X 線 TV 装置 QA・QC ファントム

【ポスター発表】
-放射線部門-
14:30~14:40(西 3 ホール A)
X 線 TV 装置 QA・QC ファントムを用いた日常点検の精度の向上
《演者》
新座志木中央総合病院
黒木 亮寿
【目的】
QC・QA(品質管理、品質保証)は「お客様が満足する製品を経済的に作るために行う活動」、「お客様が安心
して製品を購入し、満足して使用することを保証する」と定義されている。放射線画像診断では「構造、システム、
コンポーネントあるいは手法が信頼性の確保に必要な行為である」とされ、患者が安心して検査・治療を受け、医
師・診療放射線技師が満足して診断・治療を行うことを保証することである。当院におけるX線TV装置の日常点
検は様々あるファントムの中から簡易的に線量と画質、装置のコンディションを把握することができるJSGIファン
トムを使用している。JSGIファントムを最大限に活用するための検討を行なった。
【方法】
(1)ファントムの位置が及ぼす影響を把握するために、ファントムを 1cm ずつ動かし撮影、透視条件、視覚的変化
を観察。
(2)照射野の絞りによる影響を把握するために 1cm ずつ手動で絞りを入れて撮影、透視条件、視覚的変化を観
察。
(3)これらを他の施設も含め 3 台の装置で実験を行なった。
【結果】
日常点検の結果を解析したところ撮影時間と透視パルス幅にばらつきがあった。これらの要因は実験の結果
よりファントムの位置と照射野絞りが撮影時間、透視パルス幅に影響するとわかった。
【考察】
JSGI ファントムのサイズは 10cm×10cm と X 線 TV 装置の有効視野 23cm×23cm と比較すると小さく、ファ
ントムの位置や照射野絞りが ABC の関心領域に影響を与えると考える。これらの影響を低減するためファントム
フォルダーや固定のコリメーションは有効と考える。再現性の高い日常点検を行うことにより、装置の経年劣化や
過線量設定を判断することが可能であり、患者、術者に必要最小限の線量で最適な画像を提供する必要があ
る。これらを可能にするためには精度の高い QC・QA は必要不可欠であると考える。
第 50 回TMG学会