この資料に含まれる技術情報は、日立GE ニュークリア・エナジー(株)の所有財産で あり、ノウハウ等の機密情報を含んでおりま すので、契約条項にしたがい機密の保持 を御願いします。 図書番号 : RPD-FJ-6022 改訂番号 : 0 平成25年度 「発電用原子炉等廃炉・安全技術開発費補助金 (格納容器内部調査技術の開発)」 本格調査装置の要素試作(レール昇降支援装置) 仕様書 平成 25 年 10 月 23 日 日立 GE ニュークリア・エナジー(株) 改訂履歴 改訂 改訂内容 番号 0 初版発行 年月日 承認 審査 作成 H25.10.23 高橋 岡田 石澤 目 次 1.件名 ・・・・・ 1 2.適用範囲 ・・・・・ 1 3.格納容器内部調査技術開発の概要・目的 ・・・・・ 1 4.本格調査装置の要素試作(レール昇降支援装置) 事業内容 ・・・・・ 3 5.設計条件 ・・・・・ 4 6. 実施期間 ・・・・・ 6 7.納入物 ・・・・・ 7 8.納入場所 ・・・・・ 7 9.特記事項 ・・・・・ 7 1.件名 本格調査装置の要素試作(レール昇降支援装置) 2.適用範囲 本仕様書は「本格調査装置の要素試作(レール昇降支援装置)」を規定するものである。 3.格納容器内部調査技術開発の概要・目的 平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により引き起こされた東京電力福島第一 原子力発電所事故については、現在、事故を収束させるために、安定した炉心冷却システムを構 築し、安全な停止状態を継続する努力が行われている。 今後は、使用済燃料プール内の燃料を取り出すことに始まり、放射性物質を管理しつつ、炉心 燃料を取り出すなど、廃止措置に係る取組みを順次進めていくことが計画されている。福島第一原 子力発電所1~3号機では、炉心溶融が発生し、核燃料が炉内構造物の一部とともに溶融後、固 化した状態(燃料デブリ)で原子炉圧力容器(RPV)下部及び原子炉格納容器(PCV)内に存在し ていると考えられる。 燃料デブリの取出しに先立ち、RPV及びPCV内の状況を把握することが重要であるが、PCV については既に内部の状況調査が一部実施され、高線量、高湿度の過酷環境であることに加えて、 暗闇の中で蒸気や滞留水が存在するため、視界が制限されることが確認されている。また、事故に よって想定外の干渉物が発生している可能性もある。そこで本技術開発は、燃料デブリ取出しに 先立ちPCV内の状況を把握するための調査技術の開発を目的とする。 上記のとおりPCV内部調査は、不確定性の大きい環境下で行われることから、PCV内の環境 や干渉物等を調査し、得られた情報を次の調査計画にフィードバックする計画とする。燃料デブリ 取出しに先立ち実施する調査を「PCV内部本格調査」、PCV内部本格調査に先立ち、PCV内の 環境や干渉物の情報を把握するための調査を「PCV内部事前調査」と称することとする。 尚、「PCV 内部本格調査」と「PCV 内部事前調査」の概略(PCV内のイメージ,使用予定の貫通 口(ペネトレーション),アクセスルート等)を図1、及び図2に示す。 本業務の目的は、PCV内部本格調査装置のレール昇降支援装置に関わる要素試作を行うこと である。 本格調査装置の要素試作(レール昇降支援装置) 1 X-100B グレーチング X-6 :PCV内部本格調査 アクセスルート 図1.「PCV内部本格調査」の概略 X-100B グレーチング X-6 :PCV内部事前調査 アクセスルート 図2.「PCV内部事前調査」の概略 本格調査装置の要素試作(レール昇降支援装置) 2 4.本格調査装置の要素試作(レール昇降支援装置) 事業内容 PCV 内部本格調査装置は、調査を目的とする主装置以外に各種支援装置・治具等についても 開発し、複数装置構成による調査を計画している。このうちレール昇降支援装置は、PCV 内への 貫通口(ペネトレーション)である X-6 から下方に位置するグレーチングとの間に斜めに設置してあ る CRD 交換レールとグレーチング間を、調査装置・各種支援装置が昇降する際に支援することを 目的として PCV 内へエントリを検討している装置である。レール昇降支援装置の要素試作としての 事業内容を以降に示す。 4.1 レール昇降支援装置の装置構成の検討・評価・選定 レール昇降支援装置の主要機能構成(案)を図3、主要機能概要・目的を表1に示す。これら 要求に見合う装置構成を複数ケース立案し、これらケースについて比較評価を行い、どのケース を試作対象とするか選定を行うこと。 4.2 要求機能ごとの試作内容の検討 4.1 項にて選定した装置構成について、要求機能を確認するための試作内容の検討を行うこと。 試作内容の検討に際して、性能確認のため構造・材質・寸法等をパラメータとして複数試作する ことを視野に入れて検討すること。 4.3 試作品による要求機能確認試験の計画 4.2 項にて検討した試作内容を用いた要求機能確認試験の計画を立案すること。また合わせ て試験設備の設計を行うこと。実施規模・期間としては最大 0.5 ヶ月程度と見込み計画すること。 4.4 試作品の製作,及び試験設備の製作 4.2 項にて検討した試作品の製作を行うこと。また 4.3 項にて設計した試験設備の製作を行うこ と。 4.5 試作品による要求機能確認試験 4.4 項にて製作した試作品・試験設備を用いて要求機能確認試験を実施すること。 4.6 実証試験用装置に向けての装置仕様の整理,開発課題の摘出 4.5 項にて実施した試験結果を元に、実証試験装置に向けての装置仕様の整理、開発課題の 摘出を行うこと。 上記、4.1~4.6 項の各成果について報告書にて提出のこと。 本格調査装置の要素試作(レール昇降支援装置) 3 レール昇降支援装置 N o .1 装置本体 a) 走行機能 b) 制御機能 c) レール昇降支援機能 d) ケーブルガイド機能 N o .2 計測器関連 a) 調査機能 b) 支援機能 N o .3 通信関連 図3.レール昇降支援装置 主要機能構成(案) 本格調査装置の要素試作(レール昇降支援装置) 4 本格調査装置の要素試作(レール昇降支援装置) 5 3 2 1 No. レール昇降支援機能 c) 支援機能 b) 通信関連 調査機能 a) 計測器関連 ケーブルガイド機能 制御機能 b) d) 走行機能 a) 装置本体 装置ユニット 通信機能 支援機能 調査機能 ― リスク対策 支援機能 移動機能 移動機能 ― 機能大別 左記の通り。 更にレール昇降装置が走行不能等の不具合発生時において、装置本体を 引張り上げることが可能な強度を有すること。 アナログ有線による通信にてPCV外から操作可能であること。 水中環境下においてもカメラの視認性を向上させるための高輝度照明を有すること。 調査装置・各種支援装置が昇降する際に状況を 確認できる機能(カメラ等)。 装置本体の各種機能制御,計測器関連の電線を複合化したケーブル。 アナログ有線による通信にてPCV外から操作可能であること。 水中環境下においてもカメラの視認性を向上させるための高輝度照明を有すること。 CRD交換レール走行時のレール上の障害物・堆積物等を 確認できる機能(カメラ等)。 ― ― ① CRD交換レールとグレーチングとの隙間(ギャップ)は極力解消した状態で 調査装置・各種支援装置が昇降可能であること。 ② 調査装置,各種支援装置が連なった状態においても昇降可能であること。 調査装置・各種支援装置がCRD交換レールとグレーチング間を 昇降することを支援するための機能。 調査装置・各種支援装置がアクセスルート上を走行する過程で調査装置・ 左記の通り。 各種支援装置のケーブル,ワイヤ等がCRD交換レール周辺の狭隘部に挟 複数本同時にガイドすることを想定すること。 まるのを防止するためのガイド機能。 アナログ有線による通信にてPCV外から操作可能であること。 ① アクセスルートであるX-6貫通口内,及びCRD交換レールを走行可能であること。 ② CRD交換レールの任意の位置にて装置保持が可能であること。 ③ ②の状態にてCRD交換レールの幅方向について任意に位置を微調整可能であること。 ― 機能目標 計測器関連,通信関連以外に装置本体に搭載される機能の制御機能。 装置本体の各種機能,計測器関連,通信関連を搭載した状態で アクセスルート上を走行するための走行機能。 ― 機能概要・目的 表1.レール昇降支援装置 主要機能概要・目的 5.設計条件 4 章記載の事業内容に対し以下を設計条件とすること。 5.1 寸法条件,アクセスルート X-6 貫通口寸法を図4に示す。詳細寸法は別途提示する。 X-6ペネ 約φ550 約250 CRD交換レール A 約330 A A-A断面 装置挿入用台車 (必要に応じて使用) X-6ペネ内部のレール 図4.X-6 貫通口寸法情報 5.2 耐環境性能 実証試験装置向けの耐環境性能を表2に示す。なお、試作品については対象外であるが、4 章 の検討過程において試作が必要だと判断した場合は、仕様目標として設定すること。 表2.実証試験用装置 耐環境性能 項 目 仕 様 備 考 耐放射線性(線量率) 100Gy/h以上 - 耐放射線性(集積線量) 1200Gy以上 - 耐熱性能 50℃以上 - 耐水性能 IP68相当 水深:別途提示,時間:12h 耐放性,耐熱性を確認した状態にて 耐水性能を満たすこと。 本仕様は開発前の暫定目標であり、開発過程にて装置全体として、より合理的と判断できる場合は見直す 可能性がある。 本格調査装置の要素試作(レール昇降支援装置) 6 6.実施期間 2014 年 2 月 28 日 7.納入物 (1) 報告書 :各2部 (2) 電子データ(CD-ROM) :1式 8.納入場所 宛先:日立 GE ニュークリア・エナジー株式会社 日立事業所 原子力資材調達部 原子力調達グループ 住所:〒317-0073 茨城県日立市幸町 3-1-1 9.特記事項 9.1 確認事項 (1) 発注者と受注者の間で打合せを行った際には、受注者側で議事録を作成し、発注者及び 受注者双方の署名又は押印を付し、各々1 部保有するものとする。議事録の提出がない場 合は打合せの決定事項は発注者の解釈を有効とする。 (2) 発注者からの文書又は口頭による質問事項に対しては速やかに回答するものとする。回答 は文書によることを原則とするが、急を要する場合には口頭でも良いものとする。ただし、口 頭により回答した場合は一週間以内に必ず文書にて提出するものとする。文書の提出がな い場合は回答に対する発注者の解釈を有効とする。 9.2 知的所有権 納入品またはその使用もしくは販売が第三者の知的所有権を侵害しないものであること。万一、 侵害しているか、その恐れがある場合は、発注者へ速やかに通知するとともに、受注者の責任と負 担において処理・解決すること。 9.3 その他条件 (1) 本件の実施者は、「格納容器内部調査」全体の取りまとめに協力する。 (2) 実施者が海外企業である場合は、日本の代理店を仲介させること。 (3) 本事業は、国からの補助金事業であることから、支払いに当たっての記録を保管する。 (4) 受注者は発注者と緊密な連絡を取りつつ業務を行うこと。 (5) 受注者は、発注者から提示する検討資料、情報を本契約以外の目的で第三者に提供す るときは、予め書面による許可を求め、発注者の承認を得なければならない。 (6) 本仕様に関して疑義が生じた場合は、双方協議の上、発注者が指示するものとする。 以上 本格調査装置の要素試作(レール昇降支援装置) 7
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