第3章 まちづくりの目標と政策の方向(PDFファイル:920KB)

第3章
まちづくりの目標と政策の方向
まちづくりの目標を具体的に展開することを考えたとき、次のような政策の方向性を定め
ることとします。
復興のシンボルづくり
①
震災と原発事故からの再生と復興のシンボルとする「里まち文化ステーション」は道
の駅を核とした施設に加え、国見を魅せ、体験できる国見のショーケースとします。
② 1000 年の歴史を受け継ぎ、次の 100 年に引き継ぐための拠点とします。
③
子どもから高齢者が集える施設構成とし、町内の力を結集するだけでなく、町外の力
(大学・企業・NPO等)をも呼び込む拠点とします。
コミュニティ・ビジネスの推進
①
地域の「宝もの」はこの地で暮らす人々によって生み出されてきました。人の知恵を
継承しながら、これから 100 年の持続可能なまちづくりを行います。
②
私たちが「当たり前」のことと捉えがちな人の力の再評価と再資源化を行います。そ
して、知恵がビジネスになる「知恵ビジネス」を創り出すこととします。
③
高齢者や女性、子どもの知恵と視点を活かし、国見らしいコミュニティ・ビジネスの
創出を目指します。
④ 世代や性別を超えた多世代が交流することで知恵を引き継ぎ、
「しあわせ感」を高める
取り組みを進めることとします。
里まち文化観光づくり(物語づくり)
①
私たちの暮らしそのものが「里まち文化」です。生活文化の中に眠る物語を発掘し、
発信します。
②
私たちの暮らしを支える農業、林業にも歴史と文化があります。そして、歴史と文化
には必ず物語があります。国見らしい物語を発信します。
商い(あきない)博物館
① 商店の商いも文化です。その文化と歴史を教えてくれるのが、商店そのものです。
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②
商店や工場では、専門知識を教えたり、職人技を見せたり、体験楽習(ラーニング・
エクスペリエンス・ビジネス)による感動を与えることも可能です。
③
地域そのものをフィールド・ミュージアム(商い博物館)とし、商店と工場と観光の
融合を目指します。
くにみブランドづくり
①
国見の地で、長い時間をかけて洗練されてきた「もの」たち。時代の移ろいにも関わ
らず今に残ってきた「もの」たち。私たちは、これらの「もの」たちを大事にします。
② 国見らしさ。オンリー・ワン、ローカル・ファーストを発掘します。
③ 今ある「もの」たちを大事にしながら、新しいブランドの創出にも取り組みます。
④ 新旧の「もの」たちのブランド化は、デザインや物語(ストーリー)を重視します。
交流を育むネットワークづくり
①
自転車やコミュニティ・タクシーを活用し、町内を巡るタウン・ツーリズムを構築し
ます。
②
旧町村ごとの5つの交流エリア、8つの交流の駅を作り出し、特徴を生かした交流を
展開します。
5つの交流エリア
JR藤田駅から里まち文化ステーションまでの観月台文化センターや商店街を含めた
部分を「交流ゾーン」とします(藤田地区交流エリア)。
小坂地区・森江野地区・大木戸地区・大枝地区に各地区の交流エリアを定め、交流ゾ
ーンと連携しながらまちづくりを進めます。
大木戸地区交流エリア
JR藤田駅
交流ゾーン
(藤田地区交流エリア)
大枝地区交流エリア
道の駅(交流の場)
小坂地区交流エリア
森江野地区交流エリア
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藤田地区交流エリア
里まち文化ステーションとJR藤田駅の間で人の交流が多い場所です。商店街と観
月台文化センターでは、商業・文化の交流が行われます。
里まち文化ステーションは、町内の交流をコーディネートする役割も担います。
小坂地区交流エリア
旧小坂小学校と老人施設を核とした教育・福祉ゾーン。
大木戸地区交流エリア
阿津賀志山・阿津賀志山展望台を核とした観光、メガソーラー施設から派生する環
境ゾーン。
大枝地区交流エリア
阿津賀志山防塁下二重掘と中尊寺蓮池を核とした歴史・文化ゾーン。
森江野地区交流エリア
幼稚園・子どもの屋内遊び場を核とした幼児教育の拠点、子どもの交流ゾーン。
8つの交流の駅
町内に8つの交流の駅を設定し、多面的な交流を進めます。
里まち交流ステーション
鉄道の駅
(道の駅を核とした交流の駅)
JR藤田駅。町の玄関口として位置づけ、
新たな交流の場。道の駅を核に元気・活力
JR東日本と連携しながら観光等による町の交
あるまちづくりを進めます。
流人口を増やします。
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まちの駅
里の駅
藤田商店街。活力・魅力ある商店街とするこ
町に必要な施設への活用が検討されている
とで、町内外から人を呼び込みます。
旧小学校校舎は、地域活性の要です。
歴史の駅
文化の駅
阿津賀志山防塁下二重掘と中尊寺蓮池。歴
観月台文化センターは、町機能が移転した
史に思いを馳せる場所として発信します。
後は、文化の発信拠点として再生します。
保健医療の駅
河の駅
公立藤田総合病院。健康づくりの拠点とし
阿武隈川河畔。国見町の農業の礎である
て位置づけ、交流の場と連携していきます。
「土」を育んだ川と背後の山々の風景を活用
します。
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タウン・マネジメント
タウンマネジメントとは、地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・
事業者・行政による主体的な取り組みを指します。
①
協働によるまちづくり
まちづくりにおいては、町民、事業者、町がそれぞれの役割を明確にし、協働による
まちづくりの推進を図ります。
町
民
協働によるまちづくり
事業者
町
町民の役割
自らがまちづくりの主役であることを認識し、自分たちのまちを良くしていこうと
いう熱意を持ち、まちづくりに対する理解を深めるとともに、まちづくりについて主
体的に取り組み、町が行うまちづくり施策への協力も求められます。
事業者の役割
事業者は、自らの施設及び事業活動がまちづくりの重要な構成要素であることの認
識のもと、地域住民との協力関係を築き、地区のまちづくりに寄与する、より良いま
ちづくりを推進していく活動に取り組み、町が行うまちづくり施策への協力も求めら
れます。
町の役割
町は、協働によるまちづくりを実践していくため、まちづくりを推進するための施
策を立案し、これを実施します。また、町民の自主的なまちづくりを支援します。
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②
町民によるまちづくりに対する支援
より良いまちづくりを進めていくためには、地域や地区の単位ごとに、町民自らがま
ちづくりに取り組んでいただくことが重要となります。
そこで、町では、協働による地域のまちづくり計画の策定、まちづくりのルールづく
りなどの活動を支援します。
また、まちづくり情報の提供や町民への啓発活動を進めます。
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