物理情報数学 C 演習問題/解答

物理情報数学 C 演習問題/解答
2014/12/18
【問題】
つぎの信号の rms と av を計算しなさい.また,信号 x のクレストファクタ(波高率)を
Cr =
||x||∞
最大値
=
rms
実効値
で定義するとき,それぞれの信号の波高率も計算しなさい *1 .
(1)
*1
(2)
波高率とは,入力の大きさの何倍まで線形に動作するかを表わす量である.
1
【解答】rms と av の定義を以下に示す.
√
∫
1 T 2
||x||rms =
lim
x (t)dt
T →∞ T 0
∫
1 T
||x||aa = lim
|x(t)| dt
T →∞ T 0
rms
av
(1)
2
||x||rms
∴ ||x||rms
1
=
2π
=1
∫
2π
1
x (t)dt =
2π
∫
2π
2
0
1dt = 1
0
また
||x||aa
∴ ||x||aa
1
=
2π
=1
∫
2π
0
1
|x(t)| dt =
2π
∫
2π
1dt = 1
0
波高率 Cr は,rms= 1 より
Cr =
||x||∞
1
= =1
rms
1
(2)
2
||y||rms
1
=
2π
=
1
2π
∫
2π
y 2 (t)dt
{0∫
0
π
2
(
2
t
π
)2
∫
3
2π
dt +
π
2
(
)2
)2 }
∫ 2π (
2
2
− (t − π) dt +
(t − 2π) dt
3
π
π
2π
1
3
1
=√
3
=
∴ ||y||rms
2
また
||y||aa
1
=
2π
1
=
2π
∴ ||y||aa =
∫
2π
|y(t)| dt
{∫
0
π
2
0
2
tdt +
π
∫
3
2π
π
2
2
− (t − π)dt +
π
∫
2π
3
2π
}
2
(t − 2π)2 dt
π
1
2
波高率 Cr は,rms=
√1
3
より
Cr =
√
||y||∞
= 3
rms
(2)別解
前述のように計算しても答えは求まるが,積分を y 2 (t) や |y(t)| の面積ととらえると計算
が容易になる.この考えに基づくと,rms と av をそれぞれ
2
||y||rms
1
=
2π
=
=
∴ ||y||rms =
||y||aa =
=
=
∫
2π
y 2 (t)dt
0
∫ π2 ( )2
2
1
1
·4·
t dt
2π
2π 0
π
1
3
1
√
3
∫ 2π
1
|y(t)| dt
2π 0
(
)
1
π
1
·4·
·1·
2π
2
2
1
2
と計算することができる *2 .(1)も同様の方法で計算を簡略化できる.
*2
∫
av の計算が分かりにくいかもしれない.この計算は,“ 02π |y(t)| dt” の部分を “底辺
三角形 4 つの面積を求める” と読み替えて行なっている.
3
π
,高さ
2
1 の直角
【解答時のポイント】
• rms や av の定義を覚えているか
• 工夫した解法で計算を簡略化できるか
を確認してみてほしい.
4