表層型メタンハイドレートの資源量把握に向けた調査を行いました~掘削

平 成 2 6 年 1 2 月 25 日
資 源 エネルギー庁
表層型メタンハイドレートの資源量把握に向けた調査を行いました
~掘削調査により表層型メタンハイドレートを含む地質サンプルを取得~
資源エネルギー庁では、表層型メタンハイドレートの資源量把握に向けて、平成 25
年度から本格的な調査を実施しています。
今年度は、隠岐周辺、上越沖、秋田・山形沖及び日高沖の調査海域において広域
地質調査等を実施し、表層型メタンハイドレートの存在の可能性がある構造(ガスチ
ムニー構造)が 746 箇所存在することが新たに確認され、昨年度確認した 225 箇所と
合わせ、2 年間で 971 箇所のガスチムニー構造が確認されました。
また、上越沖、秋田・山形沖の調査海域において 3 箇所を選び実施した地質サンプ
ル取得調査では、表層型メタンハイドレートを含む地質サンプルを取得しました。その
結果、いずれの箇所においても、海底面から 50m 程度の深さまではメタンハイドレー
トが厚さ数 10cm から 1m 程度で、それより深いところでは厚さ 1cm未満や直径1cm
未満で存在していることが分かりました。
1.背景
日本周辺海域に存在するメタンハイドレートには、表層型と砂層型がありますが、
主に日本海側で確認されている表層型については、「海洋基本計画」(平成 25 年 4 月
閣議決定)に基づき、平成 25 年度から 3 年程度かけて資源量把握に向けた調査を行
うこととなっています。
2.調査の結果概要
今年度は次の調査を実施しました(別添参照)。
(1)広域地質調査
・調査海域:隠岐周辺、上越沖、秋田・山形沖、日高沖 / 調査日程:4/15~6/15
・調査船により、海底の地形や海底下浅層部の地質構造データを取得しました。
・解析の結果、表層型メタンハイドレートの存在の可能性がある構造(ガスチムニ
ー構造)が新たに 746 箇所確認されました。昨年度に確認された 225 箇所と合わ
せ、2年間の合計で 971 箇所のガスチムニー構造を確認したことになります。
・これらのガスチムニー構造は直径 100~500m 程度で、一部には直径 1,000m を
超えるものも確認されました。
平成 25 年度調査面積 11,060 ㎢、ガスチムニー構造の確認数
225
平成 26 年度調査面積 19,270 ㎢、ガスチムニー構造の確認数
746
調査面積合計
30,330 ㎢、ガスチムニー構造確認数合計
971
(2)詳細地質調査
・調査海域:隠岐周辺、上越沖、秋田・山形沖 / 調査日程:5/10~6/3
・自律型巡航探査機(AUV)に設置された機器から音波を発信し、より精緻な海底
地形や海底下浅層部の地質構造、海底面の性状のデータを取得しました。
(3)地質サンプル取得調査
・調査海域:上越沖、秋田・山形沖 / 調査日程:6/21~7/10
・上越沖、秋田・山形沖の調査海域に存在するガスチムニー構造の中から3箇所
を選び、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)所有の海
洋資源調査船「白嶺」により、ガスチムニー構造を海底下 100m 程度まで掘削し、
地質サンプルを取得しました。
・今回掘削した3箇所の地質サンプルを観察した結果、共通の特徴として、ガスチ
ムニー構造の上部(海底面から海底面下 50 メートル程度の深さまでの範囲) に
は厚さ数 10cm〜1m 以上のメタンハイドレートが発達し、それよりも深いところで
は、一般に厚さ 1cm 未満や直径 1cm 未満のメタンハイドレートが存在しているこ
とが分かりました。
(4)環境データ取得のための基礎調査
・調査海域:上越沖、秋田・山形沖 / 調査日程:10/4~10/24(モニタリング期間
は約 1 年)
・昨年秋に設置したモニタリング装置の回収を行うとともに、1年後に回収するモニ
タリング装置を設置しました。また、海底の観察を行いました。
3.今後の予定
「海洋基本計画」に基づき、来年度も引き続き広域調査等を実施するとともに、これ
までの調査結果等を踏まえ、今年度とは別の地点において地質サンプル取得調査を
行います。
(参考)今年度、調査を実施した海域
※海底の地形や海底下浅層部の地質
構造の把握のために調査した面積
合
計
(昨年度合計
19,270 ㎢
11,060 ㎢)
地質サンプル取得
調査も実施した海域
(本発表資料のお問い合わせ先)
資源エネルギー庁資源・燃料部 石油・天然ガス課長
南
担当者:山口(やまぐち)、溝田(みぞた)、今村(いまむら)
電
話:03-3501-1511(内線:4641~6)
03-3501-1817(直通)