6.4.2 オームの法則 抵抗率 ρ

6.4.2 オームの法則
物体の電気抵抗 R〔  〕(オーム)
V
R
V  RI 物体に加えた電圧:V〔V〕
物体を流れる電流:I 〔A〕
I
• 1V の電圧で 1A の電流が流れるとき → 1 
抵抗が一定のとき → 回路に加えた電圧と
流れる電流は比例する(オームの法則)
抵抗率
抵抗率 〔   m 〕:単位長さ単位断面積当たりの抵抗
R
抵抗率
L
S
導体の長さ:L〔m〕
導体の断面積:S〔m2〕
同じ電圧でも自由電子の流れが速い → 抵抗小
自由電子の数が多い物質 → 抵抗小
I
自由電子の流れ
電流
R
-
V
+
電界
問 6-28
問 6-29
• 回路に加えた電圧 V,回路を流れる電流 I ,
回路の抵抗 R の間には必ず V = R I の
関係式が成り立っている.この関係を
オーム の法則という.
• 電気を通しにくい物質は抵抗率が
大き い,導体の抵抗率は自由電子の 数 と
移動のし易さ で決められる.
I
R
V
超伝導(抵抗0の状態)
電気抵抗が0の状態→ 永久電流が流れる
自由電子が金属原子に衝突しない
熱が発生しない → 強力な電磁石を作る
ことができる
Hg
Al
Zn
体脂肪計
脂肪層が厚いと抵抗が大きい
組織
骨格筋
臨界温度
4.2 K
1.1 K
0.79 K
酸化物超伝導体(高温超伝導)1986年
銅酸化物 100 K
抵抗率〔   m
R
9
脂肪
100
肝臓
8
血液
2
V
I
〕
R
l
S
1
問 6-30
問 6-31
• 1.5Vの電池の両端を太さ0.001m2,長さ1mの抵抗線
でつないだとき,抵抗線内の電界の大きさは
• 人体に 20mA 程度の電流が数秒間流れると,心臓
が心室細動をおこし危険である.水に濡れた手で
1.5Vの電池は手で触っても平気なのに,100Vのコ
ンセントに触ると危険なのはなぜか.水に濡れた両
手間の抵抗が 2 k  とする.
1.5 〔 V/m 〕である.よって,抵抗線内の電子(電
荷 -e = -1.6×10-19C )の受ける力の向きは
電界と反対向き で,大きさは 2.4×10-19 〔 N 〕
である.この力を受けながら電子は,-極から+極
まで移動する.このとき電子がされた仕事は
2.4×10-19 〔J〕である.
E 
V 1.5

 1.5
d
1
F  eE  1.6  10 19  1.5  2.4  10 19
W  Fd  2.4  10 19  1  2.4  10 19
>体を流れる電流は,電圧/抵抗 である.
1.5Vのとき,
I =1.5/2000 = 0.00075 = 0.75mA
100Vのとき,
I =100/2000 = 0.05 = 50mA
100Vのときは心室細動を起こす電流にもなるから
短時間(1秒)でも大変危険である.
6.4.4 電力
問 6-32
• 導体の両端に電圧を加えると電極間の導体
内に 電界 ができる.
• 導体内の自由電子は電界から力を受けて,
導体内に 自由電子 の流れができる.この
ような電荷の流れを 電流 という.
電界中を電荷が移動するとき,電荷がされる仕事W
= 電気量 × 電界 × 移動距離〔J〕
=
Q
E
×
F
=
×
d
×
d
電圧間を電荷が移動するとき,電荷がされる仕事W
= 電気量 × 電圧〔J〕
=
Q
V
×
AB間の電圧=Ed=V
電界E
6.4.4 電力
1秒間に電気がする仕事 = 仕事率 =電力P
= 仕事 ÷ 時間
= (電気量 × 電圧) ÷ 時間
= 電圧 × (電気量 ÷ 時間)
= 電圧 × 電流(1秒間に流れる電気量)
P
 VI 〔W(ワット)= J/s 〕
B
A
d〔m〕移動
問 6-33
R〔  〕の抵抗に,V〔V〕の電圧をかけた
とき流れる電流I〔A〕は I = V/R である.
このとき抵抗で消費される電力P〔W〕を電
圧V と電流I で表すとP = V I であり,電
圧V と抵抗R で表すと P = V 2 / R である.
電力量 = 電力 × 時間
• 電力量の単位 → kW h(キロワットアワー)
• 1 kWh=1 kWの電力を1 時間使ったとき
V V2
P  VI  V

R
R
2
問 6-34
• 100V,1100Wのドライアーには 11 〔A〕の
電流が流れる.また,このドライヤーのファ
ンに髪の毛が絡まって回転の負荷が増したと
き,流れる電流は 増す .
>電力=電圧×電流
I 
P  VI
P 1100

 11
100
V
負荷に対してする仕事が増すから,モーターを流
れる電流は増す.
問 6-35
• 1.5Vの電位差間を+極から-極に1個の電子
が移動したとき電子が電界によってされる仕
事は 2.4×10-19 〔J〕である.1Aの電流が
流れているとき,1秒間に 6.25×1018 個の
自由電子が回路のある断面を通過している.
ヒント:W1個
 eV
 1.6  10 19  1.5  2.4  10 19
ヒント:1 A  1 C/s
電子1個あたりの電気量  1.6  1019 C/個
個 C 個
1
 
 1
 6.25  1018
s
s C
1.6  10 19
6.4.6 電流と熱
電気抵抗による電気エネルギー
→
→
→
自由電子の運動エネルギーに変換
自由電子と格子原子の衝突
原子の振動エネルギー(ジュール熱)
t 秒間に抵抗で発生する熱量 Q
Q  Pt  VIt  RI 2t 〔J〕
電気抵抗:R〔  〕
抵抗に加えた電圧:V〔V〕
抵抗を流れる電流:I 〔A〕
問 6-36
• 電子が電界によって加速されて得た運動エネ
ルギーは,格子との衝突で,格子原子の振動
エネルギー(=熱)に変わる.よって,1秒
間には 1.5 〔J〕の熱が発生する.このとき
の仕事率は 1.5 〔W〕である.この結果は,
仕事率 = 電圧 × 電流 として求めた結果
と同じである.
W  W1個  電子の個数
 2.4  10 19  6.25  1018  1.5
W 1.5

 1.5  1.5  1  V  I
P 
1
t
3