森派の絵画

八代市立博物館解説シート
森派の絵画
そせん
てつざん
いっぽう
森 狙仙 ・ 森 徹山 ・ 森 一鳳
森派は、江戸後期(18 世紀後半∼19 世紀)に活躍した大坂画壇の一派で、サル、シカ、イノシシ、タヌキなど身近
な動物を描きました。初代森狙仙(1747-1821)は、はじめ狩野派の画家に学びましたが、円山応挙の影響を受け、
写生的な動物画を描きました。とりわけ猿を得意とし、「猿描きの狙仙」と呼ばれました。狙仙の跡を継いだのは、徹
山(1775-1841)です。徹山は狙仙の兄周峯の子で、狙仙の養子となりました。円山応挙に入門し、写実描写にすぐ
れた動物画を描きました。動物のみならずそれを取り巻く情景が季節感豊かに表現されているところに徹山の特徴
があります。さらに徹山に学んだ一鳳(1798-1871)がその養子となり跡を継ぎました。一鳳は狙山・徹山の画風を受
け継ぎながら、躍動感あふれる動物画を描きました。
なお、森派は狙仙の時代から代々、肥後細川家の御用絵師を務めたといわれています。細川家やその家老家で
ある松井家に、森派の作品が数多く伝来しているのはこのためでしょう。
■No.1
もり そ せ ん
森 狙仙
ぐんえんずしょうびょうぶ
群猿図小屏風
6曲1双
江戸時代(18 世紀)
紙本淡彩 屏風装
(各)94.2×252.8 ㎝
(財)松井文庫所蔵
■No.2
もり てつざん
森 徹山
さくら
さる
もも
さる
桜 に猿・桃に猿図
江戸時代(19 世紀)
絹本著色 掛幅装
(各)153.6×86.4 ㎝
(財)松井文庫所蔵
双幅
■No.3
■No.4
もり てつざん
もり てつざん
森 徹山
森 徹山
ききょう な で し こ ず
桔梗撫子図
なのはな
1幅
き
じ
ず
菜花に雉子図
1幅
江戸時代(19 世紀)
江戸時代(19 世紀)
絹本著色 掛幅装
絹本著色 掛幅装
125.6×57.0 ㎝
74.2×109.4 ㎝
(財)松井文庫所蔵
(財)松井文庫所蔵
■No.5
も り いっぽう
森 一鳳
ぐんちょう
はぎ
しじゅうから
さくら
すずめず
群鳥・萩に四十雀・桜 に雀図
3 幅対
江戸時代(19 世紀)
絹本著色 掛幅装
(各)121.5×50.2 ㎝
(財)松井文庫所蔵
※この作品は平成 19 年切手趣味週間にちなむ
郵便切手のデザインに使用されました。
■No.6
■No.7
も り いっぽう
森 一鳳
く ま ず
熊図
1幅
江戸時代(19 世紀)
絹本墨画(一部著色) 掛幅装
も り いっぽう
森 一鳳ほか
127.4×55.6 ㎝
(財)松井文庫所蔵
もり
いっぽう
森 一鳳 ほか
諸家画冊
1冊
江戸時代(19 世紀)
絹本著色 折本装
(財)松井文庫所蔵
27.7×30.4 ㎝