第2回 下馬栄養倶楽部 経腸栄養で行こう! 伊在井 PEGのヒミツ 特別ゲスト 隅田志衣先生 2014年6月17日 NST委員会 胃の豆知識 下部食道括約筋 横隔膜 His角 胃排出 糖質は速い 脂質は遅い 胃底部 胃内残渣 12時間で 300ml以上 →経腸栄養躊躇 逆流防止機構 仰臥位で最も低い ★経腸栄養は頭高位で! 胃液 1日2L前後,pH 1.0 仰臥位 十二指腸の役割 胆汁,膵液の分泌 胆汁:脂肪の消化 膵液:重炭酸含む →胃液を中和 ★1日2-3L。 消化管ホルモン 胃前庭部:ガストリン 十二指腸:セクレチン,CCK-PZ トライツ靭帯 ★液体の栄養剤では恩恵うけにくい? 空腸との境 栄養チューブの位置 頸部食道 25cm 幽門輪 70-75cm 胃 55cm 十二指腸 85cm< 経腸栄養剤の最大投与速度 *原則徐々にステップアップ 胃 250ml/hr 間歇投与可 小腸 150ml/hr 持続投与が安全 (ポンプ推奨) *胃切除症例も 小腸の役割 栄養の吸収 空腸:単糖類 ペプチド,脂肪 回腸:胆汁酸塩(腸肝循環) ビタミンB12 ★水分の8-9割を吸収 ★テニスコート1面分の面積 大腸の役割 水分の吸収,送便 右側:水分多い 左側:固形 腸内細菌の住み処 腸内細菌が 食物繊維から有機酸を産生 →大腸粘膜細胞のエネルギー源 ビタミンB,Kの合成 正常な 腹部X線写真 大腸ガス(+) 小腸ガス少ない 胃拡張あります。 NGTの排液が 多いです。 どうしましょう? 腸が動かないときはどうしましょう? 小腸の拡張 大腸の拡張 動かぬなら、 動くまで待とう、 ほととぎす。 動かぬなら、 とっとと 静脈栄養にするわい、 ほととぎす。 家康派 秀吉派 動かぬなら、 ガストロ 使ってみましょ、 ほととぎす。 閉塞ないのが前提ネ! 信長派 ガストログラフィン 100ml服用 3時間後 翌日 栄養剤選択の着眼点 1.経済的理由: 食品 vs 医薬品 2.種類:成分栄養/消化態栄養 vs 半消化態 3.濃度: 通常濃度 vs 高濃度 4.形状: 液体 vs 半固形 5.NPC/N 蛋白質多い vs 普通 当院採用医薬品栄養剤 消化態栄養剤 成分栄養剤 エレンタール ★国内で15年ぶりに 医薬品の栄養剤が新発売! 半消化態栄養剤 エンシュア エンシュアH ツインライン ラコール エネーボ DPCでは医薬品による持ち出しの低減に →入院中は食品利用を!! 看護師業務の低減、 細菌汚染の減少の目的に お手数ですが、 在宅へ 退院の際は 医薬品へ 切り替えを お願いします。 →RTHを!! 食 品 使 用 に 栄養剤の種類と特徴 成分栄養 消化態 半消化態 窒素源 アミノ酸 ペプチド 蛋白質 脂肪 1-2% 少ない 多い 残渣 なし 少量 少量 浸透圧 最も高い 高い 比較的低い チューブサイズ 5Fr以上 8Fr以上 8Fr以上 味 悪い 悪い 良い 適応 高度の 消化吸収障害 中等度の 軽度の 消化吸収障害 消化吸収障害 採用品 エレンタール ツインライン ペプタメン エンシュア ラコール 多数の食品 栄養剤とチューブの相性 ★成分栄養・消化態は詰まらないので、 細いチューブでOK。 ★嚥下訓練には細いほうが良い。 ★半固形は、経鼻経管投与が難しい。 減圧用 経鼻胃管 16Fr 栄養用 経鼻経管 14Fr EDチューブ 最細が 6.5Fr 食べる予定があるかたにぜひ! 栄養剤の濃度 通常 1kcal/ml 1.5kcal/ml エンシュアH 高濃度 2kcal/ml アイソカル Bag2K 利用価値 ペプタメンAF ★水分制限。 ★投与時間の短縮。 栄養剤の形状 半固形 (当院採用はハイネゼリー) 利用価値 通常は液体 ★胃食道逆流防止。 (胃切除後のかたには禁忌) ★胃瘻への注入時間短縮。 欠点…NGTから注入困難。 半固形化補助食品も ありますね。 ★ラコールの 半固形剤が新発売! Non Protein Calorie窒素比 NPC/N: 身体に取り込まれた蛋白質(N)が 体蛋白質合成に利用されるために は、窒素1gにつき、非蛋白エネル ギー (糖質、脂質)をどれだけ用いれ ば よいかを示す。 NPC/N = = 非蛋白熱量(kcal) 窒素(g) 総エネルギー量 ー蛋白質によるエネルギー量 蛋白質重量÷6.25 例) NPC/Nを算出しよう! 製品A 1kcal/ml 100kcal中に、蛋白質5.0g、脂質2.2g、糖質14.7g (100kcal-5.0×4kcal)÷(5.0g÷6.25)=100 糖質・脂質からのエネルギー(NPC)が 十分な場合 糖質 エネルギー 脂質 蛋白質 体蛋白質 合成 糖質・脂質からのエネルギー(NPC)が 不足する場合 糖質 エネルギー 脂質 代謝産物 蛋白質 エネルギー 体蛋白質合成 アンモニア 尿素 BUN上昇 蛋白質はエネルギーに利用されてしまい、 体蛋白質合成がおろそかに。 侵襲期は蛋白質異化亢進!十分な蛋白質投与必要! NPC/N 70 重症熱傷 100 敗血症 大手術 外傷 蛋白質多い 6.3g 5.5g 5.0g 5.0g 4.4g 74 74 102 103 119 急性期用! 術前用! 免疫調整 栄養剤 糖質調整 流動食 汎用 蛋白質g/100kcal NPC/N 5.0g 100 半固形 非侵襲期の適正範囲 NPC/N 150 200 侵襲後安定期 脳梗塞 慢性呼吸不全 300 透析導入前の 腎不全 蛋白質少ない 4.4g 4.0g 3.5g 128 140 157 成分栄養 消化態 汎用 1.0g 611 非透析 慢性腎不全 4.0g 4.0g 3.6g 3.5g 133 134 150 157 汎用 汎用 汎用 腎疾患用 状態に応じて栄養剤を変更できます 循環、呼吸の 安定が最優先!! Overfeedingに注意して、 目標の60%に達するよう、 栄養の漸増を目指す!! 侵襲期 病状の改善とともに 目標の100%へ!! 安定期 蘇生期 急性期栄養剤 NPC/N小 ストレス 24~72時間 侵襲 汎用タイプ NPC/N150前後 10~14日 2 経腸栄養での便性状は、 軟便~泥状便であり、 必ずしも下痢とは言えません。 世間の下痢の評価 King’s Stool Chart 1日の合計 15点以上で下痢 1点 2点 3点 2点 3点 4点 4点 6点 8点 8点 10点 12点 ブリストル・スケール 経腸栄養時の 下痢の原因と対策 投与側の問題 速度はやい →ゆっくり 濃い →通常濃度へ 細菌汚染 →RTH利用へ イルリガートルは 8時間以内に終了! つぎたし不可! RTHは24時間以内 でOK! 経腸栄養剤は単体投与が基本です。 水を混合すると 細菌増殖を 招き、 下痢のもと!! 加水は容量オーバーで 下痢のもと!! 腸液で自然に希釈されます!! 腸管側の問題 (+o+) 長期絶食や低アルブミン血症で機能低下 →少量ゆっくりで開始 吸収良い栄養剤へ(エレンタール、ペプタメン) 抗生剤投与による腸内細菌叢変化 →抗生剤終了 CD腸炎の治療 プレバイオティクス(YHフローレ) 乳糖不耐 →乳糖含まない製剤へ(明治以外) 脂肪の吸収不良 →脂肪少ない製剤へ(エレンタール) 胃食道逆流の 原因と対策 逆流の原因 食道裂孔ヘルニア 注入量が多い 仰臥位 胃排泄遅延 幽門機能低下 脂肪多い (+o+) 腹圧上昇 咳,悪心,腹水など 投与側の工夫 頭高位 30度以上 高濃度製剤使用 注入量減らせる 水先投与 ★栄養剤は水の後 30分後に投与 幽門後 チューブ留置 半固形栄養剤 水は栄養剤より胃排出が速い 胃内通過時間 60分 一般流動食 15分 水 7分 OS-1 0 10 20 30 40 50 60 70 胃排泄を促進 ホエイペプチド MEIN,ペプタメン 脂肪少ない製剤 エレンタール 蠕動賦活薬 クエン酸モサプリド メトクロプラミド エリスロマイシン 六君子湯 栄養関連お勧めサイト www.peg.or.jp なんでも詳述されています。 ご清聴ありがとうございました! N S T
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