授業科目名 単位数 開発経済論特殊研究 4単位 担当教員名 開講期間 Maung Maung Lwin(マング・マング・ルウィン) 春学期週2回 授業の到達目標及びテーマ 本授業は今日の発展途上国の開発問題だけでなく、先進国も含めたグローバル経済の持続可能な開発 問題に対し、解決策と戦略を探ることをテーマとしている。開発経済学の様々な分野における基本的な 理論と現状分析を身に付けることが出来るように指導することが目標である。 授業の概要 本特殊研究は、開発経済関連研究および発展途上国の開発問題解決に役立つ人材を育てることを目指 している。よって研究者向けの授業となるために、理論と現状分析のバランスを考え講義の内容を構成 している。 開発経済学のはじまり、開発と成長の概念と経済的・非経済的開発決定要因、 「ハロッド・ドーマー成 長モデル」、 「ロストウの発展段階説」、 「ルイスの 2 部門成長モデル」、 「2 重ギャップモデル」等の説明と 議論を行う。次に、前述の様々な理論を基礎にして、高い成長を遂げているアジアの国々と開発の波に 乗り遅れた国々の現状と将来性を比較検証する。さらに、なぜ開発に乗り遅れた国々が存在するのか、 その原因の把握と解決策を探ることを目的として、院生による報告と議論を行う。 授業計画 第 1 回 開発経済学の概念、目的、誕生と関連分野 第 2 回 Adam Smith の国富論と開発経済学(1) 第 3 回 Adam Smith の国富論と開発経済学(2) 第 4 回 David Ricardo の貿易論と開発経済学(1) 第 5 回 David Ricardo の貿易論と開発経済学(2) 第 6 回 Karl Marx の社会主義国家と経済発展(1) 第 7 回 Karl Marx の社会主義国家と経済発展(2) 第 8 回 院生レポート報告 第 9 回 経済成長と開発の違い及び開発の決定要因 第 10 回 なぜ発展途上国は開発の道から外れたのか 第 11 回 発展途上国、新興工業国と先進国の特徴 第 12 回 低所得が原因で引き起こされた低開発の悪 循環 第 13 回 政治・宗教・文化的要因が原因で起こされ た低開発の悪循環 第 14 回 貧困問題と経済発展(HPI-1, HPI-2) 第 15 回 開発レベルを測る方法(所得) 第 16 回 第 17 回 第 18 回 第 19 回 第 20 回 第 21 回 第 22 回 第 23 回 第 24 回 第 25 回 第 26 回 第 27 回 第 28 回 第 29 回 第 30 回 開発レベルを測る方法(産業構造変化) 院生レポート報告 開発レベルを測る方法(HDI) 人間開発指数(HDI)の算出方法 Harrod-Domar 経済成長モデル Arthur Lewis の 2 部門成長モデル Lwin の経済発展と非公式経済部門(IFS)の理論 Lwin の人口移動論と都市開発問題 Chenery & Stout の二重ギャップモデル (Two-Gap Model) と海外資本の重要性 院生レポート報告 開発における農業部門発展の重要性と課題 開発における工業化・国際貿易の重要性と課題 Rostow の成長段階論( Stages of Economic Growth Theory)とアジア国々 院生レポート報告 開発経済学の展望とまとめ 事前事後学習 開発経済論特殊研究を受講するためには、ミクロ・マクロ経済学、国際貿易論、東南アジア経済論、国際関係 論、国際農業論の事前学習が必須であり、毎週授業で配布した学術論文と資料を授業後に読むことが事後学習と なる。 テキスト 特になし。 参考文献 Ingham, B., Economics and Development, McGraw Hill, 1995. Ito, T. & Krueger, A.O., Growth Theories in Light of the East Asian Experiences, University of Chicago Press, 1995. Meier, G.M. & R.E. Baldwin., Economic Development: Theory, History, Policy, John Wiley & Sons, Inc. 7th Edition, 1966. Todaro, M.P., Economic Development, 7th Edition, Longman, 2000 World Bank, East Asian Miracle: Economic Growth and Public Policy, Oxford University Press, 1993. Handbook of Development Economics, Vol. I, II, III,IV. Elsevier Science Publishers B.P. 2008. *各院生の研究と修士論文テーマに沿って他の参考文献を付け加える。 成績評価 授業中の討論(20%)、発表レポートの内容(40%)、院生が自発的に調べた発表テーマ関連の参考文献と統 計資料(20%)とプレゼンテーション(20%)を基準に評価する。
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