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日忌様の祠【ひいみさまのほこら】
所在地:泉津木出場
波治加麻神社の鳥居の前を左に折れ、200m ほど進んだ左側の陽光がさえぎられた森の中
にある木の根元に 2 基の祠がある。この祠は日忌様をお祀りしたものだと言われている。
この日忌様とは波治加麻神社に伝わる話である。昔、25 人の青年達が泉津にいた悪代官を
殺し、この神社の境内にあった一番大きな杉の木を伐倒して作った丸木舟で脱島した。その
後、利島、新島、神津島に辿り着いたが、どの島も後難を恐れたことから匿ってもらう事が
出来ず、一行はそのまま行方不明となった。その霊が毎年 1 月 24 日の晩に波治加麻神社に
帰ってくるという。24 日の晩に家々の神棚に 25 個の餅、海から採取した小石とトベラ、ノ
ビルを供えた。もしこの餅が鼠害にあえば、その家に不幸災難が見舞うとされた。当日の夜
は一切外出せず海を見ず、静粛に過ごしたという。泉津地区住民のほか、新島や神津島でも
日暮れ前から家の中でひっそりと引きこもる風習がある。この風習は簡素化されながらも現
在に受け継がれている。