海洋底ダイナミクス 2015 2016/1/13 中央海嶺では「マグマが噴出して

海洋底ダイナミクス 2015 2016/1/13 中央海嶺では「マグマが噴出して冷える」ことを通じて、固体地球の熱を海洋へ運んでいるといえ
る。海嶺から放出される熱量の見積もりを以下の手順で行いなさい。(1) (4)は計算する必要はない
が、単位系をあわせるための数値は入れなさい。
1.
(1) 海嶺の総延長がL[m]で両側拡大速度がv[m/yr]の時、この海嶺で1年間に生産される海底の面積
S[m ]はどのように表されるか。
2
(2) 海洋性地殻の厚さがD[m]、地殻の密度がρ[kg/m ]として、この海嶺で1秒あたりに生産されるマグ
マ量M[kg/s]はどのように表されるか。
3
(3) 生産されたマグマは噴出時にT [℃]であるが、海水で冷やされ、熱水と同じ温度T [℃]まで冷却さ
れる。このときに放出される熱(仕事率)Q[W]はどのように表されるか。ただしマグマ物質の比熱を
C[J/(kg・K)]とする。ヒント:ワットW=[J/sec]
1
0
(4) マグマはT [℃]まで冷やされると液体から固体になる。この相変化による潜熱はl[J/kg]である。潜
熱による放出熱(仕事率)Q [W]はどのように表されるか。
0
l
(5) 添付の表と各パラメータの数値を利用して、世界の中央海嶺から放出される熱(仕事率)[W](Q
とQ )の総和を推定しなさい。 値は表に記入してよい(表の赤に塗られた枠を埋める)。 この結
果を元に、1年間に地球上の中央海嶺すべてで放出される熱量[J]を求めなさい。有効数字は2桁。
l
海洋底ダイナミクス 2015 2016/1/13 2.
(1) 1で求めた熱がすべて海水を熱水に変える(温度が0℃から350℃に変化する)ことに使われると
考え、海水の比熱容量は6.3×10 [J/(kg*K)]とすると、1年間に中央海嶺では何kgの海水が熱水に変化
できると推定できるか。
3
(2) 全世界の海水量はおよそ1.4×10 [kg]である。2で求めた年間の熱水循環量で割ると、およそ何年
で世界中の海水が熱水循環にとりこまれる計算になるか。
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