事故・災害の無い安全な現場を目指して 発注者 新庄河川事務所 施工者

事故・災害の無い安全な現場を目指して
発注者
新庄河川事務所
施工者
白岩土木建築株式会社
工事名
最上川中流清水上流地区堤防強化工事
発表者
○現場代理人
今田
圭悟
監理技術者
長倉
与宗松
1.はじめに
本工事は、山形県最上郡大蔵村大字清水地内において清水堤防の川表側に矢板を圧入し最上川が増
水した際に水の浸入を遮断し水害から地域の暮らしを守るための工事であります。
大雨などにより、出水する度に堤内側に地盤隆起や水の浸入などが発生し堤防が内部から破壊され
る恐れもあるため今回の堤防強化工事により安心・安全な清水堤防になることが期待されます。
【施工イメージ】
本工事では、発注段階では広幅鋼矢板Ⅲw 型であったが、経済性の向上や工程短縮が期待できるハッ
ト形鋼矢板 25H 型に変更し東北でも2台しかないという専用の硬質地盤対応型圧入機にて施工を行
います。
『工事概要』
(主要工種)
矢板工
・ハット形鋼矢板 25H 型 L=13.5m N=104 枚
L=14.0m N=184 枚
・笠コンクリート
L=259m
施工場所は、清水堤防の高水敷内での作業となることから河川の増水に備えて出水時の体制や退避場
所・退避基準を設け安全に作業を進めていく必要がありました。また、現場乗込み前で被害は無かっ
たが 7 月 10 日の増水により改めて氾濫した河川の恐ろしさや脅威を実感しました。
平常時(5 月 7 日撮影)
増水時(7 月 10 日撮影)
①『増水に備え安全な避難・退避するための基準』
リアルタイム計測機(クラウドロガー)
観測データグラフ
退避準備状況 [10/13]
河川の増水時に備え上記のように退避基準及び退避場までのルートを定めた。退避基準においては、
水位上昇率から退避水位レベルを設定し、クラウドロガー(リアルタイム計測)により携帯やパソコ
ンのインターネットから24時間観測することができるものであり、万が一計測機が故障し欠測とな
った場合でも清水観測所と堀内観測所によるデータにより異常を把握できるものとした。
又、10 月 13 日の台風 19 号接近により河川の水位が上昇し退避準備まで行ったが、正午過ぎから水
位が下降したため退避には至らず被害はなかったものの、結果として基準を設けることにより判断か
ら実行に移すまで迅速に対応することできました。
②『作業員の特性を知る』
現場で働く人にはそれぞれ行動や考えが違ったりします。そこで運転適性検査を行い認知・操作・
判断力がデータで分かる検査を行いました。重機操作などにも当てはめる事ができ、劣っている点や
優れている点などの個人能力を自身で確認することにより現場での行動を見直すきっかけとなった。
適性検査状況
診断結果の配布
2.おわりに
現場は、現在順調に進んでおり主体でもある矢板の圧入はほぼ完了しています。これまでに事故・
災害にも合わず現場を進めてこられたのも関係者皆さまの日頃からの努力の賜物だと思います。現場
の安全なくして良い仕事はできない。
今後も安全でより良い仕事ができるよう頑張りたいと思います。