高度なネフローゼを伴い急速進行性糸球体腎炎の経過で診断 - SQUARE

高度ネフローゼを伴い急速進行性糸球体腎炎
の経過で診断、治療に難渋した1例
経
名古屋第二赤十字病院
小野田 浩 北村 謙 荻山慶子 坂井 薫 小宮俊幸
堀家敬司 武田朝美 両角國男
症 例
患 者
38歳、男性
主 訴
感冒後の肉眼的血尿 浮腫 乏尿 倦怠感
感冒後の肉眼的血尿、浮腫、乏尿、倦怠感
家族歴
家族内腎疾患なし
既往歴
特記事項なし
現病歴
20才頃より会社の検診で検尿異常を指摘されており、感冒時な
才頃より会社の検診で検尿異常を指摘されており、感冒時な
ど近医受診時に検尿所見増悪をいわれていたが放置していた。
H18年10月中旬より咽頭痛などの感冒症状があり遷延していた。
11月になると肉眼的血尿(褐色調)を自覚し、徐々に下肢痛、下
なる 肉 的血 褐色 を自覚 徐
肢痛
腿浮腫が出始めたため11月25日に近医を受診した。
Cr1 2mg/dl Alb2 7g/dl 尿蛋白(3+) 尿潜血(4+)であり降圧剤(オルメ
Cr1.2mg/dl,Alb2.7g/dl,尿蛋白(3+),尿潜血(4+)であり降圧剤(オルメ
テック)利尿剤(ダイアート)を処方されたが改善なく、乏尿、浮腫、倦
怠感 増悪するためネフ
怠感が増悪するためネフローゼと診断され、11月30日夜間に当院
診断され、 月
夜間 当院
救急外来を受診し精査入院となった。
入院時現症
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体格
体温
血圧
呼吸
眼瞼
咽頭
胸部
腹部
下肢
身長183cm、体重90kg
身長183
体重90k
38.7℃
BP160/90mmHg
やや荒い
貧血なし
発赤浮腫あり
聴診上ラ音なく心雑音も聴取せず
やや膨隆あるも軟
紫斑なし、下腿浮腫著明
胸部XP
腹部CT
入院時検査所見1
WBC
RBC
Hb
Ht
Plt
17.0×103
485×104
14.2
40.2
22.0×104
/ul
/ul
g/dl
%
/ul
Ca
P
β2mG
シスタチンC
CRP
3.5
4.3
4.8
1.52
9.4
mEq/l
mg/dl
g/
mg/l
mg/l
mg/dl
Na
K
Cl
Cr
BUN
TP
Alb
T-ch
AST
LDH
CK
Glu
ALP
133
3.3
99
2.1
24.4
3 27
3.27
1.66
277
19
270
107
125
144
mEq/l
mEq/l
mEq/l
mg/dl
mg/dl
g/dl
/dl
g/dl
mg/dl
IU
IU
IU
mg/dl
IU
ASO
ASK
<20
<40
IU
倍
C3
C4
CH50
58
20
19.9
mg/dl
mg/dl
U/ml
IgG
I A
IgA
IgM
IgE
237
62
<10
2020
mg/dl
mg/dl
/dl
mg/dl
U/ml
入院時検査所見2
抗核抗体
抗DNA抗体(RIA)
RF(IA)
クリオグロブリン
<40
<2
4
(-)
倍
IU/ l
IU/ml
IU/ml
MPO-ANCA
抗GBM抗体
<10
<10
EU
喀痰培養
血液培養
Streptococcus pneumoniae(PISP)
St t
Streptococcus
pneumoniae(PISP)
i (PISP)
尿蛋白
尿潜血
尿糖
沈渣
(3+) 15.3g/day
(4+) RBC10-19/WF
(-)
脂肪円柱5-9/WF
顆粒円柱30-49/WF
顆粒円柱30
49/WF
硝子円柱100</WF
蝋様円柱30-49/WF
尿中β2mG
尿中NAG
尿中FDP
CCr
40.7
ug/l
53.7
U/l
5830 ng/ml
g
24 ml/min
骨髄穿刺
異型なし/染色体異常なし
フローサイトκ92%/λ85%でclonarityなし
血清免疫電気泳動 IgG-κ型
尿中免疫電気泳動 BJP(-)
血中free light chain κ3.69/λ5.80 mg/dl
HBsAg
HCVAb
PT
INR
APTT
Fib
FDP
(-)
((-))
11.0
0.94
28.7
470
4.5
s
s
mg/dl
ug/ml
腎症の治療経過
PEx PEx
mPSLpulse
anticoagulant
腎生検
HD
IgG
IgA
IgM
C1q
C3
Fib
C4
κ
λ
感染症の治療経過
セフェム系抗生剤
グロブリン製剤
抗真菌剤
HD
腎生検
一般的な糸球体沈着症(GDD)の鑑別診断
糸球体沈着症(GDD)
Congored陽性
アミロイド
非アミロイド
免疫染色陽性
AA amyloidosis
免疫グロブリン関連
糸球体内細胞外基質
血清、尿中検索
臨床症状、特殊染
色
Lupusnephritis
Fibronectin nephropathy
Cryoglobrinemia
Uteroglobbin関連腎症
骨髄検索
AL amyloidosis
Multiple myeloma
Collagenofibrotic gromerulopathy
MGUS/LCDD
EM形態学診断
ITG/FGN
Diabetic fibrosis
Nail-pattela syndrome
本症例での糸球体沈着症(GDD)の検討
産生部位
骨髄 リンパ網内系臓器
骨髄、リンパ網内系臓器
血清、尿中
骨髄組織検査 フローサイト解析
骨髄組織検査、フローサイト解析
血液、尿の異常蛋白、抗体、免疫電気泳動の検査
血中免疫電気泳動でIgG-κ陽性
沈着部位
腎糸球体病変
腎生検組織の免疫染色、電子顕微鏡による形態学検査
EMで内皮下,上皮下のDDD、organaized arrangmentを呈する
20∼30nmのfibril
EMでの形態学からITGと診断したが、、、
ステロイド治療反応性が不良であったが、、、