自然と文化の探検団

自然と文化の探検団
第6巻 第4号
発行日:2003.7.4
郵便振替口座番号 00990­9­ 78405(口座名 生活創造ネット)
神戸市須磨区横尾3-7-42
電話・FAX 078­742­1357(井上)携帯電話:09043001512
E­mail : aki­[email protected]­net.ne.jp
http://www001.upp.so­net.ne.jp/sizentobunka/
大地に生きる DNA
井上あきら
6月の初旬、高知県土佐山田町の森で5日間過ごす機会がありました。その間森に入って間伐材を利用した木工
や炭焼き、きのこ栽培やマムシを捕えてマムシ酒までつくりました。強度の山歩きや労働でも疲れを感じることは
ありませんでした。今までと違った安らぎを感じながら過ごした森林体験でした。この安らぎは何だろう?長い間
忘れていた遠い記憶の中に、確かに経験したことのある感覚のような気がします。人間が大地に根ざした生活に
第73回探検行7月17日(木曜日)7:30 出発
四国三郎・吉野川 と 徳島市
7月中旬は梅雨末期の豪雨があり全国の川は増水しま
すが、徳島県を東流する吉野川のそれは凄まじいばかり
です。川のめぐみがつくった都市・徳島市のめぼしいと
ころを探検することにしましょう。
眉山、徳島中央公園(徳島城址)、藍染の館・古花染工
場、阿波十郎兵衛屋敷など
第74回探検行7月29日(火曜日)8:00 出発
大阪の博物館めぐりと昼食会
今年の夏休みは“近所のおじさん・おばさん”とし
て子どもたちを博物館に案内していただけませんか。
何か大きなものが与えられると思います。その下見と
して、大阪市自然史博物館・同植物園、国立民族博物
館など、一緒に見て回りませんか。
第75回探検行 8月12日(火曜日)8:00 出発
戻ったときに、36億年のDNAを刺激して生まれる心
の安らぎが、神から授けられた本来の人間の性ではな
いかと感じさせられました。
経済成長の止まった現在を「失われた10年」と騒
いでいる日本人は、いまこそ日本文化に根ざした新し
い生活習慣をつくりだす絶好の機会としたいですね。
パソコン110番
8・18・28日 当日が月曜日のときは翌日
7月28(月)、29(旅行日)ですので30日が110番
場所:クリスタルタワー4階
連絡先:山田喜久子078­781­0239
7・8月 パソコン教室は夏休みです
ダンス&ダンス レッスン日
7月11日(金曜日)13:00~15:00
7月22日(火曜日)15:30~17:30
地下鉄名谷駅前 健康館
京都の博物館めぐりと昼食会
ペテルベルグ(旧レニングラー
ド)に40以上の博物館があること
から、パリやローマにいくつの博
物館があるか考えてください。千
年の歴史を持つ古都・京都は社寺
の宝物館を博物館と考えると、す
国立京都博物館
ごく大きな数になるでしょう。
今回、京都市文化博物館、国立京都博物館、京都大学
博物館、相国寺宝物館、京都植物園などから選定しま
しょう。知的興奮で頭が爆発するかもしれません。
第76回探検行8月21日(木曜日)7:30 出発
鳳来寺山と長篠古戦場
鳳来寺山をご存知ですか。探検団として最長のコー
スとなる筈です。東海道豊橋駅の北
で、途中、豊川稲荷と長篠古戦場跡に
も寄りましょう。自然歴史の凝縮され
た場所です。
豊川稲荷
俳画教室
8月は夏休みです
開催日:毎月 第2木曜日・第4木曜日
午後1:30~3:30
場所:クリスタルタワー6階
矢野恵美男 TEL/FAX:078­591­2558
観劇クラブ“ドラマふれんず”
7月例会
文化座公演 若夏(うりずん)に還らず
8月例会
こまつ座公演
頭痛肩こり樋口一葉
真砂みね子 TEL/FAX:078­591­4669
http://homepage3.nifty.com/koberouen/
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03.5.1 第69回探検行
新緑・湖東散策
稲元繁子
「皆さんは空をみましたか?今朝の空は雲ひとつない好
とお坊さまのだるまのご利益”のお礼参りができて嬉し
い天気ですよ。今日は全く雨の心配はいらないと思いま
かったです。
す!」と探検団専属の〔われらがガイドさん〕の満面の笑
しゃくなげ渓で見た天然のそのものは、想像をはるかに
顔がありました。車中で門脇先生より、テキストの解説と
超えるほどの樹丈でした。それにしても探検団の花暦は百
本日の行程の説明を受けて、イメージトレーニングは万全
パーセント的中ですね。山の斜面を覆い尽くして誇らしげ
いよいよ探検へと参りましょう。
に咲くしゃくなげを眺めなら食べたお弁当はもう最高!
まずは石塔寺へ‥、探検団貸切状態
いつもながらのこだわり弁当に感謝で
の参拝です。先生のご案内どおり、韓国
す。
風 の塔(韓 国の 男性が 被る 帽子を 形
車窓から見る近江平野の緑の麦畑、
どったという)と大小様々な無数の石
少しずつ色を変えやがて麦秋になり収
塔が目に飛び込んできました。あたり
穫を迎えるであろうことに思いを馳
はこんもりとした山に囲まれて、小鳥
せ、ふと懐かしい気持ちになりました。
がさえずり四季の草花が咲き誇ってい
本日の締めくくりは、彦根城博物館。
ます。永眠の地には大変ふさわしい良
能衣装の展示物を眺めていると、熟練
いところだなあと感じました。”ここに
した先人の職人技が織りなした作品は
眠る渡来人達はどのようにして海を
時代の流れや古さを感じさせないどこ
渡ってきたのだろう‥、拉致‥?ある
ろか、むしろ斬新さを覚えました。
いは黄金の国ジパングへ富を求めて来
石塔寺
しかし最後にやってしまいました!
たのか理由はどうあれ、日本での生活はお幸せでした
バスの待つ駐車場へ向かっているはずが、行けども行け
か?どうぞ安らかに‥“と心で問いかけてお参りしました。
どもたどり着かないのです。迷ってしまったと焦ればあせ
永源寺は秋季の頃と比べるとひっそりとしてまるで別
るほど方向が定まらず、半べそをかいて右往左往。ようや
世界のようです。春の陽射しがもみじ若葉を照らして、透
くたどり着いて迎えに出ていた心配顔の〔われらがアイド
明なうすみどり色をかもし出しています。小鳥のさえずり
ル〕氏の姿を見ると、ホッと涙があふれてしまいました。
を聞き木漏れ日を浴びながら参道を進みますと、なんと
皆さん帰宅時間が遅くなってゴメンなさい。
神々しいことでしょう!このたびの探検行に参加できた
あとで聞いた話ですが、お城には人を迷わす魔法?が、
ことに大変感謝しました。実は昨秋ここ永源寺に来る機会
いにしえの智恵の迷路としてのこっているそうですよ。そ
があって、その折に《たった一つだけ願いをかなえてくれ
の節は大変ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申
るというだるまさん》に出会いました。この”お地蔵さま
し上げます。
03.5.13
第70探検行
葛城古道・二上山ハイキング
葛城山は予想以上の応募者があり、2台のバスで出発
しました。事前の調査よろしく葛城山ケーブルの混雑を
見越して、早朝登山に変更したのですが、それでもケー
ブルは30分以上の待ち時間でした。
頂上のつつじは遥か彼方の金剛山を背景にして山一面
を真紅に染め、小鳥のさえずりも交えて見事な別天地を
つくりだしていました。
平日の早朝にもかかわらず、次から次へと繰り出す観
光客とすれ違いながら下山しましたが、この調子だと今
後ゆっくりと葛城山を訪れる機会もなくなるのではと感
じてしまいました。
この後のコースは、二上山登山と当麻寺参観に分か
れ、橿原神宮で合流する計画でしたが、交通渋滞に巻き
込 ま れ て W プ ラ ン の 難 し さ を 痛 感 さ せ ら れ ま した。
橿原神宮の玉砂利を踏んで全員が拝観。この神武天皇の
伝承地は、西暦1940年、昭和15年(皇紀2600年)、10
葛城山頂・つつじのパノラマ
万㎡の巨大な地域を、全国の
橿原市今井町の町並み 青
少年の勤労奉仕によって
完成させられたそうで、
メンバーのなかにも、当
時の体験者がおられまし
た。
橿原神宮に程近い今井町
は、天正年間から栄えた
町並みで、重要伝統的建
造物保存地区に指定されています。多くの人が時間不足
で見残しが多かったようですが、再度訪問したい場所の
ひとつになりました。
洛北で出会った三つの花
田口ふみ代
鞍馬山登山を諦めた五人は貴船神社にお参りし、花の
残ったフタバカンアオイ(双葉寒葵)を見つけました。
この葉は徳川家の紋所三つ葉葵のモデルで、私は数年前
日光東照宮で初めて出会い、葉脈の形からなるほどと納
得したものです。また賀茂神社の葵祭りにこの葉を用い
るので別名賀茂葵だそうです。
もう一つ変わった葉の植物、花がなく全く分からな
かったのですが、誰かがシュウメイギク(秋明菊)と教
えて下さるので園芸種?と思い後で調べると、古い時代
に中国から入った栽培品が野生化し、京都の貴船に⇒
が ゃ し
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鞍馬山中・フジの倒木
鞍馬の夢 SC 生環Ⅸ期 井上和美
「春雨だ濡れて行こう」に応じてくれる方も
なく、小雨のなかを傘を片手にいざ鞍馬の山
中に足を踏み入れた。腹拵えも必要と本堂の
境内をお借りし休憩を兼ね昼食に及んだ。信仰深い方々
のお参りも済ませ、そこそこに貴船への山越えを三々
五々挑む。仏門に帰依しながら剣道に明け暮れた牛若丸
が木立ちの中、烏天狗とともに修業している様が見え隠
れしているようであった。 山中の道は舞台の花道のよう
にきれいに整備されていた。貴船では川床が設けられて
いたが観光客の姿も少なく、せっかくの馳走もお茶を引
いている様子であった。
松本恒司
貴船渓谷を歩く
む
道の莪著
SC生環Ⅶ期
仏石す産苔てれぬ
ふ匂里の原大 雨に蘇紫青
荷茗花の宿の船貴 るぼそれ濡
しらむ棲鹿河
う ゅり せ
道生芹りよ船貴
や花 の卯
ゐ てれ荒 は村る降 雨
先日の北山行脚、とても愉しゅう
ございました。やはり京都は雨が似
合うようです。小生ほぼ50年前、
当地に棲息していまして、5年ほど
惰眠をむさぼっておりました。その
間何度かあの辺りを跋渉した記憶が
あり懐かしい限りでした。いい機会
をつくって下さって感謝です。当日
の感慨に、臆面もなく拙句をつくっ
てみました。
初夏の鞍馬・貴船・大原
ず
03.6.10 第71回探検行
後方からの馬の気配に振り返ると、白馬に乗った鞍馬
天狗と子供の笑みがあった。杉作が「おじさん」と天狗
にマイクを差し出すと鞍馬天狗曰く「暗いのぅ今の世
は!日本の夜明けはまだまだだ。 しかし探検団の方々は
お若い アッハァハァハァハァーーーー」と笑いながら馬
に一鞭当て杉作と共に立
ち去って行った。
天狗
に負けないように頑張っ
て今後とも探検団に参加
させていただきたいと
思っております。
上賀茂神社
03.6.26 第72回探検行
北摂・妙見山と南丹・るり渓
6月26日は愉しき思い出になりま
した。梅雨の真ん中で天候も心配な
一日。その日が近づくにつれ、天気
予報をいつもより真剣に眺めていた
私でした。
るり渓流を歩く
元来、晴れ男たることを自負して
いたのですが、前回参加した永源寺のバスのなかでも
「人は他の人のため、更には何事も良きこととして考
え、良き結果を信ずる」と話された先輩の言葉に甘えつ
つ迎えた当日、好天に恵まれ結果は楽しい一日でした。
霊験あらたかとされる妙見山。それにもまして600㍍
の低地には珍しく、本殿の裏山に潜むブナの大木は凄
かった。
「野間の大ケヤキ」も凄かった!幹のうえに一戸立ち
家も建てられるのではと思いました。
⇒多かったので別名は貴船菊というそうです。
あと一つは大原三千院の庭園で見つけた寒葵です。根
元に咲く海老茶色の変な花は寒葵に特徴的な口の開いた
茶碗型ですが、これは小さく閉じたおちょぼ口、その名
もミヤコアオイ(都葵)都人のおちょぼ口
から付いた名前かなと勝手に思いました。
今度の紀行で印象深かった三つの植物、い
ずれも京都にふさわしい植物なのが少し不
思議です。(山渓ハンディ図鑑 参考)
カンアオイ
SC生環Ⅶ期 藤川允文
るり渓の自然がつくりだした川底景観は素晴らしいも
のでしたが、上流の人造湖から流れ出る汚染水で濁って
いるのが気になりました。人間が環境に手を下すときの
姿勢や手段によっては、思わぬ結果が表れるのでは、自
然に対しては真剣な思いやりの心で接することが大切だ
と思いました。
最初にトイレ休憩で立ち寄った伏尾の久安寺の境内を
参観できたのも思わぬ収穫でした。紫陽花、時計花、沙
羅双樹の花は満開、ベスト状態で迎えてくれました。本
殿の左片隅のごく小さな池の片隅に、真っ青な古来の紫
陽花と散り際の白いバショウ?の花二輪が寄り添っていま
した。感動しました!絵を描くことに夢中になる私は、
いずれこの静けさを描きたいと心しています。
探検団仲間の素晴らしさ、それは車中や散策の中で感
じられるさりげない会話と行動にあると思いました。
‥‥ 感謝
野間の大ケヤキ
妙見山のブナ林
生活創造センター フェスティバル 2003
探検団 ふれあい広場
5月18日(日曜日)
大勢の皆様にお越し頂きまして有難う御座いました。
山田喜久子記
喫茶コーナーでは用意していた、紙
コップ等、全部使い切りました。
コーヒーやクリーミーパウダー日本茶
紅茶多くの差し入れを頂き有難う御座
いました。
スタッフの皆さんは、忙しく立ったま
までの給仕でした。お疲れ様でした。
若い南部由里さんにお願いし
て、パ ノ ラ マ 写 真 の 作 り方 講
習、せっかくのプロジェクター
が使えませんでしたが、皆さん
真剣にメモを取っていました。
播磨灘を守る会主催のエコツアーに 探検団から4名参加しました
2003年5月24・25日
琵琶湖周遊エコツアー参加記
初めてエコツアーに参加、4種類の乗り物を楽しみ
ました。快適なロマンスカーデラックスバス、水郷め
ぐりの屋形舟、朝の散歩を楽しんだ余呉湖湖畔の貸自
転車、竹生島往復
の船、どれもバラエティに富んでいました。
水郷めぐりのとき柳絮が綿のごとく風に吹かれて空
中を漂い、そして水郷に夢のように浮かんでいて感激
しました。今日は今年はじめて柳絮を観察した日だっ
たそうです。
野鳥センターの立派な望遠鏡で、つぶさに鳥を観察
できて面白かったです。息子たちが小学校の頃野鳥の
会に入っていて、長男は今でもバードウオッチングの
会員です。
余呉湖の国民宿舎で地元の漁師さんのお話を興味深
く聞きました。漁師三代目だそうですが、大変に漁獲
量が減っているそうで残念です。
船で渡った竹生島は、国宝の回廊が素敵でした。
斎藤和子
芦船に 野茨咲いて香りけり
淡水の 養殖真珠青嵐
栗の花 匂ふ竹生の島に立ち
奥琵琶湖 熟年ハーレー青田風
柳絮飛ぶ 水郷巡り夢の如
探検団の旅とひと味違うのは、バスに乗るやビール
が配られおつまみをいただいたことでした。キャリア
のある方ばかりの24名でした。
水郷めぐりの屋形
舟から 近江八幡
掲示板
バスの出発時間
バスの出発時間は7時30分が通常の時間です。時どき変更
がありますのでご注意ください。7月の大阪博物館と8月京
都博物館は8時00分です。
メールアドレスお持ちの方
会員の中でメール交歓されている方は、ご連絡くださ
い。探検団では会報のほか、メールやホームページで新し
い情報を会員の皆様に流しています。
aki­[email protected]­net.ne.jp にメールをいただければ
引き続き情報を送ります
パソコン110番は駆け込み寺
8,18,28日はクリスタルタワーでパソコンの教え合
いをしています。操作がうまくできないとき、気軽に相談
ください。110番の会員でなくても、困ったときは多くの
方がお見えです。お気軽にどうぞ。
★梅花から新緑までの時間は矢よりも速やか
でした。ウメ→サクラ→シャクナゲ→ツツジ
編集後記
の季節はあっという間に過ぎて、貴船ではア
ジサイの花が雨露に七色の輝きを映し出して
いました。今年も貴船まで5回の旅程を終了しました。
★湖東散策のとき集合時間に遅刻した稲元さんに寄稿をお願
いしました。反省だけなら猿でもできますが、このように態
度で示すことは素晴らしい!これから時間に遅れた人は寄稿
すること。是非習慣化しましょう。
★会報の用紙は市販されていない少し厚手のものですが、真
砂みね子さんに格安で世話していただいています。発送用の
封筒も再生加工を一人でして提供くださいました。探検団に
はいろいろと凄い人脈が沢山ありますネ。
★今年は新進気鋭の新メンバーが多数加入されましたが、旅
行紀行文など気軽に応じてくださって感謝しています。将来
の発展がますます楽しみになってきました。
★夏の博物館めぐりは、身近なところでの思わぬ発見と思わ
ぬ美味しい食事ができるかも知れません。
(A.I)