カトリック瀬戸教会広報

2013 年 10 月号 教区年間テーマ 人はパンだけで生きるものではない ー信仰年にあたってー
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2013年 10 月号
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ミサのあずかり方⑤
主任司祭
第5章
櫻本好美
聖書朗読を聴く
3 言葉にさわるように読む
主日の聖書朗読は三つありますが、まず福音
今回は「聖書朗読を聴く」
(来住英俊『目からウ
ロコミサのあずかり方』P.39~)について学び
書だけをゆっくり何度か読むことをお勧めしま
ます。これから「聖書朗読のよい聴き方」
「福音書
す。時間の余裕があれば、第一朗読(旧約)を、
のよい読み方」
「説教のよい聴き方」について勉強
次に第二朗読も読む、というようにするといい
していきましょう。
でしょう。
聖書を自分で読むときには、
「一つひとつ」の
1 耳で聞く
言葉にさわるように読んでください。言葉とは
聖書朗読を聴くときは、
「聖書と典礼」のパン
まず単語のレベルです。愛玩する陶器を手に取
フレットは見ないで、耳で聴きましょう。そし
るように、一つひとつの「言葉」をしばらく手
て、できれば朗読者の方を見て聴いてください。
に持って保つ。その重み、形、手触りを確かめ
朗読台にからだを向けて、そこからの声に一緒
るような気持ちです。今日の福音が「種を蒔く
に耳を傾けることによって、
「神の民」としての
人のたとえ」だとします。
姿が明らかになるからです。
「種を蒔く人が種蒔きに出て行った。蒔いてい
る間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べて
2 あらかじめ読んでおく
しまった」
その日の聖書朗読を前もってよく読み、味わっ
(マタイ13・3b~4)。
ておくことを勧めます。その言葉が朗読台から
ここを読むとき、
「種を蒔く人」と一息で読む
きちんと朗読される。それに「ふむふむ」と心
のではなく、
「種を・・・蒔く・・・人が」とい
の中でうなずきながら耳を傾ける。そうすれば、
う感じで読みます。
「種を蒔く人」とすらっと言
神の言葉はさらに心の深いところにまで入って
ってしまうと、筋を進めるために誰か出て来た
くるでしょう。言葉をいきなり耳で聞くだけで、
という感じで、その人の質量感がありません。
それを心の深いところに受け入れるのは難しい
しかし、
「種を・・・蒔く・・・人が」とゆっく
のではないでしょうか。すでに自分でしっかり
り読むと、「種」という語の質量、「蒔く」とい
読んでおいた聖書の言葉が朗読台から読まれ、
う語の手触りのようなものが、自分なりにかす
その声に耳を傾けるのであれば、神の言葉は信
かに感じられるでしょう。
じる者にその力を現わしてくれるでしょう。
そうなれば、
「種を蒔く人」という人物ももっと
1
2013 年 10 月号 教区年間テーマ 人はパンだけで生きるものではない ー信仰年にあたってー
どっしりとしてくるのです。これを積み上げる
と、
「種を蒔く人が種蒔きに出て行った」という
5 説教の聞き上手になる
一つのセンテンスが重量感を持つものになり、
ミサの説教は、朗読された福音を基にするの
さらに今日の朗読箇所全体が奥行きのあるもの
が原則です。あらかじめ朗読箇所をよく読んで
になります。
おくと、説教を積極的な態度で聴くようになり
そして、
「すべて」の言葉(単語)に、丁寧に
ます。この個所について司祭がどういう話をす
さわりながら読んでいきます。このようなやり
るのか、楽しみになるでしょう。
方で聖書を読むと、すでによく知っている箇所
説教には「地味な説教」「聖書解説的な説教」
でも、読むたびに何か新しい発見や新鮮な味わ
「生き方への適用を積極的に示すような説教」
いがあるものです。
など色々あります。聴き上手な人はどちらのタ
イプの説教からも利益を得ることができるでし
4 神の言葉によって生きる
ょう。聴き上手になる第一の条件は、自分自身
日ごろから聖書によく親しんでおいて、ミサの
が聖書を愛し、聖書に親しんでいるということ
前に朗読箇所をゆっくり何度か読み、そして、
です。次回のテーマは「朗読箇所はどのように
ミサで朗読を聴く。これが、聖書の言葉があな
選ばれているか」です。
たの中に根を下ろしていく正道です。
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