通則 - Kagura資料配布

薬局方概論(3年後期)平成26年度資料
通則
・日本薬局方における共通の規約
・局方中の用語を定義する
・科学的、合理的な根拠に基づき統一性のある解釈を行う
・44項からなっている
1.薬局方の名称に関する規定
2.医薬品に関する基本的な規定
3.試験法及びその操作に関する基本的な規定
4.試験法の定義
5.容器に関する規定
6.表示に関する規定
7.国際調和事項に関する規定
1.薬局方の名称に関する規定
第1項:日本薬局方の正式名と略名の規定
1 この日本薬局方を第十六改正日本薬局方と称し、その略名
は「日局十六」、「日局 16」、「JP ⅩⅥ」 又は 「JP 16」 とする。
第2項:日本薬局方の英名の規定
2 この日本薬局方の英名を 「The Japanese Pharmacopoeia
Sixteenth Edition」 とする。
2.医薬品に関する基本的な規定
第3項:日本薬局方の医薬品及びその名称の定義
3 日本薬局方の医薬品とは、医薬品各条に規定するものをいう。
その名称とは医薬品各条に掲げた日本名又は日本名別名で
ある。
また、医薬品各条においては、英名を掲げ、必要に応じて
化学名又はラテン名を掲げる。
・日本名又は日本名別名 ・・・ 薬事法第50条第2号の「日本薬局方におい
て定められた名称」として表示される。
・試薬、試液、標準品などは日本薬局方医薬品ではない。
・英名、化学名またはラテン名は参考として入れてある。
・生薬には英名とラテン名を併記する。
・英名はできるだけ国際一般名称を採用している。
局方医薬品の名称(例)
別
日 本 名
名
アセトアミノフェン
パラセタモール
アドレナリン
エピネフリン
チアミン塩化物塩酸塩
塩酸チアミン、チアミン塩酸塩
ビタミンB1塩酸塩
センブリ
当 薬
フェニトイン
ジフェニルヒダントイン
第4項:「生薬等」の定義
4 生薬総則を適用する生薬及びこれらを有効成分として含む
散剤、エキス剤、チンキ剤、シロップ剤、酒精剤、流エキス剤、
坐剤などの製剤 (ただし、配合剤にあっては、これらを主たる
有効成分として含む製剤) を「生薬等」としてまとめ、医薬品
各条の末尾に配置する。
第5項:医薬品の適否の判定根拠及び判定基準
5 日本薬局方の医薬品の適否は、その医薬品各条の規定、
通則、生薬総則、製剤総則及び一般試験法の規定によって
判定する。ただし、医薬品各条の規定中、性状の項及び製
剤に関する貯法の項の保存条件は参考に供したもので、適
否の判定基準を示すものではない。
■一般的に医薬品の品質を管理する上で考えなければならないこと
(1)有効物質以外の人体にとって有害となる物質、不必要な物質の
混入はできるだけ防止する。
(2)常に一定の品質の製品を製造供給する保証を与える。
◆いいかえると、医薬品はできるだけ純品であって期待する薬効
以外の作用を持つ物質や、人体に有害な物質は少ないかある
いは全くないこと、製剤や配合剤などでは、常にその成分が一
定の割合に保たれていることが要求される。
規定(規格、試験法)がある
第6項:動物由来医薬品に用いる動物の健康状態の規定
6 医薬品又は当該医薬品の製造に用いる医薬品が動物に
由来するものを原料として製造されるものであるときは、別に
規定する場合を除き、当該動物は、原則として、健康なもの
でなければならない。
【背景】
ウシ伝達性海綿状脳症(BSE)及びシカ慢性消耗病(CWD)
の発生により、ウシ及びその他類縁反芻(はんすう)動物由来
の成分及びその他の動物を原料として製造される医薬品の
品質と安全性を確保するために設けられた。
第7項:条文中での日本薬局方医薬品の表記法
7 日本薬局方の医薬品は、その医薬品名の前後に 「 」 を付
けて示す。ただし、医薬品各条の表題、製法中の処方、生薬
総則及び製剤総則ではこれを付けない。
第8項:科学的純物質の表記法、原子量の根拠、分子量の表記
桁数の規定
8 日本薬局方の医薬品名、又は物質名の次に ( ) で分子式
又は組成式を付けたものは、化学的純物質を意味する。日本
薬局方において用いる原子量は、2010年国際原子量表による。
また、分子量は、小数第2位までとし、第3位を四捨五入する。
分子量
各元素の原子量の合計
⇒小数第3位を四捨五入
化学的純物質を示す
第9項:計量単位、百分率などの記号の規定
9 日本薬局方における主な単位については、次の記号を用いる。
メートル
マイクロメートル
グラム
ナノグラム
モル
リットル
メガヘルツ
キロパスカル
センチメートル
cm
ミリメートル
mm
ナノメートル
nm
キログラム
kg
g
ミリグラム
mg
マイクログラム
μg
ng
ピコグラム
pg
セルシウス度
℃
m
μm
mol
L
MHz
kPa
ミリモル
ミリリットル
毎センチメートル
パスカル
ミリパスカル秒
mPa・s
平方ミリメートル毎秒
モル毎リットル
mol/L
ミリモル毎リットル
質量百万分率
ppm
体積百万分率
vol ppm
エンドトキシン単位
EU
質量十億分率
mmol
mL
cm-1
Pa
mm2/s
平方センチメートル
cm2
マイクロリットル
μL
N
ニュートン
Pa・s
パスカル秒
ルクス
lx
mmol/L
質量百分率
%
ppb
体積百分率
vol%
質量対容量百分率
w/v%
コロニー形成単位
CFU
マイクロジーメンス毎
センチメートル
μS・cm-1
ただし、一般試験法の核磁気共鳴スペクトル測定法で用いる ppm は化学シフトを示す。
また、w/v%は製剤の処方又は成分などを示す場合に用いる。
物理量と単位
国際単位系(SI)基本単位
基本物理量
名 称
記 号
長 さ
メートル
m
質 量
キログラム
kg
時 間
秒
s
電 流
アンペア
A
熱力学的温度
ケルビン
K
光 度
カンデラ
cd
物質量
モ ル
mol
単位系における接頭語
接頭語
記号
10 1
デカ
da
c
10 2
ヘクト
h
ミリ
m
10 3
キロ
k
10 -6
マイクロ
μ
10 6
メガ
M
10 -9
ナノ
n
10 9
ギガ
G
10 -12
ピコ
p
10 12
テラ
T
10 -15
フェムト
f
10 15
ペタ
P
10 -18
アト
a
10 18
エクサ
E
接頭語
記号
10 -1
デシ
d
10 -2
センチ
10 -3
10の分数
10の倍数
第10項:力価の量としての取り扱いを規定
10 医薬品の力価を示すとき用いる単位は医薬品の量とみなす。
通例、一定の生物学的作用を現す一定の標準品量で示され、
医薬品の種類によって異なる。単位は原則として生物学的方
法によってそれぞれの標準品と比較して定める。日本薬局方
医薬品において単位とは日本薬局方単位を示す。
化学的又は物理的方法によって定量できない医薬品 (ホルモンや生理活性
物質) は、力価の一定した標準品 を用いて、生物学的方法で比較して力価を
定める。単位は、一定の国際単位を持った国際標準品を用いて定める。
(例)インスリン単位、ヘパリン単位
第11項:「別に規定する」の定義
11 医薬品各条の試験において 「別に規定する」 とあるのは、
薬事法に基づく承認の際に規定することを示す。
*イダルビシン塩酸塩の純度試験
「別に規定する」 と記載してあるが、局方にはその方法が
記載されていない。
⇒ 承認時の規格によって試験を行う。
第12項:試験の省略に関する規定
12 製造工程のバリデーション及び適切な工程管理と品質管理
の試験検査に関する記録により、その品質が日本薬局方に
適合することが恒常的に保証される場合には、出荷時の検査
などにおいて、必要に応じて各条の規格の一部について試
験を省略できる。
バリデーションとは
厚生労働省令では、
「製造所の構造設備ならびに手順、工程その他の製造管理及
び品質管理の方法が期待される結果を与えることを検証し、こ
れを文書化することをいう」
言い換えると、
あらかじめ設定した基準(期待される結果)に適合しているかど
うかを実際に証明(検証)し、それらの結果を記録する(文書化
する)こと。
純正な品質の医薬品を製造するためには、品質や製造工程の設計と
確認が科学的根拠、妥当性を持って厳密に行われなければならない。
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第13項:代替試験法への変更に関する規定
13 日本薬局方に規定する試験法に代わる方法で、それが規定
の方法以上の真度及び精度がある場合は、その方法を用いる
ことができる。ただし、その結果について疑いのある場合は、規
定の方法で最終の判定を行う。
試験法や分析技術が進歩しているので、日本薬局方の試験法だけが最も
進歩したものであるとは限らない場合がある。
第14項:生物学的試験法の一部変更が可能であることの規定
14 生物学的な試験法の規定は、試験の本質に影響のない限
り試験方法の細部については変更することができる。
3.試験法及びその操作に関する基本的な規定
第15項:温度表記の規定
・
・
・
・
15 試験又は貯蔵に用いる温度は、原則として、具体的な数
値で記載する。ただし、以下の記述を用いることができる。
標準温度は 20℃、常温は 15~25℃、室温は 1~30℃、
微温は 30~40℃ とする。冷所は、別に規定するもののほ
か、1~15℃ の場所とする。
冷水は 10℃ 以下、微温湯は 30~40℃、温湯は 60~70℃、
熱湯は約100℃ の水とする。
加熱した溶媒又は熱溶媒とは、その溶媒の沸点付近の温度
に熱したものをいい、加温した溶媒又は温溶媒とは、通例、60
~70℃ に熱したものをいう。水浴上又は水浴中で加熱すると
は、別に規定するもののほか、沸騰している水浴又は約
100℃ の蒸気浴を用いて加熱することである。
通例、冷浸は 15~25℃、温浸は 35~45℃で行う。
「加熱した溶媒又は熱溶媒」の例
*「熱エタノール」: 沸点付近の温度に加熱したもの
*「温エタノール」: 60~70℃ に熱したエタノール
第16項:滴数を量る器具の規定
16 滴数を量るには、20℃ において 水 20滴を滴加するとき、
その質量が 0.90 ~ 1.10 g となるような器具を用いる。
・滴ビンの形状についての規定はない。
・滴ビンからの滴数は、滴加部の形状、液の
表面張力や比重、温度による影響を受ける。
第17項:減圧の定義
17 減圧は、別に規定するもののほか、2.0 kPa 以下とする。
第18項:液性の試験方法
18 液性を酸性、アルカリ性又は中性として示した場合は、別に
規定するもののほか、リトマス紙を用いて検する。液性を詳し
く示すには pH値を用いる。
注射剤のように厳密 なpH を調べる場合には、一般試験法の pH
測定法によって試験を行い、その pH 値を用いることになる。
第19項:切度及び粉末度の定義
19 医薬品の切度及び粉末度の名称は次による。
ふるい番号
(ふるいの呼び寸法)
4号
6.5号
8.6号
18号
50号
100号
200号
(4750μm)
(2800μm)
(2000μm)
(850μm)
(300μm)
(150μm)
(75μm)
うえのふるいを通ったものの名称
粗切
中切
細切
粗末
中末
細末
微末
・日本工業規格 (JIS) の標準ふるいである。
・製剤及び生薬などに用いられる。
ふるい
第20項:試験に用いる水の規定
20 医薬品の試験に用いる水は、試験を妨害する物質を含
まないなど、試験を行うのに適した水である。
第21項:溶液の名称表記法の規定
21 溶質名の次に溶液と記載し、特にその溶媒名を示さない
ものは水溶液を示す。
*溶質名+溶媒名 ・・・ サリチルアルデヒドのエタノール溶液
*水溶液
例
解釈
チオシアン酸カリウム溶液
水溶液であり、溶媒は水 を指す
薄めたピリジン(1→10)
溶媒は 水 を指す
第22項:溶液の濃度表記法とその定義
22 溶液の濃度を(1→3)、 (1→10)、 (1→100) などで示した
ものは、固形の薬品は 1 g、液状の薬品は 1 mL を溶媒に
溶かして全量をそれぞれ 3 mL、10 mL、100 mL などとする
割合を示す。また、混液を(10 : 1) 又は (5 : 3 : 1) など
で示したものは、液状薬品の 10 容量と 1 容量の混液又は
5 容量と 3 容量と 1 容量の混液などを示す。
・薄めた塩酸 (1→5)
塩酸(35~38%) 1mL に水を加えて5mLとする
・水酸化ナトリウム溶液 (1→25)
水酸化ナトリウム 1 g に水を加えて溶かし、25mLとしたもの
・アセトン/酢酸 (10:1)
アセトン10 容量と酢酸1 容量の混液
(容量の大きいほうを先に書くように決められている)
第23項:質量の量り方の定義
23 質量を 「精密に量る」 とは、量るべき最小位を考慮し、0.1 mg、
0.01 mg 又は 0.001 mg まで量ることを意味し、また、質量を
「正確に量る」 とは、指示された数値の質量をそのけた数まで
量ることを意味する。
(例)質量を「正確に量る」
0.050 g とは、 0.0495 ~ 0.0504 g
5 g とは、 4.5 ~ 5.4 g
第24項:数値の桁数の取扱い方
24 医薬品の試験において、n けたの数値を得るには、通例、
(n + 1) けたまで数値を求めた後、(n + 1) けた目の数値を
四捨五入する。
(例)規格値が 2 けたの場合
1.23 → 1.2
1.25 → 1.3
1.249 → 1.2
第25項:試験の操作温度の規定
25 医薬品の試験は、別に規定するもののほか常温で行い、
操作直後に観察するものとする。ただし、温度の影響のあ
るものの判定は、標準温度における状態を基準とする。
・試験は常温 15~25℃ で行い、操作後直ちに観察する。
・「直ちに」 は通例 30 秒以内を指す。
・呈色反応、塩化物試験法、硫酸塩試験法など、時間が限定される試験
が多い。
第26項:試験の操作における 「直ちに」 の定義
26 医薬品の試験の操作において、「直ちに」 とあるのは、通例、
前の操作の終了から 30 秒以内に次の操作を開始することを
意味する。
4.試験法の定義
第27項:性状の項の色の試験方法
27 性状の項において、白色と記載したものは白色又はほとんど
白色、無色と記載したものは無色又はほとんど無色を示すも
のである。色調を試験するには、別に規定するもののほか、固
形の医薬品はその 1 g を白紙上又は白紙上に置いた時計皿
にとり、観察する。液状の医薬品は内径 15 mmの無色の試験
管に入れ、白色の背景を用い、液層を 30 mm として観察する。
液状の医薬品の澄明性を試験するには、黒色又は白色の背
景を用い、前記の方法を準用する。液状の医薬品の蛍光を観
察するには、黒色の背景を用い、白色の背景は用いない。
第28項:性状の項のにおいの試験方法
28 性状の項において、無臭又はにおいがないと記載したも
のは、においがないか、又はほとんどにおいがないことを
示すものである。においを試験するには、別に規定するも
ののほか、固形の医薬品 1 g 又は液状の医薬品 1 mL を
ビーカーにとり、行う。
第29項:性状の項の溶解性を示す用語の定義と試験方法
29 性状の項において、溶解性を示す用語は次による。溶解性
は、別に規定するもののほか、医薬品を固形の場合は粉末
とした後、溶媒中に入れ、20±5 ℃で 5分ごとに強く 30秒間
振り混ぜるとき、30 分以内に溶ける度合いをいう。
用
語
極めて溶けやすい
溶けやすい
やや溶けやすい
やや溶けにくい
溶けにくい
極めて溶けにくい
ほとんど溶けない
溶質 1 g 又は 1 mL を溶かすに要する溶媒量
1 mL
10mL
30 mL
100 mL
1000 mL
以上
以上
以上
以上
以上
1 mL
10mL
30 mL
100 mL
1000 mL
10000 mL
10000 mL
未満
未満
未満
未満
未満
未満
以上
第30項: 「溶解」 及び 「混和」 の定義
30 医薬品の試験において、医薬品が溶媒に溶け又は混和
するとは、澄明に溶けるか又は任意の割合で澄明に混和
することを示し、繊維などを認めないか又は認めても極めて
わずかである。
主として性状の項の溶解性又は純度試験の項の溶状を試験する場合
の判定の基準になる規定である。
●「溶ける」:固形の医薬品が溶媒に溶けること。
●「混和する」:液体の医薬品が溶媒に混ざること。
●「澄明」:無色ということが特に指定されない場合には、着色していて
も差し支えない。
第31項:確認試験 の定義
31 確認試験は、医薬品又は医薬品中に含有されている主
成分などを、その特性に基づいて確認するために必要な
試験である。
・確認試験は、鑑別・同定のための試験。
「医薬品を構成する物質又は医薬品中に含有されている主成分な
どについて、それぞれの特有な反応を用いて特性に応じて試験し、
その医薬品の同定に役立つ試験」 である。
⇒ 通例、スペクトル分析に基づく方法及び化学反応による方法
(定性反応、呈色反応、誘導体の合成)などが用いられる。
第32項:純度試験の定義
32 純度試験は、医薬品中の混在物を試験するために行うもので、
医薬品各条のほかの試験項目と共に、医薬品の純度を規定す
る試験でもあり、通例、その混在物の種類及びその量の限度を
規定する。この試験の対象となる混在物は、その医薬品を製造
する過程又は保存の間に混在を予想されるもの又は有害な混
在物例えば重金属、ヒ素などである。また、異物を用い又は加
えることが予想される場合については、その試験を行う。
*純度試験は、薬局方試験のうち最も重要なものの一つである。
安全性を考慮して、不純物について限度をもうけている。
主な項目:溶状、液性、塩化物、硫酸塩、ヒ素、重金属など。
(原料、製造中間体、又は分解物などについてもできるだけ
限度を設けて厳しくチェックしている。)
第33項:乾燥又は強熱するときの 「恒量」 の定義
33 乾燥又は強熱するとき、恒量とは、別に規定するもののほか、
引き続き更に 1 時間乾燥又は強熱するとき、前後の秤量差が
前回に量った乾燥物又は強熱した残留物の質量の 0.10% 以
下であることを示し、生薬においては 0.25% 以下とする。ただ
し、秤量差が、化学はかりを用いたとき 0.5 mg 以下、セミミクロ
化学はかりを用いたとき 0.05 mg 以下、ミクロ化学はかりを用い
たとき 0.005 mg 以下の場合は、恒量とみなす。
・恒量とは、質量変動のない時点を示す条件であり、約束である。
・乾燥物又は強熱残留物などを秤量する場合、質量に変動が起こる場
合が多いので、できるだけ質量変動の少ない時点まで乾燥又は強熱
して秤量を行い、正確な量を読み取る。
第34項:定量法の定義
34 定量法は、医薬品の組成、成分の含量、含有単位などを物理
的、化学的又は生物学的方法によって測定する試験法である。
第35項:定量法での試料採取量の「約」や試料の「乾燥」の定義
35 定量に供する試料の採取量に 「約」 を付けたものは、記載さ
れた量の ±10% の範囲をいう。また、試料について単に 「乾
燥し」 とあるのは、その医薬品各条の乾燥減量の項と同じ条件
で乾燥することを示す。
第36項:含量表記における上限値の規定
36 医薬品各条の定量法で得られる成分含量の値について、単に
ある%以上を示し、その上限を示さない場合は 101.0%を上限
とする。
5.容器に関する規定
第37項:容器の定義
37 容器とは、医薬品を入れるもので、栓、ふたなども容器の一部
である。容器は内容医薬品に規定された性状及び品質に対し
て影響を与える物理的、化学的作用を及ぼさない。
第38項:密閉容器の定義
38 密閉容器とは、通常の取扱い、運搬又は保存状態において、
固形の異物が混入することを防ぎ、内容医薬品の損失を防ぐ
ことができる容器をいう。
密閉容器の規定がある場合には、気密容器を用いることがで
きる。
*紙製の袋、箱などがこれに当たる。
第39項:気密容器の定義
39 気密容器とは、通常の取扱い、運搬又は保存状態において、
固形又は液状の異物が侵入せず、内容医薬品の損失、風解、
潮解又は蒸発を防ぐことができる容器をいう。
気密容器の規定がある場合には、密封容器を用いることがで
きる。
*ガラス瓶、かん、プラスチック製容器などがこれに当たる。
第40項:密封容器の定義
40 密封容器とは、通常の取扱い、運搬又は保存状態において、
気体の侵入しない容器をいう。
*注射剤アンプル、バイアル、注射剤を封入した注射筒などがこれに当たる。
密閉容器 < 気密容器 < 密封容器 の順に厳密になる。
第41項:遮光の定義
41 遮光とは、通常の取扱い、運搬又は保存状態において、内
容医薬品に規定された性状及び品質に対して影響を与える
光の透過を防ぎ、内容医薬品を光の影響から保護することが
できることをいう。
*一般に医薬品に最も光化学的な影響を及ぼすのは、近紫外部の波長
290 ~ 450 nm の光である。
6.表示に関する規定
第42項:含量や有効期限の表示箇所の規定
42 日本薬局方の医薬品で、医薬品各条において表示量、表示
単位又は有効期限の規定があるものについては、その含量、
含有単位又は最終有効年月を、直接の容器又は直接の被包
に記載しなければならない。
薬事法第50条5号に、医薬品の直接の容器又は直接の被包に記載しな
ければならない事項が定められている。
第43項:医薬品各条での表示規定の表示箇所の規定
43 日本薬局方の医薬品で、医薬品各条において基原、数値、
物性等、特に表示するよう定められているものについては、
その表示を、直接の容器又は直接の被包に記載しなければ
ならない。
7.国際調和事項に関する規定
第44項:国際調和の日局への反映方法
44 日本薬局方、欧州薬局方及び米国薬局方(以下「三薬局
方」 という。)での調和合意に基づき規定した一般試験法及
び医薬品各条については、それぞれの冒頭にその旨を記す。
また、それぞれの一般試験法及び医薬品各条において三
薬局方で調和されていない部分は 「* *」 で囲むことにより
示す。
ICHの4つの分野
[1] 品質 (Q:quality)
化学物質や医薬品の品質保証に関する分野
[2] 安全性 (S:safety)
非臨床試験に関する分野
[3] 有効性 (E:efficacy)
ヒトを対象とした臨床試験に関する分野
[4] 複合領域 (M:multidisciplinary regulatory
communication)
上記3つに含まれない分野
「臨床製剤学」第3版 p 87-88