DMA-160 ハイレゾルーション・パワーアンプ DMA-160は、今迄のスペクトラル製品と同様に、芸術の領域にまで達している独創的テクノロジ− の導入、精度の追求、レコーディング・セッションにおける原音の経験の積み重ね及びその再現と言 う基本コンセプトを踏襲して誕生しました。スペクトラルの製品は長年にわたって、無限に速いセト リング・タイムとハイスピード回路のコンポーネントのパイオニアとして定評を得続けています。そ れらセトリング・タイムの短縮化とハイスピード・アーキテクチュアによるスペクトラル製品は、リ スナーに対し繊細感とサウンドステージにおいて、既成概念に囚われすぎた設計手法によるハイ・エ ンド・コンポーネントを確実に凌駕していると言えます。実際、音楽波形テストや慎重なヒアリンン グによって、正確に音楽を再生するためには、複雑なダイナミクスの正確な再現が、重要であると確 信されています。スペクトラルのハイスピードサーキットは、その複雑な音楽波形の連続おいてデリ ケートな瞬間瞬間の音楽信号を、正確無比に伝達することを可能にしています。DMA-160ハイレゾ ルーション・パワーアンプのコンストラクションとパフォーマンスは、現代のハイ・エンドパワーア ンプの中において比類なき至高の存在と言うことが出来るでしょう。又、これまでの画期的なスペク トラル製品と同様に、DMA-160もまた妥協を知らぬ第一級のオーディオ・コンポーネントという以 上の製品です。理想的な音楽再生という、果てしない探究の道のりに、新たな一ページを記しまし た。人々は、その真価を認めるに違いありません。 伝統に囚われず新しい境地へ 発表当時,革新的と言われた"DMA-180"リファレンス・アンプリファイアーと同様にDMA-160も また、パワフルなウルトラ・ファーストMEGA-FET素子によるスペクトラル独自の“フォーカス ド・パワー”による出力段設計を採用しています。まるで真空管のような動作特性を持っているそれ ぞれの素子には、それぞれ高エネルギーのフィルター・コンデンサーと整流回路を持ち、更にトラン スの2次捲線から独立したパワー・サプライを最短距離で配置しています。又、個々のテフロン・バ イアストリマーは,それぞれの出力素子を調整するために使われています。独立した出力素子とパ ワー・サプライで構成されるそれぞれのグループは、フィールド・コンストラクションを採用し、電 気的シールドによって、迷い込んでくる様々な干渉の広がりを防ぎます。それぞれ隔離され独立した 出力セクションの“フォーカスド・アレイ”は、出力素子間のエネルギーの反射における事実上の相 互干渉からの開放という結果に多大に寄与しています。極端なダイナミックレンジの再生下では、こ の構造はチャンネルあたり60アンペア以上におよぶ高電流を瞬時に最も繊細なスピーカーにさえ正確 な音楽波形のまま供給する能力があります。従来のパワーアンプにおける重厚なマルティプルの素子 による構成では、電界あるいは磁界の問題を避けることは出来ませんでした。それと対極に位置する DMA-160の小規模に凝縮された信号経路は、飛び交うノイズの輻射なしに低歪みとマイクロ・セコ ンド内での微小レベルの変化に追従します。それ故DMA-160は、パワーとスピードを両立している のです。DMA-160によって再生される音は、非常に明瞭で分解能が高く、またその上にハイパ ワー・アンプに求められる可能性をなんの際限もなく持っており、少しの不満も感じることは無いで しょう。 THE POWER VAULT 数多くの革新的な設計を生み出してきたスペクトラルにとって、DMA-160のフォーカスド・パ ワー・アウトプット・セクションは、究極のアキュラシーとレゾルーションを得るために導入されて いる設計の一つです。独創的なトランス・アーキテクチュアは妥協なき低ノイズ・レベルへの要求 と、出力セクション・アレイのハイ・パワー供給能力のために最大限の能力を発揮します。伝統的な ハイ・エンド・パワー・アンプの設計では、アウトプット・トランスは、ノイズ・アイソレーション と、構造の簡易化のために回路から離されて設置されていました。この普遍的な手法は、実質的には 音を骨抜きにしているといえます、なぜならば長い電源供給ワイヤリング・ハーネスがスピードのロ スとなっているからです。つけ加えて、EMIとサプライ・ハーネスから輻射されるノイズが回路(特 に非常に敏感な微小レベルを扱い音楽信号を調整する回路)に与える問題が存在します。スペクトラ ルのエンジニア達はこの問題を認識し注目しつずけ、そしてその解決方法をDMA-160のパワー・ヴ ォールト構造に提案しています。パワー・ヴォールトによる電界及び磁界を包み込み完全隔離する構 造は、実質的に信号経路に悪影響を及ぼすEMI輻射を完璧に解消させ、伝統的な内部のパワー・サプ ライ・ケーブルの引き回しによる前述したロスも解消されます。その独創的かつ画期的なパワー・ヴ ォールト構造は、スペクトラルの精巧で手のこんだハイ・パフォーマンス・カスタム電源供給トラン スから全てが始ります。この特徴的な設計は、長年に及ぶアイソレイションとレギュレイションに関 するリサーチ&デベロップメントの結果と言うことが出来ます。アンプの出力段のそれぞれの出力素 子に独立した電源を用意しています。搭載される二つのトランスは、ダンピングとレゾナンスの為に 強固で精密なプレートの間に設置されています。更にこの二つで約17 のトランスは、プレートに続 いて強化ラバーによってフローティング・サウペンション構造になっています。この構造はちょうど アナログ・ターンテーブルのフローティング機構と似ています。最終的には、EMIとRFIからの影響 を解消するために出力段の真下に位置する精巧に熔接されたアルミニウムのボックスの中に収納され 設置されています。この独創的なトランスのレイアウトと設置方法の結果は妥協のないノイズに対す るスペクトラルの解決方法です。DMA-160のハイスピード・ドライバー・サーキットは、ノイズの 輻射とパワー・アンプにおいて常に問題とされている、その輻射から発生する二次的影響を受けませ ん。これらの結果ダイナミックレンジの限界は大幅に改善され、音源に至るクラリティと静けさを満 喫できるでしょう。 プレミアム・ディスクリート・サーキット 小規模に凝縮された信号回路は、基本的にスペクトラルの実績のあるマルティプル・カスコード・ダ ブル・プッシュプルFETディスクリート回路を使用しています。DMA-160のプレミアム・シリコン アレイ構造は、ほぼ"DMC-20"と同様のものを採用し、回路内ダイナミックレンジの拡大能力に真価 を発揮します。このシリコンアレイ構造によるディスクリート回路は、リニアクラスAでプログラ ム・デマンドより数段ダイナミクスの表現能力において優れています。それは、内部の電気的影響か ら隔絶されるのと同時に、素早くコントロールされた応答を得るたの大出力FETからの大電流駆動を 可能にするために大きなアドバンテージを持っています。それぞれのパーツは、伝統的な手法におけ る様々な干渉や遅く重苦しいレスポンスに邪魔されずに、全くゆるぎなく、且つ正確に動作します。 結果的にクリアーで三次元で展開するホログラフィックな再生音楽のために多大に寄与しています。 DMA-160の増幅経路は、ダイレクトという理念を追求し、本質的にリニア・アンド・シンプルで す。これらのシンプル至上主義的ともいえる形状は、本来理想的でベストと考えられていますが、現 実的にはプロテクション回路や様々なサポート機能の追加によって過度の負担が掛かりすぎた状態に なるのを避けることは出来ませんでした。しかし、DMA-160は、増幅回路におけるプロテクション 回路の問題を、独自の方法で解決することに成功しました。その解決方法とは、本来の信号経路を維 持するために,補助的なアナログ・コンプピューティング・システムによってプロテクション回路を 信号系と熱的結合・光結合するということでした。この"ハンズ・オフ"動作管理システムが、スピー カーにダメージを与える可能性のある信号からスピーカーを守るために、デバイスの動作状況と電流 を監視します。それは純粋な音楽信号には、一切影響を与えません、なぜならば電気的な干渉なしに コントロールされているからです。 トポロジー DMA-160は、FETとハイスピード・バイポーラTRを、近接させて使用しハイ・カレントの供給と非 常に速いセトリング・タイムを達成しています。高周波設計技術は、直流領域から本来備わっている はずの約5MHzまでの帯域をカバーするために使われています。 各段階での回路の働き 入力段:入力段では、PチャンネルとNチャンネルのふたつを背中合わせにした接合型FETを採用したダブ ルカスコードが使われています。そして、これにぶらさっがている"POWER V-MOS-FET"は、 100Vまでの電圧処理を可能にしています。このカスコード設計は、利得段と同じく、それ自身の ア−スとなり、プリアンプから極度に高いレベルの分離を生じさせます。これは、DMA-160の回 路の各段でも同じです。 利得段:利得段では、超高周波バイポーラ・トランジスターをカスコード構成により電子素子の動作領域に 送り込むために使用されています。 出力段:出力段では、それぞれの"POWER-V-MOS-FET"ごとに独立したプッシュプル・ドライバーを使用 し、各出力素子のDCオフセット、バイアス設定は、バーンインの後にテフロン・トリマーによっ て個別に行われます。ここの高速電源用フィルター・コンデンサーと整流回路がそれぞれの出力素 子に隣接され、回路ボードの上に置かれています。各出力素子はトランスから個別の独立したパ ワー・サプライを配置されています。DMA-160のVDT(Vertical Dimension Topology)が、信号 を運ぶ経路が縦軸に沿って出力段に入ることを可能にし、すべての信号と電流は、電磁場相殺ノッ トに入ります。 パワーとプレシジョンの独創的な結合 DMA-160デュアル・モノ・アンプの、ハイ・カレントFET、トポロジー、プロテクション回路にお ける進歩は、パワーアンプの新しい境地を開拓しました。ハイ・スピード、非常に速いセトリング・ タイムのパワーアンプ設計において、今まで大パワー供給能力と音の透明感や繊細感を、高い次元で 両立するのは困難だとされていました。しかし,スペクトラルの技術は、妥協を超越し今まで難しい とされた、それらを高レベルで融合させる事に成功させ、スペクトラルの伝統であるレゾルーション と、ホログラフィック(3次元)な再生をまた新たにに進化させました。更に特筆すべきは、DMA160の決して大きいとはいえないサイズでそれらを実現し、信じられないほど洗練せれ、かつドライ ブ感の優れた音を提供するということです。 (仕様) 連続出力: 150W+150W(RMS)8Ω、300W+300W(RMS)4Ω 、570W+570W(RMS)2Ω 出力電流: 60A+60A 静的歪み: 0.015%未満(DC∼100KHz)0.009%未満(200W RMS/8Ω) 動的歪み: 0.01%未満(8Ω)、0.015%未満(4Ω)/8トーン・クラッシャー・テスト 出力帯域: DC∼1MHz(±1dB) ライズタイム: 400ナノ秒以下 セトリングタイム: 1.5マイクロ秒(to−40dB) スルーレイト: 600V/マイクロ秒 入力インピーダンス: 100KΩ ノイズ: 97dB(無補正) クロストーク: 98dB(200W/8Ω) 動作温度: 0∼50°C 保護回路: 0.5VDCプロテクション・サーボ、60Aカレント・リミット、85°Cサーマル・プロテクション 寸法/重量/電源: W48.2×H18.4×D45.8mm/28.1Kg/100V スペクトラルの設計と技術は常に前進しているため,本パンフレットに記載のすべてのインフォメーションおよび仕様は変更の可能性がありますので予めご了承ください。
© Copyright 2024 ExpyDoc