高潮災害編(102KB) - 瀬戸内市

【高潮災害編】
1.避難勧告等発令の判断基準の基本的考え方
1.避難勧告等発令の判断基準の基本的考え方
避難勧告等の対象となる高潮災害は、台風や低気圧に伴う気圧低下による海水の吸い上げや、強風
による海水の吹き寄せによって発生することから、基本的には台風や発達した温帯低気圧の接近・通
過時とし、その対象地域は既往最大潮位を観測し、最も甚大な被害を受けた平成 16 年 8 月台風 16 号
の浸水実績を基本とする。
高潮が予想される状況下においては、台風の接近に伴い風雨が強まり、避難が困難になる場合が多
いことから、台風の暴風域に入る前に暴風警報又は暴風特別警報の発表等により、要配慮者のみなら
ず対象地域の全てが避難行動をする必要があることから、はじめから避難勧告の発令を基本とするが、
高潮警報は潮位が警報基準に達すると予想される約 3~6 時間前に発表されることから、避難行動に要
する時間により余裕を持たせる場合には、台風情報や強風注意報等を材料に、避難勧告に先立ち避難
準備情報を早めに発令することもある。避難勧告等の判断基準の設定は、高潮警報発表を基準に、避
難のための準備や移動に要する時間を考慮した、立ち退き避難を想定して設定するものとする。
1.1 避難勧告等の対象とする高潮災害
避難勧告等の対象とする高潮災害
ケース
命を脅かす危険性のある事象
高潮時の波浪が海岸堤防を越えるなどにより、海岸堤防に隣接する家屋等を直撃
ケース 1
する場合
高潮高が海岸堤防等の高さを大きく超えるなどにより、広い範囲で深い浸水が予
ケース 2
想される場合
1.2
1.2 立ち退き避難が必要な住民に求める避難行動の考え方
情報区分
住民に求める避難行動
避難準備
・気象情報に注意を払い、立ち退き避難の必要について考える
情
・立ち退き避難が必要と判断する場合は、その準備をする。
報
・要配慮者は立ち退き避難する。
避難勧告
・立ち退き避難する。
避難指示
・避難勧告を発令した地域のうち、立ち退き避難をしそびれた者が立ち退き避難する。
2.避難勧告
2.避難勧告等
避難勧告 等の判断
避難勧告等の判断基準は、防災気象情報を参考に判断することを基本に、平成 16 年 8 月台風 16 号
の浸水実績図を基に立ち退き避難対象地区を設定するものとする。
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危険区域
平成 16 年 8 月台風 16 号による高潮災害被災地域(潮位:TP+2.47m(CDL3.54m))
港湾・漁港名
地
区
立ち退き避難対象地区
牛窓港
牛窓地区
紺浦・栄町・綾浦・中浦・関町・西町・本町
東町・大浦・前島
鹿忍港
鹿忍地区
沖・東・西浦・中浦・小向・大向・西脇
子父雁
玉津港
玉津地区
敷井
間口港
福谷地区
間口前泊
知尾港
福谷地区
知尾
虫明漁港
虫明地区
田辺里・浜西・浜東・瀬戸西・瀬戸東・瀬溝
布浜港
虫明地区
布浜
立ち退き
避難対象
地区
(自治会)
次に該当する場合に発令するものとする
避難準備
①
情
台風の上陸のおそれまたは接近に伴い、台風の経路など台風情報により高潮による
報
被害が発生することが予想され、かつ強風注意報が発表され、警報に切り替える可能
(要配慮者避難)
性が言及される場合
次のいずれ 1 つに該当する場合に発令するものとする。
①
高潮警報又は高潮特別警報が発表された場合
②
高潮注意報が発表され、当該注意報に、夜間から翌日早朝までに警報に切り替える
可能性が言及される場合
避難勧告
③
高潮注意報が発表されており、当該注意報に警報に切り替える可能性が言及され、
かつ暴風警報又は暴風特別警報が発表された場合
④
特別警報に相当する台風が接近し、上陸 24 時間前に、気象庁から特別警報発表の
可能性がある旨、府県気象情報や記者会見等により周知された場合
次のいずれかの1つに該当する場合に発令するものとする。
避難指示
①
潮位が高潮警報潮位を超えた場合
②
海岸堤防の倒壊の発生
③
水門、陸閘等の異常
④
異常な越波・越流の発生
当該地域の高潮警報が解除された段階を基本として解除するものとする。なお、浸水被
避難勧告
害が発生した場合の解除については、住宅地等での浸水が解消した段階を基本として解
等の解除
除するものとする
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提供元
気象庁
項目
ホームページ
気象:気象情報、気象注意報・警報・特別警報
防災情報提供システム
潮位:潮位観測情報(宇野港)
国土交通省
防災情報提供センター
潮位:潮位観測情報(宇野港)
岡山県
総合防災情報システム
潮位:テレメータ潮位(牛窓港)
沿岸ライブカメラ
潮位状況(牛窓港)
気象観測システム
潮位:テレメータ潮位(虫明漁港)
監視カメラ
潮位状況(虫明漁港)
防災情報
入 手 先
提供サイト
瀬戸内市
危険潮位
警報発表基準
注意報発表基準
既往最高潮位
TP+1.80m
TP+1.80m
TP+1.40m
TP+2.47m
(CDL2.87m)
(CDL2.87m)
(CDL2.47m)
(CDL3.54m)
牛窓観測所
(牛窓港)
助言を求め
気象・潮位に関すること
岡山地方気象台防災管理官室
086-223-1334
る専門機関
潮位に関すること
岡山県土木部防災砂防課
086-226-7481
高潮警報
①
潮位が警報基準に達すると予想される約 3~6 時間前に予想最高潮位及びその予
想時刻とともに発表される
高潮特別警報
①
伊勢湾台風クラス(中心気圧 930hPa 以下等)の台風等により、これまで経験し
高潮警報
たことのないような高潮になることが予想され、最大級の警戒を要することを呼び
並びに高
かけるもの。
潮に係る
②
特別警報
の取扱い
特別警報クラスの台風の襲来が予想されるときには、上陸 24 時間前に、気象庁
から特別警報発表の可能性がある旨、府県気象情報や記者会見により周知される。
③
特別警報発表の判断は台風上陸 12 時間前に行われ、その時点で発表済みの高潮
警報が、特別警報として発表される。その時点で高潮警報が発表されていない場合
でも、台風が近づくに従い潮位が警報基準に達すると予想される約 3~6 時間前の
タイミングで高潮特別警報が発表される。
④
判断基準を基本としつつも、今後、暴風等により避難が困難となることを想定し
て、早めの避難準備情報、避難勧告を発令するようにするものとする。
高潮の
特
性
高潮災害は、台風が岡山県に直撃又は岡山県の西側のコースを経路とする場合に発生
しやすい特性がある
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3.避難勧告等の伝達文例
3.避難勧告等の伝達文例
防災行政無線を使用した場合の避難勧告等の伝達文の一例は以下のとおりとする。
避難勧告等に基づき、避難行動をとってもらうためにも、伝達時には、緊迫感を持って対応している
ことが周知されるよう表現を工夫するものとする。
伝達文例
避難情報区分
①
サイレン 5 秒吹鳴+6 秒休止*2 回
②
緊急放送、緊急放送、避難準備情報発令。
③
こちらは、防災瀬戸内市です。
④
台風の上陸のおそれ(接近に伴い)があり、高潮災害の危険性が高くなること
避難準備情報
が予想されるため、○時○○分、○○地区に高潮災害に関する避難準備情報を発
(要配慮者避難)
令しました。
⑤
○○地区にお住まいの方は、台風情報に注視し、雨や風が強まる前に、避難し
て下さい。
⑥
なお、避難場所は、○○○を開設しています。
①
サイレン 10 秒吹鳴+2 秒休止*2 回
②
緊急放送、緊急放送、避難勧告発令。
③
こちらは、防災瀬戸内市です。
④
高潮警報(または高潮特別警報)が発表され、浸水災害の可能性が高まってい
避難勧告
るため、○時○○分、○○地区に高潮災害に関する避難勧告を発令しました。
⑤
○○地区にお住まいの方は、速やかに避難を開始して下さい。外が危険な場合
は屋内の高いところに避難して下さい。
⑥
なお、避難場所は、○○○を開設しています。
①
サイレン 30 秒吹鳴+6 秒休止*2 回
②
緊急放送、緊急放送、避難指示発令。
③
こちらは、防災瀬戸内市です。
④ (平成 16 年で発生した高潮に相当する)高潮被害が発生するおそれがあるため、
避難指示
○時○○分、○○地区に高潮災害に関する避難指示を発令しました。
⑤
未だ避難していない方は、最寄りの高い建物等へ直ちに避難して下さい。外が
危険な場合は屋内の高いところに避難するなど、最低限の安全確保をとって下さ
い。
⑥
なお、避難場所は、○○○を開設しています。
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