呼吸器内科 - 国立病院機構長崎川棚医療センター

呼吸器内科診療年報(平成 22 年度)
1.診療科の特色/概要・基本診療指針
当呼吸器内科は、肺炎や結核などの感染症、肺癌などの腫瘍性疾患、喘息などのアレルギ
ー性疾患、慢性閉塞性肺疾患(慢性肺気腫や慢性気管支炎)、間質性肺炎などのびまん性肺
疾患、これらの疾患による呼吸不全などの呼吸器疾患の他、尿路感染症や敗血症などの感
染症や不明熱の検索など、呼吸器に限らず全身の発熱性疾患の診断・治療にあたっていま
す。
当院は結核病床5床を有しており、東彼杵地区のみならず長崎県内の他の地区や佐賀県か
らの結核患者も受入れています。
特殊外来として、睡眠時無呼吸症候群に対するいびき外来や、禁煙外来も行っています。
また、感染症コントロールチームや感染予防委員会に深く関わり、院内感染やインフルエ
ンザなどの流行性感染症への対応も行っています。
当院は東彼杵地区の中核病院として位置しており、紹介頂く先生方との連携を深めること
で、患者様がスムースかつ安心して外来受診や入院して頂けるように心がけ、また研究会
や学会、大学病院のカンファレンスなどにも参加することで、最新かつ専門性の高い医療
を目指しております。
2.入院診療実績
主要疾患
疾患名
ICD-10 コード
患者数
1)肺炎(誤嚥性肺炎を含む)
J189(J690)
297
2)肺癌(悪性中皮腫を含む)
C349(C450)
182
3)気管支喘息
J459
7
4)慢性閉塞性肺疾患
J449
13
5)間質性肺炎
J849
19
6)肺結核・結核性胸膜炎
A162・A165
15
主要検査法
件数
1)気管支内視鏡検査
42
2)睡眠時ポリソムノグラフィー
25
3.研修・教育
呼吸器科病棟カンファレンス
週1回
呼吸器科入院患者カンファレンス
呼吸器科抄読会
<認定施設>
週1回
週1回
日本呼吸器病学会認定施設
日本感染症学会認定施設
4.治験・共同研究
共同研究
1)国立病院機構 EBM 推進のための大規模臨床研究
既治療進行非小細胞肺癌に対するエ
ルロチニブとドセタキセルの無作為比較第Ⅲ相試験(DELTA)
2)国立病院機構 EBM 推進のための大規模臨床研究 国立病院機構における Clostridium
difficile 関連下痢症の発生状況と発生予防に関する研究(CD-NHO)
5.将来の展望
平成 22 年4月には医師1名の転出があったが、大学病院より研修明けの若い医師の転勤が
あり、また中堅医師が新たに加わり医師数で4名と昨年度より1名増となった。10 月から
はさらに1名が増員となった。
診療活動において昨年度と比較し、患者数や主要検査数ともに増加し、余裕を持った医療
が提供できたと考える。
平成 23 年度は1名が転出するため、マンパワーの減少が見込まれる。より効率的な診療を
行い、他部門との連携を密にすることで、質と安全性の高い医療を保つことを目指す。
6.研究実績
1)学会発表
1. 65 歳以上の成人における肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの併用効果に関
する検討
川上健司ら、第 107 回日本内科学会総会・講演会、東京、2010.4.9~4.11
2.気管支原発 Fibroepithelial polyp の1例
泉田真生ら、第 33 回日本呼吸器内視鏡学会 九州支部会、大分、2010.8.21
3.Effectiveness of pnemococcal polysaccharide vaccine and cost anarysis among elderly
who receive seasonal influenza vaccine in Japan.
K. Kawakami et al. Infections Disease Society of America 48TH Annual
Meeting.
Vancouver.Canada, 2010.10.21~10.24.
4.バングラデシュにおける漢方製剤五苓散料の小児急性嘔吐下痢症(急性胃腸炎)に対する
効果:二重盲検ランダム化プラセボ対照研究による検討 -中間報告内田隆一ら、国際東洋医学会日本支部・第 1 回特別シンポジウム、東京、2010.10.31
5.特発性縦隔気腫の3症例
泉田真生ら、第 65 回日本呼吸器学会・日本結核病学会 九州支部秋季学術講演会、
熊本、2010.11.12
6.喀血を契機に発見された左房内腫瘍の1例
山領 豪ら、第 291 回日本内科学会 九州地方会、鹿児島、2010.11.14
7.気管・気管支結核に対してストレプトマイシン吸入療法を施行した一例
泉田真生ら、第 80 回日本感染症学会 西日本地方会学術集会、愛媛、2010.11.19
8.気管支内にポリープ様腫瘤形成を認め、肺葉切除術を施行した肺放線菌症の1例
山領 豪ら、第 80 回日本感染症学会 西日本地方会学術集会、愛媛、2010.11.19
9.当院における疥癬のアウトブレークと感染対策について
川上健司ら、第 80 回日本感染症学会 西日本地方会学術集会、愛媛、2010.11.20
10.当院における疥癬アウトブレークと感染対策.
川上健司ら、第 64 回国立病院学会、福岡、2010.11.26
2)論文
1.Effectiveness of pneumococcal polysaccharide vaccine against pneumonia and cost
analysis for the elderly who receive seasonal influenza vaccine in Japan.
Kenji Kawakami et al. Vaccine.28:7063-7069.2010.
2.Development of triplex SYBR green real-time PCR for detecting Mycoplasma
pneumoniae, Chlamydophila pneumoniae, and Legionella spp. without extraction
of DNA.
Kerdsin A, Uchida R(Corresponding Author), Verathamjamrus C, Puangpatra P,
Kawakami K,
Puntanakul P, Lochindarat S, Bunnag T, Sawanpanyalert P,
Dejsirilert S, Oishi K.
Japanese Journal of Infectious Diseases. 2010 May;63(3):173-80.
3.Reassortment of human rotavirus gene segments into G11 rotavirus strains.
Matthijnssens J, Rahman M, Ciarlet M, Zeller M, Heylen E, Nakagomi T, Uchida R
(Co-author), Hassan Z, Azim T, Nakagomi O, Van Ranst M.
Emerging Infectious Diseases. 2010 Apr;16(4):625-30.
3)原稿
1.肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチン.
川上健司、大石和徳.Modern Physician.Vol.30.No.5.2010-5, 704-706.
2.無治療で 4 年間の自然経過を確認できた腸結核.
川上健司.結核. Up to Date.209-210.2010.南江堂.
3.市中感染症におけるワクチンの新たな展開とその予防効果―肺炎球菌ワクチンを中心
に.
川上健司.感染と抗菌薬.Vol.13. No.2.June 2010,180-184.
4.かぜ症候群などに対する経口ニューキノロン薬の選択法.
川上健司.Modern Physician.Vol.30.No.11.2010-11,1470.
5.肺炎球菌.
川上健司、大石和徳.臨床検査.Vol.54 no.11 2010 年
増刊号.
6.ワクチンによる肺炎の予防.
川上健司、大石和徳.日本内科学会雑誌.第 99 巻第 11 号別刷
2010 年 11 月 10 日
7.肺炎球菌ワクチンをめぐる新展開―再接種および7価ワクチンを含めて―.
川上健司、大石和徳.呼吸器内科.Vol.19.No.1.Jan.2011
4)東彼杵郡医師会火曜会セミナー
1.夏型過敏性肺臓炎の一例
2.特発性縦隔気腫の一例
川上健司、2010.4.13
泉田真生、2010.6.8
3.気管支原発 Fibroepithelial polyp の一例
4.気管支結核の一例
泉田真生、2010.8.10
泉田真生、2010.10.12
(2011 年6月5日
呼吸器内科医長
山領
豪)