特に農村の家庭では、中等教育に進 を受けられるわけではない。 いるにもかかわらず、全ての人が教育 心地ケニア。目覚ましい発展を続けて その一つが、東アフリカの経済の中 界にはあるのだ。 子どもたちがいる。そんな国がこの世 そう言われ、学校から追い出される ていきなさい﹂ ﹁学費を払っていない人は、今すぐ出 脈々と受け継がれる 支援のバトン 国 際 協 力 の 担 い 手 た ち 1983 年、 KESTES ※が立ち上が その活動は代々受け継がれ、子どもたちの未来を明るく照らしている。 も、将来の選択肢が狭まってしまう︱。 ケニアの青年海外協力隊員が立ち上げたKESTES。 っ た。有 志 の 現 役 隊 員 がKESTES そんな子どもたちの力になりたいと、 年前、この状況を目の当たりにした お金がないために学校に行けない。 て 訪 ね る の が 大 変 な 生 徒 も い ま す が、 ている堀泰洋隊員は、 ﹁交通の便が悪く 子どもたちにいくらやる気があって を優先しなければならない場合もある。 さな弟妹たちの世話など、家での仕事 きないからだ。水くみやまき拾い、小 寮費、給食費などが、家計から捻出で 年、貧しい家庭に育ったキホロさ キホロさんもいる。 続的に支援できる仕組みをつくろうと、 で見届けることは難しい。そこで、持 かし、彼らの任期は2 年だけ。卒業ま 個人的に学費を支援する人もいた。し ケ ニ ア の 青 年 海 外 協 力 隊 員 の 中 に は、 続ければ道が開ける可能性がありま も﹁経済的な困難があっても、努力を ーする仕組みだ。現在、委員長を務め 訪問したり連絡をとったりしてフォロ て奨学金を支給。その生徒を定期的に ら成績や家庭の経済状況などを選考し の委員となり、推薦された生徒の中か め な い 子 ど も が 多 い。学 費 や 制 服 代、 教育が変える子どもたちの未来 通して、ケニアのより良い発展に貢献 生活を共にする隊員ならではの支援を がKESTESの 強 み。現 地 の 人 々 と 一人一人と親密な関係を築いているの ができた。その後は学校の先生をしな 考を見事通過し、奨学金を受けること 説 得。キ ホ ロ さ ん はKESTESの 選 訪れ、学業を続けられるように両親を いた黒田孝伸隊員︵当時︶が彼の家を ある彼の数学の能力の高さに気付いて くなってしまった。しかし、教え子で んは授業料未納のため、学校に行けな 活動し、今は小学校教員として多忙な 000 年から理数科教員の隊員として だ。代表を務める金田健一さんも、2 スタッフもみんなケニアの隊員経験者 報活動を担当するのが日本窓口。その し、日本での口座の管理や国内での広 こ う し た 現 地 で の 活 動 を サ ポ ー ト きたい﹂と抱負を語る。 す。自分の生徒たちにもそう伝えてい 年間で、35 0 人を超 える生徒を奨学金という形で支援して ﹁今 の 自 分 が あ る の はKESTES ることができたのだ。 ﹁国 際 協 力 系 の イ ベ ン ト に 出 展 す る 動に関わっている。 日々の合間を縫ってボ ランティアで活 その言葉通り、 年のケニア大統領選 てきたのは奇跡です﹂と語る金田さん。 ﹁KESTESが こ ん な に 長 く 続 い だ。 きるシステムを導入したりと奮闘中 ューアルしたり、ウェブから寄附がで 数を増やすためにホームページをリニ CA基金﹂も活用しながら、アクセス と 話 す。 ﹁世 界 の 人 び と の た め のJ I ら れ る こ と も あ り、歴 史 を 感 じ ま す﹂ と、大先輩の隊員経験者から声をかけ と、〝まだKESTESってあるんだ!〟 のおかげ﹂と話すキホロさん。堀さん かつてKESTESの奨学生だったキホロさんの母校でのイベント。委員長の堀さん (左) 、前 委員長の藤城友昭さんらが招かれた き たKESTES。そ の 中 に は、博 士 これまでの 教 育は未 来 を 切り開く力 するのが目標です﹂と話す。 がら勉強を続け、ついには博士号を取 86 支え続けていく。 たちの新しい未来のために、みんなで 団結のたまものだ。これからも子ども いでこられたのは、まさに隊員たちの ほしい︱。その思いをこれまで引き継 ケニアの未来を変える大人に育って たこともあったが、すぐに復活した。 挙後に暴動が起きた影響で一時解散し 08 学歴によって就ける仕事が限られてしまうケニア。教育を受けられる チャンスが人生を左右するため、奨学金が果たす役割は大きい 日本窓口の金田さん (前列 左から2人目) をはじめ、 ケニ ア隊員経験者が協力してグ ローバルフェスタに出展 KESTES 30 ス テ ス ケ 18 January 2015 January 2015 19 30 号 を 取 り、大 学 教 授 と な っ た ジ ョ ン・ 奨学金を得て学校に通えるようになったオチング・ティベリアスさんを、担当の濱田裕介隊員 が定期的に訪問している 元隊員のデザイ ナーが作 成した KESTESオリジ ナルグッズを販 売し、 好評だった ナイロビ ケニア ※青年海外協力隊在ケニア隊員有志による奨学金制度(Kenya Students’Education Scholarship)の略称。
© Copyright 2024 ExpyDoc