2014/12/9 足を動かす 残りの足で体重を支える この動作を繰り返す Shinichi Kanazono, DVM, DACVIM (Neurology) Saitama Animal Medical Center Synergy Animal General Hospital 考える? 埼玉動物医療セン ター リズミカルな筋収縮 局所的に存在する神経細胞群 自律的に脱分極 相互連絡 無目的な運動 通常の歩行には不十分 協調 & LMNを動かす! 目的 脊髄反射弓の一部を構成 筋肉を収縮:足を動かす 1 2014/12/9 演奏家不在/楽器故障 重力に対する姿勢の維持 筋肉の緊張度が低下 随意運動の開始 体重を支えられない LMN緊張度(γ運動神経)の調節 歩幅の短縮 錐体外路・錐体路 ウサギ跳び歩行 頸部下垂(猫) Courtesy of Dr. J Coates 霊長類で重要 反対側へ交差 Corticospinal tract Corticobulbar tract LMN Rubrospinal tract Medullary reticulospinal tract Pontine reticulospinal tract Vestibulospinal tract 繊細な動きに重要 › 馬の舌&口唇、アライグマの手 指揮者不在:雑音、協調性無し 歩幅拡大 筋緊張性 増大 脊髄反射 正常/亢進 LMN UMN 目的を持った動き 脳幹のUMN中枢を指揮 2 2014/12/9 ほとんどの症例は比較的容易 評価が非常に難しい症例も… 歩行評価の標準手順を設定! › 御家族から隔離 › 主観的:アドバイスを求める 目的=病変部位特定!! ≠鑑別診断 病変部位の特定 運動失調 鑑別診断では無い!! 麻痺(虚弱) 跛行 正常? 異常? 異常→ どの足? 跛行 : 有 麻痺 : 有 運動失調: 有 無 無 無 両後肢 歩幅短縮 運動失調? 麻痺? 跛行? いつ症状が良い/悪い? 3 2014/12/9 “Regularly irregular” foot placement 殆どが整形外科疾患 神経筋疾患でも認められる 麻痺、運動失調と共在? ROM異常 線維性筋症(薄筋) 疼痛 多発性関節炎 Courtesy of Dr. Mitsuhiro Shibata T1 rib head anomaly 痛み! 単肢 vs. 複数の肢 神経根、筋肉 椎間板ヘルニア 馬尾症候群 神経鞘腫 神経根炎 滑膜嚢胞(腰仙部) 椎間板脊椎炎 筋損傷(急性、拘縮) Lumbosacral stenosis 痛みによる跛行 Diskospondylitis 単肢 vs. 複数の肢 Intraforaminal IVDD Transitional vertebra - Cat PNST Intraforaminal IVDD Synovial Cyst radiculitis 4 2014/12/9 運動失調=感覚系異常 固有位置受容感覚 足の位置がバラバラ Irregularly irregular rhythm プロプリオセプション性 前庭性 小脳性 古典的概念:Conscious vs. Unconscious Unconscious Proprioception: 運動失調 Conscious Proprioception: 姿勢反応 Unconscious proprioceptionの障害 運動失調 Conscious proprioceptionの障害 “CP消失” = 姿勢反応の消失 Unconscious Proprioception: 運動失調 Conscious Proprioception: 姿勢反応 運動失調+CP消失 › 脳幹、脊髄、末梢感覚神経 CP消失のみ › 大脳・間脳 運動失調のみ › 小脳 Courtesy of Dr. JR Coates 5 2014/12/9 III, IV, VI III, IV, VI (-) 0 1+ (-) (-) 伸筋 (+) 屈筋 (-) 1+ (-) 伸筋 (+) (++) 伸筋 屈筋 (-) 屈筋 Courtesy of Dr. FA Wininger 全ての随意運動を調節 過剰な運動機能を抑制 四肢の運動調節 関節の過屈曲 筋緊張度増大 体幹の揺れ Wide-based stance › 運動の開始は関与しない 前庭機能 運動の学習 同時に前庭様症状もあり得る › 威嚇反応の消失 6 2014/12/9 Courtesy of Dr. D O’Brien 運動神経系異常 UMN › 錘体路・錘体外路 Courtesy of Dr. D O’Brien UMN: 指揮者 LMN: 演奏者 LMN › 運動神経細胞 › 軸策/髄鞘 › 神経筋接合部 › 筋肉 Courtesy of Dr. JR Coates 7 2014/12/9 UMN “指揮者不在”=雑音 筋肉の緊張度が増大 › Spasticity, long-stride 運動開始の遅れ 通常、プロプリオセプション性運動失調 と共に認められる 指揮者の一人舞台:音が出ない LMN3大徴候 脊髄反射の低下 筋肉の緊張度低下 神経原性筋萎縮(慢性) LMN Courtesy of Dr. JR Coates 8 2014/12/9 脛骨神経 腓骨神経 Courtesy of Dr. FA Wininger 左後肢 膝関節 足根関節 足首の位置 重症筋無力症 ダニ麻痺 Lake-Bakaar_2012_JAVMA Winter_2012_J Vet Cardiol 急性 対不全麻痺 稀:発生率 0.0005% 約60%で併発疾患無し UPC, BUN, AT 間歇的な対不全麻痺 › 1ヶ月前は左、今回は右がより重症 犬のATE 発症分類 記載無し 6% <24hrs: 45% >24hrs:48% 9 2014/12/9 15歳齢 去勢雄 ヒマラヤン 四肢不全麻痺 起立不能 › 亜急性進行性 病歴: 特に無し 全身性LMN疾患 運動神経細胞体 神経根 末梢運動神経 神経筋接合部 骨格筋 BUN 22 mg/dL, Cre 2.0 mg/dL 軽度の貧血 (Ht 27%) K 2.1mEq/L Ca 9.3 mEq/mL CK: 正常 等張尿 USG 1.018 胸部レントゲン: 正常 重度の全身性疾患 重症筋無力症 甲状腺機能亢進症 低カリウム筋症 腫瘍随伴性 慢性進行性 全身性LMN徴候 通常は 筋組織の著変無し 2−3日程度で治療に反応 腹部超音波:正常 抗アセチルコリン受容体抗体: 陰性 T4:正常 原因疾患: › CRF、食事、GI loss、甲状腺機能亢進症、利尿 剤、高アルドステロン症、尿閉解除後 › 先天性:Burmese cats Gandolfi_2013_PLos One 10 2014/12/9 疲れると首を曲げる 項靱帯が無い LMN系疾患 › › › › › › › › 重症筋無力症 多発性筋炎、筋疾患 低カリウム筋症 筋ジストロフィー症 鉛中毒 慢性有機リン系中毒 多発性神経症 エチレングリコール中毒 中枢性:チアミン欠乏症 運動失調+CP消失 › 脳幹、脊髄、末梢感覚神経 CP消失のみ › 大脳・間脳 運動失調のみ › 小脳 Unconscious Proprioception: 運動失調 Conscious Proprioception: 姿勢反応 Ca2+ K+ 11 2014/12/9 Unconscious Proprioception: 運動失調 Conscious Proprioception: 姿勢反応 UMN: 指揮者不在 LMN: 演奏者不在 Unconscious Proprioception: 運動失調 Conscious Proprioception: 姿勢反応 UMN: 指揮者不在 LMN: 演奏者不在 運動失調+CP消失+不全麻痺 › 脳幹、脊髄 CP消失のみ › 大脳・間脳 運動失調のみ › 小脳 不全麻痺のみ › 全身性LMN 鑑別診断 = 病変部位+シグナルメント+ヒストリー よく観察し、異常の3要素の有無に注目 動物の姿勢に注目 歩行異常=機能異常 画像診断? 治療? 予後? 機能異常≠画像異常 わからない? 誰かに相談! Courtesy Dr. Joan Coates 12
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