ライフサイエンス p53-mdmx相互作用を阻害する 新しいコンセプトの低分子抗がん剤 用途・応用分野 野生型がん抑制遺伝子p53をもち、且つ、p53ネガティブレギュレーターの一つである mdmxを高発現しているがんに有効な、新しいコンセプトの抗がん剤(医薬品) 本技術の特徴・従来技術との比較 1)p53とそのネガティブレギュレーターであるmdmxとの相互作用を強く阻害する低分子化合物 2)野生型p53遺伝子を持ち、mdmxを過剰発現しているがんに対し、効果的な抗がん作用 3)ヒトがん細胞移植ヌードマウスを用いた抗腫瘍活性試験で、経口投与で有意な腫瘍縮小効果 技術の概要 K-178のがん細胞増殖に及ぼす効果について 2 x 104 cells200mm2 37℃, 24 h 140 K-178 37℃, 48 h 120 Cell viability(%) 野生型がん抑制遺伝子p53をもつヒトの がんのうち、約半数で、p53の機能を阻害 するネガティブレギュレーターが過剰発 現している。我々は、K-178に代表される 一連の低分子化合物が強いp53-mdmx 阻害効果を示すことを見出した。実際、 K-178は変異型p53遺伝子をもつがん細 胞には殆ど作用せず、野生型p53遺伝子 を有し、且つ、mdmxを過剰発現している がん細胞選択的に細胞死を誘導した。 K-178及び関連化合物K-630は、経口投 与によりヒトがん細胞移植ヌードマウスで 有意な腫瘍縮小効果を示した。両化合物 は、mdmx過剰発現型がんを対象とした、 新しいタイプの抗がん剤となりうる。 Crystal violet 100 TIG7 (p53野生型) MCF7 (p53野生型) A427(p53野生型) A431(p53変異型R273H) MDA-MB-468 (p53変異型R273H) 80 60 40 K-178は、p53変異型や正常線維芽 細胞には影響を及ぼさず、p53野生 型でmdmx発現株に高い選択性で 細胞毒性を示した。 20 0 0 10 特許・論文 20 30 40 K-178(µM) 研究者 <特許> 住吉 孝明 「p53-mdmx相互作用を阻害する低分子抗がん剤」 化学生命工学部 生命・生物工学科 (特許第5700324号) 医薬品工学研究室 ※公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 江成 政人(共同発明者) との共同出願 国立がん研究センター 研究所難治がん研究分野 上里 新一 先端科学技術推進機構 お問合わせ先 関西大学 社会連携部 産学官連携センター TEL: 0 6 – 6 3 6 8 – 1 2 4 5 MAIL:[email protected]
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