･･･農地中間管理事業と農業者年金の関係・・・ （問１）経営移譲年金及び特例付加年金の受給者が後継者に貸していた農地を農地 中間管理機構に利用権設定等促進事業により貸し付ける場合、経営移譲年金及び 特例付加年金の受給はどうなりますか。 （答） 経営移譲年金及び特例付加年金（以下、経営移譲年金等という。）を受給している者 が、後継者に経営移譲及び経営継承（以下、経営移譲等という。）した農地の返還を受 け、農地中間管理機構にその農地を貸し付ける場合、農地中間管理機構は適格な経営 移譲等の相手方として位置づけられており、利用権設定等促進事業により利用権を設 定する場合は、後継者に貸していた農地の一部であっても、次の要件（※）を満たすこと により、経営移譲年金等を引き続き受給することができます。 また、農地中間管理機構に農地を貸付けたら、速やかに JA に届出してください。 ※ 要件について ①利用権の設定期間は 10 年以上であること ②後継者から農地の返還を受けた日から起算して１年以内に農地中間管理機構 へ貸し付けすること （問２）経営移譲年金等の受給者が農地中間管理機構に貸し付けた農地について、農 地中間管理機構からの借り手によって経営移譲年金等が支給停止となることはあ りますか。また、借り手が見いだせなかった場合は、どうなりますか。 （答） 農地中間管理機構に経営移譲等をした農地について、農地中間管理機構からの転 貸の相手方によって経営移譲年金等の支給が停止されることはありません。 ただし、農地中間管理機構から転貸される相手方が見いだせないこと等により、受給 者へ農地が返還される場合は、受給している年金の種別により支給停止の取扱いが異 なります。 〔経営移譲年金を受給している場合〕 １．基本額経営移譲年金を受給している場合 農地中間管理機構からの農地が返還されることによる支給停止はありません。 （農業経営を再開する場合は除く。） ２．加算付経営移譲年金を受給している場合 農地中間管理機構から転貸される相手方が見いだせないこと等により、受給者へ 農地が返還されたときは、返還を受けた日から起算して 1 年以内に特定譲受者 -1- （※）に適格に処分できない場合は、返還を受けた日の 1 年後に加算付経営移譲年 金から基本額経営移譲年金へ減額されます。 （※）特定譲受者とは、 60 歳未満で国民年金第１号被保険者の 50 アール以上の農業経営者、農業 法人等 〔特例付加年金を受給している場合〕 農地中間管理機構からの農地が返還されることによる支給停止はありません。 （農業経営を再開する場合は除く。） （問３）当初、サラリーマン後継者に農地を貸し付けて基本額経営移譲年金を受給して いる者が、当該農地を農地中間管理機構に貸し直す場合、加算付経営移譲年金に 増額できるか。 （答） 当初、サラリーマン等の後継者に農地を貸し付けて基本額経営移譲年金を受給して いる者が、一定の要件（※）を満たす経営移譲のやり直しを行った場合は、加算付経営 移譲年金を受けることができます。 （※） 経営移譲のやり直しの一定の要件 １．昭和 61 年４月１日以降に経営移譲年金の受給権が発生した者に限る。 ２．農地中間管理機構への利用権の設定期間は１０年以上となること。 ３．後継者から農地の全部の返還を受ける場合 自留地相当分として 10 アール（道南を除く北海道の区域は 20 アール）以内を除い て、全てを農地中間管理機構に利用権を設定すること。 ４．後継者から一部の農地の返還を受ける場合 当初の経営移譲面積（土地収用法等により処分している面積を除く。）の３／４以上 かつ 30 アール（道南を除く北海道の区域は１ヘクタール、沖縄 20 アール）以上であ ること。 ５．後継者への貸付期間の満了による再設定が行われていないこと。 （問４）経営移譲年金等の受給者が農地中間管理機構に農地を貸し付けて経営転換 協力金を受けた場合、経営移譲年金等の受給はどうなりますか。 （答） 経営移譲年金等を受給している者が経営転換協力金を受けても、上記問１の要件を 満たしていれば、経営移譲年金等を引き続き受給することができます。 また、受給者が経営転換協力金を農業所得として確定申告しても、農業経営の再開 -2- にはあたらないため、経営移譲年金等の受給に影響はありません。 （問５）経営移譲年金等の受給者が農地中間管理機構へ貸し付けた農地について、 集落営農組織又は農業生産法人が転貸を受けて、その法人に受給者が参加すると 経営移譲年金等の受給はどうなりますか。 （答） １．経営移譲年金の受給者が任意組織の集落営農に参加する場合 経営移譲年金の受給者が、任意組織の集落営農に参加する場合については、農地 等の権利名義を新たに取得するものではないことから、受給者は、引き続き経営移譲 年金を受給できます。 ２．経営移譲年金の受給者が農業生産法人に参加する場合 経営移譲年金の受給者が農業生産法人に参加し、持分を取得して構成員になる場 合については、農業経営の再開となり、経営移譲年金が支給停止となります。 ただし、農業生産法人の構成員ではなく、単なる雇用者として従事する場合には、 農業経営の再開とならないので引き続き経営移譲年金を受給できます。 ３．特例付加年金の受給者が任意の集落営農又は農業生産法人に参加する場合 特例付加年金の受給者が農業を営む法人の常時従事者たる構成員になった場合 は、特例付加年金が支給停止になります。 また、農業を営む法人の常時従事者でなくなるか又は構成員でなくなった場合は、 再び特例付加年金を受給できます。 -3- １．特定処分対象農地等及び加算対象農地等を農地中間管理機構 に貸し付ける場合（経営移譲年金） ・ 特定処分対象農地等及び加算対象農地等を後継者等から返還を受けて1年以内 に農地中間管理機構へ適格に処分した場合、経営移譲年金は支給停止とならない。 利用権設定等促進事業により 10年以上の貸付け 農地の返還 ① 後継者 ② 受給者 後継者から農地の返還を受けてから 1年以内に農地中間管理機構へ処分 貸付け ③ 農地中間管理機構 借受者は特定譲受者 以外でも年金は支給 停止とならない ２．農地中間管理機構に貸し付けた農地等（加算対象農地等） の返還を受ける場合（経営移譲年金） ・ 農地中間管理機構から農地が返還されても、返還による支給停止にはならない。 ただし、加算対象農地等の場合は、農地中間管理機構から農地の返還を受けて から１年以内に特定譲受者へ適格に処分しなければ加算額部分が支給停止となる。 貸付け 所有権移転か 10年以上の貸付け ① ③ 特定譲受者 （加算対象農地等の場合） ② 受給者 返還 農地中間管理機構 保全管理 （加算対象農地等でない場合） １年後に 加算額支給停止 経営移譲年金（基本額） は支給停止にならない 処分せずに 処分相手、貸付期間等 は問わない 借受者なし 農業再開 経営移譲年金支給停止 ３．特定処分対象農地等を農地中間管理機構に貸し付ける場合 （特例付加年金） ・ 特定処分対象農地等を後継者から返還を受けて1年以内に農地中間管理機構へ 適格に処分した場合、経営移譲年金は支給停止とならない。 10年以上の貸付け 農地の返還 ① 後継者 貸付け ③ ② 受給者 農地中間管理機構 借受者は譲受適格者 以外でも年金は支給 停止とならない 後継者から農地の返還を受けてから １年以内に農地中間管理機構へ処分 （条件不利地域は２年以内） ・ 農地中間管理機構から農地が返還されても、返還による支給停止にはならない。 貸付け ① ③ ② 処分相手、貸付期間等 は問わない 受給者 返還 農地中間管理機構 借受者なし
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