ローレンツ曲線は完全平等線の下側にくる
⇒ すべての配分は完全平等より不平等
x が y をマジョライズするとき (x が y より不平
等なとき), x のローレンツ曲線は , y のローレン
ツ曲線の下側にくる
2
0.5
2
0.7
0.8
5
1
3
1
1
x が y をマジョライズ
⇔ x が y より不平等
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.6
1
0.3
2
0.5
0.6
0.4
1
0.2
2
0.3
0.4
0.2
1
0.1
1
0.1
0.2
0.0
x
累積比率
y
累積比率
累積人数比率
0.8
1.0
10 万円を 5 人に分配する例
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
Oct 29, 2014
11 / 26
ローレンツ曲線とマジョライゼーション
x と y がマジョライゼーションの意味でどちらが
平等が決まらないとき, x のローレンツ曲線と y
のローレンツ曲線はどこかで交わる
5
1
3
1
1
x と y のマジョライゼー
ションの関係が決まらない
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.8
2
0.5
3
0.7
0.8
0.6
1
0.3
3
0.4
0.6
0.4
1
0.2
1
0.1
0.4
0.2
1
0.1
0
0
0.2
0.0
x
累積比率
y
累積比率
累積人数比率
1.0
10 万円を 5 人に分配する例
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
Oct 29, 2014
12 / 26
ジニ係数
ジニ係数
.
完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積の
2 倍をその分配のジニ係数といい , G であらわす
H. Hara (Niigata U.)
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
.
0.0
G<1
G が大きいほど不平等
G が小さいほど平等
G は 1 次元的な量なの
で必ず優劣がつく
G1 > G 2
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
x = (0, 0, 0, 0, 10)
Oct 29, 2014
13 / 26
ジニ係数
ジニ係数
.
完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積の
2 倍をその分配のジニ係数といい , G であらわす
H. Hara (Niigata U.)
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
.
0.0
G<1
G が大きいほど不平等
G が小さいほど平等
G は 1 次元的な量なの
で必ず優劣がつく
G1 > G 2
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
x = (0, 0, 0, 0, 10)
G = 0.8
Oct 29, 2014
13 / 26
ジニ係数
ジニ係数
.
完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積の
2 倍をその分配のジニ係数といい , G であらわす
H. Hara (Niigata U.)
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
.
0.0
G<1
G が大きいほど不平等
G が小さいほど平等
G は 1 次元的な量なの
で必ず優劣がつく
G1 > G 2
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
x = (1, 1, 1, 2, 5)
Oct 29, 2014
13 / 26
ジニ係数
ジニ係数
.
完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積の
2 倍をその分配のジニ係数といい , G であらわす
H. Hara (Niigata U.)
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
.
0.0
G<1
G が大きいほど不平等
G が小さいほど平等
G は 1 次元的な量なの
で必ず優劣がつく
G1 > G 2
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
x = (1, 1, 1, 2, 5)
G = 0.36
Oct 29, 2014
13 / 26
ジニ係数
ジニ係数
.
完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積の
2 倍をその分配のジニ係数といい , G であらわす
H. Hara (Niigata U.)
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
.
0.0
G<1
G が大きいほど不平等
G が小さいほど平等
G は 1 次元的な量なの
で必ず優劣がつく
G1 > G 2
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
x = (1, 2, 2, 2, 3)
Oct 29, 2014
13 / 26
ジニ係数
ジニ係数
.
完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積の
2 倍をその分配のジニ係数といい , G であらわす
H. Hara (Niigata U.)
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
.
0.0
G<1
G が大きいほど不平等
G が小さいほど平等
G は 1 次元的な量なの
で必ず優劣がつく
G1 > G 2
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
x = (1, 2, 2, 2, 3)
G = 0.16
Oct 29, 2014
13 / 26
ジニ係数
ジニ係数
.
完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積の
2 倍をその分配のジニ係数といい , G であらわす
H. Hara (Niigata U.)
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
.
0.0
G<1
G が大きいほど不平等
G が小さいほど平等
G は 1 次元的な量なの
で必ず優劣がつく
G1 > G 2
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
交差する ⇔ 優劣つかない
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
13 / 26
ジニ係数
ジニ係数
.
完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積の
2 倍をその分配のジニ係数といい , G であらわす
H. Hara (Niigata U.)
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
.
0.0
G<1
G が大きいほど不平等
G が小さいほど平等
G は 1 次元的な量なの
で必ず優劣がつく
G1 > G 2
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
交差する ⇔ 優劣つかない
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
13 / 26
ジニ係数
ジニ係数
.
完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積の
2 倍をその分配のジニ係数といい , G であらわす
H. Hara (Niigata U.)
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
.
0.0
G<1
G が大きいほど不平等
G が小さいほど平等
G は 1 次元的な量なの
で必ず優劣がつく
G1 > G 2
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
x = (1, 1, 1, 2, 5)
Oct 29, 2014
13 / 26
ジニ係数
ジニ係数
.
完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積の
2 倍をその分配のジニ係数といい , G であらわす
H. Hara (Niigata U.)
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
.
0.0
G<1
G が大きいほど不平等
G が小さいほど平等
G は 1 次元的な量なの
で必ず優劣がつく
G1 > G 2
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
x = (1, 1, 1, 2, 5)
G1 = 0.36
Oct 29, 2014
13 / 26
ジニ係数
ジニ係数
.
完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積の
2 倍をその分配のジニ係数といい , G であらわす
H. Hara (Niigata U.)
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
.
0.0
G<1
G が大きいほど不平等
G が小さいほど平等
G は 1 次元的な量なの
で必ず優劣がつく
G1 > G 2
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
Oct 29, 2014
13 / 26
ジニ係数
ジニ係数
.
完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積の
2 倍をその分配のジニ係数といい , G であらわす
H. Hara (Niigata U.)
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
.
0.0
G<1
G が大きいほど不平等
G が小さいほど平等
G は 1 次元的な量なの
で必ず優劣がつく
G1 > G 2
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
x = (0, 1, 3, 3, 3)
Oct 29, 2014
13 / 26
ジニ係数
ジニ係数
.
完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積の
2 倍をその分配のジニ係数といい , G であらわす
H. Hara (Niigata U.)
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
.
0.0
G<1
G が大きいほど不平等
G が小さいほど平等
G は 1 次元的な量なの
で必ず優劣がつく
G1 > G 2
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
x = (1, 1, 1, 2, 5)
G2 = 0.32
Oct 29, 2014
13 / 26
演習
演習
10 万円を 5 人に分配する x = (2, 4, 0, 1, 3),
y = (2, 1, 1, 4, 2) という 2 つの分配法について,
1
ローレンツ曲線を描き, ジニ係数を求めよ.
2
マジョライゼーション , ジニ係数の意味でどちら
の分配が平等であると言えるか?
.
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
14 / 26
ヒント
.
ローレンツ曲線を求める手順
.
1
2
.
.
配分額でソート
配分額の累積比率を累積人数比率に対して
折れ線グラフを描く
x
0
1
2
3 4
累積比率
0 0.1 0.3 0.6 1
累積人数比率 0.2 0.4 0.6 0.8 1
y
1
1
2
2 4
累積比率
0.1 0.2 0.4 0.6 1
累積人数比率 0.2 0.4 0.6 0.8 1
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
15 / 26
1.0
解答例
4
1
1
0.2
0
1
2
3
0 0.1 0.3 0.6
0.2 0.4 0.6 0.8
0.0
x
累積比率
累積人数比率
0.4
0.6
0.8
x のローレンツ曲線
0.0
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.2
0.4
0.6
Oct 29, 2014
0.8
1.0
16 / 26
0.6
0.4
0.2
0.0
ジニ係数 Gx :
オレンジの面積の 2 倍
Gx = 0.4
0.8
1.0
解答例
0.0
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.2
0.4
0.6
Oct 29, 2014
0.8
1.0
17 / 26
1.0
解答例
2
0.6
0.8
4
1
1
0.2
1
1
2
0.1 0.2 0.4
0.2 0.4 0.6
0.0
y
累積比率
累積人数比率
0.4
0.6
0.8
y のローレンツ曲線
0.0
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.2
0.4
0.6
Oct 29, 2014
0.8
1.0
18 / 26
0.6
0.4
0.2
0.0
ジニ係数 Gy :
オレンジの面積の 2 倍
Gy = 0.28
0.8
1.0
解答例
0.0
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.2
0.4
0.6
Oct 29, 2014
0.8
1.0
19 / 26
0.6
0.4
0.2
0.0
x = (2, 4, 0, 1, 3) が
y = (2, 1, 1, 4, 2) をマジョライズ
Gx > G y
⇔ x の方が y より不平等
0.8
1.0
解答例
0.0
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.2
0.4
0.6
Oct 29, 2014
0.8
1.0
20 / 26
0.6
0.4
0.2
0.0
x = (2, 4, 0, 1, 3) が
y = (2, 1, 1, 4, 2) をマジョライズ
Gx > G y
⇔ x の方が y より不平等
0.8
1.0
解答例
0.0
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.2
0.4
0.6
Oct 29, 2014
0.8
1.0
20 / 26
0.6
0.4
0.2
0.0
x = (2, 4, 0, 1, 3) が
y = (2, 1, 1, 4, 2) をマジョライズ
Gx > G y
⇔ x の方が y より不平等
0.8
1.0
解答例
0.0
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
0.2
0.4
0.6
Oct 29, 2014
0.8
1.0
20 / 26
GDP の国際的格差
世界の GDP のデータを用いて世界の所得格差を
あらわすローレンツ曲線を描きたい
ポイント
各国に一人あたり GDP の所得を持つ人が , その国の人
口の数だけいると考える.
手順
1
一人当たり GDP に関して国をソート する
z(1) ≤ · · · ≤ z(n)
2
.
一人当たり GDP の低い順に各国の GDP・
人口を並べる
x(1) , . . . , x(n) ,
.
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
p(1) , . . . , p(n)
Oct 29, 2014
21 / 26
GDP の国際的格差
世界の GDP のデータを用いて世界の所得格差を
あらわすローレンツ曲線を描きたい
ポイント
各国に一人あたり GDP の所得を持つ人が , その国の人
口の数だけいると考える.
手順
1
一人当たり GDP に関して国をソート する
z(1) ≤ · · · ≤ z(n)
2
.
一人当たり GDP の低い順に各国の GDP・
人口を並べる
x(1) , . . . , x(n) ,
.
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
p(1) , . . . , p(n)
Oct 29, 2014
21 / 26
GDP の国際的格差
世界の GDP のデータを用いて世界の所得格差を
あらわすローレンツ曲線を描きたい
ポイント
各国に一人あたり GDP の所得を持つ人が , その国の人
口の数だけいると考える.
手順
1
一人当たり GDP に関して国をソート する
z(1) ≤ · · · ≤ z(n)
2
.
一人当たり GDP の低い順に各国の GDP・
人口を並べる
x(1) , . . . , x(n) ,
.
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
p(1) , . . . , p(n)
Oct 29, 2014
21 / 26
GDP の国際的格差
世界の GDP のデータを用いて世界の所得格差を
あらわすローレンツ曲線を描きたい
ポイント
各国に一人あたり GDP の所得を持つ人が , その国の人
口の数だけいると考える.
手順
1
一人当たり GDP に関して国をソート する
z(1) ≤ · · · ≤ z(n)
2
.
一人当たり GDP の低い順に各国の GDP・
人口を並べる
x(1) , . . . , x(n) ,
.
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
p(1) , . . . , p(n)
Oct 29, 2014
21 / 26
ローレンツ曲線の描き方
手順つづき
.
.
3
この順に基づき GDP の累積比率 (rj ), 累積人口比率
(qj ) を計算
∑j
x(i)
rj := ∑i=1
,
n
i=1 x(i)
4
∑j
p(i)
qj := ∑ni=1
i=1 p(i)
GDP の累積比率を累積人口比率に対してプロット
一人当たり GDP z(1) z(2) · · ·
累積比率
r1 r2 · · ·
累積人口比率
q1 q2 · · ·
z(n)
1
1
.
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
22 / 26
0.6
0.4
0.0
0.2
cumulative rate of GDP
0.8
1.0
GDP の国際的格差のローレンツ曲線
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
cumulative rate of population
使用したデータ
2009 年の世界 192ヶ国・地域
GDP データ
人口データ
出典:World Bank のデータベース
http://data.worldbank.org
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
23 / 26
0.6
0.4
0.0
0.2
cumulative rate of GDP
0.8
1.0
GDP の国際的格差のローレンツ曲線
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
cumulative rate of population
使用したデータ
2009 年の世界 192ヶ国・地域
GDP データ
人口データ
出典:World Bank のデータベース
http://data.worldbank.org
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
23 / 26
世界の所得配分のジニ係数
2009 年の世界の所得配分のジニ係数
0.6
0.4
0.0
0.2
cumulative rate of GDP
0.8
1.0
オレンジの部分の面積の 2 倍
G = 0.6704
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
cumulative rate of population
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
24 / 26
世界の所得配分のジニ係数
2009 年の世界の所得配分のジニ係数
0.6
0.4
0.0
0.2
cumulative rate of GDP
0.8
1.0
オレンジの部分の面積の 2 倍
G = 0.6704
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
cumulative rate of population
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
24 / 26
ローレンツ曲線・ジニ係数の経年変化
0.8
0.6
0.4
cumulative rate of GDP
2000 年以降不平等さが
改善?
新興国の発展の影響?
縦軸のスケール:0.65∼0.8
⇒ いずれにせよ格差は大
H. Hara (Niigata
U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
きい
0.2
ジニ係数の経年変化
0.0
赤:1960 年
桃:1970 年
橙:1980 年
緑:1990 年
青:2000 年
紫:2009 年
1.0
1960 年から 2009 年までの
ローレンツ曲線の変化
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
cumulative rate of population
Oct 29, 2014
25 / 26
ローレンツ曲線・ジニ係数の経年変化
0.8
0.6
0.4
cumulative rate of GDP
2000 年以降不平等さが
改善?
新興国の発展の影響?
縦軸のスケール:0.65∼0.8
⇒ いずれにせよ格差は大
H. Hara (Niigata
U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
きい
0.2
ジニ係数の経年変化
0.0
赤:1960 年
桃:1970 年
橙:1980 年
緑:1990 年
青:2000 年
紫:2009 年
1.0
1960 年から 2009 年までの
ローレンツ曲線の変化
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
cumulative rate of population
Oct 29, 2014
25 / 26
ローレンツ曲線・ジニ係数の経年変化
0.8
0.6
0.4
cumulative rate of GDP
2000 年以降不平等さが
改善?
新興国の発展の影響?
縦軸のスケール:0.65∼0.8
⇒ いずれにせよ格差は大
H. Hara (Niigata
U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
きい
0.2
ジニ係数の経年変化
0.0
赤:1960 年
桃:1970 年
橙:1980 年
緑:1990 年
青:2000 年
紫:2009 年
1.0
1960 年から 2009 年までの
ローレンツ曲線の変化
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
cumulative rate of population
Oct 29, 2014
25 / 26
ローレンツ曲線・ジニ係数の経年変化
0.8
0.6
0.4
cumulative rate of GDP
2000 年以降不平等さが
改善?
新興国の発展の影響?
縦軸のスケール:0.65∼0.8
⇒ いずれにせよ格差は大
H. Hara (Niigata
U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
きい
0.2
ジニ係数の経年変化
0.0
赤:1960 年
桃:1970 年
橙:1980 年
緑:1990 年
青:2000 年
紫:2009 年
1.0
1960 年から 2009 年までの
ローレンツ曲線の変化
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
cumulative rate of population
Oct 29, 2014
25 / 26
ローレンツ曲線・ジニ係数の経年変化
0.8
0.6
0.4
cumulative rate of GDP
2000 年以降不平等さが
改善?
新興国の発展の影響?
縦軸のスケール:0.65∼0.8
⇒ いずれにせよ格差は大
H. Hara (Niigata
U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
きい
0.2
ジニ係数の経年変化
0.0
赤:1960 年
桃:1970 年
橙:1980 年
緑:1990 年
青:2000 年
紫:2009 年
1.0
1960 年から 2009 年までの
ローレンツ曲線の変化
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
cumulative rate of population
Oct 29, 2014
25 / 26
ローレンツ曲線・ジニ係数の経年変化
0.8
0.6
0.4
cumulative rate of GDP
2000 年以降不平等さが
改善?
新興国の発展の影響?
縦軸のスケール:0.65∼0.8
⇒ いずれにせよ格差は大
H. Hara (Niigata
U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
きい
0.2
ジニ係数の経年変化
0.0
赤:1960 年
桃:1970 年
橙:1980 年
緑:1990 年
青:2000 年
紫:2009 年
1.0
1960 年から 2009 年までの
ローレンツ曲線の変化
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
cumulative rate of population
Oct 29, 2014
25 / 26
ローレンツ曲線・ジニ係数の経年変化
0.75
Gini coefficient
2000 年以降不平等さが
改善?
新興国の発展の影響?
縦軸のスケール:0.65∼0.8
⇒ いずれにせよ格差は大
H. Hara (Niigata
U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
きい
0.70
ジニ係数の経年変化
0.65
赤:1960 年
桃:1970 年
橙:1980 年
緑:1990 年
青:2000 年
紫:2009 年
0.80
1960 年から 2009 年までの
ローレンツ曲線の変化
1960
1970
1980
1990
2000
2010
Year
Oct 29, 2014
25 / 26
まとめ
不平等性の定量的評価手法として「マジョライ
ゼーション」の概念を導入した.
マジョライゼーションの関係の視覚化法である
「ローレンツ曲線」を導入し , それを用いた不平等
性の評価法を学習した.
不平等性の定量化指標として「ジニ係数」を導入
し , ローレンツ曲線による評価法との違いを整理
した.
用語
マジョライゼーション , ローレンツ曲線, ジニ係数
完全平等線
H. Hara (Niigata U.)
ローレンツ曲線・ジニ係数
Oct 29, 2014
26 / 26