第2期鳥羽市地域福祉活動計画

第2期鳥羽市地域福祉活動計画
(素 案)
平成 27 年 1 月
目 次
第1章 計画策定にあたって...................................................... 1
第1節 計画策定の趣旨 ........................................................ 1
第2節 計画の位置づけ ........................................................ 2
第3節 計画の期間 ............................................................ 2
第4節 策定の手法 ............................................................ 2
第5節 計画の推進に向けて .................................................... 3
第2章 鳥羽市の地域福祉の現状と課題............................................ 7
第1節 統計からみる鳥羽市の地域特性 .......................................... 7
第2節 第1次地域福祉計画からみる現状と課題 ................................. 12
第3章 基本的な方向性......................................................... 19
第1節 基本理念 ............................................................. 19
第2節 基本目標 ............................................................. 20
第3節 計画の体系 ........................................................... 21
第4章 計画の展開............................................................. 22
第1節 だれもがつながることのできるまちづくり ............................... 22
第2節 一人ひとりの声を聞き、支えあうまちづくり ............................. 28
第3節 必要な人に必要な支援が届くまちづくり ................................. 37
第1章
第1章
計画策定にあたって
計画策定にあたって
第1節 計画策定の趣旨
子どもでも、高齢になっても、障害があっても、家庭や住みなれた地域のな
かで、自分らしく幸せに暮らしたいということは、すべての人の願いです。
その願いの実現をめざし、様々な担い手(市民・事業者・社会福祉協議会・
市)が、地域の生活課題の解決のために、お互いができることを行い、できな
いことを補い合う(「自助・共助・公助」の補完性の原則)ことを地域福祉とい
います。
補完性の原則
自 助
共 助
公 助
自分でできることは
自分で
地域でできることは
地域で
自分や地域でできない
ことを公共が支える
近年、核家族化や少子高齢化、地域のつながりの希薄化等が進んでいます。
そうしたなか、ひとり暮らし高齢者のごみ出しなど、日常生活上の困りごとを
はじめ、子育て・介護の負担増大、いじめ・不登校、虐待、DV、孤立死など、
地域社会を取り巻く課題は複雑・多様化しています。こうした課題のなかには、
既存の制度やサービスでは対応がむずかしいものも少なくありません。
また、長年続く経済不況や東日本大震災など大規模災害の影響により、生活
困窮者対策や避難行動要支援者対策等が全国的な課題となっています。
さらに国では、介護保険制度の改正や障害者総合支援法の成立、子ども・子
育て関連3法の成立など、様々な福祉政策の見直しを進めています。
鳥羽市では、離島をはじめ多様な地域特性を有し、地域のつながりのなかで
人々の暮らしが営まれてきましたが、少子高齢化等に伴い地域で抱えるニーズ
や課題は複雑・多様化しています。そうした背景を踏まえ、一人ひとりが安心
して自分らしく暮らせるよう、地域福祉のまちづくりを進めるため、平成 22 年
に「鳥羽市地域福祉計画」を、また鳥羽市社会福祉協議会では同年に「鳥羽市
地域福祉活動計画」を策定し、両計画が連携しながら地域福祉の推進を図って
きました。この度、全国の動向をはじめ、鳥羽市における現状と課題を再度整
理し、市民・事業者・社会福祉協議会・市が課題解決のためにともに取り組む
ため、両計画の一体的な見直しのもと、「第2期鳥羽市地域福祉活動計画」(以
下「本計画」という。)を策定しました。
1
第1章
計画策定にあたって
第2節
計画の位置づけ
本計画は、法律上の規定はなく、社会福祉協議会を中心に様々な主体が相互
に協力して地域福祉を実践するため、社会福祉協議会が策定する行動計画です。
社会福祉協議会は、社会福祉法により、地域福祉の推進を図ることを目的とす
る団体として位置づけられています。
理念や仕組みをつくる地域福祉計画と、民間の具体的取り組みを示す地域福
祉活動計画は、言わば車の両輪であり、それぞれの内容を共有し、連携してい
くことが重要です。地域福祉計画と地域福祉活動計画を一体的に策定し、市と
社会福祉協議会が密接に連携しながら取り組むことで、より実効性のある計画
推進を図ります。
※地域福祉計画:社会福祉法 107 条に基づく「市町村地域福祉計画」であり、総合計
画を上位計画とする行政計画。各種個別計画(「高齢者福祉計画・介護保険事業計
画」「障がい者福祉計画・障がい福祉計画」「健康増進計画」「子ども・子育て支援
事業計画」)を内包するとともに、個別計画による施策のみでは解決が困難な課題
について、地域福祉活動と連動して横断的に対応するための計画。
第3節 計画の期間
本計画の期間は、平成 27 年度から平成 31 年度の5年間とします。
第4節 策定の手法
本計画は、平成 26 年6月に実施したアンケート調査により、地域福祉に関す
る市民の意識やニーズを把握するとともに、
「鳥羽市地域福祉計画及び活動計画
策定委員会」を通じて、市内外の地域福祉に関わる方々から多くのご意見をい
ただきながら策定しました。
2
第1章
計画策定にあたって
第5節 計画の推進に向けて
1 計画推進の担い手
本計画は、市民・事業者・社会福祉協議会・市がそれぞれの役割を果たしな
がら、連携して取り組むことが必要です。
市民・事業者
地域に暮らす市民それぞれが積極的に声かけやあいさつなどを行い、顔の見
える関係づくり、日頃からの見守りあいを心がけます。また、地域活動やボラ
ンティア活動等に参加することを通じ、困ったときはお互いに支えあい、助け
あえる関係を築くことをめざします。地域で解決することが困難な課題につい
ては、社会福祉協議会や関係機関、市等と連携し、適切な支援につなげること
も重要な役割です。
福祉サービス事業者は、サービスの質の確保、市民ニーズに基づく新たなサ
ービスの開発、市民への情報提供や相談、利用者の権利擁護及び自立支援など
に取り組みます。
また、福祉サービス事業者に関わらず、市内のすべての事業者は、地域社会
の一員として、地域課題に応じて市民や社会福祉協議会、市と協働の取り組み
を推進します。
社会福祉協議会
社会福祉協議会は、様々な地域の課題を地域で解決するための仕組みづくり
をめざし、地域での話し合いの支援、地域特性に応じた地域活動やボランティ
ア活動等への支援など、地域福祉推進のための中心的な役割を果していきます。
市
市は、市民の福祉の向上をめざして福祉施策を総合的に推進していく役割を
担っています。市民が安心して公的支援を利用できる環境づくりを行うととも
に、サービスや制度だけでは解決できない問題については、市民・事業者・社
会福祉協議会等と連携し、市民一人ひとりのニーズに応じたきめ細かな支援が
できる体制をつくります。
3
第1章
計画策定にあたって
2 計画の進行管理
本計画の進行管理については、年度ごとに進捗状況を把握した上で、施策の
充実や見直しについての協議を行い、計画の円滑な推進に努めます。
事業ごとに掲げた年次計画及び指標の進捗状況をもとに、定期的な事業評価
を実施し、柔軟性をもった事業展開を図ります。
また、計画の進行管理を担う組織として、市・社会福祉協議会の連携のもと
「鳥羽市地域福祉計画・地域福祉活動計画推進委員会(仮称)」を設置し、計画
に基づく施策が適切に実施されているかを点検・評価します。
そして、計画の進捗状況を広く市民へ周知できるように、ホームページへの
掲載等により計画の各年度の実施状況や変更・見直し等について公表していき
ます。
また、計画の着実な推進のためには、これらの進行管理を一連のつながりの
なかで実施することが重要です。そのため、計画を立案し(Plan)、実践する(Do)
ことはもちろん、目標設定や計画策定後も適切に評価(Check)、改善(Action)
が行えるよう、循環型のマネジメントサイクル(PDCAサイクル)を構築し
ます。
Plan:計画
Action:改善・見直し
・計画の立案
・事業内容の改善・見直し
・目標・指標等の見直し
継続的改善
Do:実施
Check:点検・評価
・計画に基づく施策・事業
の実施
・施策・事業の実施内容の
公表と周知
・施策・事業の実施状況の
把握
・目標・指標等の達成状況
の把握
4
第1章
計画策定にあたって
3 組織運営体制の整備・強化
(1)財源の確保
1
地域福祉財政の強化
社会福祉協議会を運営するうえで、人材の確保や事業の推進のために財政力
の強化は不可欠です。
今後も、会費や寄付金、共同募金等、地域福祉活動推進のための自主財源の
確保に努めます。
2
寄付金の受入
寄付金の受入の拡大に向けて、広報紙「福祉ウェーブ」やホームページを通
じて広報啓発に努めます。
3
募金の推進
共同募金等に対する理解と協力を深め、市民や法人から積極的な協力を得る
ため、広報紙「福祉ウェーブ」やホームページ、ポスターを通じて広報啓発に
努めます。
(2)組織機構の強化
1
会員制度・組織構成の整備
事務局や理事会・評議員会が中心となって社会福祉協議会の活動に対する理
解を求め、特別会員や個人会員を増強し、幅広い会員制度・組織化をめざしま
す。
2
理事会・評議員会の充実
地域福祉の先進事例を学ぶための研修や先進地視察を実施します。また、専
門委員会の設置等、体制の充実・強化に努めます。
5
第1章
3
計画策定にあたって
ボランティアセンターの機能強化
市民ニーズに応じたボランティアの育成及びボランティア活動に対する支援
を強化するため、ボランティアセンターの機能強化に向けた取り組みを進めま
す。
(3)職員の資質の向上と運営事務の効率化
1
職員の研修強化・資格取得の促進
職員の意識啓発と資質の向上を図るため、三重県社会福祉協議会が主催する
研修をはじめ、職場内外の各種研修の促進に努めます。また、職員の専門性を
より高めるため、社会福祉士や介護福祉士の資格取得を促進し、コミュニティ
ソーシャルワーカーなど地域福祉を推進する専門職の養成に努めます。
2
地域福祉に関する調査研究
社会福祉協議会が担うべき役割を他市町の事例や市民ニーズから調査研究し、
豊かな地域福祉の実現をめざします。
6
第2章
第2章
⿃⽻市の地域福祉の現状と課題
⿃⽻市の地域福祉の現状と課題
第1節 統計からみる鳥羽市の地域特性
1 総人口及び年齢3区分別人口の推移
本市の総人口は減少を続けており、平成 21 年から平成 26 年までの6年間で、
1,966 人減少しています。
また年齢3区分別人口の推移をみると、0~14 歳までの年少人口、15 歳~64
歳までの生産年齢人口は減少、65 歳以上の高齢者人口は増加傾向にあります。
■総人口及び年齢3区分別人口の推移
(人)
30,000
22,474
20,000
10,000
0
6,477
22,120
21,672
21,468
21,016
20,508
6,441
6,372
6,478
6,629
6,736
13,361
13,169
12,869
12,679
12,177
11,694
2,636
2,510
2,431
2,311
2,210
2,078
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
0~14歳
15~64歳
65歳以上
(%)
100.0
80.0
28.8
29.1
29.4
30.2
31.5
32.8
59.5
59.5
59.4
59.1
57.9
57.0
11.7
11.3
11.2
10.8
10.5
10.1
平成21年
平成22年
平成23年
平成25年
平成26年
60.0
40.0
20.0
0.0
0~14歳
平成24年
15~64歳
65歳以上
資料:住民基本台帳(各年 10 月末現在)
※年齢不詳分はグラフに含まれていません。
※平成 24 年 7 月から、住民基本台帳制度の改正により、外国人登録が廃止と
なり、外国人住民についても住民基本台帳法の適用対象となりました。
7
第2章
⿃⽻市の地域福祉の現状と課題
2 地区別の人口
地区別の人口をみると、安楽島地区・加茂地区・長岡地区では 15 歳未満人口
割合が市全体よりも高くなっています。一方、鳥羽地区・鏡浦地区・離島地区
では 65 歳以上人口割合が市全体よりも高くなっています。
■地区別人口
単位:人
地区
鳥羽地区
安楽島地区
加茂地区
鏡浦地区
長岡地区
離島地区
市全体
年齢
人口
地区別構成比
15 歳未満
15~64 歳
65 歳以上
442
2,629
1,808
9.0%
53.9%
37.1%
合計
4,879
100.0%
15 歳未満
15~64 歳
65 歳以上
614
3,036
1,219
12.6%
62.4%
25.0%
合計
4,869
100.0%
15 歳未満
15~64 歳
65 歳以上
376
1,981
1,098
10.9%
57.3%
31.8%
合計
3,455
100.0%
103
829
499
7.2%
57.9%
34.9%
合計
1,431
100.0%
15 歳未満
15~64 歳
65 歳以上
208
1,258
649
9.8%
59.5%
30.7%
合計
2,115
100.0%
15 歳未満
15~64 歳
65 歳以上
335
1,961
1,463
8.9%
52.2%
38.9%
合計
3,759
100.0%
15 歳未満
15~64 歳
65 歳以上
2,078
11,694
6,736
10.1%
57.0%
32.8%
合計
20,508
100.0%
15 歳未満
15~64 歳
65 歳以上
市全体に占める
比率
23.8%
23.7%
16.8%
7.0%
10.3%
18.3%
100.0%
※地区別構成比は小数点第2位を四捨五入しているため、合計値が合わない場合があります。
資料:住民基本台帳(平成 26 年 10 月末現在)
8
第2章
⿃⽻市の地域福祉の現状と課題
3 外国人人口の推移
外国人人口は減少を続けており、平成 21 年から平成 26 年までの6年間で 169
人減少しています。平成 26 年3月末の総人口 20,657 人に占める割合は約 0.5%
となっています。
■外国人人口の推移
(人)
300
275
244
218
214
184
200
106
100
0
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
※ 平成 24 年までは外国人登録、平成 25 年からは住民基本台帳による。
資料:市民課(各年3月末)
4 障害のある人の状況
各種手帳所持者数は増加しており、平成 21 年から平成 25 年の5年間で、身
体障がい者手帳所持者数は 144 人、精神障がい者保健福祉手帳所持者数は、26
人増加しています。
■各種手帳所持者数の推移
(人)
1,400
1,200
1,049
1,034
1,193
1,136
1,090
1,000
800
600
400
200
73
66
65
154
76
161
91
0
平成21年
平成22年
身体障がい者手帳
平成23年
療育手帳
平成24年
平成25年
精神障がい者保健福祉手帳
※療育手帳所持者数は平成 24 年・25 年のみの掲載
資料:健康福祉課(各年9月)
9
第2章
⿃⽻市の地域福祉の現状と課題
5 生活保護の受給状況
生活保護の受給状況をみると、平成 21 年から平成 23 年まで増加をつづけて
いましたが、平成 24 年から横ばいで推移し、平成 26 年は 110 人となっていま
す。保護率も平成 24 年からは大きな変化はなく 5.3‰となっています。
また、平成 24 年における県・全国の保護率と比較すると、県が 9.7‰、全国
が 16.6‰となっており、本市の保護率は低い水準であるといえます。
■生活保護受給者数及び保護率の推移
(‰)
15.0
(人)
150
100
50
92
93
4.0
4.1
110
111
113
102
10.0
5.3
4.7
5.3
5.3
5.0
0.0
0
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
保護受給者
平成26年
保護率
資料:健康福祉課(各年3月)
6 出生数及び死亡数の推移
出生数、死亡数ともに微増減を繰り返しながら、ほぼ横ばいで推移していま
す。自然動態は、死亡数が出生数を大きく上回っています。
■自然動態の推移
(人)
350
300
302
277
276
300
290
250
-50
119
136
117
120
108
100
50
50
0
200
150
(人)
100
-100
-150
-157
-141
0
平成21年
平成22年
-185
-180
-182
平成23年
平成24年
平成25年
出生数
死亡数
-200
-250
自然増減
資料:住民基本台帳
10
第2章
⿃⽻市の地域福祉の現状と課題
7 要介護認定者数等の状況
第1号被保険者数は平成 21 年から平成 23 年にかけては減少しており、平成
23 年から平成 26 年にかけては増加傾向にあります。要介護認定者数は年々増加
しており、平成 26 年には 1,336 人となっています。要介護認定率においては平
成 21 年から平成 25 年にかけては増加しており、その後減少しています。
■要介護認定者数等の推移
(人)
7,000
6,466
6,455
6,450
6,361
6,000
5,000
19.1
18.2
20.1
19.7
6,617
20.7
6,737
(%)
30.0
25.0
19.8
20.0
4,000
15.0
3,000
2,000
10.0
1,177
1,234
1,298
1,252
1,372
1,336
5.0
1,000
0.0
0
平成21年
平成22年
第1号被保険者数
平成23年
平成24年
平成25年
要支援・要介護認定者数
平成26年
認定率
資料:介護保険事業状況報告(各年9月末)
11
第2章
⿃⽻市の地域福祉の現状と課題
第2節 第1次地域福祉計画からみる現状と課題
本計画と地域福祉計画の一体的な見直しにあたって、
「第1次鳥羽市地域福祉
計画」の施策に基づき、鳥羽市の現状と課題をまとめました。「市の取り組み」
「福祉事業所・社会福祉協議会の役割」については市・社会福祉協議会の取り
組み状況から現状と課題をまとめました。また、
「市民の役割」については、関
連するアンケート調査結果から現状と課題をまとめました。
1 福祉のまちの土壌づくり
アンケート調査結果から
●近所づきあいを大切に思う意識が高く、親密な関係を築いている人が多い。
●一方で、若い世代では近所づきあいが希薄化している。
【問 14 近所とのつきあいに対する考え方〈単数回答〉】
・近所とのつきあいに対する考え方について、「お互いに相談したり、助け
合ったりすることはとても良いことである」
「暮らしにとって、お互いに
わずらわしくない程度は必要なことである」をあわせて9割程度と、多く
の人が近所づきあいの重要性を認識しているといえます。
【問 11 近所との関係〈単数回答〉】
・近所との関係について、「ほとんど近所とのつきあいはない」がわずか
2.7%であり、近所づきあいがある人のなかでも「何か困ったときに助け
合う人がいる」が4割程度と、親密な関係を築いている人が多い状況がう
かがえます。一方、若い世代ほど近所とのつきあいが少ない傾向がありま
す。
12
第2章
⿃⽻市の地域福祉の現状と課題
●近所とのつきあいのなかで求められる手助けは、病気など緊急時の対応に次
いで、見守りや話し相手など日常的なニーズが高い。
●若い世代において、近所での手助けに対する意識が高い。
【問 16・17 近所とのつきあいのなかで、「手助けしてほしい」、「手助けしてもいい」と思うこと
〈複数回答〉】
・近所とのつきあいのなかで手助けしてほしいと思うことについて、「特に
ない」をのぞいて、「病気など緊急時に看病をしたり、医者を呼ぶなどの
手助け」が2割程度と最も高くなっています。次いで、
「ひとり暮らし高
齢者などの見守り」「話し相手」が1割以上となっています。
・手助けしてもいいことについては、手助けしてほしいことに比べて全体的
に割合が高く、共助意識が高いことがうかがえます。また、20・30 歳台
など若い世代において「話し相手」「買い物や近くまでの外出などの付き
添い・手伝い」などが高く、若い世代の手助けに対する意識が高いことが
うかがえます。
●自主防災活動の必要性に対する認識は高い一方で、活動状況には地域差がみ
られる。
【問 19 防災に対する日頃からの取り組みや、災害などの緊急時の対応について〈単数回答〉】
○地域に自主防災組織が必要だと思いますか
・地域の自主防災組織については、8割程度の人が必要性を認識しています。
○日ごろから地域の防災訓練に参加していますか
・一方で、日ごろから地域の防災訓練に参加しているかについては、離島地
区で8割程度と高い一方、安楽島地区では4割程度など、活動状況に地域
差がみられます。
○地域に自主防災組織があったら入りますか
・地域に自主防災組織があったら入るかについても、加茂地区で6割程度、
鳥羽地区で3割程度と、地域差がみられます。
市の取り組み状況から
・市広報とばで特集ページを設けるなどにより、各種福祉施策や福祉に対する
理解促進のための周知・啓発を行っています。
・障がいへの理解を深めるため、障害者互助会との協働による「体育祭」
「防災
デイキャンプ」「障害者の日記念事業」等を通じて啓発を行っています。
・高齢者や障がい者等が災害時に安心・安全に避難できる仕組みづくりのため、
現在、避難行動要支援者名簿の整備を進めています。
13
第2章
⿃⽻市の地域福祉の現状と課題
・子育て支援においては、子育て支援センターの遊びの広場「だっこ」におい
て市民の子育てサポーターを募るなど、地域ぐるみの子育ての推進に努めて
きました。
社会福祉協議会の取り組み状況から
・市内の学校や集会所等に出向き「福祉いどばた会議」を開催し、福祉に関す
る啓発や理解促進を図っています。
「福祉いどばた会議」ではサロン支援や防
災講習、福祉教育・介護教室、福祉のまちづくりに関する講習、意見交換を
行っています。
・身近な地域で福祉課題を抱え支援を必要とする人に対する見守り活動や、町
内の福祉行事への協力者として、地域福祉推進員の設置を進めています。平
成 25 年度現在、47 地区のうち 16 地区に設置しています。
■■
課
題
■■
●若い世代は助け合いの意識が高い一方で地域での活動にはつながっていない
こと、また市や関係団体が主催する行事等への参加者が固定化されているこ
となどから、今後は若い世代を含めより幅広い市民が参加できる仕組みづく
りが求められています。
●より多くの市民が障がいへの理解を深められるよう、一般市民向けのイベン
トにおける周知啓発の強化や、障がい者等が参加できる場づくりが大切です。
●地域住民に対し、要援護者台帳の周知・啓発を進めるとともに、台帳の活用
方法について検討していく必要があります。
●福祉避難所の整備が課題となっています。
●主体的な自主防災活動につながるよう啓発していくことが求められます。
●中学生や高校生など、鳥羽市に住む若い世代が福祉分野の仕事に関心を持つ
よう、学校と連携した取り組みが求められています。
●「福祉いどばた会議」はサロン支援など地域住民の交流を目的とする活動が
多くなっていましたが、今後は、地域の福祉課題を地域で話し合う機会づく
りがより一層重要となっています。
●地域福祉推進員の周知を図るとともに、未設置の地区においては、活動の必
要性について地域の理解を深めていくことが必要です。
14
第2章
⿃⽻市の地域福祉の現状と課題
2 地域福祉活動の活性化
アンケート調査結果から
●若い世代において、自治会行事などの地域活動離れが進んでいる。
【問 18-1 自治会行事などの地域活動の参加の有無〈単数回答〉】
・自治会行事などの地域活動への参加状況について、50 歳台の参加率が8
割程度であるのに対し、20・30 歳台は5割程度となっています。また、
世代が若くなるほど「これまで参加したことがなく、今後も参加するつも
りはない」が高くなる傾向がみられます。
●近所で課題を抱えた人を把握することはむずかしい状況。
【問 12
近所に見守りを必要とする人や気にかかる人の有無〈複数回答〉】
・近所に見守りを必要とする人や気にかかる人の有無について、
「高齢者の
みの世帯」が4割程度であると同時に、「いない・わからない」も4割程
度と高くなっています。近所づきあいがみられる地域においても、課題を
抱えている人の把握がむずかしいことがうかがえます。
●ボランティア活動の必要性や関心は高いが、参加につながっていない状況。
【問 28 ボランティア活動について思っていること〈単数回答〉】
・ボランティア活動について思っていることは、「地域において助け合いや
支え合い、交流などを深めるためにも必要である」「気持ちはあるが忙し
いので参加できない」
「活動をしたいが内容や参加方法がわからない」を
あわせて7割程度と、多くの人が必要性を感じている、もしくは関心があ
ることがうかがえます。
【問 27-1 福祉分野のボランティア活動に対する関心や興味の有無〈単数回答〉】
・一方で、福祉分野のボランティア活動について、「現在、活動しており、
今後も続けたい」という人は 3.2%にとどまっています。
15
第2章
⿃⽻市の地域福祉の現状と課題
市の取り組み状況から
・地域の自治会や老人クラブ等の地域活動団体に対し、活動費の助成等を通し
て支援を行っています。しかし、既存の地域活動団体については加入率が減
少傾向となっており、役員等の負担が増大している現状があります。
・市民交流室を設置し、市と市民の協働を進めるための具体的な取り組みにつ
いて検討を進めています。
社会福祉協議会の取り組み状況から
・ボランティアセンターを拠点として、福祉ボランティア活動を促進していま
す。ボランティア連絡協議会のメンバーを中心に、多様なイベント活動が展
開されています。
・ボランティアスクールを毎年開講し、ボランティアリーダーの発掘・養成に
取り組んでいます。
■■
課
題
■■
●ひとり暮らし高齢者の増加をはじめ、うつや引きこもりなど、課題を抱えた
人の孤立化が問題となっており、日ごろの見守りなど、地域住民に求められ
る役割が大きくなっているといえます。
●また、高齢者や障がい者が住み慣れた地域で暮らすことのできる在宅福祉の
ニーズの高まりに伴い、日常生活支援等の担い手として市民によるインフォ
ーマルサービスの必要性がますます高まっています。
●より幅広い市民参画による協働のまちづくりの重要性が高まっており、全庁
的な体制で地域福祉を推進していくことが必要です。
●ボランティア連絡協議会だけでなく、より幅広いメンバーへの情報発信等に
より、ボランティア活動への参加を促す仕組みづくりが求められています。
●市民の福祉ニーズの多様化に対応するため、有償ボランティアなど、ボラン
ティア活動の多様なあり方を検討していくことも必要です。
16
第2章
3
⿃⽻市の地域福祉の現状と課題
保健・医療・福祉のネットワークづくり
アンケート調査結果から
●生活困窮の問題に直面している人が一定数いるとともに、制度の必要性は高
い。
【問 34-1 生活困窮の問題や制度について思うこと〈単数回答〉】
・生活困窮の問題や制度について、「問題に直面していないが、必要な制度
だと思う」が7割程度となっています。
「自分が現在問題に直面しており、
制度を利用したいと思う」「家族や親せきが問題に直面しており、制度を
利用するべきだと思う」「地域の人が問題に直面しており、制度を利用す
るべきだと思う」をあわせて1割程度と、一定数の人が問題に直面してい
る状況がうかがえます。
●在宅福祉や地域医療に対するニーズが高い。
【問 37 今後、鳥羽市が優先して充実すべきと思う健康や福祉に関する施策〈複数回答〉】
・今後、鳥羽市が健康や福祉を充実していく上で、優先して充実すべきだと
思う施策について、「高齢者や障がいのある人が安心して暮らせる在宅福
祉の充実」が5割程度と最も高く、次いで「地域医療の充実」が4割程度
となっています。
市の取り組み状況から
・保健福祉センターひだまりを拠点として、分野を越えた総合的な福祉施策の
推進を図っています。個別分野では対応がむずかしい複雑困難な課題につい
ても、社会福祉協議会等との連携を図りながら対応しています。
・高齢者福祉分野においては、地域包括ケアシステムの実現に向けた各種施策
を推進しています。平成 25 年度には、多職種による「鳥羽市在宅医療・介護
連携会議」を立ち上げ、医療と介護の連携強化をめざした事業展開を図って
います。
・障害福祉分野においては、平成 21 年度に自立支援協議会を設置したことによ
り、障がいのある本人やその家族をはじめとした、関係機関・団体との連携
の仕組みが出来上がりました。
・子育て分野においては、子育て支援センターを中心として子育て家庭への支
援を展開してきました。また、社会福祉協議会と連携し子育てサロン活動を
進めています。
17
第2章
⿃⽻市の地域福祉の現状と課題
社会福祉協議会の取り組み状況から
・平成 22 年度より介護保険サービス事業に携わる者が協働して介護保険サービ
ス事業者連絡会を立ち上げました。
・また、平成 25 年度には鳥羽市地域自立支援協議会障がい者福祉事業所部会を
立ち上げ、事業所間の勉強会や情報共有など、サービスの質の向上及び連携
強化を図っています。
■■
課
題
■■
●生活困窮等、より複雑困難な課題に対応するための支援体制の強化が必要で
す。
●高齢者や障がい者等、またその家族にとって、より身近な相談機能の充実が
求められています。
●子育てサロン活動への参加者は施設の近くに住んでいる人などに限られてお
り、今後は、より全市的に幅広く利用できるよう、実施体制を見直す必要が
あります。
●個別分野の枠を越えたネットワークを構築し、より総合的に地域福祉を推進
していく体制づくりが求められています。
18
第3章
第3章
基本的な⽅向性
基本的な⽅向性
第1節 基本理念
本計画では、基本理念を「鳥羽のまち 声をかけあい 支えあい」と掲げ、
市民一人ひとりが地域福祉を推進するやさしくあたたかなまちをめざします。
⿃⽻のまち
声をかけあい
⽀えあい
〇「鳥羽のまち」とは、鳥羽市全体はもちろん、自治会や小学校区等、市
民にとって身近と感じる様々な「地域」を表わします。
〇「声をかけあい」とは、すべての市民がふれあい、互いに理解しあうこ
とのできる「つながり」を表わすとともに、支援を必要とする人の心の
声を聞き、声をかけ、見守りあうことを表わします。
〇「支えあい」とは、地域の課題を地域で解決するため市民が主体的に支
えあう仕組みづくりを表わします。また、必要な人に必要な支援を届け
るために、市民や専門機関、社会福祉協議会、市等の協働により、総合
的かつ専門的に支えあう仕組みづくりを表わします。
19
第3章
基本的な⽅向性
第2節 基本目標
1
基本目標
だれもがつながることのできるまちづくり
地域福祉を推進する土壌として、身近な地域において、子どもから高齢者
まで、また障がいのあるなしに関わらず、だれもが孤立することなくつなが
りを持ち、互いに理解しあうことのできる関係づくりが大切となります。
そうした支えあう心を育むため、だれもが気軽に参加できる機会など、よ
り多くの市民が福祉のまちづくりについて、体験を通じて学ぶことのできる
環境づくりを進めます。
2
基本目標
一人ひとりの声を聞き、支えあうまちづくり
地域には、高齢者や障がい者、子育て家庭、うつや引きこもりの人、生活
に困窮している人等、何らかの不安や課題を抱え、支援を必要とする様々な
人が暮らしています。また、現在は課題に直面していなくても、将来、また
は突然の災害や事故等により、私たちはだれもが当事者になりうるのです。
だれもが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、そうした様々な課題に
直面したときに、必ずだれかが気づくことのできる、また、自ら声をあげる
ことのできない人の心の声を聞くことのできる見守り体制づくりを進めます。
また、地域の課題を地域で解決することのできる支えあいの仕組みづくりを
進めます。
3
基本目標
必要な人に必要な支援が届くまちづくり
地域福祉を推進するにあたっては、まずは身近な地域における日常的な声
かけや見守りあいを通じ、異変や変化に気づくことが市民の役割として求め
られます。しかし、重度の要介護状態をはじめ、生活困窮問題や虐待等、家
庭や地域のみで解決することが困難な課題も少なくありません。
必要とする人が必要な支援を受けることのできるよう、市民や専門機関、
社会福祉協議会、市等が多様な分野を超えて連携し、総合的かつ専門的な支
援体制づくりを進めます。
20
第3章
基本的な⽅向性
第3節 計画の体系
基本目標
取り組みの柱
取り組みの方向
(1)交流機会の充実
1
基本目標1
ふれあい参加で
(2)地域活動の支援
きる地域をつくる
(3)障壁のない環境整備
だれもがつながること
のできるまちづくり
2
1
基本目標2
一人ひとりの声を聞き、
支えあうまちづくり
2
(1)福祉教育の推進
支えあいの心を
育む
(2)地域における
学習機会の充実
見守りあいの
地域をつくる
(1)身近な地域での
見守り促進
(2)災害時に備えた支援
体制の充実
(1)担い手・資源の掘り
起こしと育成
支えあいの地域
をつくる
(2)福祉コミュニティの
構築
1
基本目標3
必要な人に必要な支援
2
が届くまちづくり
(1)情報提供・相談支援
自分らしい暮ら
体制の強化
しを実現する総合
(2)保健・医療・福祉
支援体制づくり
サービスの充実
多様な課題やニー (1)生活困窮者対策の推進
ズに応じた専門的な
支援体制づくり
(2)権利擁護の推進
21
第4章
計画の展開
第4章
計画の展開
第1節 だれもがつながることのできるまちづくり
1 ふれあい参加できる地域をつくる
交流を通じて互いに理解しあうことができるよう、市民主体のイベントやサ
ロン活動、地域活動等を継続的に支援することにより、身近な地域や様々な場
においてだれもが気軽に参加できる機会づくりを進めます。また、施設・設備
面や情報面等での障壁をなくし、だれもが参加しやすいユニバーサルデザイン
のまちづくりを進めます。
(1)交流機会の充実
様々な行事や交流イベント等の開催を通じ、幅広い世代の市民が参加でき
る場づくりを進めます。また、高齢者や障がい者、子ども等が参加できる機
会づくりや、交流を通じて市民の理解を深めることのできる機会づくりに努
めます。
1
子育てサロン、高齢者サロンの運営支援
「福祉いどばた会議」を通じ、子育てサロンや高齢者サロン等の運営支援を
行います。サロン未設置の地域には設置を呼びかけ、立ち上げ支援を行います。
なお、サロンの運営は地域の住民が主体的に担っていただけるよう、担い手
の確保に努めます。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
・既存サロンの自立活動支援
・未設置地区での立ち上げ支援
・サロン協力者・担い手の発掘、研修会の実施
22
平成
30 年度
平成
31 年度
第4章
2
計画の展開
ひだまりフェスタ
市民がともに支え合うまちづくりについて考えること、また健康づくりにつ
いての意識向上を図ることを目的として、「鳥羽市保健福祉センターひだまり」
や関係団体の活動等を広く紹介するとともに、市民が広く参加し交流できるイ
ベントを開催します。
今後、高齢者や障がい者、子ども等が参加しやすいよう、企画内容の工夫に
努めるとともに、会場のバリアフリー化や手話通訳者の配置等を行います。ま
た、企画運営に障がい者等の参画を促します。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
・定期的な実施
・高齢者や障がい者、子ども等の参加拡大に向けた実施内容の検討・実施
23
第4章
計画の展開
(2)地域活動の支援
隣近所や自治会は、地域福祉を推進する最も小さな地域の範囲となります。
自治会や老人クラブ、子ども会等、様々な地域活動を通じて、身近な地域で
のつながりづくりや支えあい活動を協働で進めます。
1
自治会等と連携した地域福祉活動
自治会をはじめとする地域活動団体と連携した行事・イベントを積極的に開
催します。
自治会や老人クラブ、子ども会等との連携によるサロン活動を展開するほか、
避難行動要支援対策での自治会等との連携強化を進めます。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
・自治会や老人クラブ、子ども会等と連携したサロン活動、避難行動要支援者
対策等の実施
2
児童福祉事業
地域における子どもの健全育成をめざし、子ども会活動や、子育て支援団体
への活動助成を行います。
また、児童健全育成を目的としたスポーツ大会の開催や、公園遊具の設置助
成等を行います。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
・児童福祉事業の実施
24
平成
30 年度
平成
31 年度
第4章
計画の展開
(3)障壁のない環境整備
公共施設や道路環境等の整備だけでなく、情報面等での障壁をなくし、だ
れもが快適に生活のできるまちづくりを進めます。また、高齢者や障がい者、
子ども等がまちづくりに参画できる環境づくりを進めます。
1
ユニバーサルデザイン
公的施設や道路環境だけでなく、商店等を含め市全体でユニバーサルデザイ
ンを進めるため、企業や学校、市民への啓発を行います。
また、広報「福祉ウェーブ」等の情報発信において、文字の大きさや色彩へ
の配慮、音声媒体の活用等、障がいの有無や年代に関わらずわかりやすい情報
提供を進めます。さらに、市と連携し、障がい者等がまちづくりに参画しやす
い環境づくりや呼びかけを行います。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
・ユニバーサルデザインに関する啓発
・ユニバーサルデザインによる情報提供
・まちづくりへの障がい者等の参加促進
25
平成
30 年度
平成
31 年度
第4章
計画の展開
2 支えあいの心を育む
だれもが互いに理解しあい、支えあう心を育むためには、より多くの市民が
福祉のまちづくりについて学ぶことのできる環境が必要です。学校における福
祉教育に協力するとともに、幅広い世代が地域において学ぶことのできる機会
づくりを進めます。
(1)福祉教育の推進
子どもの頃から福祉について関心を持ち、多様性を認めあい、困ったとき
には助けあう心を育むため、市民や関係団体と連携し、就学前からの継続的
な福祉教育を推進します。
1
児童生徒を対象とした福祉教育
幼稚園や保育所、小学校、中学校、高校に通っている子どもを対象に、ボラ
ンティア活動に対する意識を高めるため、一日福祉体験教室の開催等により福
祉教育を行います。
一日福祉体験教室では、鳥羽市内の福祉施設において行う介護体験や、保育
所等での幼児とのふれあい、防災ボランティアによる防災教室の開催などを行
います。
今後、市内の福祉課題に応じた活動が促進されるよう、福祉協力校と連携し、
学校単位での福祉体験教室や児童生徒への啓発等の充実を図ります。また、学
校や事業所だけでなく、地域学習(フィールドワーク)を取り入れ、地域の課
題を解決するための実践的な体験活動の実施を検討します。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
・一日福祉体験教室の開催
・フィールドワーク等を取り入れた新規体験プログラムの検討・実施
26
平成
31 年度
第4章
計画の展開
(2)地域における学習機会の充実
より多くの市民が地域福祉を身近なものと捉え、関心を持つきっかけとし
て、地域の現状や課題について情報交換や話し合いをする機会、市民の主体
的な学習機会づくりを促進します。
また、幅広い市民に地域福祉の大切さについて理解を促すため、様々な媒
体を活用して広報・啓発を行います。
1
福祉いどばた会議の推進
社会福祉協議会の職員が市内の学校や集会所等に出向き、福祉に関する講
演・体験学習・対話集会等を行います。福祉サービス事業者等と連携体制を構
築し、共同して事業を展開していきます。また、民生委員・児童委員やボラン
ティア団体、鳥羽市障がい者互助会等の参加・協力のもと、地域の福祉課題に
応じた講座内容を充実します。
さらに、市内の企業や労働組合等、新たな派遣先を開拓し、定年退職者や団
塊の世代、若年層等多様な世代へのボランティア教育の推進に努めます。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
平成 25 年度
実績値
平成 31 年度
目標値
5
10
3
10
2
10
66
70
・自治会、学校等への職員の派遣
・企業等新規派遣先の開拓
・地域福祉リーダーの発掘・養成(再掲)
■指標
福祉いどばた会議における自治会老人クラブ、
婦人会等への職員派遣回数
福祉いどばた会議における学校への職員派遣回
数
福祉いどばた会議における企業等への職員派遣
回数
その他、サロン支援等
27
第4章
計画の展開
第2節 一人ひとりの声を聞き、支えあうまちづくり
1 見守りあいの地域をつくる
高齢者や障がい者等が地域で安心して暮らすには、日頃からの声かけや見守
りはもちろんのこと、病気や災害等の緊急時を見すえた備えが重要です。
そのため、民生委員・児童委員や地域福祉推進員、地域住民等による日常的
な声かけや見守りあいを促進します。また、市民・事業者・社会福祉協議会・
市の連携により、ひとり暮らし高齢者や障がい者等、要支援者の把握に努める
とともに、災害時や非常時に迅速に支援できる体制づくりを進めます。
(1)身近な地域での見守り促進
高齢者や障がい者、子育て家庭等、なんらかの支援を必要とする人に対し、
民生委員・児童委員や地域福祉推進員、地域住民等が協力しあい、日頃から
の声かけ、見守りあいを推進します。
1
地域福祉推進員の設置拡大及び資質向上
地域福祉推進員は、身近な地域のなかで福祉課題をかかえ、支援を必要とす
る方の立場に立って、住みよいまちづくりの推進役を担います。
その活動内容は、地域の福祉課題の調査研究、住民主体の地域福祉の機運を
高めるための企画立案、民生委員・児童委員の活動の支援などがあります。活
動にあたっては、自治会や民生委員・児童委員と協力するものとします。
地域福祉推進員が設置されている地域においては、地域福祉や介護等につい
ての研修会を開催し、地域福祉推進員の資質向上を図ります。
また、地域福祉推進員が設置されていない地域においては、地域における福
祉いどばた会議等を通じて自治会に対して呼びかけるなど、設置拡大に向けた
支援を行います。
地域福祉推進員の認知度の向上をめざし、広報やホームページ等を通じた周
知・啓発を行います。
28
第4章
計画の展開
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
・地域福祉推進に対する研修の実施
・福祉いどばた会議を通じた自治会への設置呼びかけ
・広報等を通じた地域福祉推進の周知・啓発
■指標
地域福祉推進員設置自治会数
2
平成 25 年度
実績値
平成 31 年度
目標値
16
全自治会
声かけ・見守り活動の啓発
地域におけるあいさつや声かけ、見守り活動の大切さについて、講演会や福
祉いどばた会議、児童生徒への福祉教育等を通じて啓発を行います。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
・あいさつや声かけ、見守りをテーマにした講演会や福祉教育等の実施
29
第4章
計画の展開
(2)災害時に備えた支援体制の充実
市民・事業者・社会福祉協議会・市の連携により、ひとり暮らし高齢者や
障がい者等、避難行動要支援者の把握に努めるとともに、避難行動要支援者
台帳を活用した支援体制づくりを進めます。また、自主防災組織等を中心と
した防災活動を促進します。
1
避難行動要支援者対策の充実
自治会、市の防災担当部局、防災ボランティアと連携し、災害時の高齢者や
障がい者等の避難誘導、災害に対する学習等、災害に強い地域づくりを進めま
す。また、防災をテーマにしたボランティア講座の開催等により、防災ボラン
ティアの育成に努めます。
避難行動要支援者の速やかに救済できる体制を整備するため、避難行動要支
援者台帳を活用した事業内容を検討します。
また、防災意識の向上のため、防災タウンウォッチングや講演会等の開催に
ついて、継続的な実施に努めます。
※避難行動要支援者: 災害対策基本法で「当該市町村に居住する要配慮者のうち、災
害が発生し、または災害が発生するおそれがある場合に自ら避難することが困難
な者であって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要するも
の」と定義されています。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
・防災講演会の開催
・防災ボランティアの養成
・避難行動要支援者台帳の活
用方法の検討
・避難行動要支援者台帳を活用した防災活動
の実施
■指標
平成 25 年度
実績値
平成 31 年度
目標値
防災ボランティア登録者数
22
100
自主防災会組織数
45
47
30
第4章
計画の展開
2 支えあいの地域をつくる
鳥羽市は、本土と離島等、多様な地域特性のあるまちです。また、
「地域」の
捉え方は、隣近所から自治会、小学校区、全市域にいたるまで、年代や価値観
によって一人ひとり異なります。
地域福祉を推進するにあたっては、こうした地域特性を踏まえながら、ちょ
っとした困りごとを自治会で対応するとともに、複雑な課題についてはより広
域な小学校区で対応するなど、課題に応じて適切な「地域」の範囲を設定し、
多様な担い手が協働で解決に取り組むことが望まれます。
そのため、地域を超えてテーマに応じた活動を展開できるボランティア等の
担い手育成を進めるとともに、地域の課題を地域で解決できるゆるやかな仕組
みとして、小地域における福祉コミュニティづくりを進めます。
■鳥羽市における福祉コミュニティのイメージ
第1層【市全体】
市全体をとらえて総合的に施策を展開する
圏域
第2層【福祉コミュニティ】
地域の課題を解決するための人材や施設、サ
ービス等の資源が一定の範囲にある圏域
鳥羽市ではどのような範囲が第2層と
して望ましいのか、「地域福祉懇談会」
等を開催し、市民の方々の声を聞きな
がら検討します。
第3層【自治会】
声かけや見守りあいなど、日常的な支え合い
を展開する圏域
31
第4章
計画の展開
(1)担い手・資源の掘り起こしと育成
介護や子育て等、多様なテーマで地域福祉活動を担うボランティアの育成
を進めるとともに、市民ニーズに応じたインフォーマルサービスの創出を図
ります。
若い世代をはじめ、ボランティア活動や地域福祉に関心が低い人への広
報・啓発に努めます。また、福祉従事者の育成をめざし、県や関係機関と連
携した取り組みを進めます。
1
ボランティアの育成
地域社会においてボランティアとして活躍できる人材の育成をめざし、ボラ
ンティアスクールを開催します。ボランティアスクールでは、若い世代へと活
動のすそ野を広げるための工夫に努めるとともに、ボランティア活動のリーダ
ーを育成するため団塊の世代やシニア世代に対し参加を呼びかけていきます。
また、市民の多様なニーズに対応できるよう、有償ボランティアの仕組みづ
くりを推進します。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
平成 25 年度
実績値
平成 31 年度
目標値
・ボランティアスクールの開催
■指標
ボランティア登録者数
ボランティアスクール参加者数
32
1,203 人
1,400 人
118 人
200 人
第4章
2
計画の展開
ボランティア情報の提供
ボランティアセンターを拠点として、より多くのボランティア登録者が経験
や能力を活かして活動できるよう、ボランティア登録者や支援を必要としてい
る人が相互に情報交換できる機能を強化します。
その方法は、インターネット上の社会福祉協議会ホームページに、ボランテ
ィアに参加したい人またはボランティアを必要としている人がその内容を掲載
し、閲覧した人が内容に応じて申し込むというものです。情報の掲載やボラン
ティアの申し込みは社会福祉協議会で行います。
また、特に若い世代を対象に、SNS等を活用した情報発信や情報交換機能
の強化を行うとともに、ボランティア登録者を増やすためにタイムリーな情報
提供に努めます。
※SNS: ソーシャル・ネットワーキング・サービスの略で、友人・知人等の社会的
ネットワークをインターネット上で提供することを目的とする、コミュニティ型
のサービスをいいます。世界最大規模のSNSではフェイスブックが知られてい
ます。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
・情報交換及び情報発信手
法についての検討
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
・インターネット上のボランティア情報交換機
能の立ち上げ
・SNS等によるボランティア情報の発信
33
第4章
3
計画の展開
ほっとスマイルサービス
在宅生活に不安のある方を支援し、
「だれもが、安心して暮らすことができる
まちづくり」を実現することを目的とする有償ボランティア活動です。定期的
にサービスを利用する利用会員、提供する協力会員を募集すると同時に、その
内容を広く広報し、より多くの市民がサービスに参加できるよう規模の拡大に
努めます。
坂の多い地域や商店が少ない地域等における買い物や移動のニーズが高まっ
ていることなどから、地域でどのようなサービスが求められているか、随時ニ
ーズを捉え、実施サービスの内容の再構築に向けた検討も行います。また、ニ
ーズの複雑・多様化に対応できるよう、利用会員・協力会員がともにより安心・
安全に活動できる仕組みを検討します。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
平成 25 年度
実績値
平成 31 年度
目標値
・利用会員・協力会員の拡大
・事業の広報活動
・事業の再構築に向けた検討
■指標
利用会員数
23
100
協力会員数
36
100
4
地域課題に応じた活動及びリーダーの育成
坂手町高齢者サポートグループや神島中学校灯油運びボランティア等、地域
課題に応じたボランティア活動を継続的に支援していくとともに、モデル事業
として、他地域での広がりをめざして広報啓発を行います。
福祉いどばた会議等を通じ、地域で主体的に地域福祉を推進するリーダーの
発掘・養成に努めます。
34
第4章
計画の展開
(2)福祉コミュニティの構築
地域の課題に応じて、既存の地域活動団体だけでなく、介護や子育てとい
ったテーマに応じたボランティア活動団体やNPO法人等が協力しあい、と
もに課題解決に向けて取り組むことができるゆるやかなネットワークづくり
をめざします。そのため、地域の現状や課題を共有し、望ましいネットワー
クのあり方や課題解決策について市民が主体的に検討できる場づくりを進め
ます。
1
地域福祉懇談会の推進と福祉コミュニティの構築
地域で地域の課題を共有し、課題解決のための福祉コミュニティづくりにつ
いて話し合うため、自治会や老人クラブ、ボランティア団体等、地域の多様な
主体で構成される地域福祉懇談会の開催・充実をめざします。
地域福祉懇談会とは、ひとり暮らし高齢者等の日常生活の支援をはじめ、地
域のゴミ屋敷問題のような複雑・多様な課題について、地域住民が社会福祉協
議会や関係機関、行政等とともに解決に向けて話し合う場です。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
・地域福祉懇談会における福祉コミュニティづくりについての啓発・話し合い
・モデル地区による福祉コミュニティづくり
■指標
平成 25 年度
実績値
福祉コミュニティ数
未実施
35
平成 31 年度
目標値
3
第4章
2
計画の展開
地域のアクションプランづくりの支援
地域福祉懇談会において、福祉コミュニティづくりについて具体的な話し合
いの場づくりやアクションプランづくりを支援します。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
・福祉コミュニティごとのアクションプラン
づくり(モデル地区による実施)
■指標
平成 25 年度
実績値
アクションプラン策定地区
未実施
36
平成 31 年度
目標値
3
第4章
計画の展開
第3節 必要な人に必要な支援が届くまちづくり
1 自分らしい暮らしを実現する総合支援体制づくり
福祉サービス等の公的な支援を必要とする人が、そのニーズに応じて必要な
支援を受けることができるよう、その人らしさを大切にした総合的な支援体制
づくりを進めます。必要な人に必要な情報が届くよう、各種制度や相談窓口に
ついて情報提供の充実を図るとともに、分野を超えて必要な支援が適切に提供
できる支援体制の強化を図ります。
(1)情報提供・相談支援体制の強化
各種制度や相談窓口について、多様な媒体を通じて情報提供を行います。
また、必要な支援が適切に提供されるよう、分野を超えた相談支援体制及び
ケアマネジメント体制の強化に努めます。
1
広報紙「福祉ウェーブ」の発行
社会福祉協議会の事業内容や福祉情報を市民に啓発するために、年6回広報
紙「福祉ウェーブ」を発行します。
今後も、読みやすくわかりやすい内容づくり、地域に密着した記事づくり、
目にとまりやすい配布方法の検討等により、広報機能の充実を図ります。
2
総合相談事業
少子高齢化等に伴い複雑・多様化している悩みごと、生活上の困りごと等に
対し分野を超えてきめ細かい支援を行うため、職員の資質向上や専門職との連
携を図り、社会福祉協議会の総合相談機能を強化します。
また、
「鳥羽市保健福祉センターひだまり」において、民生委員・児童委員の
協力による心配ごと相談や、弁護士相談や司法書士による法律相談を実施しま
す。
37
第4章
計画の展開
(2)保健・医療・福祉サービスの充実
市や関係機関の連携のもと、市民のニーズに応じた適切な保健・医療・福
祉サービスの提供に努めます。
1
地域ケア体制の強化
介護保険サービス事業者連絡会や鳥羽市地域自立支援協議会障がい者福祉事
業所部会の運営支援を通じて、事業者間の勉強会や情報共有など、サービスの
質の向上及び連携強化を進めます。
介護保険サービス事業者連絡会では、幹事会、各部会(施設部会・訪問系部
会・通所系部会・居宅介護支援部会)において勉強会等を開催し専門的事例の
研究、情報交換、交流等を行います。
鳥羽市地域自立支援協議会障がい者福祉事業所部会では、制度についての学
習会、虐待等具体的課題についての勉強会、意見交換会等を行います。
多様な分野のサービス事業者、社会福祉協議会、市が連携し、市民一人ひと
りの生き方や価値観を尊重しながら、地域の福祉課題を共有し、ともに解決し
ていく地域ケア体制を構築します。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
・介護保険サービス事業者連絡会の定期的な開催
・鳥羽市地域自立支援協議会障がい者福祉事業所部会の定期的な開催
・分野を超えた地域ケア会議の開催
■指標
介護保険サービス事業者連絡会開催回数
鳥羽市地域自立支援協議会障がい者福祉事業所
部会開催回数
38
平成 25 年度
実績値
平成 31 年度
目標値
27
30
4
6
第4章
2
計画の展開
高齢者福祉事業
鳥羽市老人クラブへの活動助成や高齢者無料マッサージ、離島で生活する高
齢者の通所支援(船内島内介助)を実施します。また、市からの委託事業とし
て引きこもりがちな高齢者を対象とした生きがいづくり事業や家族介護教室を
開催します。
サービス提供にあたっては協力していただくボランティア団体等の一層の協
力を得られるよう、ボランティア活動の促進やボランティア団体への支援に努
めます。
今後も市と協力し、高齢者等の移動手段の確保等、高齢者の多様なニーズに
応じた支援やサービス提供を検討していきます。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
・鳥羽市老人クラブ活動への助成
・高齢者無料マッサージの利用促進
・船内島内介助の担い手の確保
・生きがいづくり事業への参加促進
・ニーズに応じた支援内容の検討
3
介護保険事業
居宅介護支援サービスや通所サービス、訪問サービス等の各種介護保険サー
ビスについて、市民のニーズに応じた適正な利用提供に努めます。また、従事
者の研修やサービス評価の実施など、サービスの質の向上を図ります。
第6期介護保険事業計画の制度改正を受け、新たな介護予防・日常生活支援
総合事業※について市と連携して検討していきます。
※介護予防・日常生活支援総合事業:市町村の主体性を重視し、地域支援事業において、
多様なマンパワーや社会資源の活用等を図りながら、従来の要支援者や一般高齢
者に対して、介護予防や、配食・見守り等の生活支援サービス等を、市町村の判
断・創意工夫により、総合的に提供することができる事業。
39
第4章
計画の展開
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
・介護保険サービスの質・量の確保
・介護保険サービスについての情報提供
4
障がい者福祉事業
ホームヘルプサービスや就労継続支援等、各種障がい者福祉サービスをはじ
め、障がい者の日記念事業、障がい者団体への助成、各種講座等を行います。
各種障がい者福祉サービスについては、障がい者のニーズに応じた適正な利
用提供に努めます。また、従事者の研修やサービス評価の実施など、サービス
の質の向上を図ります。
障がい者の日記念事業は、障がい者福祉についての関心と理解を深めるため、
障害者互助会との共同開催及び市や関係団体との連携のもと、
「ひだまりふれあ
い広場」を開催します。
■年次計画
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
・障がい者福祉サービスの実施
・障がい者の日記念事業の実施及び内容の検討、定期的な開催
・障がい者団体への継続的な助成
5
福祉機器等の無料貸出
病気やケガ等により、一時的に福祉機器が必要になった方への機器の貸し出
しや、地域でのレクリエーション活動等のためのレクリエーション用具、福祉
体験用具等の貸し出しを無料で行います。
40
第4章
計画の展開
2 多様な課題やニーズに応じた専門的な支援体制づくり
家庭や地域で解決することが困難な課題に対応するため、市民や専門機関、
社会福祉協議会、市等が多様な分野を超えて連携し、より専門的な支援体制づ
くりを進めます。
(1)生活困窮者対策の推進
複合的な課題を抱え、
「制度の狭間」におかれ、地域で孤立している人(失
業者、多重債務者、ニート、引きこもり 等)について、関係機関や市民と
の連携のもと、早期把握・早期発見に努めるとともに、自立支援を推進しま
す。
1
生活困窮者対策
生活困窮者支援窓口を設置するとともに、各種相談事業や訪問等を通じ、生
活困窮状態にある市民の早期把握・早期発見に努めます。
生活困窮状態にある市民に対し、市と連携し、納税猶予等に関する相談をは
じめ、各種福祉サービスや成年後見制度等の公的支援制度の適切な利用につな
げます。また、市やハローワーク、シルバー人材センター等と連携し、生活困
窮状態にある市民の就労支援を推進するとともに、市内の資源を活用した就労
及び就労訓練の場づくりについて研究します。
さらに、市と連携し、生活困窮状態にある世帯等の子どもに対し、学習支援
及び就学援助につなげます。
支援が必要な市民一人ひとりの状況に応じて市内の多様な支援をコーディネ
ートできる専門的な相談支援員の確保・養成を図ります。
2
低所得者福祉事業
低所得者への支援として、生活福祉資金貸付事業と法外援護資金貸付事業を
行います。生活福祉資金貸付事業については、三重県社会福祉協議会が所管す
る低所得者貸付制度で、総合支援資金、教育支援資金、福祉資金等の貸付申請
に係る窓口業務を行います。法外援護資金貸付事業については、鳥羽市社会福
祉協議会独自の福祉資金貸付事業です。
41
第4章
計画の展開
(2)権利擁護の推進
認知症や発達障がい、精神障がい等により、自分で判断することや権利を
表明することが困難な人、また虐待等により権利が侵害されている人の権利
を守ることを権利擁護といいます。また権利擁護においては、権利が侵害さ
れないよう防止する視点も大切となります。
権利擁護を必要とする人に対し、権利が尊重され、その人らしく生きるこ
とができるようきめ細かい支援を行います。
また、市民や関係機関との連携のもと、高齢者や障がい者、子どもに対す
る虐待の防止、早期発見・早期対応を図ります。
1
福祉サービス利用支援事業
福祉サービス利用支援事業は大きく在宅介護支援センターと日常生活自立支
援事業※に分けられます。
在宅介護支援センター事業は、高齢者の在宅介護や高齢者福祉サービスの利
用支援、情報提供等を行います。また、日常生活自立支援事業は、判断能力に
不安のある人の人権を守るため、福祉サービス利用援助、日常的金銭管理、証
書等の書類預かり等の支援を行います。
今後も、支援を必要とする市民の要望に応え、サービスを提供できるよう体
制の充実ときめ細かなサービスの提供に努めます。
※日常生活自立支援事業:平成 27 年4月から「地域福祉権利擁護事業」の名称が「日
常生活自立支援事業」に変更となりました。
2
虐待防止の取り組み
各種相談事業等との連携により、権利擁護が必要な人や虐待が疑われる人等
の早期発見・早期対応を進めます。
また、多様な機会を活用した市民や福祉サービス事業者への啓発等、鳥羽市
虐待防止ネットワーク協議会及び関係機関との連携による虐待防止対策を推進
します。
42