出 張 報 告 書 (様式1) 復 命 書 - 釧路市

出
張
復
報
命
告
書
(様式1)
書
平成21年7月10日
釧路市議会議長
会 派 名
参加者氏名
様
無所属
二 瓶
雄
吉
次のとおり、用務を終えて戻りましたので報告します。
出
張
先
札幌市、石狩市
期
間
平成21年
6月29日
用
務
政務調査活動のため
∼
平成21年
7月
1. 札幌市
「さっぽろアートステージ事業について」
(所管:札幌市観光文化局文化部市民文化課)
1日(3日間)
調査(研修)
結果等の概要
備
2. 石狩市
「民間企業における障がい者雇用について」
(エフピコ愛パック(株)北海道工場)
考
※資料等がある場合、会派保管の出張報告書(原本)に添付すること。
平成21年7月10日
政務調査活動概要報告
1. 札幌市:さっぽろアートステージ事業について
私は、これまで「文化の薫る街づくり」
に向けて、文学館の設立や美術館の充実、
サークルや同好会との連携など文化・芸術
活動の振興に向け取組むとともに、市民要
望として、市長へ提出し、議会でも取り上
げてきました。
しかし、現状では、
「文化の薫る街づくり」
に向けての取組みは、まだまだ遅れている
(市役所会議室にて)
と言わざるを得ません。
札幌市で、過去5年間にわたり取組んできた『さっぽろアートステージ事業』
は、文化芸術活動を総合的に取りまとめたもので、大いに勉強になり、かつ参
考になるものと考え視察させていただきました。
平成21年6月30日(火)午前10時に札幌市役所を訪問しました。
札幌市側の出席者は、札幌市観光文化局部長 池田佳恵氏、同文化課振興係長
牟田口美樹氏、同振興係 大森聡氏の三名です。
「さっぽろアートステージ」取組みのきっかけとなったのは、上田市長より、
スポーツや観光シーズンがひと区切りとなる11月に「文化をテーマとした大
きなイベントを企画してはどうか」との発想から始まり、特に11月は、文化
月間ということもあり、これまで市が行ってきた市民を対象とする文化事業と
は一味違った、文化・芸術・音楽などの情報
発信や観光などにも寄与するものにしようと
の趣旨から企画されたものであります。
主催は、さっぽろアートステージ実行委員
会で、札幌市や札幌劇場連絡会をはじめ7団
体で構成し運営しており、財政面では、札幌
市より2,400万円助成されています。
活動の基軸となっているのは、舞台芸術部
門、学生音楽部門、音楽部門、美術部門に分
(牟田口係長、大森氏から説明)
かれており、それぞれの部門に参加する団体が具体的に取組んでいます。
各部門の主な事業内容は次のとおりです。
〈舞台芸術部門〉
これまで芸術関係団体それぞれが個々に活動してきましたが、さっぽろアー
トステージを契機に市内8劇場の関係者が集まり、札幌市劇場連絡会を自主的
に組織し運営することとなりました。
公募から始まり、ノミネートされた40団体により延べ110公演があり、
総来場者数は、10,509人、全国的にも例が無い、画期的な取組みとなって
います。
とくに、中学生の演劇は、全道大会がなく、このため全国大会に参加するこ
とが出来なかったのが、このアートステージ事業をきっかけに、全道大会が開
催されることになり、全国大会参加にも繋げることが出来たとのことでした。
〈学生音楽部門〉
市内の小・中・高校の合唱、器楽、吹奏クラブの合同発表会を、通常であれ
ば使用することのできない、札幌コンサートホールKitara(キタラ)を
会場に開催し、毎回22校が参加、計、2,351人の市民が来場しています。
世界にも誇れる会場を使用することが、学生達の励みとなっているとのこと
であり、また、札幌の学生音楽の質の高さをアピールでき、各学校間のいい意
味での競争の場になっているとのことでした。
〈音楽部門〉
札幌在住のミュージシャングループが一堂に集い「クロスロードライブ」と
称して、地下鉄大通り駅南北線コンコース(公共施設の空間活用)を特設会場
にし、ライブコンテストを実施しています。
公募の中から30組のグループが参加し、多くの市民の前で音楽発表するこ
とにより、
「仕事」が舞いこんできたり、プロへの道が開けたりということにつ
ながっているとのことで、総来場者数は76,710人となっています。
〈美術部門〉
アートストリート「500m美術館」と称して、11月1日から30日まで
の1ヶ月間、地下鉄東西線コンコース500
m(両サイドの壁)を活用し開催されていま
す。
一般市民200人展(公募)の他に、数多
くのモダンアート家による発表の機会をつく
ることにより、美術活動の活性化が図られ、
市民からは、大変高い評価を得ているとのこ
(概要説明後、質疑を深める)
とです。
この他に、特別プログラムとして、アートのフリーマーケット「アート!ミ
ート!マート!」が市役所の特設会場で開かれ、オープニングイベントや特別
参加事業が数多く取組まれるなど、まさしく文化・芸術・音楽活動の「市民オ
ールスター戦」のような取組みとなっていました。
また、総額2,400万円の予算は、各部門にそれぞれ、400万円拠出し、
残りは、PR、事務諸経費、賞品等々に活用されています。
芸術・文化を観光資源として活用をはかりつつ、学生や市民の演劇・音楽・
美術の力を育成する、また、潜在している市民活動を一堂に会し、発表する機
会をつくることにより、芸術・文化活動をさらに発展させる効果が表われてき
ています。
今後の課題や問題は何かと質問したところ、市民の間にいかにして浸透させ
るか、市民からの認知度をいかに高めていくかが今後の大きな課題であるとの
考えが示されました。
釧路市内にも、芸術・文化・音楽活動をしている市民やグループが数多く存
在しています。このような市民・グループを一堂に会した発表会・展示会など
が「文化・芸術月間」の中で取組まれるよう、議会の中で行政に提案していき
たいと思います。
また、かねてからの懸案事項である文学館の建設にもさらに力を入れて取組
んでいきたいと思います。
2. 石狩市:エフピコ愛パック(株)の障がい者雇用について
釧路市内においての障がい者雇用状況は、
障害者自立支援法施行後、より一層厳しさ
を増しており、今後の大きな課題となって
います。
先頃、全国的に障がい者雇用を積極的に
進めている民間企業(エフピコグループ)
が北海道石狩市にはじめて進出し操業を始
めたことから、その事業内容とともに工場
(藤井社長、川崎チーフ、伊丹管理者)
内を視察させていただきました。
はじめに、(株)エフピコ 人事部 障害者雇用対策課の方から、「障がい者
の雇用と生きがいを創る企業と福祉のコラボレーション」と題した資料を基に、
会社概要、経営理念、障がい者雇用の状況、採用から労働内容等について説明
を受け、その後、工場内を見学させていただきました。
昭和61年から始まったエフピコグループの障がい者雇用は、平成21年4
月1日現在で、本社・特例子会社で94名、雇用率は約 8.48%、就労継続支援
A型で161名(その内重度及び重度判定者
138名)となっています。
就労継続支援A型である愛パック北海道工
場は、今年3月に設立され、愛パックの工場
は全国に8施設となりました。
事業内容は、食品トレー、エコトレーの製
造、リサイクル回収トレーの選別となってお
り、北海道工場では、食品トレーが製造され
(概要説明を受け質疑)
ていました。
障がい者が働く場として、専門職による指導・サポート体制が、人数・内容
において充実しており、極め細やかな実務指導により、重度の障がいのある方
も健常者と変わらない労働力を発揮できるようになっていました。また、生活
時指導員により、日常生活の支援や援助・介護の支援計画も立てられ、常勤で
きるサポートが行なわれていました。
そのことにより、障がい者も一般の正社員として採用され、就業規則・給与
規則等すべて一般の社員と同じ、実績に応じた昇給もあります。また、障がい
(能力)を理由に解雇することはしない、利用料1割負担免除など、働き甲斐
のある職場になっていると思いました。
最後に「誰もが、働きやすい、働き続けられる職場づくり」として、障がい
者の「できない」を強調するのではなく、
「できる」面をきちんと評価し、適材
適所に配属する事で、障がいがあっても貴重な労働力になるとお話されていま
した。
一通り説明をして頂いた後、工場内を見
学させて頂きました。食品トレーの製造と
いうことなので、私たちも白衣帽子を着用
し、吸引クリーナー、粘着クリーナーと順
番に行い、工場内に入りました。みなさん
大きな声で挨拶をされ、意欲的に自分の持
ち場で仕事をしていました。トレーの接着、
並べて一定量の結束、包装、箱詰めといっ (工場内の障害者雇用現場を視察)
た作業が行なわれていましたが、単純作業なので、1時間程で作業を交替し、
皆さんすべての作業ができるとのことでしたが、知的障がい者は同じ作業をい
つまでもしようとするので、交替させる方が難しいと支援スタッフの方がおっ
しゃっていました。
一生懸命働いている姿を見て、障がいのある方でも、適切な支援・指導によ
り大きな労働力となり、自信を持っていきいき暮らしていけるのだと、強く確
信しました。
今後、この事例を参考として、民間企業への障がい者雇用がより一層進むこ
とを期待するとともに、障がい者への理解と、適切なサポートが広がり、地域
で暮らしていける社会への転換がはかられるよう努力し、釧路市の街づくりに
も参考にしていきたいと考えます。
以
上