可変容量型ピストンポンプ TXV シリーズポンプ

可変容量型ピストンポンプ
PTO 取り付けタイプ
TXV シリーズポンプ
目次
TXV シリーズポンプ
可変容量ポンプの有効性
可変容量ポンプの作動
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1
- - - - - - - - - - - - - - - - -- - -
2
LEDUC の TXV ポンプは高性能のポンプです
可変容量コントロールと流量-圧力制御(ロードセンシング)機能により
流量-圧力コントロール(LS)
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3
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4
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5
レンジと仕様
それぞれの動作に必要な流量圧力に自動的に制御されます 車両(ト
ラック)の用途として特に設計されたものです TXV ポンプはトラックク
レーン、森林機械、ゴミ収集車、凍結防止剤散布車、建設車両などの
性能
外形寸法
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アプリケーションに解決策を示すものです
6-7
特別に小形に(幅 125mm)設計されており PTO やギアボックスに直接
スルードライブ
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制御部、調整、継ぎ手類
8-9
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10
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11
取り付けることが可能です
TXV ポンプは 40cc から 150cc までの7種類が用意されています
モデルにもよりますが最高使用圧力は 440bar です
シャフトシール
取り付けと始動の推奨項目
その他の LEDUC 製品
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12
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13
PTO 駆動アプリケーションに特化したシリーズ
XP シリーズの SAE 規格シリーズです
XP 斜軸ピストンポンプ
12-130cc/rev
PA-PAC-PAD シリーズ 3 つのレンジから構成されています
シングルフロー12 - 114cc/rev,
ツインフロー2x25-2x75cc/rev,
異なる 2 流量 75 - 40cc/rev
可変容量ポンプの有効性
TXV シリーズポンプ
可変容量ポンプは多くの利点があります
TXV 可変容量型ポンプを装備していただくことにより従来のシステ
ムが大きく改善されます
吐出制御が連続的に行われるため、高速、低速制御が正確に行
われます
低速
高精度
全ての作動時の正確な制御
複数の利点を提供
高速
●個別の負荷時の同時運転
●作動油の過熱防止
●エネルギー消費の低減
低速
高精度
ポンプはロードセンシング信号により流量と作動最高圧力を自動的に
制御します
回路に設けられた流量調整切り換え弁(比例弁)から回路で必要とさ
れている流量制御油圧信号が直接ポンプに送られます このとき負荷
の大きさに関係なく流量は制御されます
低速で高い精度が要求される作動のとき、流量と圧力が同時に制御
されています これにより作動油の不必要な過熱が防止されます こ
れにより、固定容量ポンプで起こる騒音や、作動油の劣化を防止でき
ます
駆動源から供給されるパワーはシステムが必要としているエネルギー
のみですので、機器の寿命延伸に寄与し、省エネ効果も高く、環境に
も優しいシステムとなります
高速作動時、ポンプは必要とされる最大油量をほぼ瞬時に
吐出します
コントロールレバーの比例動作制御は
完全に再現性があります
可変容量ポンプの作動
TXV シリーズポンプ
TXV 可変容量型ポンプは斜板タイプの 11 本ピストンデザインです こ
れにより 125mm 幅という極めて小形のボディとでき、低騒音で正確な
流量制御を実現しています
ポンプ吐出量は制御ピストンのストロークと比例します
斜板の角度α の変化により吐出量が変化します 吐出量を最大から最
少(ゼロ吐出)に変化させるには、斜板の角度をα MAX からα MIN まで
変化させます(下図)
最大吐出
ゼロ吐出
エア抜きプラグ
斜板
エア抜きプラグ
流量-圧力コントロール(LS)
ゼロ吐出 スタンバイ状態
スプール
差圧調整スプリング
LS ライン
P ライン
TXV シリーズポンプ
制御ピストン
比例弁は閉じています 高圧ライン P の圧力は上昇し、差圧調整スプ
リングでセットされた値に到達し、スプリングを撓めスプールをストロ
ークさせます 吐出ラインの油の一部が制御ピストンに入り、斜板の
角度をα ゼロの方向に動かします このとき吐出はほぼゼロですが
圧力は差圧分だけ残っています
斜板
比例弁
最大吐出
LS ライン
P ライン
比例弁は全開し、ポンプ吐出量を全て流すことができます LS ライ
ンの圧力は P ラインと同じになります
従ってスプールの両端には同じ圧力が働きます 差圧スブリングが
スプールをオリジナルの位置に押し付けています 制御ピストンに油
は送られずタンクへ逃げ斜板はα MAX の方向に移動し、ポンプの
最大吐出となります
流量制御
LS ライン
P ライン
比例弁は半開の状態です ポンプ吐出は全量は通ることができませ
ん P ラインの圧力が上昇します LS ラインの圧力は負荷が必要と
している圧力と同じになります P ライン圧 LS ライン圧 スプリング
力のバランスでスプールの位置が決まります スプールは中間付近
で吐出圧の一部を制御ピストンに送り斜板は必要な吐出量と比例す
る角度まで増加します
ゼロ吐出 (最大圧力)
LS ライン
P ライン
比例弁が全開で、シリンダがストロークエンドに達していると回路の
圧力は PC のセット値まで上昇します 図の右上のリリーフ弁が開き
LS ラインをタンク圧に開放します そのためスプール右側の圧力が
低下し、P ラインの圧力によりスプールは右方向に移動し、制御ピス
トンを作動させます これにより斜板角度はα MIN となり吐出はほと
んどゼロですが回路圧は最大が維持されます
PC セットネジ
LS セットネジ
ドレン
LS 接続口
レンジと仕様
サイズ
回転方向
吐出量(1)
最大
(cc/rev)
最大運転
圧力
(bar)
TXV シリーズポンプ
最大ピーク圧力
(間欠 5%)
(bar)
ゼロ吐出時
最大圧力
(bar)
300bar 時
最大必要
トルク
(N-m)
最高
速度(2)
(min-1)
質量
(kg)
オーバハング
トルク
(N-m)
スタンダードポンプ
スルーシャフトタイプ
(1)TXV ポンプは最大吐出を制限できます お問い合わせください
(2)吐出量によりさらに高い回転数での運転も可能です お問い合わせください
(3)ポンプだけのオーバハングトルクです
使用作動油の粘度が最大回転数に影響します 粘度が 150cSt 以上の場合お問
い合わせください
ポンプ最大吐出制限のセット
TXV ポンプ 40cc-120cc には標準で最大吐出制限ネジ(コード
0518386)がとりついています
これにより最大油量を必要な吐出量に調整することが可能です
ポンプ後面
調整ネジ 調整方法(下図参照)
1 の袋ネジを完全に緩め取り外します ロックナット 3 を緩めて 2 の
調整ネジにより必要な吐出量に制限します (下グラフ参照)
TXV ポンプでは調整ネジ 1 回転で約 9cc 変化します
TXV92-40 では調整ネジ 1 回転で約 8cc 変化します
性能
最大吐出時の必要トルク
TXV シリーズポンプ
パワー計算
ここで
理論油圧パワー
トルク
-1
スピード min
作動圧 bar
流量 L/min
流量グラフはスピード、サイズ別ごとになっています
これらのデータは弊社のラボで専用のテストベンチで行われた試験結果をもとにして
おります
作動油 ISO VG46 温度 25℃(100cSt) 50mm 吸入管約 1.5m 油面高さはポンプ軸
高さとほぼ同じ
理想的配置
ポンプよりタンク油面が上
流量
容積効率
外形寸法
TXV シリーズポンプ
セットネジ
ドレン
セットネジ
差圧調整
圧力計接続口
接続口
ポンプ
吐出口
吸入口
吐出口
吸入口
時計方向回転
反時計方向回転
サポート金具
サポート金物を使用する場合、金物はポンプ取り付けと同じ一体物に
とりつけのこと
サポート金具
質量と 重心位置
スルーシャフトタイプ
外形寸法は予告なく変更されることがあります
外形寸法
TXV シリーズポンプ
セットネジ
セットネジ
差圧調整
吸入口
吐出口
圧力計接続口
時計方向回転
外形寸法は予告なく変更されることがあります
反時計方向回転
外形寸法
TXV シリーズポンプ
スルーシャフトタイプ
TXV130 にはスルーシャフトタイプがあります 吸入吐出口は後部上下
向きとなり、後に TXV ポンプ,固定容量の XP,XA ポンプなどが取りつけ
られます
TXV130 に限り最大吐出制限は工場出荷前セットとなります
(60cc-130cc)
スルーシャフト自体の許容最大トルクは 90N-m ですので後のポンプの
トルクをチェックし
第一第二ポンプの合計トルクがこれ以下になるよう計画してください
サポート金物取り付けネジ
圧力計接続口
セットネジ
後ポンプ取り付け面(TXV,XP,XA)
LS セットネジ 差圧調整
ドレン
LS
吐出口
吸入口
シャフト側
外形寸法は予告なく変更されることがあります
ポンプ後側
外形寸法
TXV シリーズポンプ
スルーシャフトタイプ
ご要求により最大吐出量を 60-130cc の間で自由に決定することが
できます(工場セット)
吐出口
吸入口
サポート金物
サポート金物を使用する場合、金物はポンプ取り付けと同じ一体物
にとりつけのこと
吸入口
吐出口
スルーシャフトの伝達最大トルクは 90N-m ですので
第一第二ポンプの合計トルクがこれ以下になるよう計画してくださ
い
サポート金物
例 2台の TXV ポンプ
例 TXV ポンプと PA ポンプ
例 TXV ポンプと XP ポンプ
制御部 調整 継ぎ手類
最大吐出制限
TXV シリーズポンプ
TXV ポンプ 一定トルク LS コントロール
開発中
4 ページ参照
説明
差圧調整
TXV ポンプは標準的に差圧を 30bar にセットして出荷しています
ご要求により、この差圧を 25-60bar の間でセットすることが可能で
す
最高圧力
PC の作動圧力はシステムの最高使用圧力と同じでなくては
なりません
PC のセット値はオーダー時にご指示ください
ご指示がない場合 PC は 100bar にセットされて出荷されます
比例弁前の主リリーフ弁セット
PC のセット値より 25-30bar 高くセットする必要があります
一定トルク LS コントロール付き TXV ポンプは通常の LS コントロールを
行いながら、あらかじめ決められたシステム供給最大トルクを超えない
ように制御します
一定トルク LS コントロール付き TXV ポンプは 40,60,75,92,120cc/rev
で計画されています
外形寸法の変化はありません
作動原理
一定トルクということは 圧力 x 流量 = 一定 を常時制御することにな
ります
精度は理論値と比較して 5-10%程度となります セットは工場出荷前に
行われます
オーダーごとに必要吐出量、差圧、保ちたいトルク値をお知らせください
一定トルク制御は PC 制御と LS 制御とともに供給されます
応答速度
ゼロ吐出から最大吐出に変化する速度についてご要求があれば速
くすることが可能です
システム側でご用意ください
吸入口継ぎ手
TXV ポンプの吸入口に使用されます
90 度エルボ スイベル
コード
ストレート
例 流量-圧力グラフ
コード
実際のトルクコントロールは LS デバイスにより制御されます
シャフトシール
PTO 取り付け用 LEDUC ポンプは強化型シールが
標準となっています
ダブルラジアルシール : 外側のシールは PTO やギアボックスの圧力に対応するた
め、内側のシールは油圧ポンプの機能をまもるために取り付けられています
シャフトシール保護機構 透明なビニールチューブがポンプにとりつけられており 二
つのシールの中間から外部に配管されています コンタミの防止、空気抜きなどの効
果が期待されます
チューブ付きの場合の推奨事項
サイホン方式の配管として、PTO 側からのコンタミ、あるいは高圧洗浄
時の水の侵入を 容易に排出できるように工夫してください
チューブの先を下向きとすること、またいろいろな異物が侵入しない場
所への開放を推奨します
チューブの先端が暴れないように固定してください
禁止事項
チューブを可動部分に固定しないでください。チューブの破損の原因とな
ります。
固定時にチューブをつぶさないでください
チューブ先端を塞がないでください
シールが無い PTO のシステムではポンプがギアボックス側のシールも受け持つ
ことになります
そのため、このような場合、弊社は試作、テストを行っていただけるようお願いして
おります 特定のポンプでは、PTO の前面の角リングシールがポンプと PTO の金属接触を防
止することになります
TXV シリーズポンプ
チューブ取り付けの例
取り付けと始動の推奨項目
TXV シリーズポンプ
ご使用のポンプが長期にわたり正常に稼働するために以下の内容を参考としてください
作動油タンク
一般的に作動油タンクは油圧ポンプ軸芯より高く設置するのが適切で
す TXV ポンプは、条件により作動油タンクの上方でも使用することが
できますが、その場合はご相談ください 吸入管内圧力は運転中で絶
対圧 0.8-2bar を推奨します タンク内部には仕切り板を設け、戻り油が
直接吸入されることが無いように計画してください これにより、システ
ムに空気が混ざるのを防止し、分離を促進できます 吸入管はタンク底
部から出さないようにしてください 水分やコンタミを吸入する危険を防
止できます
吸入管
吸入管内の流速を 0.5-0.8m/sec となるように径を選択してください
可能な限り短く直線的な配管を心がけてください
始動前
始動前にポンプケーシングに作動油を充満してください
始動
- 吸入ラインにバルブがあれば開放してください
- 全てのバルブがタンク戻りラインが選択されていることを確認ください
- 吐出管の一部のネジを緩めます(エア抜きのため)
- 低速でインチングしながら起動します
- 緩めた吐出管の一部から空気が出て油だけになったら締め付けます
- 負荷をかけずに 1-2 分運転を続け、回路に油が流れていることを確認しま
す
- ポンプから振動や不適切な音が出ていないか確認します
- 運転開始から数時間経過したのち、取り付け部も含め各部ネジに緩みが
ないか再確認します
フィルタ
作動油タンクを清浄に保ち、タンクに油を給油する場合はフィルタを通し
てください 空気の混入にも注意してください
ポンプ吸入管は清浄であること。また以下の内容でフィルタを設けてくだ
さい
比較的シンプルな回路の場合(チッパーなど) 20μ リターンフィルタ
より複雑で高度な回路の場合(クレーンなど) 理想的にはポンプ吐出口
に 10-20μ フィルタ
目詰まりインジケータもお勧めします
メンテナンス
日常点検
- ポンプ取り付け部の緩みチェック
- 作動油の清浄度
- フィルタの目詰まり状態
ポンプから出ている透明なビニールチューブに連続して油が
流れている場合は、ポンプまたは相手側のシールの確認が
必要です
油圧作動油
10-400cSt の粘度の鉱物系作動油をご使用ください
このレンジであれば適切な効率を維持することができます
もし、その他の種類の作動油をご利用の場合は、ご相談ください
作動油の使用可能最大温度は 100℃です
駆動方式、取り付けの注意
PTO に接続する場合、ポンプ側 PTO 側いずれ
の取り付け注意事項にも十分配慮してください
TXV ポンプは基本的にシャフトにアキシャル荷
重を受けないことを前提に設計されています。
駆動条件の確認をお願いします
LEDUC の全てポンプには取り付けと始動時の
注意を記したリーフレットが添付されています
LEDUC 製品一覧
油圧モータ
固定容量型
5cc〜180cc
ISO,SAE 取り付け
トラック用ピストンポンプ
HYDRO LEDUC はトラックの PTO 取り出しにぴったりの 3 種類
のピストンポンプを用意しています
12〜150cc 固定容量と可変容量
マイクロハイドロリクス
産業用
車両用ポンプ
W シリーズ固定容量型ポンプ、DELTA シリーズ可変
容量型ポンプがあります。小形で高圧力
W シリーズは ISO3019/2 フランジ取り付け、シャフトは
DIN5480
DELTA シリーズは SAE シャフトおよび取り付けです
油圧アキュムレータ
ブラダ式 ダイアフラム式 アキュムレータ
20cc から 50L まで。最高圧 500bar
アキュムレータ用アクセサリ
HYDRO LEDUC のノウハウの
詰まった特別な製品群です
アキシャル&ラジアルピストン
ポンプ、可変固定容量
アキシャルピストンマイクロ
ハイドロモータ
マイクロハイドロユニット(電動機、
ポンプ、バルブ、コントロール付き)
油圧の設置場所が極めて狭く、難しい
環境条件のユーザー様に信頼性の高い
コンプリートシステムの提案をします
ハイドロ リダック社