第三 回印 東太 郎賞 授与 式・ 受賞 記念 講演 日時: 10月4日(土) 16時30分~18時 場所: 東京都港区三田 2-15-45 慶應義塾大学三田キャンパス南校舎3階 437教室 (事前申し込み不要、参加費無料) 受賞者: 河原純一郎 氏(中京大学大学院心理学研究科、日本基礎心理学会会員) 演題: 注意と魅力のメタ認知 「印東太郎賞」設立の経緯 印東太郎(いんどう たろう)慶應義塾大学名誉教授・カリフォルニア大学名誉教授 1923 年生まれ、1945 年慶應義塾大学文学部卒業後、同大助手となり、1973 年まで同大教授。 その後、カリフォルニア大学アーヴァイン校教授となり、2007 年米国で死去。 没後、遺言に基づき慶應義塾大学文学部心理学研究室へ寄付がなされ、その寄付金を基金とし て印東太郎賞が制定されました。この賞は印東太郎博士と関係の深かった日本色彩学会、日本 基礎心理学会、日本行動計量学会、日本認知心理学会からの推薦を受けて、選考委員会が授賞 者を決定するものです。 受賞者紹介 河原純一郎氏は基礎心理学,認知行動科学を専門とし,得られた知見の産業場面への展開を行 っておられる気鋭の研究者です。行動や生化学指標にもとづく実験法を用いて,注意記憶,顔認 知,魅力評価,ストレスの研究を中心に活躍しておられます。特に,個人々々のもつ注意について の能力感(メタ注意)と現実のギャップを際立たせる,独創的な手法をもちいた研究成果は国内外 の研究者の注目を集めています。例えば,従来は能動的に注意を制御している証拠とされた行動 成績を示した被験者でも,実は自分では何をしていたかを把握できていなかったことを実に単純な 方法で明らかにしました(Kawahara, 2010; Kawahara et al., 2012)。さらに,産業場面で求めら れる注意の計測,魅力評価に関する問題解決に取り組む過程で,柔軟な発想と優れたアイディア からいくつもの共同研究プロジェクトを研究成果に結び付けています。成果は Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, Attention, Perception & Psychophysics, Journal of Vision, Psychonomic Bulletin & Review, Consciousness & Cognition, Cognition & Emotion, Anxiety, Stress & Coping, 基礎心理学研究,ストレス科学な ど国内外の多様な学術誌に掲載されています。氏の研究スタイルから生まれる成果は,認知行動 の基盤である注意機能と,それを考慮して能動的な行動を行っているはずの人間への理解を深 めるだけでなく,産業研究と心理・行動科学研究双方の展開に貢献することが期待されます。 (学会推薦文より)
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