スポーツ運動学 運動の発達

スポーツ運動学⑬
スポーツ運動学
〔第13回〕
運動の発達
〜いつ,どんな運動を身につけるか〜
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スポーツ運動学⑬
人間の運動の発達
人間の運動は,
ある程度決まった段階のなかで発達していく.
人間の運動には,
成長にしたがって無意識的に発達するものがある
人間の運動には,
意識的に取り組んで発達させるものがある
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運動の発達に影響を与えるもの
運動の習得,発達に影響を与える要因は, ①環境 ②運動経験 ③指導・支援 3
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人間の運動の発達の流れ【概要】
誕生
1歳 5歳 9歳
生 他
粗
理
雑
発
的
早 乳 達
産 類
様
々
誕
生
運
時
動
同
身
様
段
階
付
目起
標
目
的
運
即
動 座
時
習
得 習 期
得 多
特
徴 運
的 動
運
動
発
達
18歳 30歳
12歳
れ
第
二
次
性
徴
男
女
差
1
8
歳
指 頃
導
運
必 動
要 系
習
得
完
了
急 適
激 切
身
体
成
長
戸
顕 惑
著 2 徐
0 々退
歳
行
代 退
行 進
前
行
半
遅
中
盤
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人間の運動の発達の流れ【概要】
走れる
歩ける
立てる
ほぼ寝たきり
誕生
走れる
歩ける
立てる
ほぼ寝たきり
死亡
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人間の運動の発達
①誕生から乳児期
○誕生時
人間は,「生理的早産」の状態で生まれる
その後,環境のなかで無意識的に様々な動きを
獲得していく
○乳児期
直立でき,周辺に興味をもち,言語を用いることが
できるようになることで,人間の運動は非常に発達
しやすくなる.
この段階での運動の習得には順次性がある.
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人間の運動の発達
①誕生から乳児期
○生後1年までの運動の発達(目安)
・1ヶ月ごろ :じたばたする
・3~4ヶ月ごろ :首がすわる
・5ヶ月ごろ :寝返り
・7ヶ月ごろ :座る
・8ヶ月ごろ :はいはい
・9ヶ月ごろ :立ち⇒つかまり歩き⇒歩き
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人間の運動の発達
②就学前期
行動の範囲が広がり,様々なものを探索し始める
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人間の運動の発達
③小学校 ○低学年
運動習得のPPrree GGoollddeenn AAggee 高学年で迎える神経系の可塑性のピークに向けて,
様々な遊び・運動に親しんでおくことが必要.
「運動好き」を育てるチャンス.
○高学年
運動習得のGGoollddeenn AAggee 「即座の習得」が可能な時期 この時期には高度な技術的習得が可能.
色々な技を反復練習させるとよい.
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人間の運動の発達
④中学・高校
○第二次性徴の最中,直後
急激な身体の変化に運動の調節がうまくいかず,
一時的なスランプ((cclluummssyy))になることがある.
浅田真央選手
2005-2006 グランプリファイナル優勝 15歳
その後,得意としていたジャンプの不調により
一時的にパフォーマンスが低下する
※フィギュアスケートのジャンプ
ジュニア期に跳べたジャンプが
跳べなくなる選手も少なくない.
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人間の運動の発達
④中学・高校
○第二次性徴の完了後
身体の劇的な変化が終わり,運動が安定していく.
しかし,「即座の習得」が困難となっており,高度な
スポーツ動作を習得するためには,適切な指導が
不可欠
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人間の運動の発達
④成年期以降
○18歳から30歳ごろ
身体能力は18歳頃に安定してくる
その後,適切なトレーニングの実施によって,
20歳前半・・・敏捷性,スピードのピーク
20歳中盤・・・筋力,持久力のピーク が現れる
○30歳以降
身体能力は徐々に退行していく
退行は,発達の段階を逆行していくことで進行する
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人間の運動の発達
●指導者が考慮すべき事項
運動の発達には,一定のルールがある
各時期に応じて必要な指導・補助が必要
各時期に鍛えるべき能力が異なる
性差も考慮する必要がある
・二次性徴が顕著になる時期には男女差がある
・女性には月経がある
→閉経後の身体機能への影響は非常に大きい
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人間の運動の発達
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