≪PT Aによる 子どもの 生活リ ズム向上 事業≫ 「作ろう! みそ汁 de 朝ごはん の取り組み」 鳥取市立美保南小学校育友会 1 はじめに 委託事業1年目は、子どもの生活リズム実態調査から、望ましい基本的生活習慣の定着の 必要性と、そのために親として果たすべき役割について確認した。そして、朝食の意義につ いての啓発活動や取り組みを行うことにより、子どもの生活リズムの向上を促進することに した。 2 取り組みの内容 ○生活実態や家庭教育に関する調査の実施 ○児童の実態に応じた啓発活動と家庭での実践 3 児童の実態と本年度の取り組み (1)生活リズム調査から 朝食を食べて学校に登校している割合は高いが、朝食の内容に課題がある。児童の学 校での学習や生活を充実させるために、朝食に対する保護者への啓発と具体的な取り組 みを進めていくことにした。 (2)本年度の取り組み ○6月21日(木)学習参観日・学校説明会の場で、本事業の取組について説明(育友 会会長) 「作ろう! みそ汁 de 朝ごはん」のチラシの配布と啓発 ☆チャレンジ1 小学校家庭科副読本「おみそ」を読んで感想文を書こう! ☆チャレンジ2 「親子で作ろう! みそ汁 de 朝ごはん」メ ニューづくり ☆チャレンジ3 わくわくみなみっこ 「食育絵本読み聞かせ」 - 60 - ○7月12日(木)学校保健安全委員会で、児童の朝食の実態についての提案と、朝食の意 義についてのミニ講演会(講師 ○7月末 「親子で作ろう! 学校栄養職員) みそ汁 de 朝ごはん」メニューづくり(夏休み) - 61 - ○9月 参観日での公開 ○6月~11月 「親子で作ろう! みそ汁 de 朝ごはん」メニュー わくわくみなみっこ 「食育絵本読み聞かせ」 と絵本コーナーの設置 「わくわく食育ブックリスト」 4 おわりに 子どもの生活 ズムを 改善 し、生きる力 を育むために は、家庭と 学校が連携して取り組 む ことが大切で ある。 親子 で食事作りを したり食育絵 本の読み聞 かせをしたりする活動 を 通して、食事 の意義 を理 解し、自分で も簡単で栄養 バランスの よい食事を作ってみよ うという意欲が育ってきた児童も見られた。 - 62 - ≪PTAによる子どもの生活リズム向上促進事業≫ 「PTAによる子どもの生活リズム向上事業の取り組み」 ~地域をあげてあいさつ運動~ 倉吉市立河北小学校PTA 1 はじめに 河北小学校は、県中部の倉吉駅を中心とした校区を有する学校です。児童数は38 6人(平成24年12月22日現在)で、昔ながらの集落と、商用施設や宅地開発され た新興住宅、アパートも多数あり、人の出入りが激しい学校です。そのため、年間10 名前後の児童が転出入し、価値観も多様でさまざまな課題を抱えて登校している児童も 少なくありません。 PTA役員会でこの事業を受けるにあたり、基本的生活習慣の定着について意見交換 を行いました。さまざまな意見が出る中で特に気になったのが「子どもたちの朝のあい さつの声が小さい」ということです。学校で落ち着いて学習に向かうための出発点は朝 のあいさつであり、元気よくあいさつすれば、一日の学校生活がスムーズに行えるだろ うと考えました。 そこで、1年目は「河北小学校ではあいさつ運動に取り組んでいる」ことを校区内全 体に知らせると共に、PTA会員にも学校行事のある度に周知しました。さらに、登校 時に会長をはじめとする役員が率先して児童玄関前に立ち、あいさつを行いました。 2年目は、校区内の他団体と協力しながらさらにその輪を広げていくこととしました。 2 事業に係わる取り組み (1)学校教育目標 学校長の策定した学校目標は、「明日を 楽しみにできる学校」です。その中には、 5つの具体的取り組みがありますが、そ の第一にあいさつへの取り組みがありま す。 PTAだけでなく、学校としての取り 組みとして教員、保護者が一体となって 取り組むことで成果をあげていこうと考 えました。 学校目標 明日を楽しみにできる学校 ・やる気が感じられる気持ちのよいあいさつ ・学ぶ楽しさのある授業 ・自分が役立ち、認め合える学級 ・いつも子どもに寄り添い、話を聞いてくれる先生 ・子どもの思いが大切にされた探究する本物体験の取 り組み (2)本年度PTA活動の目標 学校目標を受け、PTA活動の中にもあいさつにつ いて積極的に取り組むため、本年度目標のトップに掲 げ、PTA活動の柱としました。 また、役員会であいさつの取り組みについての話し 合いを重ね、登校時のあいさつ運動や保護者の啓発、 また地域も含めたあらゆる場面で展開することにより 定着化する環境を継続して整える活動をしていくこと としました。 - 63 - (3)行事での啓発 運動会や参観日、スポーツ大会等で 保護者が学校に来る機会に、あいさつ 運動のタスキをかけてあいさつする西 谷会長です。保護者にあいさつの大切 さを理解してもらうことはそう難しい ことではないのですが、わかっていて もなかなかできないのがあいさつです。 そこで、ことあるごとにあいさつを 意識してもらおうと保護者の前であい さつするときは「あいさつタスキ」を かけて意識を高めるよう取り組んでいます。 スポーツ大会であいさつする西谷会長 (4)啓発パンフレットと横看板 地域みんなで子どもたちを育てるためには、小学校に子 どものいない家庭にも協力を呼びかけることが大切です。 そこで、1年目は、「あいさつのあいことば」というパ ンフレットを校区全家庭に配布しました。 また、2年目には学 校のフェンスに横看板 を設置し、地域のみな さんにも取り組んでい ることが分かるような 手立てを考えました。 (5)学校評価アンケートから 学校の教育活動を評価する方法 として、学校公開のアンケートと 学校評価アンケートがあります。 このアンケートを考察すると保 護者対象のアンケートでは近年あ いさつについて非常に良いという 結果となっています。 しかし、地域住民、保護者外の 人も含めたアンケートでは特にこ の取り組みをしたためにあいさつ ができるようになったという結果 は出ていません。 学校は、あいさつを交わす学校づくりのため、家庭や地域と連 携を深めている。 90.0% 80.0% 70.0% 60.0% 50.0% 肯定的 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% H21第1回 H21第2回 - 64 - H22第1回 H22第2回 H23第1回 H23第2回 H24第1回 つまり、保護者には一定の成果を 認めていただいたのですが、地域の 人からみるとまだまだあいさつがで きていないという認識でした。 このことを踏まえ、今後のあいさ つ運動の戦略を練っていこうと考え ています。 学校一斉公開アンケートより 対象は地域と保護者 子どもたちは進んであいさつができる。 90.0% 80.0% 70.0% 60.0% 50.0% そう思う 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% H21春 H21秋 H22春 H22秋 H23春 H23秋 H24春 (6)地域との連携から あいさつの取り組みは、学校だけの取り組みだけでは不十分と考え、地域の方にも協 力を得ようと昨年度あいさつパンフレットを校区内全戸配布しました。学校が取り組ん でいることを知っていただいた後、地域の関係団体との連携を考えました。 特に、以前から学校教育に協力的だった河北地区の民生児童委員協議会の会員さんは、 あいさつ運動を学校玄関で月に2回行っていただくことになりましたし、他にも社会福 祉協議会、青少年育成連絡協議会や老人クラブ協議会、更正保護女性会とも話し合いの 席を設けて一緒に協力してくださることとなりました。 特に、地区の社会福祉協議会においては、「あいさつ運動」を活動計画に組み入れて もらいました。 (7)ネットワーク活動 あいさつは、早い段階から継続して実践することが重要で、上井保育所保護者会、河 北中学校PTAとも共通実践するための意見交換会を年2回開催するネットワークづく りも推進しています。 3 まとめ 生活習慣とは、日々の生活で実践されている社会生活における大切なことであり、そ の核となるのが「あいさつ」です。「おはよう」「こんにちは」「さようなら」「お元気 ですか」等の一言から始まる人と人とのコミュニケーションから、人は育っていきます。 学校生活も個の能力を高めることはもちろんですが、集団生活の中で他人に迷惑をかけ ないで生活していく技能を身につけていくことも大切なことです。 「あいさつから始まる生活リズム」を合い言葉に取り組んできましたが、そのあゆみ は決して大きいものではありません。また、みんなで取り組むとそれなりに成果は出ま すが、しばらくするとまたあいさつがなかなかできなくなります。定着させることはと ても難しいと感じています。 継続して取り組むには、地域の既存組織を活用(共通認識のもとで活動協力を願う) し、価値観多様な保護者も地域と交流することが大切です。そうすることによって一過 性でない継続可能な取り組みとなり、定着していくのです。 こうした取り組みが数年後に生活習慣として定着していくことだと感じました。 - 65 - ≪PTAによる子どもの生活リズム向上促進事業≫ 「家庭・学校・地域が共に歩むPTA活動の取り組み」 三朝町立東小学校PTA 1 はじめに 本校は、校区に三徳山、国宝投入堂や、小鹿渓があり、自然豊かな地域である。児童 数44名で、縦割り活動が盛んで全校児童は仲がよい。運動にも学習にも一生懸命取り 組んでいる。家庭数は35家庭と少ないが、PTA活動は協力的で活発である。 東小PTA目標を「家庭・学校・地域の連携を深め、やさしく・かしこく・たくまし く・未来を拓く子どもたちを育てよう」としていろいろなことに取り組んでいる。 近年、会員数が減少し、PTA単独での活動では不十分なこともある。そこで、東小 学校PTAでは、これまで培われた地域の力を借りて、家庭・学校・地域が共に歩むP TA活動を実践している。 2 子どもたちの健全な基本的生活習慣の定着をめざした取り組み 東小学校では子どもたちの健全な生活習慣を育むために家庭と学校が連携して取り組 んでいる。今年度は「PTAによる子どもの生活リズム向上事業」を受け、基本的生活 習慣の改善を目指してさらに取り組みを充実させている。 (1)保護者研修 PTA厚生保健部主催の給食試食会・食育講演会を開催し、家庭での食育について 理解してもらうために、基本的な食の知識をクイズ形式で出題しながら、保護者への 研修を行った。成長期に必要な栄養素の特徴、摂取する適量などを出題し、学校と家 庭が連携して子どもを育てていくことの大切さを理解してもらった。 ○給食試食会 ○食育講演会 (2)ノーテレビデー スマイルカードの取り組み 毎月15日は三朝町の『いこいの日』で、この期間は町内の保育園・小学校・中学 校では『ノーテレビデー』に取り組んでいる。本校でも15日をはさむ1週間をノー テレビデー週間として取り組んでおり、その振り返りとして、スマイルカードの記入 を家庭で行っている。この取り組みも、PTA厚生保健部の事業である 記入内容はノーテレビの取り組みだけではなく、「朝ごはんをしっかり食べた」「夜 の歯みがきができた」「お手伝いができた」など、基本的生活習慣に関する項目も盛 - 66 - り込んでいる。また、ビンゴ形式も取り入れ、子どもたちが取り組みやすい仕組みに もなっている。このスマイルカードへの記入も親子で取り組むこととしており、家族 でのふれあいを深めるようにしている。 また、11月15日を三朝町内一斉のノーテ レビデーとする取り組みが行われており、学校・家庭だけでなく、地域を巻き込んだ 取り組みとなっている。 (3)三行詩の取り組み ノーテレビデー期間中の親子のふれあう活動として、基本的生活習慣をテーマにし た『三行詩』を作る活動を6月と7月の2回行った。全家庭から作品を出してもらい、 PTA総務部員による選考委員会で、最優秀賞・優秀賞等を選んだ。これらの作品は 作品集として印刷製本し、全家庭に配る予定である。 最優秀賞 優秀賞 優秀賞 心と心がつながるね まほうのことば ありがとう 遊ぶのは やるべき事を やってから! 「ただいま」は ぼくが帰った 合図です また、学校だよりにも、毎回一つずつこの三行詩を載せて、全家庭に配信している。 3 「おやしゅう あつまってやったらあかい ナ 」の取り組みについて 年2回の除草作業等の奉仕作業とは別に、保護者・教職員 が集い、学校施設の整備等を実施する「おやしゅう あつま ってやったらあかい ナ 」を毎年開催している。普段手の届か ない学校施設の整備や修繕等を主に行っている。今年度は、 ウサギ小屋の冬支度をするための囲いづくり、校舎窓掃除、 体育館窓枠掃除等を行った。毎年、学校からの要望も聞きな がら、保護者の手で修繕等ができることに取り組んでいる。 終了後は、「東小を語る会」と称して保護者と教職員の親睦 会も行っており、東小独自の活動となっている。 4 成果と課題 ・心身ともに健康的な元気な子どもを育むためには、まずは 基本的生活習慣の定着が大切である。 ・家庭と学校が連携して、子どもたちの健全な基本的生活習慣の定着を目指した活動に 取り組み、保護者と課題を共有することによって、成果が高まってきた。 ・スマイルカードに、親子でふれあう項目を入れるように工夫したり、親子で三行詩を 作ったりする活動ができ、親子のふれあう時間が増えた。 ・スマイルカードが提出できない家庭が若干あり、全家庭の取り組みになるまであと一 歩である。 - 67 - 三朝町立東小学校 11月 ノーテレビデー スマイルカード PTA厚生保健部 毎月15日は三朝町の『いこいの日』です。この期間は、町内の保育園・小学校・中学校では『ノーテレビデー』に 取り組み、家族がふれあいの時間を持てるよう支援しています。 ビンゴもわすれずにチャレンジしてね!! ひ (できた日にちをかきましょう) じ ねん じ きょ う にち 今日は 1日 8時(1~3年)、9時(4 ねん べんきょうちゅう ゲームなしデー ~6年)をすぎたら 勉 強 中 はノーテレビ ノーテレビ ( 月 日) ( 月 日) ( 月 日) てつだ ★お手伝い★ しょくじちゅう 食事中 はノーテレビ ばんぐみ 『 ( 月 日) ( いえ 日) ( 月 いえ あか 月 ひ と 日) ひと 家の人に かた 歯を赤くそめよう ( か ふれあいタイム♪ 親子読書 ひと 家の人と は い (今日は1つ以下) お や こ どくしょ ふれあいタイム♪ み きょ う 』 月 えら 番組を選んで見る 日) 肩たたきをしよう ( 月 日) ( 月 日) い っ し ょ ★おうちの人と一緒に、○×をつけましょう。 じ ふん 時 12 13 14 15 16 17 18 月 火 水 木 金 土 日 お 分までに起きる あさ た 朝ごはんをしっかり食べた じ ふん 時 分までにねる よる 夜のはみがきができた てつだ お手伝いができた ☆ノーテレビができた☆ こ かた 《子どものかんそう》 がつ にち げつ ファイルは、11月19日(月)に ていしゅつ 提 出 してください。 かんそう 《おうちの方の感想》 がつ にち ちょうない いっせい 11月15日は「町 内 一斉ノーテレビデー」です。 け いえ ひと だん たの テレビを消して、家の人との団らんを楽しみましょう - 68 - ≪PTAによる子どもの生活リズム向上促進事業≫ 「学力向上を支える基本的生活習慣づくりの取り組み」 鳥取市立河原中学校区PTA 1 はじめに 河原中校区PTAは、河原町PTA連絡協議会と連動し、河原中学校区トリニティープラン推進委員会と して組織し、メンバーを町中央公民館長、PTA会長(幼、小、中) 、小中学校長、学校評議員代表、教務 主任代表、事務局で構成する。テーマを『学力向上を支える基本的生活習慣づくり』として取り組み、実践 している。 *事業の概要及び経過 (1)ねらい(期待する具体的な姿) 学校・家庭・地域の三者が協働して幼・小・中の10年間を見通した「学力向上を支える基本的生活習 慣づくり」につながる取り組みを行い、互いの信頼関係を築くとともに、児童・生徒の学力向上を図る。 (2)事業の概要 5月 7月 10月 11月 12月 1月 学校間の取り組み 家庭及び地域との取り組み 啓発用品等作成 パネル作成・掲示 保・幼・小・中指導連携項目・ (H24 町統一テーマの決定) 卒業までにつけたい力の作成 と配布 小学校統一テストの実施 生活リズムアンケートの実施 町内一斉あいさつ運動 町内一斉あいさつ運動 あいさつ標語募集 メディアコントロール強化 メディアコントロールボックス 月間 作成・配布 小学校統一テストの実施 生活リズムアンケートの実施 あいさつ標語選定・河原中 あいさつ看板作成 教育を語る会・河原町の未 ポスター・町統一テーマ「あい さつ横断幕・垂れ幕」作成 来を語る会の実施 取り組みの成果と課題 あいさつ看板・横断幕(垂れ 幕)の掲示 2 保・幼・小・中指導連携項目の作成と配布掲示 (1) 「保・幼・小・中・家庭・地域でめざす指導連携項目」を作成し、河原あゆっこ園、3小学校、中学 校にパネル掲示した。10年間を見据えた河原町としての“育てたい子ども像”を明確にした。さらに 今後は、総合支所、公民館などにも掲示し、町ぐるみの取り組みとして定着させたい。 (下記 資料1: 「保・幼・小・中・家庭・地域でめざす指導連携項目」参照) (2) 「幼稚園、小学校、中学校卒業までにつけたい力」をそれぞれ作成し、各校に掲示。適時性に応じ、ど んな力をつけたいかを確認し、自己評価、教師の評価等を定期的に行い、各校で責任を持って指導し、 10年間を見据えた取り組みとする。 (下記 資料2:例 小学校を卒業するまでにつけたい力を参照) 3 メディアコントロールの取り組み 従来は「ノーメディアデー」の取り組みとして実践したが、昨年度より各家庭で 約束をし、 「時間を決めて、メディアコントロールをしよう」をテーマに強化月間を 設定して行った。保・幼・小・中の全家庭に「メディアコントロールボックス(リ モコンボックス)を配布し、活用することで啓発を行った。また、町内防災無線で、 小学生による呼びかけも実施し、好評であった。基本的生活習慣づくりのよいきっ かけとなり、今後も継続実践を行う予定である。企画立案もさることながら広報の 仕方として、行政と連動し、全町民に届くよう配慮した。 メディアコントロールボックス - 69 - 4 あいさつ啓発看板・あいさつ横断幕(垂れ幕)の取り組み 保・幼・小・中各校と地域に呼び掛け、あいさつ標語を毎年募集 し、応募の中から町青少年育成協議会が中心となって(保・幼は町 PTA連絡協議会)選定し、あいさつ看板として登校時によく見え る箇所に掲示、啓発している。 「あいさつの町 河原町」をめざし、地域の環境づくりの一環とし て、登下校の安全も兼ね、保護者や地域の方々による「あいさつ運 (あいさつ看板の例) 動」とも重ねて、 「まず、大人からあいさつを」をキーワードに、 子どもたちの育成に取り組んでいる。 また平成24年度には、総合支所・あゆっこ園・小中学校、 計6校に右のようなあいさつ横断幕(垂れ幕) 「めざせ あ いさつ 日本一!」を掲げた。どの学校(支所)でも同じ横 断幕(垂れ幕)を掲げ、町をあげて啓発に取り組んでいる。 (あいさつ横断幕・垂れ幕) 5 河原中教育を語る会・河原町の未来を語る会の実施 平成23年12月18日に河原町中央公民館にて、 「河原中教 育を語る会」を実施。第1部のシンポジウムは、~河原の未来を 語る~と題し、現河原中生徒会長、河原町総合支所長、あゆっこ 園副園長、現PTA会長をパネリストとし、元中学校長をコーデ ィネーターにそれぞれの立場で、意見交換を行った。 さらに第2部では、河原町に長年勤務された楠城 孝先生を講 師にお招きし、 「我が人生を振り返って」という演題で熱く語っ ていただいた。ざっくばらんな口調で「親は最高の指導者」 「学 校と家庭のつながりの大切さ」をご自身のバレーボール人生と重 ねて熱弁され、現中学生の保護者の多くは教え子ということもあ り、盛会であった。PTAとして、町校長会、町P連と連動し、 学校評議員や行政も動かし、機運を盛り上げた。 平成24年度は、12月22日に「河原町の未来を語る会」と 題し、第1部は河原中2年有志の和太鼓演奏と、3年有志による 総合学習発表。第2部として各小中学校の代表の児童生徒と大人 (地域・保護者・職員代表)が、 「どんな町にしたいか」 「大人に 言いたいこと」等について、シンポジウムをした。活発な意見交 換がなされ、大いに盛り上がった。今後につなげたい。 (資料写真3~6 語る会の写真 参照) 6 成果と課題 (1)成果 河原町は、町PTA連絡協議会という組織があり、町ぐるみで取り組む基盤がある。また、鳥取市 のトリニティープラン推進も他に先駆けて実践を重ねてきた経緯がある。 23年度は、10年間を見据えた取り組みとして、まず、めざす園児・児童・生徒の姿をはっきり とさせ、 「保幼小中指導連携項目」としてパネルにして作成し、各校に掲示したのはよかった。さら に、それぞれ「卒業するまでにつけたい力」もパネル掲示し、責任を持って指導にあたり、10年間 を見通して指導していく体系ができたと言える。また、メディアコントロールにおいては、メディア コントロールボックス(リモコンボックス)を全家庭に配布し、活用していただきながらの実践は好 評であった。小学生の防災無線での啓発放送も効果的で、協力いただいた家庭も多い。あいさつ標語 を募集し、看板を作成したが、地域の環境づくりに有効で、保護者や民生児童委員の方々からも喜ん でいただいた。 「生徒と大人が河原の未来を語る」をテーマに、23年度は「河原中教育を語る会」 ・24年度は 「河原町の未来を語る会」を実施した。シンポジウム・講演会とも盛況で、今後の河原の未来を考え ていくよいきっかけとなった。 (資料 感想(抜粋) ) - 70 - (2)課題 成果がたくさんあったが、課題も山積みである。まずは、いかに「指導連携項目」や「卒業するま でにつけたい力」を具体的に実践し、どう評価していくかである。来年度は、学校のみならず、総合 支所や各公民館、そして各地域や各家庭にも「めざす姿」を広報し、浸透させていかなければ本物に ならないと考える。 メディアコントロールの取り組みは、継続し浸透させていく必要があるが、 「必要ない」というア ンケート回答の中身を検証し、 「できているから必要ない」のか、 「関心がなく必要ない」のかをはっ きり評価したい。いかに親の意識改革をしていくかが課題である。 あいさつ看板は、今後も町内に増やしていき、自然とあいさつが交わせる「あいさつの町 河原町」 を目指していくためにも、キーワードは「まず、大人から」である。大人が変わらなければ子どもは 変わらないのである。平成24年度には、町統一テーマを「あいさつ」に決め、それを「横断幕・垂 れ幕」にして、各校に掲示するという計画で実践した。 「河原中教育を語る会」の反省を生かし、平成24年度は、 「河原町の未来を語る会」として、小 中学生の代表が、町の未来や、大人に言いたいこと等をシ ンポジウムとしてするといった取り組みをした。河原町の 良さを発見し、未来に向けて河原町をどんな町にしたいか、 町の活性化のための子どもたちの意見を取捨選択し、行政 や地域に広める必要がある。 さらに、もっと全町民が関心を持つような「町づくり」 に視点をおき、 「夢のある河原町づくり」に少しでも発展 できればと思う。子どもたちの願いが反映され、大人にな (資料3 って住みたい街づくり、元気があり、勢いのある河原町づ 河原町の未来を語る会のシンポジウム) くりを、子どもの目線で語り合い、大人のやる気で実現し ていくような取り組みにしたい。 7 資料 資料1<保・幼・小・中・家庭・地域でめざす指導連携項目> - 71 - 資料2<例 小学校卒業までにつけたい力> 「河原中教育を語る会」 ・ 「河原町の未来を語る会」の感想(抜粋) <河原中教育を語る会シンポジウムより> *生徒、幼稚園、PTA、行政それぞれの立場から意見が聞 けて、参考になった。大人がもっとがんばらねば。 *シンポジストに生徒会長が参加という姿勢がすばらしい。 しっかりとした考えを持っていて大変うれしかった。特に 子どもの口から地域に出かけて交流を深めていきたいと いう前向きな姿勢は素晴らしい。河原中出身者が同じ会場 につどい、今の河中、河原を語っていく第一歩として本日 のシンポジウムは有意義であった。河原町を変えるいい機 会である。 *中学生はよい兄であり、姉であってほしい。中学の兄姉さ んはすごい、と思わせるような開かれた河原中にしてほし い。 *アンケートを取るだけでなく、 「地域に貢献したい」とい う自分の思いを語ることができ、リーダーとしてすばらし いと思う。 (資料4 河原中を語る会のシンポジウム) <講演について> *保護者と共に歩むことの大切さを熱く語っておられたの が印象的。学校と家庭のつながりの大切さを改めて感じた。 *昨今難しいのが保護者対応。本気で関われる覚悟があるか どうかだ、とわかった。 (資料5 教育を語る会 講演より) <その他> *中学生には運動会、学習発表会、作品展などの学校行事でよく手伝ってもらっています。 *河原中から発信して、このような会を多く企画して下さることを願う。地域に参加する河中、地域を 迎える河中をめざしたい。 <河原町の未来を語る会シンポジウムより> *和太鼓や総合学習の発表は、中学生とは思えない力強さ、 すばらしさだった。この希望、未来をどう実現し、大人 たちが考えるか。もっと大人と子どもの意見交換の場を 持てればと思う。 *調べる力、まとめる力、発表する力に感心。この発表は 大人へのメッセージ。想いを実現させるためには、大人 の支えが大切。小中学生の皆さん。河原町に将来ぜひ住 んで、子どもを育てて下さい。 (資料6 河原町の未来を語る会の和太鼓演奏) *子どもの活発な意見がよかった。大人がもう少しつっこ んだ意見や答えが欲しかった。行政にも今日の子どもたちの意見を大切にしながら答えていただけれ ば有り難い。 *子どもたちが参加するシンポジウムはあまり例がないと思う。これからも是非続けて。 *子どもの前向きな考えを知り、私たち大人が変わらないといけないと感じた。 *自分たちの町は、その町に住む皆でよくしていくものなので、このような会が盛んに行われ、活気あ る町づくりにつながればいいと思う。 - 72 - ≪PTAによる子どもの生活リズム向上促進事業≫ 「PTAによる子どもの生活リズム向上促進事業」の取り組みについて 米子市立弓ヶ浜中学校PTA 1 はじめに 弓ヶ浜中学校は、弓浜半島のほぼ中央に位置し、東に白砂青松の海岸線をもつ美保湾、 西に中海、南東に秀峰大山を望み、四方を畑に囲まれた自然環境豊かな学校です。校区は 富益町、夜見町、彦名町の3地区に分かれ、弓ヶ浜小学校と彦名小学校の2つの小学校が あります。 本校PTAは、正副会長、総務部、広報部、保 健体育部、厚生部、人権教育推進部、学年部で構 成され、様々な活動を行っています。その中で子 どもたちの基本的な生活習慣の確立をめざした 活動をご紹介します。 2 活動の概要 (1)アンケート調査 本校PTAが鳥取県PTA協議会より「PTAによる子どもの生活リズム向上促進事 業」のモデル事業実施PTAに選出されたのに伴い、生徒の生活習慣を把握するため「基 本的生活習慣アンケート」を実施しました。 アンケート内容として「学校での出来事などを家庭で話しますか」 「携帯電話を持って いますか」 「普段家庭学習をどれくらいしますか」等をあげています。 アンケート結果として、生活が多様化し、中学生になって習い事などで帰宅が遅くな るなど生活のリズムが変わってきており、就寝時間が遅くなり、不規則な生活になって きている傾向がみられました。 この結果をみて、自覚とやる気、それを導く環境を親子で共に築いていく事が大切で あると考え、アンケート結果を広報紙に掲載し啓発活動を行うことにしました。 (2)あいさつ運動 弓ヶ浜中学校は、以前より地域の青少年育成会の方々の協力を得ながら、生徒会を中 心にあいさつ運動に力を入れてきました。その成果もあって地域の方や他校の方から「弓 中の生徒は気持ちのいいあいさつをしてくれる」という声が聞かれるようになってきま した。あいさつを通して思いやりや感謝の気持ちや豊かな感情が育つと考え、昨年度よ り保護者も一緒に参加するようになっています。 (3)全校豚汁DAY 我が校では、12月に生活の基礎である食を通し、食 べ物を大切にすることや命の大切さを子どもたちに考え てもらいたいという気持ちで「全校豚 汁DAY」を実施しました。 - 73 - 当日は地域で採れた材料を使い、保護者が朝から豚汁を作り、 昼食の時間にあわせて暖かい汁を子どもたちに提供しました。 子どもたちにも「苦手な食材も食べられた」 「暖かくておいしか った」と好評で、食べることがいかに大切かということを学ん だ1日でした。保護者も子どもたちの喜ぶ姿を見て、作る喜び を感じました。 米子市では平成27年度から中学校給食が開始される予定で ありますが、それまでは子どもたちのために、年に1度ですが 続けていきたいと思っています。 (4)いきいきキャンペーン 弓ヶ浜中学校区では、校区内の保育園、幼稚園、小学校、中学校でメディアコントロ ールを重点目標に『にこにこ家族会議』を年2回行い、子どもたちがテレビやゲームに 夢中になり、生活時間が乱れたり、学習がおろそかになったりしないよう取り組んでみ ました。 中学生は友だちとのつながりが強くなる思春期だからこそ、家族とのコミュニケーシ ョンを大切にしてほしいという願いと、家庭学習に取り組みやすい環境を整えていきた いという考えから弓ヶ浜中学校全員で行いました。年2回の取り組みですが、生活リズ ムを見直すよいきっかけとなりました。 このキャンペーンによって弓ヶ浜中学校区の子どもたちの生活リズムが向上していく 機会になったらと考えています。 3 おわりに 中学生になると、部活動、習い事などで時間的に忙しくなり生活リズムが変化していき ます。また、今の時代、テレビ、パソコン、携帯電話など子どもたちが興味を持つものが 周囲に溢れています。 夜更かしをして朝なかなか起きられない、朝食を食べない、メディアに夢中になるとい った生活にならないためにも、親子でじっくりと話し合い、安定した生活リズムを作って いくことが大切であり、意識付けが必要です。また、子どもが自分の部屋に孤立すること なく家族の団らんができる時間と場所を確保するようにしたいと考えています。 2年間この事業に取り組み、基本的な生活習慣を見直すよいきっかけとなりました。今 後も引き続き、学校・家庭が連携して取り組んでいきたいと思っています。 - 74 - PTA活動の手引き みんなのPTA第41集 平成 25年3月発行 鳥取県教育委員会 家庭・地域教育課 〒680-8570 鳥取市東町一丁目271番地 電話 0857-26-7521 ファクシミリ 0857-26-8175 - 76 -
© Copyright 2024 ExpyDoc