資料 2 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構東海再処理施設 における高放射性廃液のガラス固化処理の再開について 平成 28 年 1 月 13 日 原 子 力 規 制 庁 1.これまでの主な経緯 平成 25 年 7 月に実施した核燃料施設等の新規制基準に関する検討チームの事業者 ヒアリングにおいて、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下「JAEA」とい う。)から、東海再処理施設に保有している高放射性廃液及びプルトニウム溶液(以 下「高放射性廃液等」という。)の潜在的ハザードに関する問題提起があった。 これを受け、原子力規制委員会は原子力規制庁に実態把握の調査を行うよう指示し、 原子力規制庁は、JAEA に対するヒアリング及び現地調査等により、東海再処理施設 の高放射性廃液等の貯蔵状況、高放射性廃液等の固化・安定化の方法、固化・安定化 のスケジュール等を調査し、平成 25 年 12 月に原子力規制委員会に報告した。 原子力規制委員会は、原子力規制庁からの報告を踏まえ、高放射性廃液等の固化・ 安定化の処理は中長期的にリスクを低減させることを目的としているとして当該処 理の再開※を了承した。また、当該処理を着実に進める方針であることについて、JAEA 理事長からも直接聴取している。 JAEA は、まずプルトニウム溶液の固化に着手し、平成 27 年末までに元々の保有量 3.5m3 のうち約 2m3 の処理(MOX 粉末化)を完了した。一方、高放射性廃液(注:保有 量約 400m3)については、処理再開に向けて準備中であったところ、平成 26 年 10 月 にガラス固化技術開発施設の固化セル内にあるマニプレータに不具合が発生し、これ まで補修工事を行ってきた。また、高放射性廃液の冷却及び閉じ込め機能を有する機 器及び配管系について、分解点検及び性能試験等の保守管理を実施してきた。 ※ JAEA は平成 6 年からガラス固化処理を開始し、平成 19 年までに 247 本のガラス固化体を製 造し、ガラス固化技術開発施設において保管中 2.高放射性廃液の処理について JAEA は、高放射性廃液の処理再開の準備が整ったことから、本年 1 月 12 日に高放 射性廃液貯蔵場からガラス固化技術開発施設へ高放射性廃液の移送を開始した。 JAEA は、高放射性廃液の濃縮操作や溶融炉が安定した後、1 月下旬以降からガラス 固化処理を開始し、4 月までの処理運転によりガラス固化体 50 本(高放射性廃液約 35m3 に相当)を製造する予定としている。 3.原子力規制庁の対応 原子力規制庁は、これまで固化処理に関連する安全上重要な設備の施設定期検査の 実施及び冷却水が漏えいした配管の補修等に伴う使用前検査を実施し、施設の技術基 準への適合性を確認した。 この他、JAEA が実施している処理再開に向けた設備の健全性確認について、現場 確認、保安検査及び定期的な面談により実施状況等の聴取を行った。また、処理再開 に当たり原子力規制庁職員による現場立会を実施しているところ。 (参考)高放射性廃液の固化・安定化の工程概要 (「独立行政法人日本原子力研究開発機構再処理施設における潜在的ハザードに関する実態把握調査報告書」 (平成25年12月原子力規制庁)から抜粋) (参考)高放射性廃液の処理予定(JAEA面談資料から抜粋) 7 8 平成28年1月 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 運転開始スケジュール 1/12 HAW受入① (液張り分約5m3) 1/21 HAW受入②(約3.5m3) HAW分析 HAW分析 HAW濃縮(5バッチ)及び濃縮液槽、 濃縮液供給槽へのHAW張り込 HAW濃縮 溶融炉熱上げ (間接加熱装置起動⇒炉内水供給完了) (1/11~(約11日間)) 熱上げ後、1月下旬 溶融炉へHAW供給 (TVF運転開始) 1/18※ 主電極通電開始 (熱上げ開始から約8日後) 1/18,19※ 溶融炉通電状況確認 1/20※ ・純水供給による廃液供給配管 の漏えい確認 ・ガラス原料供給装置作動確認 ・濃縮液供給槽から回収液槽への 純水移送による漏えい確認 ※ 熱上げの状況により 変動する可能性あり 運転準備 試薬準備及び試薬調整液槽等の漏えい確認 運転前状態確認(バルブ開閉等) 溶融炉換気系及び貯槽換気系 ガラス原料供給設備運転準備 固化体容器の 保管ピット内収納(42本)
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