内灘町地域新エネルギー・ 省エネルギービジョン ( 概 要 版 )

地域新エ ネルギー ・省エネ ルギービ ジョン策 定等事業
内灘 町地 域新 エネ ルギ ー・
省エ ネル ギー ビジ ョン
( 概 要 版 )
内灘町地域新エネル
ギー・省エネルギービ
ジョンの策定の趣旨
世界のエネルギー供給量は依然として増加傾向にあり、
世界経済はいまだに石油を中心とした化石燃料への依 存
から脱却できずにいます。
しかしながら、化石燃料は限りある資源であり、またそ
の無秩序な使用は地球温暖化など地球環境にとって脅 威
を与えるものとなりつつあります。もとより我が国は、エ
ネルギー供給量の 80%を海外からの輸入に頼っており、
エネルギーの安定供給と消費量の節減、さらには代替エネ
ルギーの開発・普及と省エネルギー活動の推進は、今後の
第四次内灘町総合計画
国の発展にとって喫緊の課題となっています。
こうした中、内灘町では、良好な環境の保全に向けた施
策を総合的・計画的に進めていくため「内灘町環境基本計
内灘町環境基本計画
画」を策定し、「人にも地球にも優しい内灘」を環境未来
像として、風力発電所の建設や小中学校全校への太陽光発
内灘町地球温暖化対策
地方公共団体実行計画
(区域施策編)(未)
電システムの導入、あるいは太陽光発電設置住宅への助成
など各種エネルギー施策を展開しています。
このような町の取組をより発展させ、諸施策の方向性を
さらに明確に示すことにより、町民・事業者・町の協働の
内灘町地球
温暖化対策
実行計画
内灘町新エネル
ギー・省エネル
ギービジョン
もと地域からエネルギー問題の解決に積極的に携わっ て
いくことを目的に、このたび「内灘町地域新エネルギー・
省エネルギービジョン」を策定しました。
1
地球温暖化問題とエネルギー問題
太陽から地表に届いたエネルギー
は地表を暖め、その熱は宇宙に逃げて
いきますが、CO2 などの温室効果ガ
スはこの熱を地球外に出て行きにく
くする性質があります。このため
CO2 などの温室効果ガス濃度が増す
と地球の気温が上昇することになり、
現在の大気
これを地球温暖化と言います。
温室効果ガス濃度が増加した時
(出典)
「New Energy Now 2006」
((財)新エネルギー財団)
雨・雪など気候の変化
気温の上昇
山や氷河の融解
地球温暖化が進行すると、地球規模の降
動植物の絶滅
渇水・干ばつ
公害の加速
健康への影響
エネルギー需要増加
食生活の変化
産業への影響
動や氷河の融解、海水面の上昇など、人類
草地の変化
農産物の減収
砂浜の消失
の生活環境や動植物の生息環境に広範で
マラリアの流行
深刻な影響が生じる恐れがあり、世界規模
海面の上昇
洪水の多発
水パターンの変化などといった気候の変
湾岸施設の水没
氷河の融解
で大きな問題となっています。
赤潮の発生
高潮・台風の被害増加
(出典)
「新エネルギーガイドブック 2008」
(NEDO 技術開発機構、平成 20 年 6 月)
新エネルギー(地熱など含む)の割合は全体の 3.1%
600,000
ネルギー供給全体に対して
2007 年度で 3.1%(地熱など
含む)(エネルギー白書 2009
年版)にとどまっています。
400,000
原子力
300,000
水力
200,000
天然ガス
100,000
石油
97
0
97
1 5
98
1 0
98
1 5
99
1 0
99
2 5
00
2 0
00
2 1
00
2 2
00
2 3
00
2 4
00
2 5
00
6
2
00
7
新エネルギーの導入も一次エ
新エネルギー他
1
続いています。
500,000
石炭
1
ル ギ ー 供 給の 構 造 は 依然 と し て
10
に あ り 、 石油 を 中 心 とし た エ ネ
一次エネルギー供給量(10
ー 供 給 量 は長 期 的 に は増 加 傾 向
kcal)
我が国における一次エネルギ
(出典)「エネルギー・経済統計要覧 2009 年版」
((財)省エネルギーセンター、平成 21 年 2 月)
2
エネルギー消費構造(2008 年度)
内灘町の 2008 年度のエネルギー需要量は 1,620,155GJ/年と推計されました。部門別では運輸部
門が最も多く(44.3%)
、次いで民生家庭部門(29.1%)、産業部門(15.9%)、民生業務部門(10.7%)
でした。燃料種別では、燃料油(61.4%)が最も多く、次いで電力(29.2%)、LP ガス(9.4%)でし
た。運輸部門の燃料油需要量は、総エネルギー需要量の 44%を占めています。このため、部門別需要量
では運輸部門の割合が、燃料種別需要量では燃料油の割合が高い結果となりました。
燃料油
※ 需要量が多い順に表示。
電力
民生業務部門
10.7%
LPガス
産業部門
15.9%
運輸部門
44.3%
718,086
運輸部門
民生家庭部門
29.1%
472,321
民生家庭部門
部門別エネルギー需要量の構成比
257,018
産業部門
電力
29.2%
172,730
民生業務部門
0
LPガス
9.4%
200,000
400,000
600,000
燃料油
61.4%
800,000
2008年度の内灘町エネルギー需要量(GJ/年)
燃料種別エネルギー需要量の構成比
産 業 部 門
製造業、農林水産業、鉱業、建設業におけるエネルギー消費。
民生家庭部門
家庭におけるエネルギー消費(自家用運輸を除く)。
民生業務部門
事務所ビル、店舗、病院、公共施設等におけるエネルギー消費(事業所用運輸を除く)
。
運 輸 部 門
人・物の輸送及びこれに付帯する業務におけるエネルギー消費。
CO2 排出量(2008 年度)
内灘町の 2008 年度の CO2 排出量は、133,287t-CO2/年と推計されました。部門別では運輸部門が
最も多く(36.4%)、次いで民生家庭部門(32.6%)、産業部門(18.3%)、民生業務部門(12.7%)で
した。燃料種別では、燃料油(50.6%)が最も多く、次いで電力(42.5%)、LP ガス(6.9%)でした。
※ 排出量が多い順に表示。
燃料油
電力
民生業務部門
12.7%
LPガス
産業部門
18.3%
運輸部門
36.4%
48,556
運輸部門
民生家庭部門
32.6%
43,514
民生家庭部門
24,356
産業部門
LPガス
6.9%
16,861
民生業務部門
0
部門別 CO2 排出量の構成比
電力
42.5%
10,000
20,000
30,000
40,000
燃料油
50.6%
50,000
2008年度の内灘町CO2排出量(t-CO2/年)
3
燃料種別 CO2 排出量の構成比
新エネルギーの賦存量
新エネルギーの賦存量
新エネルギーとは、
「技術的に実用化段階に達しつつあるが、経済性の面での制約から普及が十分でない
もので、石油代替エネルギーの導入を図るために特に必要なもの」であり、太陽光発電、風力発電など
が該当します。
太陽熱利用
太陽光発電
太陽のエネルギーを温水に変えて
利用します。
太陽のエネルギーを電気に変
えて利用します。
バイオマス熱利用
風力発電
植 物 など の生 物 体( バイ オ マス )を
燃 料 とし 、電 気 や熱 に変 え て利 用し
ます。
風の力で発電機を回し、電気を
起こします。
バイオディーゼル燃料製造
温度差熱利用
天ぷら油などの植物性油を改質
した軽油代替燃料をバイオディ
ーゼル燃料といいます。
温度差
バイオマスエネルギー 太陽熱
風力発電
太陽光発電
井戸水、下 水処理水、 温泉水な
ど外気と温 度差のある ものを熱
源とし、冷 暖房や給湯 に利用し
ます。
太陽光発電
38,963
一般家庭
5,230
事業所
168,297
風力発電
太陽熱利用
一般家庭
23,977
事業所
3,595
20,465
井水熱
温度差
エネルギー
地域の自然条件が持つ可能性を推計
した賦存量に、土地利用状況や経済性
などといった制約条件を考慮してど
れくらい活用できるか推計したもの
を 期待可採量 といいます。
169
湖水熱
新エネルギーの期待
43,377
下水熱
可採量は 2008 年度
195
温泉水熱
6,956
バイオマス 木質バイオマス
エネルギー
廃食用油
内灘町エネルギー
180
0
100,000
200,000
需 要 量 の 1 9% に 相 当
新エネルギー期待可採量(熱量換算GJ/年)
新エネルギー設備の導入意向(アンケート調査結果)
家庭
家庭に導入したい
家庭に導入したいものは太陽光発電やクリーンエネル
ギー自動車が多く、公共施設に導入してほしいものは太
陽光発電や風力発電が多い結果となりました。
公共施設に導入してほしい
太陽光発電 太陽熱温水器 風力発電 バイオマスエネルギー 事業所
温度差エネルギー 燃料電池 太陽光発電 太陽熱温水器 コージェネレーションシステム 小型風力発電 クリーンエネルギー自動車 クリーンエネルギー自動車 その他 燃料電池 導入する必要はない 0
50
100
150
200
ペレットストーブ・ペレットボイラ 250
検討中 世帯数 (回答380世帯)
事業所で は、 太陽光発 電や クリーン エネ ルギー
自動車の導入意向が高い結果となりました。
4
導入する考えはない 0
5
10
15
事業所数(回答49件)
省エネルギー可能量
省エネルギー行動や家電製品、自動車などの買い換えにより
エネルギーの削減が可能な量を 省エネルギー可能量 といいます。
家庭内で省エネルギー行動に取り
組んだり、平均使用年数を過ぎた家
電製品や給湯器を買い換える
12,337GJ/年
ことで、これだけのエネ
産業部門
( 4 . 8% )
ルギーが削減できます!!
79,065GJ/年
民生家庭部門
(16.7%)
エコドライブを心がけ、平均使用年
数を過ぎた自動車を買い換えるこ
11,746GJ/年
とで、これだけのエネル
民生業務部門
( 6 . 8% )
ギーが削減できます!!
122,489GJ/年
運輸部門
(17.1%)
0
200,000 400,000 600,000 800,000
2008年度内灘町のエネルギー需要量(GJ/年)
家庭での省エネルギー行動への取り組み状況(アンケート調査結果)
取り組んでいる
時々取り組んでいる
取り組んでいない
該当する機器がない
暖房・冷房の適切な温度調整
適切な電気カーペットの使用
居
間
冷暖房はつけっぱなしにしない
時々取り組んでいる
取り組んでいない
この分だけエネルギー削減の
余地が残されています!!
省エネ型照明の使用
こまめな消灯
テレビをつけっぱなしにしない
適切なこたつの使用
適切な食器洗い乾燥機の使用
ッ
キ
チ
ン
洗
浴
面
室
所
自
動
車
低い給湯器温度による洗い物
冷蔵庫の温度調節・整理整頓
冷蔵庫の適切な設置
冷蔵庫の扉の開閉回数等の短縮
たとえば冷蔵庫の温度調整・設置場
下ごしらえに電子レンジを活用
所・開閉・整理整頓等に気をつける
電気ポットの待機電力削減
洗濯はまとめて洗う
お風呂は追い焚きをしない
お湯を流しっぱなしにしない
だけで 167kWh/年(約 3,700 円)
トイレの洗浄用温水等の温度調節
の電力削減になります。
ふんわりアクセル「eスタート」
加減速の少ない運転
早めのアクセルオフ
アイドリングストップ
公共交通機関の利用
他
公共交通機関の利用が少ないこと
電気製品の待機電力削減
省エネ型エネルギー機器の購入
0%
20%
40%
60%
80%
5
100%
が分かります。
導入目標
エネルギー種別の導入目標
項目
太陽光発電(一般家庭)
太陽光発電(事業所)
2015 年
2020 年
<新築>400 戸
<新築>780 戸
<既築>80 戸
<既築>360 戸
30 件
60 件
風力発電(2,000kW 規模) 1 台
太陽熱温水器(一般家庭)
太陽熱温水器(事業所)
温度差エネルギー
バイオマスエネルギー
省エネルギー
2台
<新築>170 戸
<新築>340 戸
<既築>80 戸
<既築>360 戸
15 件
30 件
<井水熱利用冷暖房システム>10 件
<井水熱利用冷暖房システム>20 件
<温泉水熱>195GJ/年
<温泉水熱>195GJ/年
<公共施設>ペレットボイラ 2 台
<公共施設>ペレットボイラ 5 台
<一般家庭>ペレットストーブ 50 台
<一般家庭>ペレットストーブ 100 台
<省エネルギー行動>
<省エネルギー行動>
省エネルギー可能量の 80%達成
省エネルギー可能量の 90%達成
<買い換えなど>
<買い換えなど>
省エネルギー可能量の 50%達成
省エネルギー可能量の 90%達成
新エネルギー・省エネルギーの導入目標量
2015 年
項目
2020 年
2008 年 度 エ ネ
ルギー需要量に
対する割合
導入目標量
導入目標量
2008 年度エネ
ルギー需要量に
対する割合
新エネルギー導入目標
33,020 GJ/年
2.0 %
71,728 GJ/年
4.4 %
省エネルギー導入目標
132,450 GJ/年
8.2 %
191,970 GJ/年
11.8 %
合計
165,470 GJ/年
10.2 %
263,698 GJ/年
16.2 %
- 21 %
CO2 削減量(2008 年比)
- 27 %
140,000
120,000
2015 年 度 、 2020
年度のエネルギー需要
ネルギー・省エネルギー
の導入を進めることで、
2015 年 は 21% 、
2020 年 は 27% の
CO2 が削減できます。
100,000
CO2量(t-CO2/年)
量を 2008 年度と同等
と仮定しても、主に新エ
省エネルギー導
入による削減量
新エネルギー導
入による削減量
80,000
60,000
電力CO2排出係
2
数低減による削
減量
40,000
20,000
CO2排出量
2
0
2008年
6
2015年
2020年
基本理念・基本方針・導入計画
本町では、「豊かな自然を活かした笑顔のまちづくり」を基本理念に、太陽光発電の導入、スマート
グリッドの推進、施設の省エネルギー化及びシェアリングシステム等の導入を重点プロジェクトとして、新エ
ネルギー及び省エネルギーの導入を積極的に進めていきます。
基基本本 理理念念
導入計画
基本方針
タウンの推進
積極的導入
町民
事業者
町
太陽熱利用の導入
町民
事業者
町
事業者
町
風力発電の導入
省省 エエ ネネ ルル ギギ ーー
豊豊かかなな自自 然然をを 活活かかししたた笑笑 顔顔ののままちちづづくくりり
新エネ・省エネの
新新 エエ ネネ ルル ギギ ーー
町まるごとエコ
太陽光発電の導入
温度差エネル ギーの
導入
町民
事業者
町
バイオマスエネルギ
ーの導入
町民
事業者
町
スマートグリッドの
推進
町民
事業者
町
省エネルギー行動の
徹底
町民
事業者
町
省エネルギー機器の
導入
町民
事業者
町
事業者
町
施設の省エネルギー
化
普及啓発の効果
的な推進
クリーンエネ ルギー
自動車の導入
町民
事業者
町
シェアリング システ
ムなどの導入
町民
事業者
町
普及啓発
環境教育
町民
事業者
町
太陽光発電の導入
本町では平成 17 年度より実施している「内灘町住宅用太陽光発電システム設置費補助制度」
を継続 し、 一般家 庭や 事業所 への 太陽光 発電 の導入 を促 進する と共 に、公 共施 設の改 修・ 更新 の
際には積極的な導入を図ります。
スマートグリッドの推進
「スマートグリッド」とは、電力供給網にリアルタイム監視
機能やデジタル通信関連の機能を組み合わせ、電力配電または
ガス供給の最適化を図るものです。まだ実証段階の技術ですが、
本町では全国に先駆けて、この「スマートグリッド構想」の実
現を目指し、協議会などの設置を検討していきます。
7
施設の省エネルギー化
エネルギー需要量の多い公共施設の省エネルギー診断を実施し、公共施設全般での効果的な省エネ
ルギー改修を検討していきます。
シェアリングシステムなどの導入
本町は運輸部門からの CO2 排出量が最も多く、また、公共交通機関の
利用も少ないことから、1 台の自転車または自動車を登録した複数人で
共用する「シェアリングシステム」の導入を検討していきます。
推進方策
本ビジョンの推進にあたっては、町民、事業者、町(行政)が協働して取組を進める必要があります。
このため、下図に示すような推進体制をとることによって、計画の効果的な推進を図ります。
内灘町環境基本計画
地球温暖化対策実行計画
内灘町地域新エネルギー・省エネルギービジョン
内灘町
町外
進捗状況
報告
国・県
行政
内灘町
環境審議会
庁内推進会議
点検
評価
近隣自治体
(事務局、関係各課)
関係機関
産学官民が連携し、地
区等の小規模単位で
実施計画の検討
情報提供
参加・協働
連携
教育機関
「内灘町エコシップ
推進地域協議会(仮
称)
」を組織します。
内灘町エコシップ推進
関連事業者
地域協議会(仮称)
補助制度の活用
情報収集・提供
技術協力・指導
参加・協働
町民
事業所
教育機関
内灘町 町民福祉 部 環境 政策課
〒920-0292
石川県河北郡内灘町字大学 1 丁目 2 番地 1
電話:076-286-6712 ファックス:076-286-6704
メ ー ル ア ド レ ス : en vi ro @to w n . u ch i n a d a . l g. j p
ホームページ:http://www.town.uchinada.lg.jp/webapps/www/index.jsp
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