日本 e-Learning 大賞- 株式会社タオ 「CAI、プリント、ビデオをフル装備

■ 日本 e-Learning 大賞- 株式会社タオ
「CAI、プリント、ビデオをフル装備した日本最大のトータル学習システム、『天神』だからできたこと」
本取組は、e-Learning システムの有効性、実利性、教育実践のシステム性といった視点から、極めて有用で、合理的なものであると言え
る。クラウドタイプとハードディスクタイプがあり、クラウドタイプは勿論、ハードディスクタイプでも、学習開始時に最新プログラムや最新問題
をダウンロードして、常に最新のプログラムやデータが使用できるようになっている。学校内での利用、家庭内での利用の双方に対応した
もので、現実の教育ニーズに対応したものである。
また、社会連携性といった視点からも、公立中学校と連携して、不登校の生徒の自宅学習用に本システムを活用性、1 週間に一度担任
が訪問して学習の進捗を確認するという指導したことによって、不登校のまま高校に合格した事例もあるということである。さらに、小児科医
院が運営している発達障害の子どもの為の学習支援教室で、本システムを活用することによって、多くの子どもが主体的に学習するように
なった事が報告されている
学習達成評価は、教科書目次ごとに学習回数や得点が記録され、それが集計されて、学年・教科単位の学習到達度を評価し、さらに、
教科の中の単元(数学の関数、空間図形や国語の評論、文法等々)の学習到達度を評価することができる。また、学習到達度は、そのま
ま次に学習すべき目次を選択する機能と連動しており、これらの機能は、①組織における生産性②品質保証性③新規性④社会連携性⑤
学習達成評価といった審査基準からみて、極めて優れた e-Learning システムの開発、実践であり、本年度の e-Learning 大賞に値すると
判断できる。
■ 経済産業大臣賞- 株式会社ネットラーニング
「e ラーニング オーサリングツール『かんたんシリーズ』について」
本受賞対象となった e ラーニング オーサリングツール『かんたんシリーズ』は主として企業が e ラーニングを活用するにあたり、大きな負
担となるオリジナルコンテンツの開発と配信に関して技術的、経済的、体制的な障害を軽減することを狙いとし、その効果を確実に挙げて
おり、その点は大変評価できるものである。この狙いの実現には e ラーニング事業での豊富な経験にもとづくユーザ企業における課題につ
いての正しい理解がなくては実現不可能であり、その点についても優れた取り組みといえる。この成果によって、様々な業種、業容、規模
のさまざまな企業が手軽に e ラーニングをそれぞれの現場の実情に合わせて開発、実践できることになれば e ラーニングの更なる裾野を
拡げるものとなる可能性があり社会全体の生産性向上にも寄与できることが期待される。
■ 文部科学大臣賞- 近畿大学附属高等学校
「いつも、となりに、学校が ~iPad×プラットフォームが実現させる、理想の 1 to 1 教育への挑戦~」
本受賞対象となった「いつも、となりに、学校が ~iPad×プラットフォームが実現させる、理想の 1 to 1 教育への挑戦~」は大規模な高
等学校として同一学年の生徒全員 1048 名と全教職員 222 名にタブレットを保有させ、常に自分の隣に学校や先生がいる」という生徒にも
教職員にも大変分かりやすく、共有しやすい目標を設定し、それを着実に実現していることは非常に高く評価できる。とくにともすれば、既
存のツールやベンダー主導型の取り組みとなりがちな ICT 機器導入とその活用を教育のために必要な環境を整備するという目標のもとで
構築してきたことが生徒にも教職員にも受け入れられる結果につながっていると思われる。今後、スマートフォンやタブレットは個人の身近
な ICT ツールとして共通の環境となることは明らかである。本取り組みはこれから取り組もうとする多くの学校にとって指標となりうる先進的
かつ実践的な取り組みである。今後の全学レベルの取り組みに成長した段階での効果についても期待したい。
■ 総務大臣賞- 阪神高速道路株式会社
「都市高速道路の交通事故削減を目指した個別の安全運転教育ツール『阪高 SAFETY ナビ』」
本受賞対象となった阪神高速道路株式会社の「都市高速道路の交通事故削減を目指した個別の安全運転教育ツール「阪高 SAFETY
ナビ」」の取り組みは都市部の高速道路という身近で利用者が非常に多い環境における交通事故の削減という社会的価値の高い目標に
取り組み、中でも一般的な解説教材ではなく、ドライバーの視点からの擬似的な体験を前提として学習させることを狙いとしており、多くの
ドライバーが学習することができれば明らかに事故削減に貢献できる大変に意義の大きな取り組みである。特に阪神高速道路では実際の
事故データの分析とドライバーの運転特性に基づいた学習システムとしていることが効果的かつ実践的な取り組みとして評価できる。また、
日本全国の都市部における事故削減の取り組みとして自動車教習所や警察署、社会教育施設などでのコンテンツとして普遍化できること
も多いに期待できる。
■ 厚生労働大臣賞- 株式会社 Be&Do
「目標共有型コミュニケーションシステム habi+Do! ~ロート製薬 100 日 PJ にて健康増進を実現~」
本取り組みは企業にとって重要なリソースの一つである “人材の健康増進”という組織目標を Be&Do 社の e ラーニングプラットフォーム
で実践し、成果を挙げた事例である。組織の目標を共有し、その目標を達成するために個人別に具体的な活動項目や目標値を定め、そ
の定めた個人目標を達成することで組織の目標が達成できる仕組みで運営されている。
本取り組みは健康増進のみならず、生産性向上に取り組むという企業文化を身につけ、ひいては、今後の生産性向上が期待できるとい
う点で付加価値の高い e ラーニングシステムの活用事例である。「大企業の社員全員を対象とし、その主体的な参加によって自己の達成
目標を同僚と共有しながら切瑳琢磨し、組織目標を達成する」という本取り組みの基本コンセプトは、社員のキャリア形成、職業能力開発
を推進する上で、効果が高いものと評価できる。また本取り組みの推進は、組織開発や学校教育など他分野への応用が期待できる点も高
く評価した。