投資のヒント - 三井住友トラスト・アセットマネジメント

Column
ご参考資料
「投資のヒント」
2016年1月13日
※以下、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社(以下、GSAM)から提供を受けた情報を基に記載します。
MLP市場の動向と今後の見通し
MLP市場の動向とその要因
昨年12月のMLP市場は、原油価格(WTIスポット)が下落基調を辿ったことや、一部MLP企業が配当予想の引き下げを発
表したことが市場心理を悪化させました。更に年末特有の節税目的の売却による需給悪化も重石となり、大きく下落する
場面が見られましたが、その後、米国の政策金利引き上げ(12月17日)に伴う金融政策の不透明感の払拭などを背景に、
12月24日の原油価格が1バレル37米ドル台へ反発したことで、MLP市場は上昇に転じました。しかし、本年1月に入り、中
国経済に対する悲観論の再燃や、原油の供給超過状態の長期化懸念が改めて強まったことから、原油価格は1月12日
に1バレル30.44米ドル(WTI先物は一時29.93米ドル)と金融危機時の安値を割り込む展開となりました。その結果、MLP市
場もセンチメントが再び悪化するなか反落を余儀なくされました。
要因①
原油価格の下落(図1)
11月半ば以降、原油価格は再び下値模索の展開となり、
12月4日のOPEC(石油輸出国機構)総会で改めて減産見
送りになると、下落ピッチを速めました。原油在庫の積み上
がりやイランの経済制裁解除など、原油の供給過剰状態
の長期化に対する懸念が逆風となりました。
IEA(国際エネルギー機関)が12月11日に発表した月次報
告書において、2016年末まで原油の供給過剰状態は続く
可能性があるとの見方が示されると、同日の原油価格は1
バレル35米ドル台まで大きく続落。その後も在庫増加や米
国での原油輸出解禁等を背景に、リーマンショック時の水
準まで低下しました(図2)。米国株式や社債市場でもエネル
ギー・セクターを中心に大きく売られ、MLP市場も大きく下
落しました。
(図1) MLP、原油価格(WTI)および米国株式
の推移 (2015年6月30日~2016年1月12日、日次)
110
米国株式 95.05
100
90
MLP 66.41
80
70
60
※グラフの起点を100として指数化
原油価格(WTI) 51.19
50
40
6/30
7/31
8/31
9/30
10/31
11/30
12/31
(月/日)
要因②
MLPの減配
キンダー・モルガンは12月8日に投資適格の格付けを維
持するため、2016年の大幅減配を発表しました。また、18日
にはティーケイ・オフショア・パートナーズも事業キャッシュフ
ローを投資に充当するため、減配を発表しました。これら一
部大手企業の減配予想が市場心理を大きく悪化させまし
た。
※MLP: アレリアンMLP指数、米国株式:S&P500指数、ともに配当込
み、米ドルベース、原油価格(WTI):WTIスポット価格
(出所)Bloombergデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント
作成
(図2) 原油価格(WTI)の推移
(米ドル/バレル)
(2000年1月1日~2016年1月12日、日次)
160
140
リーマンショック
120
100
要因③
年末を控えた需給要因
80
60
毎年、年末を控えた11月後半以降、含み損のある株式等
を売却し損失確定させる「節税対策の売却」が、米国個人
投資家等により増加する傾向が見られます。今年は、MLP
がその売却対象になっていると見られ、ファンダメンタルズ
との関連性のない売却に下押しされる展開が続きました。
米同時
多発テロ
2008/12/22
40
20
0
00/1
31.41
2001/11/15
17.45
02/1
04/1
06/1
08/1
10/1
12/1
2016/1/12
30.44
14/1
16/1
(年/月)
※原油価格(WTI):WTIスポット価格
(出所)Bloombergデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当資料はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、
金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
1/6
ご参考資料
原油価格および生産の見通し
原油価格の見通し
(図3)世界の原油需給バランスの推移(予想)
(2010年1-3月期~2016年10-12月期、四半期)
短期的には不透明感が続く
12月4日のOPEC総会では大方の予想通り減産見送りとなり
ましたが、供給過剰状態の長期化を改めて嫌気する形で、原
油価格は下げ止まらない展開が続きました。2015年下期より
米国では緩やかな減産トレンドに入ったものの、今後イランの
経済制裁解除に伴う供給増加懸念(当初約50万バレル/日と
予想)や過去最高を更新し続ける在庫水準など悪材料が出や
すい状況には変わりなく、しばらくの間は神経質な展開が続く
と見られます。
中期的には需給バランスは好転し、価格安定化へ(図3)
世界の原油需要は、概ね経済成長に沿う形で毎年120万バ
レル/日ほど増大しており、特に2015年は、原油価格の低下が
需要を喚起し、前年比190万バレル増(予想)と伸びが加速した
模様です。一方、供給面では、ここ1年あまり川上分野における
投資が凍結されたため、非OPEC産油国の生産は中期的に減
少することが予想されます。また、OPECの増産余地は148万
バレル/日(2015年11月現在、出所:EIA)と限られるため、グ
ローバルの供給はいずれ伸び悩むことが予想されます。その
ためグローバルの需給バランスは、中期的(2017年以降)には
好転する可能性が高く、増大する需要に供給が追い付かなく
なる可能性があります。原油価格は、いずれ緩やかに上昇に
向かうと考えられます。
(百万バレル/日)
6
2016年にかけて⼀時的な減産局⾯へ
米シェール企業は、過去1年あまり原油価格の低迷という厳
しい環境に適応するため、技術革新等によるコスト削減努力
により生産性を高め、損益分岐点となる原油価格を低下させ
ました。稼働リグ数は、2014年10月のピーク(1,609基)から6
割超も激減(538基、2015年12月25日現在)しましたが、生産
量は大きく減少しておりません(図4)。これは生産効率の高い
リグの稼動によるためです。
原油生産量は、2015年4月にピークを付ける形で高水準を
維持してきましたが、2016年7-9月期まで緩やかな減産トレン
ドに入るとみられます(図5)。
中期的には増産トレンドへ回帰する可能性(図5)
将来、グローバルの需給バランスが好転し原油価格が回復
する局面では、生産立ち上げに約2週間と最も迅速な技術を
持つ米シェールが市場シェアを拡大させる可能性が高いと考
えられます。中期的には、米国の原油生産は緩やかな増産ト
レンドに回帰するものと予想されます。
予測値
需給ギャップ(右軸)
生産(左軸)
需要(左軸)
98
96
5
4
3
94
生
産
超
92
90
88
2
1
0
需
要
超
86
84
‐1
‐2
82
‐3
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016 (年)
※2015年10-12月期以降は予測値
(出所)EIA(米国エネルギー情報局)のデータを基に三井住友トラスト
・アセットマネジメント作成
(図4)米国の原油生産量、原油採掘リグ稼働数
の推移 (2012年12月21日~2015年12月25日、週次)
(百万バレル/日)
14
(基)
2,100
原油生産量(左軸)
原油掘削リグ稼動数(右軸)
12
2014/10/10 1609基
1,800
10
1,500
8
1,200
6
900
4
米国の原油生産見通し
(百万バレル/日)
100
600
2015/12/25 現在
1日の生産量 920万バレル
稼動リグ数
538基
2
0
12/12
13/6
13/12
14/6
300
14/12
15/6
0
15/12
(年/月)
(出所)Bloombergデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
(図5)米国の原油、天然ガスの生産推移(予想)
(2014年1月~2016年12月、月次)
10.0
(10億立方フィート/日)
85.0
(百万バレル/日)
予測値
9.5
82.5
80.0
9.0
77.5
8.5
75.0
8.0
原油生産(左軸)
72.5
天然ガス生産(右軸)
7.5
2014/1
70.0
2015/1
2016/1
(年/月)
※2015年10月以降は予測値
(出所)EIA(米国エネルギー情報局)のデータを基に三井住友トラスト
・アセットマネジメント作成
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当資料はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、
金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
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2/6
ご参考資料
天然ガスの生産見通し
MLP関連事業の収益のうち、天然ガス関連は約60%を占め、原油関連の約40%を上回っており、天然ガスの生
産量にも注目が集まっています。
天然ガス生産見通し
安定した⽣産拡⼤が続く天然ガス
天然ガス・インフラ関連セクターは、原油関連セクターを上回
るMLP市場最大のセクターです。天然ガスの需要は、短期的
には気候要因により変化しますが、中長期的には、発電用エ
ネルギーと輸出の2つの構造的な拡大要因が牽引していま
す。2015年9月の米国の生産量は過去最高を更新し、前年比
+4.7%のペースで増大しています(図6)。2040年には、2014年
比39%拡大すると予想されています。
(図6)米国の天然ガス・パイプライン輸送容量と
生産量の推移(予想) (1997年~2016年、年次)
(10億立方フィート/日)
500
(10億立方フィート/日)
90
475
天然ガス生産量(右軸)
450
パイプライン輸送容量(左軸)
予測値
80
425
75
400
70
375
65
350
60
325
55
300
50
275
45
1997
構造的な需要拡⼤要因 ①発電⽤エネルギー
米国では、発電所を対象とするCO2排出の新規制を背景に、
発電用エネルギーが石炭から天然ガスにシフトしています
(Coal to Gas)。同規制により石炭火力発電所の新設が困難
になり、順次廃炉になった石炭火力発電所から天然ガス火力
発電所への転換が進んでいます。10年前の発電用エネル
ギーは石炭が50%を超えていましたが、足もとでは40%を割り
込み、逆に天然ガスのシェアが足もと拡大しています(図7)。
2015年12月に採択されたCOP21「パリ協定」でみられるよう
に、世界的にCO2排出抑制へ向けた機運は高まっています。
相対的にCO2排出量の少ない天然ガスに対する需要は、世界
的にも高まっていくことが確実視されています。
構造的な需要拡⼤要因 ②LNG(液化天然ガス)
米国には、LNG(液化天然ガス)の非FTA(自由貿易協定)締
結国向けの輸出の承認を受けた施設が現在9施設あり、2015
年末から2019年にかけて、順次稼働が開始されます。これら9
施設のLNG生産能力は140億立方フィート/日に達し、現在の
天然ガス生産量の17%に相当します(図8)。また、当局の承認
待ち施設も多数控えています。
世界最大のLNG輸入国の日本を始めアジアなどLNG輸入国
における現在の天然ガス調達価格は、原油価格に連動するた
め、足もと低下傾向にあります。米国産LNGに対する価格面
の魅力は以前より減退していることは事実ですが、政治経済
の最も安定した先進国からエネルギーを調達することは、安
全保障の観点からもその意義は大きく、米国産LNGに対する
需要は長期的に増大するものと考えられます。
85
2000
2003
2006
2009
2012
2015 (年)
※天然ガス生産量は2015年以降。パイプライン輸送量は2014年まで
(出所)EIA(米国エネルギー情報局)のデータを基に三井住友トラスト
・アセットマネジメント作成
(図7)米国内の発電用エネルギーの
構成比推移 (石炭/天然ガス)
(2000年~2015年、年次)
60%
50%
40%
30%
石炭
39%
天然ガス
25%
20%
10%
0%
2000
2005
2010
2015
(年)
※2015年は11月まで
(出所)EIA(米国エネルギー情報局)のデータを基に三井住友トラスト
・アセットマネジメント作成
(図8) 米国のLNG(液化天然ガス)生産能力
(2015年9月末現在)
(単位:億立方フィート/日)
承認待ち
LNG施設の生産能力
承認済み
LNG施設の生産能力
308 140 +38%
804 100%
+56%
+17%
(2015年末~2019年稼動)
現在の生産量
※値は端数処理の関係で100%にならない場合があります。
(出所)Bloombergデータを基にGSAM作成
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当資料はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、
金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
3/6
MLP市場の今後の見通し
MLPの配当成長
ご参考資料
(図9)MLP配当成長率(前年同期比)の推移
(2008年1-3月期~2015年10-12月期、四半期)
全体的にはファンダメンタルズは依然として好調(図9)
14%
2015年10-12月期のMLPの配当成長率は+10.7%とわずか
ながら加速しています(2015年11月30日現在)。2014年下期
から始まった原油価格の下落相場は1年超が経過しました
が、MLPは依然として過去平均7.2%を上回る堅調なキャッ
シュフロー成長を遂げています。
10%
中⻑期的には原油価格の回復が必要
10.7%
10.7%
12%
過去平均*7.2%
8%
6%
4%
2%
0%
2008
長期契約に基づく安定的なビジネスモデルを有することに加
え、スポンサー企業からのドロップダウン(資産譲渡)やM&A、
新プロジェクトの稼働等により、多くのMLPは配当成長を実現
させています。一方、原油価格が40米ドル割れ水準で長期間
続く場合、現在の配当成長の長期的維持もまた困難です。中
長期的に持続可能な成長を実現するためには、原油価格が
米シェール企業の採算ラインまで回復することが必要になる
と考えられます。
成長減速の背景は、2016年にかけて米国の原油生産が緩
やかな減産トレンドに入ることに加え、契約フィーについて、5
年に一度改定されるインフレ・スライド条項のPPI(卸売物価指
数)加算率(現在+2.65%)が、2016年7月より+1.23%に変更さ
れることも影響していると見られます。
セクター別では、事業環境の苦しい川上セクターは大幅減配
が継続すると見られるものの、安定的なビジネスモデルを有
する川中セクターは、成長率こそ2015年より鈍化しましたが、
2016年は5.2%の成長が予想されています(図10)。
尚、資金調達環境の展開次第では、事業キャッシュフローが
潤沢にもかかわらず投資家への配当を減額し新規投資に充
当するインフラ企業が増加する可能性もあり、その場合には
上記の予想成長率に届かない可能性もあります。
魅力度の高まるバリュエーション
MLP配当利回りは8.4%、⾦融危機以来の⽔準
配当成長率を維持するなかMLP価格が大きく下落したため、
2015年12月末現在、MLPの配当利回りは8.4%(図11)まで上昇
しています。米国10年債との利回り格差は、6.7%(図12)と金融
危機以来の水準まで拡大し、現状はリーマンショック時の水準
と同様のバリュエーションと言えそうです。
2010
2011
2012
2013
2014
2015 (年)
(図10)MLP配当成長率(前年比、予想)
短期的には⼀桁半ば程度の成⻑率を予想
キンダー・モルガンやプレーンズGPホールディングスなど一
部のインフラ企業は2016年の配当予想を下方修正していま
す。MLP全体としては、当社では2016年第1-2四半期頃まで
7%程度の成長率を維持することは可能と見ているものの、次
第に減速し、2016年通年では5%前後(図10)に落ち着くとの予
想が市場コンセンサスになっています。
2009
※2015年第4四半期は2015年11月30日まで
*過去平均は2008年1-3月期~2015年10-12月期の平均値
(出所)GSAMのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
2014年
2015年
2016年
MLP全体
9.4%
13.2%
4.8%
川上
-0.6%
-47.3%
-28.1%
川中
10.0%
14.6%
5.2%
川下
2.4%
3.1%
1.8%
※2015年以降は予測値
(出所)GSAM、Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・
アセットマネジメント作成
(図11)MLPと米ドル建て資産の利回り比較
10
(2015年12月末現在)
(%)
8.4%
8
6.4%
6
4.0%
4
2
0
MLP
新興国債券
(米ドル建て)
米国REIT
2.1%
1.6%
米国株式
米国国債
(図12)MLPと米国国債利回り差の推移
(2006年1月~2015年12月、月次)
10
(%)
MLP配当利回り-米国国債利回り
8
6.7%
リーマンショック
6
4
2
利回り差(MLP-米国国債)
過去平均*4.0%
0
-2
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15 (年)
※過去平均は2006年1月~2015年12月の平均値
【図11、12】※MLP:アレリアンMLPインデックス、新興国債券(米ドル建て):JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド、米国REIT:FTSE
NAREIT All Equity REITsインデックス、米国株式:S&P500、米国国債:シティ米国国債インデックス
(出所)Citigroup Index LLCおよびBloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当資料はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、
金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
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4/6
ご参考資料
短期的には不透明も、中⻑期的には魅⼒的な投資機会
不透明な原油相場や需給環境により、MLP市場は短期
的に神経質な展開が続くと見られます。足もとの原油安環
境が長期化した場合、川中事業のインフラ建設需要が次
第に減少して配当成長が減速する可能性があるものの、
現在のMLP市場の価格水準はMLPの配当成長が全く見込
まれないことを想定した割安な水準にあると考えられます。
市場の落ち着きと共に中長期的には、MLPの配当利回り
+配当成長に見合う価格水準に収れんされていくことが期
待されるので、現在の価格水準は投資家にとっては魅力
的な水準と考えられます。
MLPの価格特性 〜インカムによる収益の下⽀え〜
MLPはエネルギー需要拡大を背景とした価格上昇による
収益に加え、主に相対的に高いインカムの積み上げによる
収益がトータル収益に貢献しました(図13)。足もとでは原
油価格下落等を受けてキャピタル収益が低下しているもの
の、高水準のインカム収益の積み上げにより、トータル収
益を下支えする効果が期待できます。
(図13) MLPのトータル収益の推移と内訳
(米ドルベース)
(2005年12月末~2015年12月末、月次)
350
300
インカム収益
250
キャピタル収益
200
トータル収益
+132%
-1%
+131%
150
100
50
0
‐50
‐100
05/12
07/12
09/12
11/12
13/12
15/12
(年/月)
※端数処理の関係で合計値が合わない場合があります。
※MLP:アレリアンMLPインデックス
(出所)Bloombergデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント
作成
トピック ~米国原油輸出解禁による影響は?~
⽶国原油輸出解禁は40年ぶり
1975年にOPEC石油輸出停止への対抗策として導入された米国の原油禁輸措置について、これまで撤廃を求めてき
た共和党は、撤廃法案の提出で民主党と合意し、12月18日オバマ大統領の署名により、40年ぶりに原油輸出解禁が
実現しました。今後、2017年までに輸出される原油を日量で試算すると、現在の米国原油生産920万バレルの2割に相
当する180万バレル(出所:米国ICFインターナショナル)と予測されています。原油輸出の解禁によって、国際市場の原
油価格には下押し圧力となりますが、次の影響が考えられます。
① 原油価格(WTI)と国際指標価格との差が縮小
米国内の原油指標であるWTIは、従来、米原油在庫の積み上がりによって国際指標の価格よりも低く推移しておりま
したが、輸出により米原油在庫が減少すると予測されます。それに伴い、WTIの価格の上昇が予想され、国際的な原
油価格指標である北海ブレントとWTIとの価格差が縮小すると考えられます。
(図14)原油パイプライン輸送量の推移
② エネルギー・インフラの需要拡大
輸出ターミナルや同ターミナル向け輸送パイプライン等
のインフラ需要の拡大が見込まれます。
中長期的な観点でみれば、原油貯蔵施設の集積地として
有名な米中西部オクラホマ州クッシングから、輸出ターミナ
ルとなるメキシコ湾岸地域へ、原油の輸送需要が増大する
とみられます。足もとでも、中西部から湾岸部への原油輸
送量(パイプライン経由)は増加基調(図14)にありますが、
原油輸出が解禁されたことで更なる増大が見込まれ、中長
期的にエネルギー・インフラ需要も拡大することとなりま
す。よって、MLPにはプラス要因となると考えられます。
(2012年1月~2015年9月、月次)
(百万バレル/日)
40
35
30
25
20
15
10
5
0
2012/1
2013/1
2014/1
2015/1
(年/月)
※中西部(PADD2)からメキシコ湾岸部(PADD3)への輸送量
(出所)EIA(米国エネルギー情報局)のデータを基に三井住友
トラスト・アセットマネジメント作成
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ントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類で
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当資料はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、
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