保健室だより 11月号 (PDFファイル・325KB)

枚方市立渚西中学校
保
健
室
冬場は、空気が乾燥し、感染症が流行しやすくなっています。
これから流行が予想される感染症を3つ紹介します。
● 感染性胃腸炎(ノロウィルス,
感染性胃腸炎(ノロウィルス,ロタウィルス)
細菌、ウィルス、寄生虫によって引き起こされる胃腸炎のこと。
ノロウィルス:11月~3月
ノロウィルス:11月~3月
ロタウィルス:1月~4
ロタウィルス:1月~4月
1月~4月に多発します。
これらのウィルスは 感染力が強く、学校等での集団発生や家庭等での2次感染に注意が必要。
【感染経路】①食品から人へ:ウィルスに汚染された食べ物(主にカキなどの二枚貝)を食べた。
または、加熱が不十分だった。
②人 か ら 人 へ:感染した人の便やおう吐物等に直接触れた。
便やおう吐物の処理が不十分で、空気中に広がった。
また、感染した人の衣服や使用した器具に触れ、手洗い等が不十分だった。
【 症 状 】潜伏期間は
潜伏期間は1
、吐き気・おう吐・下痢・腹痛・発熱が起こる。
潜伏期間は1~2日。人の腸管で増え、吐き気・おう吐・下痢・腹痛・発熱
、吐き気・おう吐・下痢・腹痛・発熱
2日間程度 症状が続いた後 回復するが、2週間程度 便からウィルスが排出するため注意。
激しいおう吐と下痢により、急激に水分を失うため脱水症状
脱水症状に気をつける。
脱水症状
【治 療 法】脱水症状から重症化することがあるので、早めに医療機関を受診すること。
ウィルスに効果のある薬はないため、症状を和らげる薬で治療する。
【 消 毒 】市販の塩素系漂白剤を薄めて感染した人の衣服や使用した器具等、床やトイレを消毒する。
感染の危険があるため、必ずマスク、エプロン、ビニール手袋を着用する。
【予 防 法】便やおう吐物の処理の衛生管理徹底
台所や調理器具の衛生
タオルの共用をさける
手洗い
※ 感染防止のために、消毒セットを 職員室・保健室に用意しています。
学校内で吐いてしまったということがあれば、近くにいる先生に声をかけてください。
● A群溶血性レンサ球菌感染症
A群レンサ球菌による上気道(のどなど)感染症。別名「溶連菌感染症」
感染は、5~15歳
5~15歳がもっとも多く、流行が年2回ある。
(冬と春から夏にかけて)
5~15歳
【感染経路】人から人へ :くしゃみや唾液による 飛沫感染
【 症 状 】潜伏期間は2~3日。
潜伏期間は2~3日。乳幼児は
咽頭炎、児童生徒・成人は
児童生徒・成人は 扁桃炎をおこす。
潜伏期間は2~3日。
扁桃炎
また、免疫のない人は、猩紅熱(しょうこうねつ)という全身の発疹症状が出ることも。
舌が白いコケにおおわれたようになり、3~4日後に赤くブツブツのイチゴ舌になる
舌が白いコケにおおわれたようになり、3~4日後に赤くブツブツのイチゴ舌になる
という特徴があり、気管支炎や発疹、中耳炎、肺炎などを起こすこともある。
【治 療 法】薬によるアレルギーがなければ、抗菌剤
抗菌剤による治療。
抗菌剤
のどからくるカゼと区別がしづらいですが、自然に治ることがないため、
2日以上のどがはれ痛むときや高熱、発疹が出たときは必ず病院を受診して、
2日以上のどがはれ痛むときや高熱、発疹
適切な治療を受けてください。
水分補給を行い、食事は、のどに刺激のすくない消化のよいもので。
【予 防 法】手洗い・うがい(有効な予防接種等がないため)
要 注 意 !!
● マイコプラズマ肺炎
肺炎マイコプラズマによる呼吸器感染症。感染は、6~12歳に多い。
【感染経路】人から人へ :くしゃみや唾液による 飛沫感染
【 症 状 】潜伏期は
潜伏期は 2~3 週間。感染は
週間。感染は 発症から10日程度。
発症から10日程度。
頑固なせき(夜間や早朝にひどくなるようなら要注意)
、発熱、倦怠感、頭痛、のどの痛み
一般的なカゼの症状と似ているため、判断が難しい。
【治 療 法】抗生物質による治療。
(最近は、抗生物質が効きにくい ウィルス も出てきています。
)
【予 防 法】手洗い・うがい(有効な予防接種等がないため)
感染症の診断を受けた場合には、必ず学校に連絡をしてください。
参考:健 通巻 第471号 国立感染症センター HP
マイコプラズマ肺炎は、飛沫感染
飛沫感染(ひまつかんせん)などによる濃厚感染であり、学校、幼稚園、保育所、
飛沫感染
家庭などの比較的閉鎖的な環境で、地域的に流行します。とされています。
とされています。従来、わが国では、4
年ごとのオリ
とされています。
ンピックの開催年に一致してほぼ規則的な流行を認めていましたが、最近ではこの傾向は崩れて毎年地域的に小
流行を繰り返すようになってきました。季節的には初秋から冬に多発する傾向がみられます。好発年齢は、
幼児
好発
から学童、とくに 5~12 歳に多くみられます。4
歳に多くみられます。 歳以下の乳幼児にも感染はみられますが、多くは不顕性感染ま
たは軽症です。
【症 状】
咳は必発の症状で、乾性~湿性の咳が頑固にしかも長期にわたって続き、発作性のように夜間や早朝に強くな
る特徴があります。発熱、痰(たん)、のどの痛み、鼻症状、胸痛、頭痛などもみられますが、肺炎にしては元
気で一般状態も悪くなく、そのため診断が遅れることがあります。