基礎薬理学 2011 年 中間試験 問1 下記の受容体はどのようなタイプに

基礎薬理学 2011 年 中間試験
問1
下記の受容体はどのようなタイプに属するか?次
体G蛋白が再構成される。
④蛋白と共役する GPCR が活性化されると、エフェクタ
の A~H の中から最も適切なものを選び、カッコ内に記載
ーである⑤が抑制され、⑥から cAMP への変換が減少し、
しなさい。
A)細胞内(核内)受容体;B)主に Na+の流入を起こすイオ
プロテインキナーゼ A の活性が低下する。一方、⑦蛋白と
ンチャネル内蔵型受容体;C)主に Ca2+を含む陽イオンの流
共役する GPCR が活性化されると⑤の活性が上昇して
入を起こすイオンチャネル内蔵型受容体;D)主に Cl-の流
cAMP の産生が亢進し、プロテインキナーゼ A の活性が上
入を起こすイオンチャネル内蔵型受容体;E)主に Gq と共役
昇する。
する GPCR;F)主に Gs と共役する GPCR;G)主に Gi と共役
①(
する GPCR;H)チロシンキナーゼ内蔵一回膜貫通型受容体
⑤(
1)α1 アドレナリン受容体(
問3
)
)
、②(
)、③(
)
、⑥(
)
、④(
)
、⑦(
)、
)
各問の①、②の文章の正誤について、a)①のみ正し
2)GABAA 受容体(
)
い;b)②のみ正しい;c)いずれも正しい;d)いずれも誤り、
3)GABAC 受容体(
)
のいずれか(a~d)を回答欄に答えなさい。
4)グリシン受容体(
1)①アゴニストの EC50 を変化させないで最大反応を低
)
5)アルドステロン受容体(
6)インスリン受容体(
下させるアンタゴニストのことを競合的アンタゴニスト
)
という;②アゴニスト刺激が続くことによって受容体の数
)
7)M1 ムスカリン性 ACh 受容体(
)
が減少することを不活性化という。
8)M2 ムスカリン性 ACh 受容体(
)
2)①高血圧治療薬を長期間投与した後、投与を急に中止
9)M3 ムスカリン性 ACh 受容体(
)
することにより血圧が急速に上昇してしまうような現象
10)副腎皮質糖質ステロイドホルモン受容体(
をアップレギュレーションという;②短時間に薬物を繰返
)
11)非 NMDA イオンチャネル型グルタミン酸受容体( )
し作用させることによって起こる脱感作現象をタキフィ
12)NMDA イオンチャネル型グルタミン酸受容体(
ラキシーという。
13)β1 アドレナリン受容体(
問2
)
)
GPCR に関する次の問いに答えなさい。
3)①受容体のアゴニスト結合部位に可逆的に結合する薬
物のうち、固有活性が 0.5 のものを部分アゴニストとい
1)GPCR による Gq を介するシグナル伝達を図示して詳
う;②遊離型(アゴニストが結合していない状態)受容体
細に説明しなさい。
の固有活性を排除し、受容体機能を抑制するものを逆アゴ
ニストという。
4)①アゴニスト単独の濃度反応曲線を2倍だけ高用量側
へ移動させるのに必要な競合的アンタゴニストのモル濃
度の負対数を pA2 値という;②KD 値は、受容体と薬物の
解離定数のことで、すべての受容体が薬物と結合するため
に必要な最小薬物濃度から求めることができる。
回答欄:1)
(
問4
)
;2)
(
)
;3)
(
)4)
(
)
神経性アミノ酸の受容体に作用する次の物質のう
ち、GABAA 受容体の機能を促進するものは(a)、抑制するも
のは(b)、NMDA 受容体の機能を促進するものは(c)、抑制す
2)GPCR に関する次の文章中の①~⑦に入る言葉を括弧
るものは(d)、グリシン受容体の機能を促進するものは(e)、
内に答えなさい。
抑制するものは(f)を、括弧内に記入しなさい。なお⑩に
ヘテロ三量体G蛋白は3つのサブユニットからなり、受
ついては(e)以外のものを記入しなさい。
容体の休止状態では①サブユニットに②が結合した状態
①ストリキニーネ(
にある。アゴニストが受容体に結合すると、①サブユニッ
(
トに結合した②が③に置換され、続いて①サブユニットが
テロイド(
他の2つのサブユニットから解離してエフェクターに結
モール(
合して活性化する。アゴニストが受容体から離れると、①
⑩グリシン(
サブユニットに結合した③が加水分解されて、ヘテロ三量
);②Mg2+(
);③ビククリン
)、④ジアゼパム結合阻害物質 DBI(
)、⑥フェンサイクリジン(
)、⑧Zn2+(
)
)、⑤神経ス
)、⑦ムシ
)、⑨ピクロトキシン(
)、
問4
アセチルコリンに関する次の問いに答えなさい。
5)上記3)のチャネルを直接阻害する利尿薬は?
1)次の ACh 神経シナプスの模式図中の誤った部分(3
箇所)の番号を括弧内に記載し、どのように修正するべき
6)細胞質の Ca2+を細胞外へ輸送する2つの経路と、筋小
かを簡潔に説明しなさい。
胞体へ輸送する1つの経路に関わる分子を述べなさい。
●細胞外へ輸送:
(
)
と(
)
●筋小胞体へ輸送:
(
問7
)
各記述に相当する薬物名を解答群より選んで回答
欄に記号で答えなさい。
●(
)
●(
)
●(
)
2)線条体において、ドパミン神経の脱落によってアセチ
ルコリン神経の機能が過剰になることで運動機能障害が
起こる疾患は?(
)
3)次の部位に最も豊富に発現する ACh 受容体サブタイ
プを(出来るだけ詳細に)括弧内に記載しなさい。
●自律神経節のシナプス後膜(
●心臓(
)
)
●骨格筋(
)
●心臓以外の副交感神経効果器官(
問5
)
イオンチャネルとイオントランスポーターに関す
る次の問いに答えなさい。
1)IP3 受容体が活性化されて Ca2+ストアが空になること
で活性化される細胞膜の Ca2+チャネルは何か?
2)次の部位に発現する電位依存性 Ca2+チャネルの機能を
括弧内に簡潔に述べなさい。
●血管平滑筋(
)
●神経軸索終末(
)
●膵ランゲルハンス島β細胞(
)
3)腎皮質集合管上皮細胞においてアミロライド感受性
Na+チャネルの発現を促進するホルモンは?
4)上記3)のホルモンの受容体を阻害する利尿薬は?
1)脊髄の GABAB 受容体を活性化する筋弛緩薬。
2)脳内のアセチルコリンエステラーゼを阻害するアルツハイマー
病治療薬。
3)NM受容体を遮断する筋弛緩薬。
4)腎ヘンレ係蹄上行脚の Na+/K+/2Cl-共輸送体を阻害する薬物で利
尿薬として用いられる。
5)ACh 神経終末において ACh の小胞への取込みを阻害して ACh
を枯渇させる。
6)GABA 神経終末において GABA の再取り込みを阻害することで
GABA の情報伝達を促進する。
7)非選択性ムスカリン性 ACh 受容体アンタゴニストで心拍数を増
大させるので除脈の治療に用いられる。
8)NMDA 受容体のイオンチャネルを遮断する解離性静脈麻酔薬。
9)GABAA 受容体のイオンチャネル部位付近に作用して Cl-の流入
を促進する麻酔薬・抗てんかん薬。
10)心臓の Na+チャネルを遮断する抗不整脈薬。
11)GABA トランスアミナーゼを阻害する抗けいれん薬。
12)L 型 Ca2+チャネルを阻害する高血圧治療薬。
13)胃粘膜壁細胞の H+,K+-ATP アーゼ(プロトンポンプ)を阻害す
る薬物で胃潰瘍治療薬として用いられる。
14)ACh 神経終末からの ACh 遊離を抑制する薬物。
15)Na+,K+-ATPase を阻害する強心薬
16)腎遠位尿細管の Na+/Cl-共輸送体を阻害する薬物で利尿薬として
用いられる。
17)電位依存性 Ca2+チャネルの A2δサブユニットに作用する神経
障害性疼痛治療薬。
18)血液脳関門を通過しないアセチルコリンエステラーゼ阻害薬で
重症筋無力症や緑内障の治療に用いる。
19)胃粘膜において M1 型ムスカリン性 ACh 受容体を特異的に遮断
するので胃潰瘍治療に用いられる。
20)GABAA 受容体ベンゾジアゼピン(BDZ)結合部位のアンタゴニス
トで、BDZ 類による呼吸抑制作用を解除するために用いられる。
21)T 型 Ca2+チャネルを遮断するてんかん治療薬。
22)膵ランゲルハンス島β細胞の KATP チャネルを阻害する糖尿病治
療薬。
23)血管の KATP チャネルを活性化する虚血性心疾患治療薬。
24)神経の Na+チャネルを遮断するフグ毒。
25)知覚神経の Na+チャネルを遮断する局所麻酔薬。
解答群:A)テトロドトキシン;B)ケタミン;C) エトスクシミ
ド;D)フルマゼニル;E)オメプラゾール;F)チアジド系薬物;
G)メキシレチン;H)フロセミド;I)アトロピン;J) グリベンク
ラミド;K)バルビツール酸類;L)リドカイン;M)フェニトイン;
N)ボツリヌス毒;O)ジゴキシン;P)ピレンゼピン;Q)ニコラン
ジル;R) ベサミコール;S)ネオスチグミン;T)ガバペンチン;
U)バクロフェン;V)ドネペジル;W)ニフェジピン;X)ニペコチ
ン酸;Y)バルプロ酸;Z)パンクロニウム
<回答欄>
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
9)
10)
11)
12)
13)
14)
15)
16)
17)
18)
19)
20)
21)
22)
23)
24)
25)