私たちナースにとって深刻なのが「爪のトラブル」. 爪割れや二枚爪,ささくれなど……. でもネイルサロンなんかには行けないし,どうケアすればいいの? ここでは,ナース自身の爪のケアをどうすればいいのか, ネイルに関することも含めて,皆で考えていきたいと思います. シリーズ ナ ー スの ネ イル ケ ア (編集部) 第 1回 考えてみよう, ナースの 「爪のこと」 ナースの爪,仕方がない? ことは,ナースであれば,誰しも感じ たことがあると思います. りません. 傷をつけない,不快にさせないため 私たちナースにとって,患者さんへ ナースのみなさんから寄せられた に,体位変換の度に手袋をすればよい の爪のケアはとても重要なのは,ご承 「爪の悩みとその対処法」 を右にあげま のでしょうか? しかし,それはほん した.みなさんも同じような悩みをも とうに心のこもったケアだと患者さん っているかもしれません. は感じるでしょうか? 知のとおりでしょう. それでは,ナース自身の爪はどうで しょうか? 日々のケアのなかでいえ 自分自身ももちろんですが,たとえ ば,頻繁な手洗いによる手荒れ,体位 ば患者さんの体位変換をする際に,ナ 変換時に爪が割れた,さらには二枚爪 ース自身の爪が割れていたり,二枚爪 や爪の周りにささくれができたなど になっていたら,果たしてその爪が原 …….こうした爪を中心とする,手に 因となって患者さんを傷つけたり,不 健康で清潔な状態の爪であることが重 関するトラブルが耐えない職業である 快にさせてしまうこともないとはかぎ 要です.しかし,前述したように,ナ ナースの爪のケア, どうして必要? まずは,看護ケアを提供する側も, ースの爪 (手) を取り巻く状況も過酷で こんなこと, ありませんか? □ 手袋が爪に引っかかって,破けてしまう □ 爪周囲のささくれがひどい □ 体位変換時,自分の爪が反り返って折れたり,割れたりしてしまう □ 自爪がう薄くなってしまっている □ 自爪の縦線が気になる(割れているように見える) す. よく考えてみると,皆さんが休みの 日におしゃれをして出かけると心が晴 れ,楽しく,元気な気持ちになりませ んか? それとおなじように,もし自 分の爪がきれいに保てていれば,勤務 中も何だか元気になれるかもしれませ ん. ナースが元気でいることで,楽しい □ 爪切り後,うまくやすりで削れないので,ケア中にシーツ等に引っかかる 気持ちで勤務していることで,もしか □ 手爪や足爪を引っかけて,ストッキングが破けてしまう すると患者さんにもに元気を与えられ □ ケアの拍子に患者さんを引っ掻いてしまった るかもしれません. □ 患者さんからの爪の悩みについて,こたえられない 130 月刊ナーシング Vol.32 No.4 2012.4 ナースという職業上,いわゆる爪に 「ネイル」 をされている方はほとんどい みんなどうしてる? ホントにそれでいい? 爪の悩みへの対処法 1 頻繁な手洗いで手の乾燥やささくれ,爪も乾燥している. そのため,すこし爪伸びただけで, 体位変換や何かにぶつかったときには, すぐ爪が割れてしまう. 2 3 アトピーがあり,とくに手指がひどい. 手洗いのたびに 手も爪周りも乾燥して痛い 4 5 爪が薄く柔らかいため,体位変換の際に たまたますこし爪が伸びていると, 爪が反ってしまい,爪が剥がれそうで怖い 6 とにかく深爪するくらいカットするよう 心がけている とにかくハンドクリームを塗るしかないが, 時間に追われてハンドケアどころではない 二枚爪の状態がずっと続いている 爪切りをしてヤスリがけをしても, 患者さんに座薬を入れる際に, ゴム手袋が破ける 手洗い後,忙しくてハンドクリームを塗る 時間がない.塗っても昼休み前と,出勤時 もしくは帰宅時の1日2回.爪割れに対し てはとにかく割れたところをさらに爪切り で切っている 透明のマニキュアを塗って補強(?)し ている.補強になっているかどうかは わからないが,マニキュアで対応 コスト的に無駄と思うが,ゴム手袋を 2枚重ねて使っている 患者さんの食事介助で, みかんの皮をむくと, 爪の間(とくに親指)が黄色くなってとれず, 清潔感ない 爪が伸びるまでまって,伸びたところを 切っている ないと思います.患者さんやそのご家 か? ナース自身の爪を守り,患者さ の保護」について,どのような方法が 族への印象や感染源となる問題など, んのためにできる方法があるのではな あり,具体的にどうすればいいのかを, できなくて当たり前と思うかもしれま いでしょうか? 次号以降,読者のみなさんと一緒に議 せん. でも,ほんとうにそうなのでしょう * ここでは, 「ナースのための自らの爪 論をしながら考えていきたいと思いま す. 編集協力:森下鼓 Bleu Marine株式会社 代表取締役(http://www.bleumarine.co.jp/index.html) 月刊ナーシング Vol.32 No.4 2012.4 131
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