志摩の 6 月は御神田さんと呼ばれる日本三大御田植祭と天下の奇祭といわれる潮かけ祭りがおこなわれます。 御神田さん 磯部の地に親しまれ、守られた古代からの神事の御田植え 6 月 24 日伊雑宮(いざわのみや、いぞ うのみやともいう。)で御田植祭りがおこ なれました。この祭りは、千葉の香取神 宮、大阪の住吉大社、とともに日本三大 御田植祭のひとつに数えられ、国指定の 重要無形民俗文化財に指定されていま す。お祭りは、伊雑の宮に今年の奉仕員 の人たちがお参りします。修祓(しゅはつ) を受けて御田へ出発していきます。 御田では田船に太鼓打が乗り込み苗取り がはじまります。なかなか艶やかな風景 です。 勇壮さと華やかさと荘厳が入り混じる古代からの神事に見惚れる 神田の中央に設置された、裸男たちが「太一」と書 かれた大きな団扇(今年は雨と強風のためか神事が 始まる前にこの部分が破れてました。)のついた忌 竹(いみだけ)を奪い合う「竹取りの神事」 男が奪い合う、この竹の一片を船に祀れば豊漁とな ると伝えられるため、男たちは荒々しい奪い合いを 繰り広げる。これは海の豊漁を願う神事でもあるの です。この後華やかな.御田植神事へとつながってい きます。笛や太鼓の演奏の中、早乙女と田道人(た ちど)が横一列になって苗を植えて行きます。半分 ほど植え終えたところで、やくびとにお酒が振る舞 われるます。この後、簓によって、「さいとりさし」 が舞われ、祭りはクライマックスへ。 休憩を挟ん だ後、「エイエイシャントセー」という踊り込み歌を 歌 いな がら 、神 田から伊 雑宮 一の 鳥居 までの約 200m を 2 時間かけて練り歩くます。この後神事を 締めくくる.千秋楽の仕舞( 太鼓と簓によって舞わ れる、短い舞)をもって祭りは終わります。 豊作と豊漁を願う歴史の伝承 御神田さんの 6 月 24 日は、倭姫命の巡幸の際 に 7 匹のサメが野川を遡上(そじょう)し、 命に伊雑宮の鎮座地を示したという「七本鮫」 伝承に基づき、毎年この日には 7 匹のサメが 伊雑宮に参詣するとされ、近隣の漁師は休漁 する習慣があるそうです。 海と里が融合する志摩らしい伝承といえるの ではないでしょうか。 最寄駅:近鉄志摩線上之郷駅から徒歩約 5 分 最寄バス停:三重交通川辺(かわなべ)バス 停から徒歩約 10 分 一般国道:国道 167 号から約 200m 最寄インターチェンジ:伊勢自動車道伊勢イ ンターチェンジから約 20km 駐車場:約 20 台分の駐車場があるほか、隣接 する御神田さんの前にも駐車できる 海の女神様の里帰り 真摯で奇天烈海の神事 780 年あまりの伝統を誇る天下ごめんの奇祭といわ れる。海の女神・市杵島姫命(いちきしまひめのみ こと)が大島の祠(ほこら)に里帰りするのをお祝 い、海女や漁師がアワビなどのその日の収穫をお供 えし、海の安全と大漁を祈願する神事です。神事の 後、船同士、人同士が海水をかけ合ったりする、天 下ご免の祭りです。正式には「大島祭」といい、古 くは神様の祭りという意味で「じんじん(神々)」 とも呼ばれていました。この祭りは昔から海女さん や漁師さんが取り仕切るのが海のお祭りでお盆に 帰らなくても、潮掛け祭りには帰るという和具の地 に根付いたお祭りです。 1 年に 1 回の大島渡には祈りと感動がある 朝和具漁港から、市杵島姫命をお乗せした船が大島に向かっ て出発します。神様の乗る船は「まんどう船」と呼ばれ、和 具で一番新しい船が選ばれます。まんどう船と一緒に地元の 漁船も大漁旗を立てて大島を目指します。 大島に着くと、乗船していた人たちは全員、大島に上陸しま す。 これが 1 年に 1 回のみ大島渡りとなります。神様とともに大 島へ渡る海女さんや、漁師さんたちは 1 年の無事への感謝と 来年もとの熱い思いが込み上げてくるのです。 そして、祭りの役員さんと海女さん漁師さんたちが一同を代 表して祠にお参りし、朝に獲ったアワビやカツオなどの海産 物を奉納し、1 年の海上安全と豊漁を祈願します。その神事を 終えて関係者一行が船に戻ってくると、いよいよ、この祭り の名前の由来にもなっている潮かけが始まるのです。 大島での神事を終えると、まんどう船と漁船は和具の港に戻り ます。そのときに、けがれをはらい清める意味で、文字通り、 海水(潮)を船同士でかけ合います。昔からの言い習わしで、 まんどう船に一番最初に潮をかけた人が一番幸せになれると いうので海上にいるすべての船がまんどう船に一斉に群がる のです。陸から見ていると壮観な眺めです。 海上では、船足の速い船が遅い船を待ち伏せして放水したり、 大きい船と小さい船が激しくやりあったり、あちこちで激しい 水のかけ合いが繰り広げられます。さらに、港に戻ってきてか らは、岸にいる人たちめがけて放水するので、観客も陸にいる からと油断していると全身びしょ濡れになってしまいます。初 めての人には、荒っぽいことだと思われますが、地元の人たち は、潮かけの水をかぶると幸せになって、一年間風邪をひかな いといわれているので喜んでぬれています。またこのお祭りは 参加したい人はだれでも参加できるので、1 年の縁起のよさを 求めにおいでください。ぬれた後は各民宿さんが無料でお風呂 を開放してくれます。 第 1 回の伊勢志摩ツーデーウオークのあと、伊雑の宮を歩いてみたかったというご意見、志摩町 って何があるのというご質問を多くいただきました。多分この 6 月のお祭りによるものではないか と事務局は考え、志摩を代表するこのお祭りをご紹介させていただきました。機会があれば、この 地を訪れていただく参考になればと思います。また、お祭りの時期にはできませんがこの地を訪れ ていただけるコースも次回に向けて考えてみたいと思う事務局です。ぜひ訪れてみたい地域などご ざいましたら、教えてください。次回のツーデーウオークにむけて参考にしたいのです。 伊勢志摩ツーデーウオーク事務局より
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