エンゼルケアQ&

エンゼルケアQ&A③
メディソフィア事務局
本編は、「小林光恵著 看護ワンテーマBOOK もっと知りたいエン
ゼルケアQ&A」(2012年 医学書院)をもとに作成しました。
エンゼルケアQ&A
「エンゼルメイク編」
•
•
•
•
エンゼルメイクのために準備しておくとよいもの
ファンデーションの種類
閉眼の方法
男性のメイク
エンゼルメイクをするのに、
準備しておいたほうがよいもの
Question
まず、何から準備したらいいかを教えて下さい。
最低限準備してほしいもの
① ご遺体の変化を配慮した基本の化粧品
•
•
•
•
•
カバー力のあるクリームファンデーション(肌色、赤色/ピンク系)
やわらかなクレンジングマッサージクリーム
乳液
チークカラー
口紅
② 黄疸や内出血やくすみなど、肌色のトラブルへの対応
•
カバー力のあるクリームファンデーション(黄色、オレンジ色、赤色)
③ 穏やかに眠っている表情づくりのために
•
マスカラ、アイライナー、チークカラー、アイブロウペンシル、フェイスパウダー、
ブラシ(太・細)
④ 男性にも対応
•
ダークな色のクリームファンデーション、ベージュ系/茶系のリップカラー
なぜファンデーションは
クリームタイプがよいのですか?
Question
リキッドやパウダータイプのファンデーションのほうが手軽な感じ
がするのですが、なぜクリームファンデーションがよいのですか 。
理由のポイントは油分の量
•
•
•
できるだけ乾燥しないようにするため、油分が多い方がよい
次に油分が多いのはリキッドファンデーションだが、中には油分が含
まれていないものもある。
パウダーファンデーションは、場合によっては乾燥を助長してしまう。
クリームファンデーションの上手な使い方
•
•
そのまま顔にのせない(固まった状態のままでは使いにくい)。
テリが出るくらい指でよく練って油分を溶かし、十分にやわらかくして
から顔にのせる。
• のばす時には短い距離をのばす(のせる)ような手つきで行う。
*ご本人のものを使用する際にも乾燥防止効果があるか確認する。
眼窩が落ちくぼんでいる方の閉眼は
どうしたらよいですか?
Question
エンゼルケアの際に目が落ちくぼんでいる方には、
どんな対処法がありますか。
目のあたりは顔の印象を大きく左右する部分
•
•
•
•
眼球自体が小さくなっているケースもある。
以前は綿を入れてふくらみを持たせることが多かったが、自然なふく
らみを持たせることは難しく、入れた綿によってまぶたの表面がでこ
ぼこしてしまうことがある。
眼に綿をいれることに、抵抗のある家族もいる。
カーゼやティッシュを挟む方法も同様で、強い希望がある際に案内す
る程度でよい。
まぶたを閉じるための方法①
•
•
二重まぶた用の糊を使用すると、扱いやすく、やり直しもできる。
柔軟性があるため、時間の経過にともなってご遺体が変化しても、
引きつれる心配がない。
二重まぶた用の糊を使用した
まぶたを閉じるための方法
眼窩が落ちくぼんでいる方の閉眼は
どうしたらよいですか?
まぶたを閉じるための方法②
•
•
•
•
マッサージでも眼を閉じることができる。
クリームを使ってお顔をマッサージする際に、上からやさしくまぶたが
閉じる方向にマッサージしてみる。
無理やり閉じるようなことはせず、やさしくなでる程度にする。
それでも閉じない場合は、葬儀社の方に委ねる方向で考える(眼の
対応だけに時間をかけて、保清や着替えなどの時間がなくなってしま
う事態にならないよう配慮する)。
まぶたが閉じない場合
•
眼球が急速に乾燥するため、露出部分に直接ワセリンかオリーブオ
イルなどの油分を塗って、乾燥をおさえる。
*臭気が発生しないよう、出来る範囲で眼内の分泌物を綿棒やガーゼ
でぬぐって保清する。
男性のメイク
Question
特に高齢の男性にメイクをしようとすると、抵抗を感じられる家族が
います。
エンゼルメイクの目的を伝える
•
「エンゼルメイク」は、飾るためのメイクアップではなく、①どうしても起きてしま
う死後の変化をカバーし、穏やかな印象に近づけたり、その人らしさを取り戻
し、②乾燥を防ぐ、意味がある。
男性ならではのメイク法
• 普段お化粧をしない男性が、自然に見えるような工夫が必要。
• 男性の皮膚は油分が多くて、水分が少なく、汚れやすく皮脂がたまりやすい
ため、念入りなスキンケアが必要。
• 髭剃りの影響で皮膚が傷んでいる方も多い。
• ダークな色のファンデーションを使うと、より自然(ファンデーションは時間とと
もに白っぽくなりやすい)
• 口紅も茶系やベージュ系を使用する。
• チークは「鼻」以外の全体に入れる。
男性の顔のエンゼルメイクのポイント
引用文献
小林光恵著(2012)看護ワンテーマBOOK
もっと知りたいエンゼルケアQ&A、医学書院