相談室だより 2014年12月号第56号

2014 年 12 月 第 56 号
11月 学びサロン ミニ講話から
化学療法の実際 講師:化学療法看護認定看護師 上原 厚子さん
「化学療法センターの紹介」
「在宅での抗がん剤投与」
(講義資料より)
●外来化学療法の経緯と利点
・外来で治療できる抗がん剤や副作用予防の薬が開発された
・社会生活(仕事、家事、育児など)を送りながら治療が可能
●化学療法センターは、1日平均50名前後の患者が利用。
室内はご家族の面会(小さいお子様以外)や飲食も可能。
※通院で治療をおこなう方へは、化学療法センターのオリエン
テーションを行い不安の緩和につとめています。
●抗がん剤投与管理~CV ポート~
(講義資料より)
・皮下埋め込み型血管アクセス
・頻回または持続的に静脈内へ薬剤投与ができる
・在宅治療や血管が細くて穿刺が困難な方などに適応
●在宅での抗がん剤管理
・シュアフューザーによる抗がん剤投与(2~5日間)
・電動制御ではなく、温度が32度(体表温度)の時に適切に流れる
よう設定
・風船の減り方を確認 衝撃を与えない 入浴時は濡らさない
●自己抜針指導
・注入終了後の針を抜く手技を病院で練習
・抜針のための通院を減らす
※連絡が必要な場合は各診療科(外来、病棟)が窓口です。
「副作用の症状と対策」
●吐気・嘔吐
・吐気、嘔吐は予防が効果的。
・吐気のタイプにあった吐気止めを飲む(我慢をしないで症状を伝える)。
●皮膚障害
・「ざ瘡様(にきび様)皮疹」は75%以上(抗がん剤の種類による)で発症。
ざ瘡様皮疹の後に「皮膚の乾燥」「ひび割れ」「爪周囲の炎症」が起きる。
スキンケアのポイントは『清潔』『保湿』『刺激を避ける』。
※副作用の予防に努めることが、治療の継続にもつながっていきます。
悩みや迷っていることは、遠慮しないで声に出していきましょう。
(講義資料より)
いやしサロン リラックスタイム
ハンドトリートメント
11
11月 17 日、看護部「アロマトリートメント同好会」のご協力をいただき
リラックスタイムをお届けしました。
精油について
一般に自然の植物から抽出したもので、あくまで天然
の物。アメリカでは医薬品として、処方箋が必要なこと
もあります。日本ではまだ、雑貨扱いです。マッサージ
オイルとして使うときは合成ではない成分分析表の
ある天然のものを選びましょう。精油は高価なものが
多いのですが、お部屋の芳香など
には雑貨屋などで安く手に入るも
のでも。それぞれ効能があります
が、癒しを得るためには好きな香り
を選ぶことが基本になります。
1 月のイベントご案内
タオル帽子を作る会
日時:1月13日(火)
10時~12時
13時~15時
粘土細工の会
日時:1月21日(水)
14時~15時
ミニ講話
緩和ケアってなに?
日時:1 月 28 日(水)
14 時~15 時
皆様のご参加をお待ちしています
ハンドトリートメント
好きな香りの精油を1~2種、合わせて4滴(0.2ml)をスイートアーモン
ドオイル10mlに混ぜて、オリジナルのボディー用トリートメントオイルを作
りました。二人組になり相手のオイルを手に取り、優しく
腕、手指をマッサージ。肌に触れることでお互いに安心
感が生まれ、会話も弾みました。
Q&A
(・・? キャリアオイルは他にもありますか?
(^^)/ 食用ではないオリーブオイル、グレープシードオイル、
ホホバオイルなどがあります。ホホバオイルは粘性が強く
しっとり感がありますが、毛穴が詰まることもあるので、他のオイルに足し
て使います。スイートアーモンドオイルが使いやすいと思います。
ひとこと・・・くる
キャンサーギフトという言葉を聞いたことがありますか?
意味は、癌(がん)という、命に関わる重い病気になって、初めて見えてくる命の大
切さ、時間の大切さ、周りの人々の暖かさというものがある。それは癌がくれた贈り
物……ということなのだそうです。「つらいことがあったことで何かを授かるというの
は美しい考え方。そのように自分の心を向けていくにはエネルギーが必要ですし、
支えてくれる人、理解してくれる人がいるということが大切です。」と大川由美さん
(ピンクリボンinSAPPORO 理事)は話しています。一人で頑張り続けることは大変
でも、周りに「大丈夫」と寄り添ってくれる人がいれば、つらいことを乗り切る力が湧
くでしょう。乗り切ることができたなら、今の自分にできることに目が向くでしょう。自
分にできることで人の役に立つことができたなら?
それは自分にとってのキャンサーギフトかもしれません。