重度・重複障害のある子どもたちへの 感覚運動的アプ

養護学校・研修会
重度・重複障害とその理解
~感覚運動的アプローチ~
H18.3.28
おもな随伴症状とその相互関係
重
症
児
に
見
ら
れ
る
主
な
合
併
症
大島による障害度分類
20 80
21
22
23
24
25
知
20
13
14
15
16
19
12
7
8
9
18
11
6
3
70
能
指
50
数
4
35
17
走れる
10
歩ける
5
歩行障害
運 動 機 能
2
1
座れる 寝たきり
重症心身障害児
周辺児
感覚の種類








視覚
聴覚
味覚
嗅覚
皮膚覚(触覚=弁別と快不快、圧覚、温・冷・痛)
前庭覚(加速度=前後上下回転、傾き)
固有受容覚(運動覚=筋覚、腱覚)
内臓覚(空腹、満腹、渇き)
もし感覚がなかったら
感覚遮断の実験(あらゆる感覚をなくする
or 単調な刺激にする)
↓
意識の混濁化(どこにいるのか、自分は誰である
のかすらはっきりしなくなる)
↓
長期にわたって感覚運動機能が障害されていたら
↓
2次障害の影響は大きい


元気な子ども
「飛んだり跳ねたり、泥んこになって
転げ回ったりする」と形容される
↓仮説
本能的に、自分自身に豊富な感覚刺激を取り入
れて発達を促すようにプログラムされている
↓
効率よく感覚運動刺激を受け入れることにより
本来持っている力が発揮されるだろう
笑顔について

喜ぶ刺激は最適刺激(感覚間の統合を促す)

子どもの笑顔

反応を無視し続ける
大人の関わりを誘発する
笑わない子ども
どのような関わり方があるのか
 朝の会・・・・名前呼びを毎日行い、反応が少
しでもあるとほめることにより人を意識し見よ
うとする力を育てる(名前を呼ぶ時に手を振っ
たりして注意を向けやすくする)
 音光遊び・・・感覚情報をある程度遮断した
状況の中で、音や光の情報に対して反応しよ
うとする力を育てる (聴覚・視覚刺激共に少
ない時間も作り、関わりにメリハリをつける)
 歌リズム遊び・リズミカルな音楽と動きを組
み合わせ、楽しい雰囲気の中で音やリズムを
感じ受け入れようとする気持ちを育てる
 感触遊び・・・基礎的な感覚の一つである皮
膚覚を高めることにより、全体的な覚醒を促
す

・揺れっこ遊び・・・基礎的な感覚の一つで
ある前庭覚(揺れや回転の感覚)を高めるこ
とにより、全体的な覚醒を促す
口元に笑みの出やすい感覚の一つであり、
笑顔を出やすくする

・体の学習・・・基礎的な感覚の一つである
固有受容覚(筋肉の感覚など)を高めること
により全体的な覚醒を促すと共に、生理的基
盤をしっかりすることにより外界に関わろうと
する意欲を高め、土台作りを行う
顔面のマッサージを行い、表情筋の動きをよ
くする
実技
歌リズムあそび
・訓練体操 ・たんぽぽわたげ
・笑い袋見つけた ・お腹をポンポン
・キラキラサラサラ ・おしくらまんじゅう
など
 ストレッチ
・首、肩周りのストレッチ
 体幹の回旋
 反り返りの緊張を緩める

主な語句
拘縮・・筋や腱、皮膚などの「変化」のため、
関節の動きが一定方向に固定された状態
 尖足・・足首を背屈する筋が弱かったり、アキ
レス腱の拘縮、過緊張により足首が底屈した
状態
 内反足・・足首が内側に曲がった状態。尖足
も同時にある時は、内反尖足という。

痙直(痙性)・・筋緊張が亢進した状態で、他
動的な運動の初期に大きな抵抗がある。
Cf.アテトーゼ・失調
 ADL・・Activities of Daily Livingの略で
日常生活動作のこと
 CP・・Cerebral Palsyの略で、脳性まひのこと
 AAC・・ Augmentative and Alternative
Communication(拡大・代替コミュニケーショ
ン )の略で、音声言語・文字以外の様々なコ
ミュニケーションのことを指す

側弯(X-Ray)・・脊柱が左右の方向に曲がっ
ている状態 (通常10度以上弯曲が認められ
るもの)。
 亜脱臼・・関節が外れかけの状態。(股関節
で問題になることが多い)
 臼蓋形成不全・・股関節の受け皿の部分の形
成が不十分な状態。(脱臼しやすくなる)
 V-Pシャント・・水頭症によって生じた頭蓋内
圧を低くするために行われます。シャントを
行って、液体を脳室から腹腔に流します

87度
スライド16へ
スライド16へ
V-P(V-A)シャントとは
ventriculo-peritoneal shunt
シャントが詰まると
* 呼吸が時々止まる
脈がゆっくりになる
大泉門が盛り上がり、張っている
頭皮の静脈が拡張し、浮き出ている
急速な頭囲の拡大(頭が大きくなる)
*周囲の刺激に対して敏感になり、すぐに泣く
イライラしている
首の座りが不安定
「落陽現象」(眼球が上を向けなくなり、下に向いた
眼球が沈む太陽のように見える現象)
* 頭痛
嘔吐
意識がボーっとしている
物が二重に見える
身体のバランスがとれなくなる
医療的ケア

経管栄養(TF)
(鼻腔チューブ栄養/NG法、口腔ネラトン、胃ろうetc)
吸引(痰の吸引)
 導尿
 気管切開部(カニューレ)の管理
 酸素療法
 エアーウェイ(鼻腔、口腔)
 IVH(中心静脈栄養・TPN) など

必要とされる研修項目









医療的ケアの実技と実際
摂食介助法
自立活動(呼吸介助法、ボバース法、動作法、
ストレッチ etc
解剖生理学(視覚・聴覚・呼吸器・脳etc)、衛生学
指導方法(感覚統合療法、ムーブメント教育、
音楽療法etc
ポジショニング(楽な姿勢をつくる)
シーティング(車いすなどに楽に座わる)
AAC機器
機器の説明
VOCA(Voice Output Communication Aid=
携帯用会話補助装置・AAC機器の一つ )
代表的なもの
・ビッグマック
・ミニメッセージメイト
・スッテップバイステップwith level
・チープトーク など
 パルスオキシメーター(血中酸素飽和度と脈
拍を測定するもの)

ビッグマック
ミニメッセージメイト
スッテップバイステップwith level
チープトーク
パルスオキシメーター
おわり