平成 25 年度事業計画 - 日本クレジット協会

平成 25 年度事業計画
Ⅰ
基本方針等
1.基本方針
当協会は、平成21年度の統合設立以来、割賦販売法に基づく「認定割賦販売協会」及び個人
情報保護法に基づく「認定個人情報保護団体」として、また「業界団体」として、クレジット
の健全な取引ルールの確立などに相応の役割を果たしてきた。
今後は、会員、消費者等にとってさらに「頼れる協会・誇れる協会」となることが求められて
いる。
最近のクレジット業界は、ネット取引の進展等取引環境の変化の中、クレジットカードを中心
に取扱高は前年比増を続けており、個別クレジットに回復傾向もみられるものの、依然として
業界を取り巻く環境は厳しい状況にあることは否めない。
平成25年度の当協会は、一般社団法人への移行を契機に、法令・自主ルールの周知徹底など
を確実に果たしつつ、安心安全なクレジットの普及拡大のための必要な事業に積極的に取り組
む。
2.重点施策
事業遂行をより効果的にするために、次の4点を重点施策とする。
(1)法令・自主ルールのさらなるクレジット実務への定着
割賦販売法等の法令及び自主ルールについて、その目的や趣旨の一層の定着を図るため、業務
に関連づけたルール等の理解を促進する。このため、法令遵守状況調査、割賦販売法・自主ル
ール研修等の充実を図る。
とりわけ、会員会社に対し法令及び自主ルールの運用について実務に即した助言を行い、会員
会社の業務に更に浸透するように会員会社の体制づくりの支援を行う。
(2)クレジットカードのセキュリティ対策の推進
クレジットカード取引のセキュリティ対策としてとりまとめた、ICカード化、インターネッ
ト取引における本人なりすまし防止、クレジットカード情報の管理強化などについて進捗状況
を確認しつつ着実な推進を行う。
(3)クレジットを消費者に正しく理解してもらう広報・啓発活動
一般消費者等に対して、若年者、高齢者などにターゲットを絞りつつ適切な媒体において、ク
レジットのイメージアップ、協会の認知度向上等のための広報・啓発活動の一層の充実を図る
とともに、消費者教育の支援を推進する。
(4)業界発展のための提言と研究活動の充実等
割賦販売法の改正から5年目にあたる平成26年12月を睨みつつ、改正後の状況等を検証し、
クレジットの健全な発展に必要な法制度等の在り方について、振興のための施策と併せて検討
し必要に応じ提言を行う。
また、クレジット研究を拡充し、クレジットカード契約の法的な検証やアジア圏の調査活動を
継続して実施するとともに、将来の業界に有用な法律面や経済面での基礎的な活動の充実を図
る。
Ⅱ
具体的な事業の内容
1.認定割賦販売協会としての事業
(1)自主ルールの周知及び助言等
「割賦販売法(後払分野)に基づく監督の基本方針」や会員会社の運用実態に即した自主
ルールの必要な見直しを行う。さらに、自主ルールの一層の周知のため説明会や相談会の開催、
会員向けホームページFAQの充実、自主ルール集等を作成する。
(2)加盟店情報交換制度の運営等
要件定義等新たな運用ルールに対するJDMシステムの改修、各種マニュアルの改訂・周
知や会員会社に対するモニタリングの強化を図る。
また、利用会員に対する情報提供とルール周知のための地区懇談会を全国9地区で開催す
る。
(3)消費者等からの苦情への対応
クレジットに関する消費者等からの苦情等に適切に対応するとともに、消費者センター等
の相談機関への訪問、関係機関との連絡会等を行う。
(4)自主ルールの遵守状況調査の実施
実地調査は、未実施会員等を中心に100社程度行う。また、特別調査、フォローアップ
調査を必要に応じ実施するとともに、書面調査を年1回実施する。
(5)利用者、消費者向け広報・啓発の強化
割賦販売法、自主ルール等の啓発を推進しアニメ動画等を用いたホームページの充実、スマ
ートフォンのサイト構築などを行う。
(6)割賦販売法・自主ルール研修の実施
割賦販売法・自主ルール研修の基本方針に基づき、会員主催研修を主体に、単なる法律・自
主ルールの知識の習得ではなく、業務に関連付けた内容による研修を実施する。また、研修の
質の向上を図るため協会主催研修において「講師更新研修」を新設し実施する。
2.認定個人情報保護団体としての事業
(1)個人情報保護指針の周知と実効性の確保
個人情報保護指針を会員会社に周知するとともに、その実効性を確保するため、個人情報保
護対応に関する会員の実情に即した助言や情報提供等の充実を図る。
また、個人情報に関するQ&A集等を作成し会員会社に配布する。
(2)個人情報漏えい等報告ルールに基づく対応
経済産業分野ガイドライン及び個人情報保護指針に基づく個人情報漏えい事案の報告徴収
を行うとともに、行政機関に報告を行う。
また、類似事案の再発防止の観点から会員への情報提供を行う。
(3)個人情報の取扱いに関する苦情処理
消費者からの会員の個人情報の取扱いに関する苦情等を分析、整理し情報を提供するととも
に、苦情処理から会員への情報提供が円滑に機能するための苦情処理スキームの構築を行う。
(4)個人情報保護の責任者及び相談担当者向け研修
個人情報の適正な取扱い確保のため、個人情報保護法令等の周知や漏えい事案、苦情事案へ
の対応について責任者、相談担当者向け研修等を行う。
(5)クレジットカード番号等保護の推進
会員会社等において発生したカード番号の漏えい事案の報告処理対応及び再発防止のため
の助言等を行う。
3.業界団体としての事業
(1)クレジットカードインフラ整備等の推進
①クレジットカード情報における安全性の確保
クレジットカード情報の管理、インターネット取引における本人認証対策などのインフラ整
備への取り組みを強化する。また、社会的に大きな影響を及ぼす可能性のある大量なクレジッ
トカード情報の流出事案が発生した際には、迅速な情報把握と業界としての対応策を検討する。
②クレジットカードのICカード化の推進
平成 22 年度に見直しを行ったICカード化推進計画に基づき実効性確保のための進捗管理
等を行う。
③クレジットカード不正使用防止対策
全国及び地区クレジットカード犯罪対策連絡協議会の活動を推進するとともに、不正使用の
実態把握のための統計調査を継続する。
④クレジットカード取引に伴う消費者対応
海外アクワイアラーの加盟店との消費者トラブル防止対策や、ショッピング枠の現金化撲滅
のための広報・啓発の推進を行う。
(2)利用者、消費者向け広報・啓発の強化
安心安全なクレジット利用促進と業界のイメージアップ、協会の認知度向上、クレジットカ
ード啓発キャンペーンの実施等の広報・啓発活動を行う。
さらに、消費者教育推進法に対応してクレジット教育支援活動を拡充し学校の授業で使用す
るカード、CATなどの教材の提供、映像媒体(DVD)による視聴覚教材等の提供を行う。
これらの教材を用いた教員向けの勉強会の開催や自治体、消費者団体へ講師を派遣する。
毎年11月に行っている消費者信用関係団体懇談会による多重債務者発生防止キャンペー
ンを引き続き実施する。
(3)資格・研修制度の充実
「クレジット債権管理士制度」
「個人情報取扱主任者制度」
「クレジット審査業務能力検定制
度」の資格制度と「クレジットシステム基礎通信講座」
「個人情報保護の基礎講座」
「クレジッ
トの基礎講座」を実施する。さらに、非正規職員に対する研修の在り方等について検討を進め
る。
また、各資格研修制度を業務委託等によって効率化・省力化を図るとともに、会員の利便性
の向上や受講申込み等の効率化の観点からWEBを利用した受講体制を順次構築する。
(4)消費者相談等への対応
クレジットに関する消費者からの相談受付と円滑な処理に引き続き努める。また、消費者相
談の内容を分析し、会員会社等に対し情報を提供する。
(5)クレジットに関する調査・研究等
①各種実態調査の実施及び統計の編纂
「消費者信用実態調査」
「クレジットカード発行枚数調査」「クレジットカード動態調査」
「ショッピングクレジット動態調査」の各種調査を実施するとともに、
「消費者信用実態調
査」をベースに信用供与額、信用供与残高の推計を実施する。これらの統計をとりまとめ「日
本の消費者信用統計平成26年版」を編纂する。
また、実態調査及び推計値等に関する課題への対応策を取りまとめる。
②クレジット関連調査研究
クレジットカード約款に関する研究会及びアジア圏のクレジット事情に関する調査研究
を継続して行う。
また、今後の割賦販売法の改正なども念頭に欧米のクレジットカード法制や法律・経済等
分野におけるクレジットの在り方等の基礎的な研究を実施する。
なお、調査研究については、研究所の機関誌である「CCR(コンシューマー・クレジッ
ト・レビュー)」に取りまとめる。
(6)会員会社への情報提供の充実
協会ホームページ会員専用サイトの掲載内容の充実を図るとともに、地区連絡会や業務報告
会を開催し情報提供を行う。
(7)クレジット業界振興のための施策の検討
割賦販売法の改正後の状況等を検証し、今年度内を目途にクレジットの健全な発展に必要
な法制度等の在り方について、振興のための施策と併せて検討し必要に応じ提言を行う。
(8)反社会的勢力対応への検討
反社会的勢力排除のための効果的な情報保有の在り方等について検討を行う。
(9)“クレジットで東日本に元気を”キャンペーンの実施
“クレジットで東日本に元気を”キャンペーンを円滑に実施する。
(10)民法改正等への対応
法務省法制審議会で審議されている「民法(債権法)改正」等について実務面の影響について
検証するとともにパブリックコメント等に対応する。また、その他クレジットに関連する法令
の改正についても必要に応じ意見等を具申する。
(11)テーマ別、業態別研究部会の実施
「法務研究部会」「調査・回収研究部会」「システム研究部会」「カードマーケティング研究
部会」「カード取引対応研究部会」「カードセキュリティ研究部会」「特商法加盟店研究部会」
「保証事務研究部会」
「消費者対応研究部会」などのテーマ別、業態別の各種研究部会を会員
ニーズに即したテーマを設定し実施する。特に関心のあるテーマについては別途研究部会等を
設置する。
4.その他
(1)日本クレジットカウンセリング協会の活動支援
全国銀行協会、日本貸金業協会とともに日本クレジットカウンセリング協会の活動を引き続
き支援する。
(2)事務局業務の効率化
組織・業務効率化委員会の提言等を受け引き続き事務局業務の効率化に努める。
以上