【医学部】 【Faculty of Medicine】 Title Author(s) Trends in the Incidence of Stroke and Cardiovascular Risk Factors on the Isolated Island of Okinawa:The Miyakojima Study( Review_審査要旨 ) 洲鎌, 千賀子 Citation Issue Date URL Rights 2013-09-30 http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/handle/123456789/29016 平成 lr;年'1月 1 1日 (別紙様式第 7号) ι 開l ミ 再 文 審 査 土 、 川 企 口 果 の 要 旨 課程博 報告番 号 1 * 第 号 洲鎌千賀子 氏名 論文博 査 日 平 2 5 年 成 7 月 論文審 査委員 (論文題目) Tr en dsi nt heI n c i de nc eo fS t r o k ea ndCard i o v a s c u l a rR i s kFa ct o r s o nt h eI s o l a t e dI s l a ndo fOkinawa: TheMi y a k o j i maSt ud y (沖縄県離島における脳卒中発症率 と心血管危険因子の経年変化:宮古島研究) (論文審査結果の要旨) 上記論文に関して、研究に至る背景 と目的、研究内容、 研究成果の意義 と学術的水準につ いて慎重に検討 し、以下のよ うな審査結果を得た。 1 . 研究の背景 と目 的 かつて沖縄県は世界的な長寿地域で、あった一方で、近年は本邦で最も肥満率が高い県となっ た。肥満は代謝障害 を伴い心血管疾患発症の原因とな る 。 近年、本邦では脳卒 中発症率が減少 傾向にあるが、肥満が急激に増加している 沖縄県で脳卒中発症率がど のよう に推移しているか は不明であった。本研究では初発脳卒中発症率と心血管危険因子の経年変化を沖縄県宮古島地 域で調査した。 2. 研究内容 沖縄県宮古島地域の人 口 ( 2 0 0 5年)は 5 5, 5 8 7人(内 6 0歳以上は 2 6%)であった。宮古島 9 8 81 9 9 1年(第一期)と 2 0 0 22 005年(第二期)に 30歳以上の宮古 内の総合病院を訪問し 、1 島在住者で、新規脳卒中と 診断された 全症例 の診療記録 を調査した。症状、画像所見 ( C Tま たは MR I ) から 脳卒中 の病型診断を行った。心血管危険因子は同時期 に沖縄県総合保健協会 が施行 した宮古島地域の一般住民健診データを解析した。脳卒中病型推移は第一期に比べ、第 二期で脳梗塞が有意に増加し、脳出血は有意 に減少した。 初発脳卒中の年齢調整発症率 ( 対 1 0万人年)は第一期 1 2 1、第二期 1 4 5と増加傾向を認め、年齢階級別発症率では 5 0歳代以上 において増加した(但 し、いずれも有意差なし)。 心血管危険因子 について、収縮期血圧、拡張期血圧は全年齢階級において、第一期に比べ 第二期では有意に低下していた。体格指数 ( BMI)は 50歳代以上にお いて有意に増加した。 空腹時血糖値は 8 0歳台を除く全年齢階級において、 no nHDLコレステ ロールは 5 0・7 0歳代 において、それぞれ有意に増加した。 血圧値が改善したにもかかわらず新規脳卒中の発症率が減少せず、むしろ脳梗塞を中心に 増加した要因として 、体重や糖脂質フ 口フィールの悪化が考えられた。 ・ ・ 3 . 研究成果の意義と学術的水準 「血圧値改善により脳宰中発症率は減少した。」とするこれまでの疫学研究の知見とは異な り、本研究では体重増加や糖脂質プロフィールの悪化が降圧による脳卒中予防効果を打ち消し た可能性を指摘した。沖縄県は他府県と比べ食生活の欧米化が先行している地域であり、本結 果が今後わが国の脳卒中全体像を先行して示した点で有意義である。 以上により、本論文は学位授与に十分に値するも のであると判断した。 備考 1 用紙の規格は、 A 4とし縦にして左横書きとすること。 2 要旨は 800字 " ' 1 2 0 0 字以内にまとめること。 3 *印は記入しないこと。
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