2013 年 10 月号 教区年間テーマ 人はパンだけで生きるものではない ー信仰年にあたってー カトリック瀬戸教会広報 2013年 10 月号 発行 毎月第一日曜日 〒483-0983 瀬戸市苗場町 66 カトリック瀬戸教会 (0561)82-7340 カトリック瀬戸教会 検索 ミサのあずかり方⑤ 主任司祭 第5章 櫻本好美 聖書朗読を聴く 3 言葉にさわるように読む 主日の聖書朗読は三つありますが、まず福音 今回は「聖書朗読を聴く」 (来住英俊『目からウ ロコミサのあずかり方』P.39~)について学び 書だけをゆっくり何度か読むことをお勧めしま ます。これから「聖書朗読のよい聴き方」 「福音書 す。時間の余裕があれば、第一朗読(旧約)を、 のよい読み方」 「説教のよい聴き方」について勉強 次に第二朗読も読む、というようにするといい していきましょう。 でしょう。 聖書を自分で読むときには、 「一つひとつ」の 1 耳で聞く 言葉にさわるように読んでください。言葉とは 聖書朗読を聴くときは、 「聖書と典礼」のパン まず単語のレベルです。愛玩する陶器を手に取 フレットは見ないで、耳で聴きましょう。そし るように、一つひとつの「言葉」をしばらく手 て、できれば朗読者の方を見て聴いてください。 に持って保つ。その重み、形、手触りを確かめ 朗読台にからだを向けて、そこからの声に一緒 るような気持ちです。今日の福音が「種を蒔く に耳を傾けることによって、 「神の民」としての 人のたとえ」だとします。 姿が明らかになるからです。 「種を蒔く人が種蒔きに出て行った。蒔いてい る間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べて 2 あらかじめ読んでおく しまった」 その日の聖書朗読を前もってよく読み、味わっ (マタイ13・3b~4)。 ておくことを勧めます。その言葉が朗読台から ここを読むとき、 「種を蒔く人」と一息で読む きちんと朗読される。それに「ふむふむ」と心 のではなく、 「種を・・・蒔く・・・人が」とい の中でうなずきながら耳を傾ける。そうすれば、 う感じで読みます。 「種を蒔く人」とすらっと言 神の言葉はさらに心の深いところにまで入って ってしまうと、筋を進めるために誰か出て来た くるでしょう。言葉をいきなり耳で聞くだけで、 という感じで、その人の質量感がありません。 それを心の深いところに受け入れるのは難しい しかし、 「種を・・・蒔く・・・人が」とゆっく のではないでしょうか。すでに自分でしっかり り読むと、「種」という語の質量、「蒔く」とい 読んでおいた聖書の言葉が朗読台から読まれ、 う語の手触りのようなものが、自分なりにかす その声に耳を傾けるのであれば、神の言葉は信 かに感じられるでしょう。 じる者にその力を現わしてくれるでしょう。 そうなれば、 「種を蒔く人」という人物ももっと 1 2013 年 10 月号 教区年間テーマ 人はパンだけで生きるものではない ー信仰年にあたってー どっしりとしてくるのです。これを積み上げる と、 「種を蒔く人が種蒔きに出て行った」という 5 説教の聞き上手になる 一つのセンテンスが重量感を持つものになり、 ミサの説教は、朗読された福音を基にするの さらに今日の朗読箇所全体が奥行きのあるもの が原則です。あらかじめ朗読箇所をよく読んで になります。 おくと、説教を積極的な態度で聴くようになり そして、 「すべて」の言葉(単語)に、丁寧に ます。この個所について司祭がどういう話をす さわりながら読んでいきます。このようなやり るのか、楽しみになるでしょう。 方で聖書を読むと、すでによく知っている箇所 説教には「地味な説教」「聖書解説的な説教」 でも、読むたびに何か新しい発見や新鮮な味わ 「生き方への適用を積極的に示すような説教」 いがあるものです。 など色々あります。聴き上手な人はどちらのタ イプの説教からも利益を得ることができるでし 4 神の言葉によって生きる ょう。聴き上手になる第一の条件は、自分自身 日ごろから聖書によく親しんでおいて、ミサの が聖書を愛し、聖書に親しんでいるということ 前に朗読箇所をゆっくり何度か読み、そして、 です。次回のテーマは「朗読箇所はどのように ミサで朗読を聴く。これが、聖書の言葉があな 選ばれているか」です。 たの中に根を下ろしていく正道です。 2
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