現代ファイナンス論 - 宿題 No.3

現代ファイナンス論 - 宿題 No.3
蛭川雅之
提出期限:2014 年 12 月 22 日(月)15:00(厳守)
注意事項
• 個人で答案を作成・提出してください。答案の最初のページに学籍番号と氏名
を明記してください。なお、ルールに違反して答案を書いた(例:本講義に履修
登録していない学生に助力を求める、他の学生の答案を丸写しする)場合、内
容の如何を問わず減点の対象となりますので注意してください。
• 答案は必ずタイプ打ちしてください。手書きの答案は受け取りません。
• 答案を作成する際には、忘れずに問題番号を記入してください。また、計算根
拠などをできるだけ具体的に説明してください。必要に応じて途中計算を書い
ても構いません。なお、説明がなくただ結果だけが書いてある場合、その問題
の点数は零点とします。
• 答案は左肩にホチキス止めをした上で提出してください。また、提出期限を厳
守してください。いかなる理由があろうと、期限後に提出された答案は受け取
りません。
問題1
償還期限が1年後の社債への投資を検討している。この企業の持つ格付からデフォ
ルト率は 0.1% と判断され、リスクフリー・レート(= 国債利回り)が 2.5% である
とすると、この社債の利率は何% が妥当か?
1
問題2
残存期間 1∼5 年の割引債の価格が(額面金額 100 円に対し)以下のようであると
する。
残存期間(年)
価 格(円)
1
98.75
2
95.50
3
92.00
4
88.50
5
85.25
このとき、以下の問いに答えよ。
(1) 1∼5 年物スポット・レートを計算せよ。
(2) (1) の結果を利用して、イールド・カーブを図示せよ。
(3) ある企業は以下のような条件で2種類の社債を発行することを検討している。
社 債
表面利率
期 間
A
2.90%
3年
B
3.15%
5年
なお、いずれの社債も利払いは年1回、かつ満期一括償還とする。(1) の結果を利用
して、それぞれの社債の(額面金額 100 円に対する)発行価額を計算せよ。それぞれ
の社債はオーバーパー発行か、それともアンダーパー発行か。
(4) (3) の社債それぞれについて、単利および複利応募者利回りを計算せよ。
問題3
起業家 Xanadu 氏は、高級洋菓子を製造・販売する企業 Xanadu’s Yummy Zabaglione,
Inc. (“XYZ”) を 2015 年 1 月に設立する計画を立てており、先頃その事業計画書を作
成した。同計画書によると、XYZ の 2015 年および 2016 年予想損益計算書(日本語
訳の関係個所のみ抜粋)は以下の通りである。
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また、同計画書では、XYZ は 2015 年および 2016 年にそれぞれ 950 千ドルおよび 1,000
千ドルの設備投資を計画しており、さらに、運転資本が 2015 年初 100 千ドル、2015
年末-50 千ドル、2016 年末-100 千ドルと推移するものと予想している。
(1) XYZ の 2015 年および 2016 年フリー・キャッシュ・フロー (“FCF”) を計算せよ。
(2) ベンチャー・キャピタル Quants’ Venture Capital, LLC. (“QVC”) は XYZ への
出資を検討しており、手始めに XYZ の企業価値を評価したいと考えている。QVC は、
XYZ の事業計画書および周辺情報を総合した結果、以下のような前提で評価するの
が妥当と判断している。
• 消費者の嗜好・市場規模等を総合的に判断すると、2017 年以降の FCF は年率
3% で成長する。
• 負債比率は
D
(有利子負債時価総額)
=
=1
E
(株式時価総額)
を維持する。
• 2017 年以降の支払利息額および実効税率は 2016 年の水準を維持する。
• リスクフリー・レート、マーケット・リスク・プレミアム、および財務内容が
類似する同業他社のレバード β はそれぞれ 5% 、8% および 1.8 である。
• 発行予定株式数は 1,000 株である。
QVC の前提に基づいて、XYZ のレバード株主資本コストを計算せよ。さらに、負債
コストを 8% と仮定して、WACC を求めよ。【ヒント:実効税率は予想損益計算書の
該当する部分から逆算して得られる数値を使用せよ。なお、この数値は 2015 年、2016
年とも同一である。】
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(3) QVC の前提に基づき、DCF 法を用いて XYZ の企業価値および理論株価を求め
よ。【ヒント:前提から、株式時価総額は企業価値の 50% 相当額である。】
(4) QVC の前提に基づき、XYZ のアンレバード β およびアンレバード株主資本コ
ストを計算せよ。【ヒント:アンレバード β を計算する際には、実効税率を含む公式
を使用せよ。】
(5) XYZ の負債調達による税金控除額の市場リスクは FCF と同程度であると仮定
する。QVC の前提に基づき、APV 法を用いて XYZ の企業価値および理論株価を求
めよ。なお、期待倒産コストは 0 と仮定してよい。
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