卒業論文概要 東京医療保健大学 医療情報学科 学籍番号 H08037 氏 名 関根 瑠美 医療情報基礎知識検定 E-Learning の開発と評価 保健福祉の情報化や保健医療福祉情報システム利用の従事者の増加に伴い、医療情報 を取扱う人々は医療情報を正しく取り扱うための共通の基本的で基礎的な知識を持っ ていることが必要となってきた。そのような状況下、日本医療情報学会医療情報育成部 会が新たな展開として、2009 年度から医療情報基礎知識検定試験を開始した。この検定 試験は、医療情報を扱う人が誰でも共通に持っておくべき、8 領域の基礎知識を問い、 受検者が自身の知識レベルを客観的に評価する機会を提供することを目的としている。 医療情報を学び、今後医療情報に携わって行くであろう、本学の学生が基礎知識を身 につけ活躍していくためにも、率先し客観的な評価を受けることは大いに望まれる。 しかし、2009 年~2011 年の全 4 回の検定試験で、本学の推奨水準到達者数(検定試験 の合格者)は 21 名と少ない。背景として、個人の学習環境が十分に整備されていないこ とが挙げられる。日本医療情報学会では有料の E-Learning を提供しているが、本学の 学生の認知度も低く、期待度も低い。また内容としても、本来の問題を解くという形式 の E-Learning ではないため、学習環境は不十分と言える。さらに、医療情報基礎知識 検定対応の問題集やテキストも存在しないため、個人学習が本学で開講されている対策 講座に頼りきっている現状である。つまり、今後の問題解決に向け、個人の学習意欲の 向上・環境整備が重要であると考える。 そこで本研究では、手軽に学べる環境を与えるという点から問題回答形式の医療情報 基礎知識検定の E-Learning に着目した。E-Learning に対する学生の関心や操作性など の点から、個人学習の1つの手段として今回、医療情報基礎知識検定 E-Learning を開 発し評価した。 2 週間程度のアプリケーションの使用、アンケートの結果から、E-Learning 教材は利 用者にとって利用しやすいシステムの環境が重要であること。学年に応じた問題の設定 が必要であること。問題回答形式の解説付き E-Learning 教材は医療情報基礎知検定試 験の学習に有効であることが分かった。
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