謹んで新春のご祝詞を申しあげます 旧年中は大変お世話になりました 本年もどうぞよろしくお願い申しあげます 三井記念美術館は、平成17年に中野区の三井文庫別館を中央区日本橋に移転し、 本格的な美術館として開館いたしました。三井家の創業の地であり、三井グループ各 社に縁の深い日本橋で、活発な美術館活動を展開し、高い芸術と文化を発信する意義 は、日本の将来を見据える上で非常に大きいと考えております。 三井記念美術館の使命は、三井家に伝来した貴重な東洋・日本の美術コレクション を安全に管理し後世に伝えるとともに、それを展示して多くの方々に鑑賞と教育、研 究の場を提供することにありますが、その一方で所蔵品だけでなく各方面から優れた 作品を借用して展示する特別展を、年に数回開催することにあります。 そして昨年は、記念すべき年を迎えました。まず当館が所属しております公益財団 法人三井文庫が、財団法人として開設して 50 周年になり、三井記念美術館が、日本 橋の三井本館 7 階に開館して、10 周年の節目の年を迎えました。 このダブルメモリアルイヤーを記念して、春に『三井の文化と歴史』と題して、前 期に「茶の湯の名品」展を、後期に「日本屈指の経営史料が語る 三井の 350 年」展 を開催し、多くの方々にご来館いただきました。さらに現在その第 2 弾として『三井 家伝世の至宝』展(1 月 23 日まで)を開催しております。この展覧会は、国宝・重 要文化財に指定されている三井記念美術館所蔵の作品を中心にして、今は三井から離 れ、他の美術館・博物館あるいは個人の所蔵になっている名品・優品を一堂に展示し、 かつて三井家に伝世した至宝の数々を、存分に鑑賞していただこうとするものです。 またこの記念特別展のほか、夏にフィラデルフィア美術館所蔵の浮世絵名品展『春 信一番!写楽二番!』を、秋に『蔵王権現と修験の秘宝』展を開催し、それぞれ多数 の来館者をお迎えすることができました。 開館以来入館者数も約170万人となり、日本各地、あるいは海外からの来館者も 多くなっております。これもひとえに 関係者の方々のご理解とご協力の賜物と感謝 しております。 『三井家伝世の至宝』展に引き続き、本年度最後は『三井家のおひな さま』展(2 月 6 日~4 月 3 日)を開催いたしますので、ご覧いただきますようご案 内申し上げます。 平成 28 年元旦 三井記念美術館 館長 清水 眞澄
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