「TOP100グローバル・ イノベーター2015」 JSTが受賞

1
・特 許 の
影 響 力を
評価
・公 的 機
関で
日本 初 の
快挙
January
2016
3「TOP100 グローバル・イノベーター 2015」JSTが受賞
4
濵口理事長インタビュー
海図のない近未来へ
イノベーションの先導役を
6 電気自動車をガソリン車並みのパワーに
FEATURE
O1
3 次元ナノ多孔質グラフェンで
10 環境と資源の危機を「触媒」で乗り超える
FEATURE
O2
脱石油化学への挑戦
14
16
NEWS&TOPICS
あらゆる人に開かれた科学と社会をつなぐ広場 サイエンスアゴラ ほか
「 TOP100 グローバル・
イノベーター 2015」
JSTが受賞
JSTが「TOP100 グローバル・イノベー
さきがける科学人 Vol.45
ブレークスルーをもたらす、かっこいい分子をデザインしたい
深澤愛子(名古屋大学大学院理学研究科 准教授)
表 紙 写 真
研究室でコインセル型リチウム空気電
池を手にするCREST 研 究 代 表 者の
陳明偉さん。ナノ多孔質グラフェンによ
る電極が実用化されれば、リチウム空
気電池の性能が飛躍的に向上し、電
気自動車がガソリン車並みのパワーを
発揮するはずだ。
ローバル性」のみ過去 3 年間)
。
ちの活力がリアルタイムで総合的に評価さ
ター 2015」を受賞しました。世界的な情
棚橋取締役は、
JSTの初受賞について
報サービス企業のトムソン・ロイター社が
「
『影響力』の評価が 100 社中トップであっ
今年選出された企業・機関の数は、日
保有する特許データを基に知的財産や
た」ことを明らかにしました。それを受けて濵
本が 40 社、2 位の米国は 35 社。昨年
特許動向を分析し、独創的な発明のアイ
口理事長は、
「JSTの仕事が単に特許数
に続き、今 年も日本の企 業・機関の受
デアを知的財産権で保護し、事業化に
が多いだけではなく、その成果が着実に社
賞数が米国を抜いて世界最多でした。ソ
成功した企業・機関 100 社に贈られます。
会実装されて、世の中の役に立っているこ
ニー、富士通、オリンパス、
トヨタなど国
5回目となる今年は日本から世界最多とな
とが客観的に評価されたもので、何よりも
内 15 社が 5 年 連 続で受 賞し、12 社が
る40 社が選出されました。JSTは日本の
嬉しい」と喜びの声をあげ、
「ノーベル賞は
今年初めて受賞しました。アジアからの選
公的機関としては初の受賞です。
数十年前の成果が評価されるが、今回の
出は、韓国 3 社と台湾 1 社。北米からは
受賞はJSTの今現在の活動、現場の人た
36 社、ヨーロッパからは20 社でした。
授与式は昨年 12月3日、
JST東京本
れた証で、
その意義は大きい」
と話しました。
部別館で行われ、
トムソン・ロイター社の
棚橋佳子取締役日本営業統括部長か
ら、濵口道成理事長にクリスタルのトロ
フィーが贈られました。
同賞は「特許数」、
「成功率」、
「グロー
バル性(欧州、米国、中国、日本に出願
している割合)
」、
「引用における特許の
編集長:上野茂幸/企画・編集:浅羽雅晴・安藤裕輔・菅野智さと・佐藤勝昭・多田羅尚子・鳥井弘之・松元美香・松山桃世・山下礼士 制作:株式会社学研プラス・株式会社麴町企画/印刷・製本:北越印刷株式会社
2
January 2016
影響力」の 4 つの評価軸で分析して選
出されます(分析対象は過去 5 年間。
「グ
授与式の様子。左からJST 安藤理事、濵口理事長、
トムソン・ロイター社 棚橋取締役、堀切シニアセールスマネージャー。
3