1 - 医薬品医療機器総合機構

1.4
特許状況
1.4 -1
1.5
起原又は発見の経緯及び開発の経緯
1.5.1
起原又は発見の経緯
1970年代の初め,オランダSolvay Pharmaceuticals社 (当時Philips Duphar社) は,化学構
造中にベンズケトオキシムを有する一連の化合物がモノアミンの再取り込み阻害作用
を示すことを見い出した。続いて19
年,ノルアドレナリンの再取り込みはほとんど阻
害しないが,セロトニンの再取り込みを選択的に阻害する化合物(選択的セロトニン再
取り込み阻害薬; Selective Serotonin Reuptake Inhibitor; 以下SSRI)としてマレイン酸フル
ボ キ サ ミ ン ( 5-methoxy-4’-trifluoromethylvalerophenone-(E)-O-2-aminoethyloxime monomaleate,C15H21F3N2O2・C4H4O4,MW 434.41,以下フルボキサミン)を発見した。
F3C
C CH2CH2CH2CH2 OCH3
N O CH2CH2 NH2
H
COOH
H
COOH
図 1.5.1-1 マレイン酸フルボキサミンの化学構造
その後の薬理研究により,フルボキサミンはアドレナリン,ムスカリン,ヒスタミン
をはじめとする種々の受容体に対する親和性がほとんどないことが明らかにされ,また
多くの臨床研究により,三環系抗うつ薬で問題とされてきた心・血管系への作用や抗コ
リン作用に基づく副作用が軽減された抗うつ薬となる可能性が示された。
フルボキサミンは1983年よりスイス,フランス,ドイツ,オランダなどの欧州諸国で
抗うつ薬として承認され,2005年4月現在,うつ病又は強迫性障害の適応で94ヵ国で承
認を取得し,約4,000万人以上に投与されている。
本邦ではソルベイ明治薬品株式会社(現 ソルベイ製薬株式会社)と明治製菓株式会
社の共同開発により,19
年から開発が進められ,1999年4月に「うつ病及びうつ状態,
強迫性障害」の適応で承認を取得しており,現在,うつ病並びに強迫性障害の治療薬と
して臨床の場で広く使用されている。
1.5.2
開発の経緯(社会不安障害)
1.5.2.1
社会不安障害について
社会不安障害(Social Anxiety Disorder)は,1980 年に米国精神医学会の『精神疾患の
診断・統計マニュアル第 3 版(DSM-III)』において,“Social Phobia (Social Anxiety
Disorder)”として不安障害に含められた 1)。
1.5- 1
社会不安障害の臨床的特徴は,会議などで意見を言う,人前で電話をかけたり字を書
いたりする,グループ活動に参加する,他人の見ている場所で飲食する,権威のある人
と面談する等,他人の注視を浴びて行為をするような状況に対する顕著で持続的な不
安/恐怖である。社会不安障害患者は,自分が恥ずかしい思いをしたり不安症状を露呈
したりすることを恐れると同時に,その不安/恐怖が過剰であり,不合理であることを
認識している。不安/恐怖の対象となる状況は回避されるか,又は強い苦痛を伴って耐
えられている 2)。
社会不安障害は,多数の状況に不安/恐怖を感じる全般性と,1 つか 2 つの限られた
状況に不安/恐怖を感じる非全般性の 2 つのサブタイプに分けられ,全般性社会不安障
害は,通常,人前で行為をする状況及び対人交流を持つ社会的状況の両方に不安/恐怖
を感じ,多くの場合,社会的技能の欠陥が認められ,社会的及び職業的に著しい障害を
示すことが知られている 2)。
社会不安障害は,海外における生涯有病率は 3%~13%の幅であるとされている
2)
。
3)
米国で 1990 年から 1992 年に実施された National Comorbidity Survey での生涯有病率が
13.3%であり,精神疾患の中でも大うつ病の 17.1%,アルコール依存症の 14.1%に次いで
有病率の高い疾患で,不安障害の中に占める割合において最も多い疾患であり 3),認識
されずに治療されていない重大な障害として注目されるに至った 4)。
また,社会不安障害は,他の不安障害,うつ病,アルコール依存症等の精神疾患を合
併する率が高く5,6),合併症併発例で自殺率が高くなることも報告されており5),これら
の疾患に社会不安障害が先行している場合が多いことから,これらの疾患の発症には,
社会不安障害がリスクファクターになっている可能性も示唆されている5)。
National Comorbidity Survey3),Öst による調査 7),Epidemiologic Catchment Area 調査 5)
において,社会不安障害は 15 歳から 18 歳の間で発症することが多いとの結果が報告さ
れており,社会不安障害の発症年齢は低いとされている。
近年,国内で実施された疫学調査の結果 8) によると,九州・中国地方の 3 県 4 市町村
から無作為抽出された 20 歳以上の住民 1664 名における社会不安障害の生涯有病率は
1.6%(男性 1.9%,女性 1.3%)であった。本調査において,使用された WHO 統合国際
診断面接(CIDI)2000 は,臨床診断と比べると精神障害の診断を過小評価することが指
摘されていること,精神障害で不調の者が調査に参加しなかったことを考慮すると,本
調査による精神障害の有病率より実際は高い可能性も示唆している。したがって,欧米
において報告されている社会不安障害の生涯有病率が 3%~13%の幅であること考慮す
ると,本邦における社会不安障害の有病率は海外での有病率の範囲に入る可能性があり,
社会不安障害患者の数は欧米に匹敵すると考えられる。また,同調査における社会不安
障害の年齢別累積罹患率をみると,社会不安障害患者の多くが 20 歳前に発病すること
を示していた。
国内外の疫学情報は近似しており,国内外の社会不安障害患者の類似性が高いことが,
1.5- 2
疫学的な側面より推察された。
このように,本邦において社会不安障害患者が海外と同程度に存在することが示唆さ
れているにもかかわらず,治療を受けないまま潜在化していると考えられる。海外にお
いては,社会不安障害に対して承認を得た SSRI9,10)もあるが,本邦においては承認を受
けた治療薬が存在しない現状であり,現在適切な治療手段が確立していないことから,
社会不安障害に対する治療薬の開発の必要性は極めて高いと考えた。
1.5.2.2
社会不安障害と関連する疾患等
国内においては,以前から社会不安障害類似の障害として対人恐怖の存在が知られ,
DSM-III1)において社会恐怖(のちに社会不安障害)の診断基準が出るまでは,海外から
の症例の報告がなく,日本特有の症候群と考えられてきた。
対人恐怖は,自分が周囲を不快にさせることに対する恐怖を主症状とする病態も含ん
でおり,自分が恥ずかしい思いをすることに対する不安/恐怖である社会不安障害と必
ずしも一致しない。しかし,DSM-IV には「ある種の文化では,社会恐怖(社会不安障
害;申請者追記)をもつ人は,恥ずかしい思いをすることに対してではなく,社会的状
況で他の人を攻撃することに対して非常に強い持続的な恐怖をもつことがある(例:日
本における対人恐怖)」と記述され,社会不安障害の亜型として取り扱われている 2, 23)。
対人恐怖は,社会不安障害に相当する緊張型対人恐怖と自己の身体的欠点に対する確
信に基づき恐怖が過剰又は不合理であるとの認識を伴わない確信型対人恐怖に分けら
れる 11)。このように,本邦において,社会不安障害は,対人恐怖の緊張型対人恐怖とし
て扱われていた可能性があると考えられる。
近年,社会的な参加を避けて自宅へ引きこもっているといった状態であるひきこもり
が注目されている。ひきこもりを生じる要因は明らかではないが,その中には精神疾患
や人格障害あるいは発達障害等の関与が強く疑われるものと,疾患や障害の関与が明確
ではないもの(社会的ひきこもり)があるといわれている 12)。
ひきこもりの原因となる精神疾患としては,統合失調症,気分障害,パニック障害,
強迫性障害,社会不安障害などがあげられている 12)。
このように,対人恐怖患者及びひきこもりの状態にある人の一部に社会不安障害患者
が含まれていると考えられ,社会不安障害の治療薬がこれらの人の治療に役立つものと
考える。
1.5.2.3
国内における開発経緯
1.5.2.3.1
国内開発決定に至る流れ
フルボキサミンは,社会不安障害に対して有効性が報告された最初の SSRI で,市販
の製剤(以下速放性製剤)を使用してオランダで実施された 30 例の小規模試験におい
1.5- 3
て,社会不安障害に対する有効性が,1994 年に初めて報告された 13)。
フルボキサミンの社会不安障害に対する本格的な臨床試験として,19
年から 19
年に速放性製剤を用いたプラセボ対照二重盲検比較試験(S1144001 試験:以下 S4001 試
験)が米国で実施され,フルボキサミンの社会不安障害に対する有効性が示された。こ
の結果を受け,海外においては,徐放性カプセル剤(以下徐放性製剤)の開発と併せて,
社会不安障害の適応を取得するためのプラセボ対照二重盲検比較試験が,19
20
年から
年に米国で 1 試験(S1143107 試験:以下 S3107 試験),欧州・南アフリカ・米国で
1 試験(S1143108 試験:以下 S3108 試験)それぞれ実施され,いずれにおいてもフルボ
キサミンがプラセボに比べて有意な改善を示し,フルボキサミンの社会不安障害に対す
る有効性が検証された。
本邦において,現在までに社会不安障害の治療薬として承認された薬剤が存在しない
ことから,フルボキサミンを社会不安障害の治療薬として開発する意義は高いと判断し,
20
年
月に実施した医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(以下医薬品機構)の
相談(
相談)を経て,
1.5.2.3.2
年
,以下治験
月にフルボキサミンの社会不安障害への適応拡大を決定した。
非臨床試験
今回の社会不安障害への適応拡大において,海外の臨床試験成績から過去に実施した
本邦における日本人での臨床試験の投与量を超えるフルボキサミンの投与は想定され
なかったこと及び現行の市販製剤と異なる製剤を用いる必要はないと判断したことな
どから,新たな製剤開発,薬物動態試験及び毒性試験は実施しなかった。しかし,フル
ボキサミンの作用機序の推定を目的に,薬効薬理試験(S01559 試験)を実施した。
社会不安障害の病態解明につながる研究は少なく,社会不安障害に対応する確立され
た動物モデルは存在しない。しかしながら,社会不安障害の患者ではセロトニン 5-HT2C
受容体の機能が過剰亢進していることが示唆されている 14,15,16)。また,SSRI はセロトニ
ン 5-HT2C 受容体機能を脱感作させることにより抗不安作用を発揮するとの可能性が提
唱されている
17)
。そこで,フルボキサミンがセロトニン 5-HT2C 受容体機能を脱感作す
るか否かについて,セロトニン 5-HT2C 受容体作動薬の m-chlorophenylpiperazine(以下
mCPP)が誘発するラットの自発運動量の減少を指標に検討した。
その結果,フルボキサミンは正常ラットの自発運動量に影響を与えず,mCPP が誘発
する自発運動量の減少に対して単回投与では影響しなかったが,30 及び 90 mg/kg の反
復経口投与により mCPP による自発運動量の減少を有意に抑制した。社会不安障害の治
療薬として海外で承認されている塩酸パロキセチン(以下,パロキセチン)もフルボキ
サミンと同様の効果を示した。
このことから,フルボキサミンの反復投与によりセロトニン 5-HT2C 受容体機能が脱感
作することが示唆され,社会不安障害に対するフルボキサミンの有効性は社会不安障害
1.5- 4
患者で過剰亢進したセロトニン 5-HT2C 受容体の機能が是正されることにより発現して
いる可能性があるものと考えられた。
1.5.2.3.3
臨床試験
米国において,フルボキサミンは 50~300mg/日の用量範囲で強迫性障害の適応症を取
得したが,
を目的に強迫性障害を対象に徐放性製剤を用いた臨床試
験が 100~300mg/日の用量範囲で行なわれた。社会不安障害については,当初,速放性
製剤を用いた社会不安障害を対象とした市販後臨床試験(S4001 試験)において,50~
300mg/日で有効性が示された。この結果を受け,徐放性製剤を用いた臨床試験(S3107
試験,S3108 試験)が実施され,100~300mg/日の投与量範囲で有効性が検証された。
速放性製剤と徐放性製剤は生物学的に同等な製剤ではないが,反復投与時の血漿中薬
物濃度推移が類似していることが示されている
18)
。したがって,速放性製剤を用いた
S4001 試験,徐放性製剤を用いた S3107 試験及び S3108 試験において,製剤が異なって
いたものの,社会不安障害に対していずれも 300mg/日までの用量範囲で同じような有効
性が認められたことは,両製剤の曝露量が類似していることによると考えられ,速放性
製剤と徐放性製剤を用いて実施された臨床成績を包括的に評価して問題ないと判断し
た。
一方,本邦においては,強迫性障害に対して 50~300mg/日の用量範囲で日本人におけ
る臨床試験を実施し,50~150mg/日の用量範囲で承認を得た。また,うつ病及びうつ状
態についても,同じ用法・用量で承認されている。
本邦における社会不安障害の開発にあたり,表 1.5.2.3.3-1 に示したとおり,国内外の
臨床試験用量範囲と承認(及び申請)時の用量範囲に基づき,日本人における社会不安
障害の用量範囲を推定した。即ち,海外における社会不安障害(及び強迫性障害)の臨
床試験において 50(あるいは 100)~300mg/日までの用量範囲でフルボキサミンの有効
性が示されたこと,日本人における強迫性障害の臨床試験においても同様の用量範囲で
有効性が示されたことから,本邦における社会不安障害に対するフルボキサミンの用量
範囲を 50~300mg/日と推定した。
表 1.5.2.3.3-1 米国及び本邦における臨床試験及び承認(申請)時の用量範囲
米国
強迫性障害
社会不安
障害
本邦
国内臨床試験(推定)
用量範囲
海外臨床試験
用量範囲
承認(申請)
用量範囲
IR
CR
50~300mg/日
100~300mg/日
50~300mg/日
(100~300mg/日)
50~300mg/日
-
50~150mg/日
-
IR
50~300mg/日
-
(50~300mg/日)
(50~150mg/日)
CR
100~300mg/日
(100~300mg/日)
-
-
IR:速放性製剤(1 日 2 回投与,米国では 100mg/日までは 1 日 1 回投与)
CR:徐放性製剤(1 日 1 回投与)
1.5- 5
承認(申請)
用量範囲
また,本邦で実施した日本人における過去の臨床試験(うつ病・うつ状態及び強迫性
障害)で 300mg/日まで投与された経験から忍容性が確認されていることから,臨床試験
における最高用量は 300mg/日と設定して問題ないと判断した。
以上のように,日本人の社会不安障害患者で改めて有効性・安全性を探索的に確認し
なくとも用量の推定ができると考えたことから,
の臨床試験は実施しなかった。また,フルボ
キサミンは既に国内で発売されており,過去に実施した日本人における臨床試験の投与
量を超える用量範囲でないこと,現行の市販製剤と異なる製剤を用いる必要はないと判
断したことなどからも,新たな臨床第Ⅰ相試験は実施しなかった。
上記のように推定した用量範囲に基づき,日本人社会不安障害患者における有効性を
検証するため,プラセボ対照二重盲検比較試験(SME3110-SAD-01 試験:以下 J3113 試
験)を 20
年
月~20
年
月に実施した。なお,J3113 試験は,有効性の検証を主
目的としていたが,本邦における日本人社会不安障害患者を対象とした初めての治験で
あること,並びに,治験相談における医薬品機構からの助言を参考に,社会不安障害に
おける投与量と効果に関する情報を可能な限り得ることとした。
更に,社会不安障害の多くは思春期中期に発症し,慢性に経過し,症状が軽快しても
再発することが多いため,早期の診断と長期にわたる治療が必要とされている。そこで,
治験相談の際の助言を参考に,有害事象の発現頻度と発現件数を主要評価とした 52 週
間の長期投与試験(治験識別番号:SME3110-SAD-02,以下 J3115 試験)を 20
20
年
年
月~
月に実施した。J3115 試験では,社会的場面に不安/恐怖を感じるという本疾
患の病態から,患者は存在するものの,治療のために医療機関を受診していない現状が
あり,容易には症例が獲得できない可能性が考えられた。そこで,検証的試験とした J3113
試験と別の試験として J3115 試験を計画し,J3113 試験を終了した被験者の中から一定の
条件を満たす被験者を選択して組み入れることとした。
海外においては,S3108 試験の期間延長試験として S1143109 試験(以下 S3109 試験)
が計画され,両試験を通して 24 週間の長期投与試験が実施された。
以下に,本申請における臨床データパッケージを示す(図 1.5.2.3.3-1)。
1.5- 6
国内:
承認用法・用量:50-150mg/日(分 2)
適応症:うつ・強迫性障害
海外:
承認用法・用量:50-300mg/日(分 2)
適応症:うつ・強迫性障害
至適用量範囲の推定
海外試験成績
国内試験成績
S4001 試験
J3113 試験
至適用量範囲の推定/安全性・有効性の確認
FLV 50-300mg/日(速放錠・分 2)
:48 例
プラセボ:44 例
12 週間投与,エンドポイント:CGI
至適用量範囲の確認/有効性・安全性の確認
FLV 50-150mg/日(分 2)
:93 例
FLV 50-300mg/日(分 2)
:89 例
プラセボ:89 例
10 週間投与,エンドポイント:LSAS-J
S3107 試験
評価資料
J3115 試験
長期投与時の安全性・有効性の確認
FLV 50-300mg 日(分 2):71 例
52 週間投与,エンドポイント:LSAS-J
至適用量範囲の確認/有効性・安全性の確認
FLV 100-300mg/日(徐放カプセル):139 例
プラセボ:140 例
12 週間投与,エンドポイント:LSAS
S3108 試験
至適用量範囲の確認/有効性・安全性の確認
FLV 100-300mg/日(徐放カプセル):149 例
プラセボ:151 例
12 週間投与,エンドポイント:LSAS
S3109 試験
長期投与時の安全性・有効性の確認
FLV 100-300mg/日(徐放カプセル):57 例
プラセボ:55 例
24 週間投与,エンドポイント:LSAS
有効性・安全性の比較
海外 PK 試験
反復:300mg(速放錠)
*FLV: マレイン酸フルボキサミン
反復:300mg(徐放カプセル)
図 1.5.2.3.3-1 臨床データパッケージ
1.5- 7
1.5.2.3.3.1
1.5.2.3.3.1.1
Liebowitz Social Anxiety Scale
Liebowitz Social Anxiety Scale 日本語版(LSAS-J)について
米国コロンビア大学の M. Liebowitz 博士が考案した LSAS19)は,社会不安障害に対す
る臨床試験で汎用されている評価尺度で,フルボキサミンの臨床試験のみならず,米国
で既に社会不安障害の適応症を取得している薬剤(塩酸パロキセチン 9), 塩酸セルトラ
リン 10))の臨床試験においても LSAS スコアが主要評価項目として用いられている。
LSAS は 24 項目の設問から構成され,患者に対し,24 項目についてインタビューし,
それぞれの項目について,患者が感じる不安感/恐怖感の程度と,その場面を回避する
割合の 2 つのサブスコアに分けて,それぞれを 4 段階にスコア化する。また,各設問項
目は,考案者である Liebowitz 博士によって,行為項目(P)と社会項目(S)に分けら
れている。
今回,本邦でフルボキサミンの社会不安障害に対する臨床試験を実施するにあたり,
海外における臨床研究で評価尺度として汎用されてきた事実と,比較的使い方が簡便で
あること,また,国内臨床試験成績と海外臨床成績とを比較検討できることを考慮し,
LSAS を翻訳して評価尺度として用いることとした。
LSAS-J は,北海道大学大学院医学研究科脳科学専攻神経機能学講座精神医学分野の専
門家により LSAS を日本語に翻訳したものであり,内容について英語版との相違がない
ことを確認するため,英語に再翻訳し,考案者である Liebowitz 博士に相違がないこと
の確認を受けた。
1.5.2.3.3.1.2
LSAS-J の信頼性・妥当性の検討 20)
本邦における社会不安障害患者を対象とした臨床試験に先立って,LSAS-J の信頼
性・妥当性試験を,北海道大学医学部附属病院精神科神経科とその関連施設にて実施し
た。
文書にて同意の得られた社会不安障害患者 30 名及び健康成人 60 名の協力により,
LSAS-J のスコア分布と重症度との相関,患者の自己記入とインタビューによるスコアの
一致性,健康成人での繰り返しによる信頼性,サブスコアの内的整合性,他の評価尺度
との相関性が検討された。その結果,LSAS-J の信頼性と妥当性は確認され,LSAS-J ス
コアと社会不安障害患者の重症度がよく相関したことから,臨床症状評価尺度として使
用可能であると判断した。また,自己記入とインタビューで内的整合性は保たれており,
設問に対する誤解の可能性は低いことも示された。更に,社会不安障害患者と健康成人
のスコアから求めたカットオフ値は 42 点であった。
1.5.2.3.3.1.3
LSAS と LSAS-J のスコア比較
社会不安障害は,社会的な状況に対する不安/恐怖を呈する疾患であり,社会的ある
1.5- 8
いは文化的な背景が国や地域によって異なることから,社会的あるいは文化的な背景が
LSAS スコアに影響を及ぼさないことを確認するために,本邦における LSAS-J 信頼性・妥
当性試験で得られた日本人社会不安障害患者のデータと,海外で行われたフルボキサミ
ン臨床試験における海外社会不安障害患者のデータを比較した。また,フランス 21) 及び
スペイン 22) で実施された LSAS の信頼性・妥当性試験成績との比較も実施した。その結
果,日本人社会不安障害患者の LSAS-J サブスコア合計と,海外社会不安障害患者の同
様なデータとの間には差は認められなかった。
これらのことから,LSAS スコアは社会的,文化的又は国や地域等の影響は受けない
と考えられ,日本人社会不安障害患者の評価に LSAS-J を用いることは適切であると判
断した。
1.5.2.3.3.2
社会不安障害を対象としたプラセボ対照試験
社会不安障害患者を対象とした本邦初の臨床試験として J3113 試験を計画するにあた
り,海外で先行して実施された S4001 試験,S3107 試験及び S3108 試験の 3 試験の成績
を探索的試験成績として位置付けた。これらの知見に基づいて,本邦における検証的試
験である J3113 試験を計画・実施した。
1.5.2.3.3.2.1
海外臨床試験の概略
S4001 試験は,社会不安障害患者 92 例を対象に,プラセボ対照無作為化二重盲検並行
群間比較試験として米国で実施された。フルボキサミン(50~300 mg/日,12 週間)は
主要評価項目 Clinical Global Impression(以下 CGI)及び副次的評価項目 LSAS 総スコア
においてプラセボに有意に優る効果を示した。
S3107 試験は,社会不安障害患者 279 例を対象に,プラセボ対照無作為化二重盲検並
行群間比較試験として米国で実施された。フルボキサミン(100~300 mg/日,12 週間)
は主要評価項目とした LSAS 総スコアの投与前後の差(以下,Delta LSAS 総スコア)に
おいて,プラセボに有意に優る効果を示した。
S3108 試験は,社会不安障害患者 300 例を対象に,プラセボ対照無作為化二重盲検並
行群間比較試験として欧州,南アフリカ共和国及び米国で実施された。フルボキサミン
(100~300 mg/日,12 週間)は主要評価項目とした Delta LSAS 総スコアにおいて,プラ
セボに有意に優る効果を示した。
また,これら 3 試験において,社会不安障害患者に特有な未知の有害事象の発現もし
くは既知の有害事象の発現率の増加などは認められなかった。
S3107 試験,S3108 試験で用いられた製剤は徐放性製剤(1 日 1 回投与)であり,本邦
における製剤とは剤形や用法が異なるが,速放性製剤を用いた S4001 試験を含む 3 試験
においていずれも 300 mg/日までの用量範囲で有効性が検証されたことから,フルボキ
1.5- 9
サミンの社会不安障害に対する有効性を期待する十分な根拠があるものと判断された。
また,これら 3 試験で有効性が検証された用量範囲は,本邦において「うつ病及びうつ
状態」並びに「強迫性障害」にて使用経験のある用量範囲と等しかった。
1.5.2.3.3.2.2
検証的試験(J3113 試験)
海外臨床試験成績に基づいて,本邦における検証的試験である J3113 試験を計画・実
施した。
J3113 試験は国内 54 施設を試験実施施設として,DSM-IV 300.23 社会不安障害の診断
基準に合致し,LSAS-J 総スコア 60 点以上の社会不安障害患者 273 例を対象にプラセボ
対照無作為化二重盲検並行群間比較試験として実施された。上記の海外臨床試験で有効
性が示された用量範囲であり,かつ,本邦における過去の臨床試験で忍容性が確認され
ている 300 mg/日を投与量の上限としたが,社会不安障害における投与量に関する情報
を可能な限り収集することを目的として,フルボキサミン群内に,投与量を 50 mg/日か
ら開始し,150 mg/日(本邦における既承認用量)まで増量後維持するグループ(以下
150 mg/日投与グループ)と,300 mg/日まで増量後維持するグループ(以下 300 mg/日投
与グループ)を設定した。投与期間は 10 週間とした。
J3113 試験の主要評価項目である治療後の LSAS-J 総スコアの調整した平均値は,フル
ボキサミン群で 58.6,プラセボ群で 65.8 となり,治療前の LSAS-J 総スコアを共変量と
した解析で有意な減少を示した。
また,LSAS-J 総スコアの投与前後の差(以下,Delta LSAS-J 総スコア)において,フ
ルボキサミン群はプラセボ群と比較して,投与 5 週目以降に有意な減少を認めた。また,
治療前後の LSAS-J サブスコアの差では,「不安/恐怖」及び「回避」のいずれのサブス
コアにおいてもフルボキサミン群がプラセボ群に有意に優っていた。
更に,用量に関する情報を得るためにフルボキサミン群内に設定した 2 用量グループ
については,150 mg/日投与グループではプラセボ群に比し,治療後 LSAS-J 総スコアの
有意な減少が認められた。また,Delta LSAS-J 総スコアを,150 mg/日投与グループ及び
300 mg/日投与グループともにプラセボ群と比較した結果,150 mg/日投与グループは投
与 4 週から,300 mg/日投与グループでは投与 8 週から有意差を認めた。
CGI に関しては,「非常に良くなった」,「良くなった」と判断された被験者の割合はフ
ルボキサミン群で 45.1%,プラセボ群で 30.3%であり,フルボキサミン群はプラセボ群
に比し,有意に改善率が高かった。また,心理社会的障害の程度に関しては,3 項目(「仕
事」,「社会生活」,「家庭生活」)の総スコアの変化は,フルボキサミン群では投与前 14.1
から最終評価時 9.8,プラセボ群では投与前 14.1 から最終評価時 11.0 であり,フルボキ
サミン群はプラセボ群に比し,有意なスコアの減少を示した。
J3113 試験では,安全性解析対象例 271 例(フルボキサミン群 182 例,プラセボ群 89
例)のうち,フルボキサミン群では 161 例(88.5%)に,プラセボ群では 59 例(66.3%)
1.5- 10
に有害事象がみられた。
フルボキサミン群における主な有害事象で,プラセボ群に対し有意差がみられたもの
は,傾眠(43.4%),嘔気(20.9%),倦怠感(15.9%),悪心(12.1%)であった。また,
プラセボ群に対する有意差はなかったが,便秘(12.1%),鼻咽頭炎(12.1%),口渇(11.5%)
,
頭痛 NOS(10.4%)が高頻度にみられた。
重篤な有害事象として,椎間板ヘルニア,脱水及び急性腎不全,セロトニン症候群が
フルボキサミン群の各 1 例に認められ,プラセボ群では認められなかった。
1.5.2.3.3.3
社会不安障害を対象とした長期投与試験
J3113 試験に登録した被験者で,同試験終了時に症状の改善が認められ,臨床上問題
となる副作用がないことを確認された被験者を対象として,52 週間の長期オープン試験
(J3115 試験)を実施した。
フルボキサミンの初期用量は 50 mg/日とし,忍容性を考慮しつつ 6 週間以内に原則と
して 150 mg/日以上に増量し,その後は 100~300 mg/日の範囲で増減可能とした。
J3115 試験に組み入れられた 71 例全症例を評価対象とした。投与 52 週後(中止時)
における平均投与量は 172.1 mg/日であった。
主要評価としての安全性の結果は,安全性解析対象例 71 例のうち,68 例(95.8 %)
に有害事象が発現した。主な有害事象は,傾眠(38.0%)
,鼻咽頭炎(35.2%),頭痛 NOS
(19.7%),倦怠感(18.3%),嘔気(16.9%),浮動性めまい(15.5%)であった。
重篤な有害事象として脳梗塞が 1 例,メニエール病が 1 例に認められた。
また,副次的評価としての有効性解析の結果,LSAS-J 総スコアの平均は投与開始時の
54.3 から,投与 52 週後で 33.3 へと推移した。また,投与 52 週後の CGI において「良く
なった」以上と評価された被験者の割合は 64.8 %(46 例/71 例)であった。心理社会的
障害の程度に関しては,開始時 8.9 から投与 52 週後は 5.8 まで減少していた。
S3108 試験に登録した被験者で同試験を終了し「やや良くなった」以上の改善を示した被
験者に、引き続き盲検性を保ったまま,S3108 試験と同用量のフルボキサミン又はプラ
セボを継続投与し、フルボキサミン(100~300 mg/日)を 12 週から 24 週投与した場合の有
効性及び安全性を検討した。
S3108 試験を完了した合計 112 例(フルボキサミン群 57 例,プラセボ群 55 例)のう
ち 109 例(フルボキサミン群 56 例,プラセボ群 53 例)が有効性解析対象例となった。
LSAS 総スコアの S3108 試験開始時からの変化は,投与終了時(24 週後)には,フルボ
キサミン群 -59.1,プラセボ群 -49.5 の減少を示したが,有意差は認められなかった
(p=0.074)。
安全性解析対象例 112 例のうち,フルボキサミン群では 39 例(68.4 %)に,プラセボ
群では 29 例(52.7 %)に有害事象がみられた。フルボキサミン群における主な有害事象
は,頭痛 NOS(15.8%),疲労(12.3%)であり,いずれもプラセボ群に対して有意差は
1.5- 11
みられなかった。
また、重篤な有害事象として、フルボキサミン群の 2 例に精神病性障害 NOS,胆石症
が報告された。精神病性障害 NOS について,治験薬との因果関係は「不明」と判断さ
れている。
1.5.2.3.3.4
1.5.2.3.3.4.1
検証的試験及び長期投与試験のまとめ
有効性について
1)フルボキサミンは本邦初の社会不安障害治療薬として,本障害患者の病態の改善をも
たらすことが明らかとなった。
社会不安障害患者を対象とした J3113 試験の結果,主要評価項目である LSAS-J 総ス
コアの推移において,フルボキサミン群はプラセボ群に比較して有意な減少を示した。
この成績は,海外において実施された S4001 試験成績,あるいは S3107 試験及び S3108
試験の成績を再現しており,フルボキサミンの社会不安障害に対する効果が日本人にお
いて明らかとなった。
本邦には社会不安障害の治療薬として承認された薬剤はなく,フルボキサミンが本邦
初の社会不安障害治療薬となり得ることは,臨床的意義が大きいと考える。
2)社会不安障害患者の不安を軽減すると同時に,社会生活上の障害となっている回避状
況を軽減させ,患者の生活の質を改善させ得る薬剤である。
J3113 試験において,CGI,心理社会的障害の程度(「仕事」,「社会生活」,「家庭生活」)
及び LSAS-J を構成する「不安/恐怖」及び「回避」のサブスコアにおいて,フルボキ
サミン群はプラセボ群に比し,いずれについても有意に優る改善効果を示した。これら
の結果から,フルボキサミンの社会不安障害に対する効果は単に不安を軽減するだけで
はなく,実際の社会的場面を回避する程度をも減らすことから,フルボキサミンは社会
不安障害患者の生活の質を改善させる薬剤であると考える。
3)長期投与により継続的な改善を示す。
J3115 試験における有効性評価では,
LSAS-J 総スコアの平均は投与開始時の 54.3 から,
投与 52 週後で 33.3 へと推移した。また,投与 52 週後の CGI において「良くなった」以
上と評価された被験者の割合は 64.8%(46 例/71 例)であった。
また,海外で実施された S3109 試験において,投与前から投与 24 週後までの LSAS
総スコアの変化が,フルボキサミン群で‐59.1,プラセボ群で‐49.5 であった。この差
は統計学的に有意ではないが,S3109 試験は S3108 試験での改善例を対象としているこ
1.5- 12
とを考慮すると,フルボキサミンの社会不安障害患者に対する長期投与における有効性
が確認されたと考える。
以上のことから,社会不安障害に対するフルボキサミンの長期投与時における継続的
な改善効果が確認された。
1.5.2.3.3.4.2
安全性について
1)社会不安障害に対する使用で,本疾患に特有な副作用はみられなかった。
J3113 試験において,フルボキサミン投与により,これまでの報告と明らかに異なる
有害事象の発現や特別な発生傾向は見られず,フルボキサミンが社会不安障害患者に特
有な有害事象を示さないことが確認された。また,国内外,投与期間に関係なく試験ご
とに,発現率に違いはあるものの,発現がみられた事象に顕著な違いはみられなかった。
フルボキサミンの社会不安障害に対する臨床試験でみられた安全性プロファイルに
関して,有害事象の発現頻度,発現時期及び投与中止理由を,うつ病や強迫性障害を対
象とした過去の臨床試験でみられた内容と比較した結果,特に違いはみられなかった。
2)長期投与においても副作用等の増加はなく,社会不安障害の治療における長期の服用
に適する。
長期投与試験である J3115 試験においても,フルボキサミン投与によって社会不安障
害患者に特有な有害事象が発現する可能性は低いことが確認された。また,海外で実施さ
れた S3109 試験において 24 週間投与までの安全性も確認された。
以上のことから,フルボキサミンの社会不安障害患者に対する長期投与試験において
安全性に大きな問題はなく,社会不安障害患者におけるフルボキサミンの長期服用の安
全性が示唆された。
1.5- 13
1.5.2.4
開発の経緯図
●
1.5- 14
図1.5.2.4-1 開発の経緯図
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