GCI Global View

GCI Global View
2014 年 7 月 28 日
【目次】
●投資家の多様性
P.1
●ヘッジファンド・ニュース
P.3
【連絡先】
株式会社 GCI アセット・マ ネジメント
金融商品取引業者
○住所:〒101‐0065 東京 都千代田区西神田 3‐8‐1
関東財務局長(金商) 第 436 号
○電話番号:
03‐3556‐ 5540(代表 )
日本投資顧問業協会
加入
○電子メール:[email protected]
当資 料は、株 式 会 社 GCI アセット・マネジメントが情 報 提供 を目的 として作 成したもので、投 資 家に対する投 資勧 誘を目 的とす
るものではありません。当 資 料 は、当 社 が信 頼 できると判 断 した情 報 データに基 づき作 成 しておりますが、その内 容 の完 全 性 、
正 確 性について、当 社が保 証 するものではありません。当 資 料における見 解は作 成 時 点 のものであり、今 後 予 告 なく変 更される
場合があります。
巻頭レポート
投資家の多様性
7 月 26 日付の経済紙で「企業年金に新制度検討 会社と社員が運用リスク分担」
と題して、確定給付年金(DB)と確定拠出年金(DC)とを組み合わせた、中間的な性格を
有するハイブリッド型の新たな企業年金制度の検討に厚生労働省が着手したと報じられま
した。
これらは昨年秋以来、厚生労働省の企業年金部会において、厚生年金基金の特例
解散にむけた諸課題とともに、企業年金のあり方についても検討を重ね、関係諸団体から
ヒアリングを実施したうえで、このような結論にいたったものです。
今回の新制度は、今後公的年金がマクロスライド調整により所得代替率が低下す
ることが見込まれ、老後の所得確保における私的年金の上乗せの重要性が増す一方で、企
業が DB を維持する負担の高まりから DC へ移行する動きが見込まれる中でも、個人の責任
で真に老後に向けて適切な備えを用意できるのか極めて不透明な状況に対し、一石を投じ
るものとして、今回の新制度が提案されたものです。
これらの実現にむけては、企業の掛け金に対する非課税措置が認められるかどう
かが一つの焦点としてあげられていますが、最低限の保証を企業側が保証する仕組みは変
額保険の満期における元本保証と類似のリスク特性を内包しており、そのあたりをどのよ
うに認識すべきかも今後議論が進展していくものと思われます。
このハイブリッド型は、企業年金の一つの柱と成り得る可能性を秘めているので
はないかと思いますが、年金セクターにおけるそれ以外の大きな潮流としでは、公的セク
ターでは GPIF へ集約されるという巨大化の動きと、民間セクターではやはり DB から DC
へと個人が投資の主体となる比重が高まるという二つの極端な動きがあげられます。そし
てその流れの中では、スマートな機関投資家層の縮小と、投資家の多様性が低下すること
が懸念されます。
GPIF は改革の一環として、ガバナンスのあり方の見直しと共に、リスクテイクの
積極化やスマートベータ型の運用の導入など、新たなチャレンジに動いていますが、その
巨大さからくる運用の制約から、スマートな投資家としてふるまうことには自ずと限界が
ありそうです。アルファを継続的に創出する能力を備えたマネジャーを手間ひまかけて見
出し、それらを複数束ねたとしても、そのようなマネジャーのキャパシティ制約から AUM
の 1%に満たないのであればコストと労力にみあわず、それよりもパッシブ運用のコストを
ぎりぎりまで抑えることに注力すべしとなりがちです。
また、個人に対しても、分かりやすくシンプルなものが推奨され、インデックス
やこれらを束ねたものが運用の中心になりがちです。
インデックス運用はある意味フリーライダーと言えます。市場には多様な見方を
持った多数の参加者たちが、それぞれの視点で個別銘柄を分析し、投資の適否を判断、そ
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の投資行動が価格に反映された結果として、市場全体が効率的に価格形成されるという前
提でインデックス運用は成り立っており、その手間とコストをそれらの多数の市場参加者
がかけてくれるのに乗っかっているといえます。
インデックス自体も多様化が進み、かつ投資可能な仕立てが ETF 等を通じて広が
りをみせており、これはこれらで意義ある動きではありますが、多様な投資家により効率
的な市場が形成されていることが前提であることに変わりはありません。
アクティブ運用は、平均してしまうとパッシブ運用に勝てないと言われています
が、アクティブ運用の平均にあまり意味はありません。結果を出しアルファを創出し続け
ている運用者が存在しているのも事実であり、そのような、限られた運用者を丹念に発掘
し、投資機会と投資環境をじっくりと吟味したうえで投資を実行し、緊張と信頼のバラン
スをとりながら運用者と中長期的な関係を維持、発展させることができる賢明な投資家の
存在が、運用者を育てることにつながります。
資産運用業の発展のためには、多様な投資家層が必須です。(末永)
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■ヘッジファンド・ニュース
「SEC 米下院めぐるインサイダー調査、ファンドや企業も対象」
米下院歳入委員会とその上級スタッフをめぐるインサイダー取引 調査には、数十のヘッジ
ファンドや投資顧問会社などの企業も対象に含まれていることが、米証券取引委員会が裁
判所に提出した書類で明らかになった。SEC によると、米国の大手ヘッジファンドや資産
運用会社も調査の対象となっている。44 団体のうち 25 団体がニューヨークに拠点を置い
ている。
出所:Bloomberg
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N8W0SI6KLVR601.html
「ソロスの元運用者設立のヘッジファンド拠点をドバイに設立」
ズエイター氏率いるジャダラ・キャピタル・パートナーズと、VYキャピタル・マネジメ
ントがこの1年間にドバイで事業をスタートさせ、両社の設立を支援した法律事務所デチ
ャートによれば、金融拠点のドバイ・インターナショナル・ファイナンシャル・センター
のヘッジファンド運営会社は 3 社となった
出所:Bloomberg
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N8S8OB6KLVRS01.html
「米ブラックストーン新部門で富裕層個人に照準好機見込む」
6 月の規制当局への届け出によると、株式と債券の代替となる資産の運用で世界最大手の
ブラックストーンは、ブラックストーン・トータル・オルタナティブズ・ソリューション・
アドバイザーズを設立。富裕層の世帯や個人からの資金調達を目指す。当初は同社による
買収案件や不動産、債券、ヘッジファンドの分野に投資するファンド・オブ・ファンズの
顧客を探している。
出所:Bloomberg
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N8OO3N6KLVRZ01.html
「KKRヘッジファンドのブラックゴールド株取得へ」
資産家のジョージ・ロバーツ氏とヘンリー・クラビス氏が率いる米プライベートエクイテ
ィ投資会社 KKR は、ヘッジファンド運営会社ブラックゴールド・キャピタル・マネジメン
トの一部株式を取得することで合意した。情報が未発表であることを理由に関係者が匿名
を条件に明らかにしたところによると、KKR はブラックゴールドの株式 24.9%を取得する
見通し。
出所:Bloomberg
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N8QBRP6K50Y701.html
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「ドイツ証出身の浅川氏が日本株ヘッジファンドに助言」
ドイツ証券出身の浅川貴之氏が設立したゾーン・インベストメンツは、7 月から日本株ロ
ング・ショート戦略ファンドへの助言業務を開始した。相場のトレンドを機敏にとらえて、
損失は小さく抑え、大きな利益の獲得を狙う。
出所:Bloobmberg
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N8OWQ46S972A01.html
本欄でご紹介した記事は、GCI キャピタル金融市場調査グループが運営しているヘッジ
ファンドクルークより抜粋したものです。
URL:http://www.hf-klug.jp/
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